IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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十三異界覇王大戦編 第11話

side3人称

 アマゾン掃討作戦が終わった後、陸と悠が戦いの場となった貯水槽の近くに石を積み上げて作った簡単な墓を作っていた。

 

 「気休めにしかならないだろうけど。」(悠)

 「無いよりもまし。こういうのが人間の感性、かな。」(陸)

 

 手を合わせる二人はこの戦いで完全に死んでしまったアマゾン達を思っていた。しばらくそのままでいたが二人は立ち上がり、別の方向を歩き出した。

 

 「じゃ、元気で。」(陸)

 「うん。」(悠)

 

 悠はジャングレイダーに乗り、陸が去る方向とは別に走り出した。

 悠がジャングレイダーを走らせるとその前に人影が現れた。悠はその人影に気付くとジャングレイダーを止めた。

 

 「やっぱり、僕をこの世界に呼んだのは君だったんだ。」(悠)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アマゾン掃討作戦が終わって3日が経過した。

 長野県九郎ヶ岳遺跡。30年前に縄文時代よりも古い時代の出土品が出たということで大々的な調査が行われ、その調査隊全員が謎の死を遂げた曰く付きの場所。そこに、その30年前にその事件を引き起こした存在であり十三異界覇王、純白鏖殺王ン・ダグバ・ゼバがいた。

 

 「フフフ、早く来ないかな。」(ダグバ)

 

 誰かを待っているダグバ。そこにバイクのエンジン音が響いてきた。

 ダグバの前に現れたのはライドローダーに乗っていた颯斗だった。

 

 「お前に挑戦する!!」(颯斗)

 

 ライドローダーから降りた颯斗は声高にダグバに挑戦したのだった。

 

 「ねえ、僕を笑顔にしてよ。」(ダグバ)

 

 ダグバはそのまま颯斗の元へと歩み出す。

 颯斗はマッハドライバーを装着した。

 

 「変身!」(颯斗)

 ≪シグナルバイク!シフトカー!ライダー、ロード!デッドヒート、ハート!≫

 

 颯斗は仮面ライダーロードに変身。そのままダグバへと向かって走り出す。

 両者は距離を詰めるとそのままお互いの右腕を大きく引き、お互いへとそのまま拳を振りぬいた。

 山の静けさに生々しい打撃音と甲高い金属音が響き合った。

 ロードとダグバはお互いに殴り合った拍子に上体をよろめかせる。その直後、その反動を使って返す動きでさらに二撃目のパンチが放たれる。その2回目の打ち合いはロードの方が一瞬速かった。ロードの鉄拳がダグバの顔面に深々と刺さり、ダグバを数歩後ずらせた。そこをロードは地面を滑るように移動し、すかさずダグバの顎に強烈なアッパーカットを放った。

 天空へと上がったダグバの肉体。だが、ダグバは空中で体勢を立て直し、自身が得意とする超自然発火能力でロードの周囲に爆炎を引き起こした。

 ロードを囲むように燃え盛る炎はまるでリングの様にロードの退路を阻んでいた。だが、ロードはそのまま空中にいるダグバを見据える。

 ダグバは空中を階段を降りるようにして地面に着地した。

 炎のリングで両者は睨み合う。そこをダグバはロードに向かって右手をかざした。その瞬間、ロードはいきなり走り出す。その直後、ロードの背後に火柱が上がる。さらにロードの目の前に幾本もの火柱が上がり、ロードの前方をふさぐ。

 ダグバから見てロードは火柱に飲まれたように見えた。だが、その炎を振り払ってロードがダグバに飛び掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「良いか。ダグバとやるなら一切手を抜くな。」(バベル)

 

 3日前、颯斗がザギバスゲゲル挑戦を決めたその日である。

 バベルが颯斗に話していた。

 

 「あいつは子どもがおもちゃを壊すように相手を壊していく。そんな奴に最初から手加減は必要ない。それと出来る限りあいつと戦う時は距離を詰めてろ。」(バベル)

 「どうして?」(颯斗)

 「あいつは自分の意思でありとあらゆるものを発火させることが出来る。それこそ、距離が離れていようが関係ない。だが、奴に発火能力を使う隙を与えるな。とにかく、あいつとやり合うなら殴り合いに持ち込め。」(バベル)

 「殴り合いなら大得意。」(颯斗)

 

 バベルは一つ一つダグバと戦う時の注意点を颯斗に話していく。グロンギの中でも規格外の存在のダグバだが実際の処はその立ち振る舞いに必ず付け入る隙がある。それをものにする為にバベルはグロンギではない颯斗に惜しみなく自分の知っていることを話していく。

 

 「それなら気を付けることはあと一つだ。」(バベル)

 「何、それ。」(颯斗)

 「余計な攻撃は全て避けろ。」(バベル)

 

 そう言うとバベルは本来の姿のバイソンの怪人の姿となる。

 

 「たぶん、お前はちゃんとした戦い方を習って来たわけじゃないだろ。あの御仁の教え方は基本を徹底したものだが今回はそれじゃあ間に合わない。とにかく、体に相手の攻撃を躱す動きを覚え込ませろ。」(バベル)

 

 それを聞いた颯斗は何がなんなのか分からなかったがバベルが両手を両頬の前に構える。

 

 「良いか、最初は俺のパンチをよける練習からだ。最初は大きくても良いが見切れるようになってからは躱す動きをどんどん小さくしろ。」(バベル)

 「う、、、うす。」(颯斗)

 「よし、行くぞ。」(バベル)

 

 その3日間で颯斗はガドラに言われた打ち込みの他にバベルとジャーザにも特訓を付けてもらうようになった。たった3日間だったが颯斗は驚異的なスピードで教わった技術を吸収していった。その成果はこの戦いではっきりと出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はあああああああああ!!」(ロード)

 

 爆炎の中から飛び出してきたロードはダグバに対して激しいラッシュをかけていく。重く鋭い一撃が幾度も幾度もダグバの肉体に激しく放たれていく。ロードの鉄拳がダグバの肉体に当たるたびに火花が散る。

 

 「フフフ。」(ダグバ)

 

 並大抵の相手であればそのラッシュだけで既に撃破できている。だが、ロードの眼前でロードの鉄拳を受けているダグバは全くそれを防ごうとはせずにただ受けていた。それだけではなくダグバは何とロードの攻撃を受けて笑っていたのだ。

 

 「ああ、もう!笑うな!!」(ロード)

 ≪急に!デッドヒート、ハート!≫

 

 ロードはシフトアップを行い、背中のエンジン部分から高熱の蒸気を排出する。ロードの全身に熱が行き渡るとロードは高熱を帯びた右の拳でダグバの顔面を強く殴りつけた。当たると同時にダグバの顔面に強烈な爆発が起きて、ダグバの頭部が吹き飛んだ。すかさず追撃をしようとしたロード。だが、頭を吹き飛ばされたダグバの身体はそのままロードを蹴り飛ばした。

 蹴られたロードは自分から後ろへ跳び、ダグバの蹴りの衝撃を殺して距離をとった。そこでロードが見ている前でダグバの首から吹き飛んで焼失した頭部が瞬く間に再生していった。それだけではなく最初に与えた胸部の傷も完全に回復したのだった。

 

 「ああ、頭が吹き飛んだのに再生するって。トカゲのしっぽじゃないんだよ。」(ロード)

 「颯斗。このまま殴り合ってもキリがないぞ。」(ハート)

 「デッドゾーンを使うにしても倒しきれないよ。」(ロード)

 

 ハートと話すロードにダグバがいきなり距離を詰めてきた。それも数メートルほど離れていたのがほんの一瞬で鼻の先まで触れれる距離まで近づいたのだ。

 

 「っ!」(ロード)

 「フフフ、アハハ!」(ダグバ)

 

 ダグバは笑いながらロードを殴りつけた。それも炎を纏った拳で何度も何度もロードを殴っていく。

 何発か受けてしまったロード。だが、ダグバがひときわ大きく振りかぶったその瞬間を逃さずに左の強烈なリバーブローを放った。ダグバの攻撃が止まったその瞬間にロードはマッハドライバーを操作した。

 

 ≪ヒッサーツ!フルスロットル!デッドヒート、ハート!≫

 

 背中のエンジンが激しく駆動し、ロードの右腕に高熱が満ちる。そのまま、ロードの必殺技であるデッドヒートパニッシュがダグバの顔面に炸裂した。それでもなお、立ち上がるダグバ。爆炎で黒く焦げた顔面もすぐに治ってしまう。

 

 「フフフ。」(ダグバ)

 

 ダグバが右手をロードにかざすとロードの全身が突然爆炎に包まれた。

 

 「うっ!」(ロード)

 

 とっさにガードをしたがそもそもダグバの発火能力は物質を構成する原子を激しく動かすことでその物体そのものの温度を急激に上昇させて発火させるものである。ガードをしたところで防げるものではない。

 

 「颯斗!俺たち自身が燃えているんだ!何とか火を止めないと死ぬぞ!!」(ハート)

 「そうは言っても!!」(颯斗)

 

 打つ手が無くなったと思われたその時、どこから緑色の光と青色の光が飛んで来てロードのマッハドライバーのシフトカーホルダーに止まった。

 

 「ハート、颯斗!大丈夫ですか!?」(ブレン)

 「どこへ行っていると思ったがかなり危ないようだな。」(フリーズ)

 

 ここまでロードとハートを探していたブレンとフリーズだった。

 

 「フリーズ!ハートと交代して!この火を消さないと!!」(ロード)

 「ふむ、分かった。」(フリーズ)

 

 ロードの要請にマッハドライバーにセットされていたハートがホルダーへと向かい、その代わりにフリーズがマッハドライバーに収まった。

 

 ≪シグナルバイク!シフトカー!ライダー、ロード!フォーミュラ、フリーズ!≫

 

 ロードは真紅の機械鬼のタイプデッドヒートハートから青氷の幽鬼であるタイプフォーミュラフリーズへと姿を変えた。ロードはフリーズの力である冷気を操る能力で自身から燃え上がる爆炎を消し止めた。このまま、単純に殴り合ってもらちが明かないことに気付いたロードは即座にマッハドライバーを操作した。

 

 ≪ヒッサーツ!フルスロットル!フォーミュラ、フリーズ!≫

 

 ロードは全身から冷気を放出し、そのまま高速でダグバの周りを走り出す。それによって周囲の環境を極寒の銀世界へと変えるロード。

 ロードの放つ冷気はダグバをも凍らせていく。

 

 「いっっっっっけえええええええええ!!」(ロード)

 

 ロードは天に向かって伸びる氷のジャンプ台から大きくジャンプする。そのまま冷気を放出するライダーキック=フォーミュラフロストをダグバに浴びせる。

 フォーミュラフロストを受けたダグバのいたところに巨大な氷の柱が出来上がっていた。

 

 「はあ、はあ、やった?」(ロード)

 

 そう言って振り向いたロード。その眼前にはピシッピシッという音と共にひび割れていく氷の柱があった。

 

 「ああ、ダメ?」(ロード)

 

 その次の瞬間、氷の柱は内側から爆ぜて崩れていった。そこにはなんと無傷の姿のダグバが居たのだ。ダグバの周りに曠劫と燃え盛る炎が立ち上がり、氷を溶かして水から水蒸気へと変えていく。

 

 「なんかフリーズの力と相性が良くないみたい。」(ロード)

 「バカな。絶対零度の氷を解かすなんて。」(フリーズ)

 「ブレン、何か分かったのか。」(ハート)

 「彼自身が燃えているのではないようです。分析したところ氷そのものが燃えたとしか言えないです。」(ブレン)

 

 ブレンの言ったことにロードもフリーズも何のことか理解できなかった。ロードはその力がバベルが話した発火能力だと気づいたもののそのトリックについては全く考え着かなかった。

 

 「フフフ、アハハ。アハハハハハ!!」(ダグバ)

 

 急に笑い出すダグバ。その次の瞬間にはダグバを中心として戦いの場となっている九郎ヶ岳遺跡の全域が文字通り燃えたのだ。それもただ燃えたのではなく激しい爆発を引き起こしてその周囲も吹き飛ばして燃えたのだ。

 

 「っ!痛!」(颯斗)

 

 その燃え盛る爆心地に変身が解除された颯斗が横たわっていた。

 

 「颯斗!無事か!?」(ハート)

 「何とか...ゴホッゴホッ!」(颯斗)

 「颯斗。再度変身してください!このままでは一酸化炭素中毒になってしまいます!」(ブレン)

 「う、うん。」(颯斗)

 「まさか、これほどとは。」(フリーズ)

 

 颯斗の身を案じるハートとブレン。ブレンの勧めに颯斗は再度変身の準備をする。一方のフリーズはダグバが引き起こした惨状を見て驚愕を禁じえなかった。そして、揺らめく炎の向こう側からダグバが歩いてきた。

 

 「フフフ。君、面白いね。そんなに脆いのに僕と遊べるなんて。ずっと前に僕にザギバスゲゲルを挑んだ時はすごくうれしかったよ、また、君と遊べるなんて。ねえ、僕をもっと笑顔にしてよ。」(ダグバ)

 

 ダグバは颯斗に話しかける。それもかつて自分と戦った相手であるガミオだと思って。

 ダグバの言葉に颯斗は否定することはしなかった。自分とは全く相容れない存在、その精神性の異質さからとっくに颯斗の中でダグバは倒すべき相手である。そして、その相手が自分のことを、かつて殺した相手であるということを勘違いしているのも大したことは無かった。

 

 「良いよ。リベンジマッチのつもりで来たんだ。今度はお前を倒す。」(颯斗)

 

 だから、颯斗はガミオを演じて、颯斗のままで、仮面ライダーロードとしてダグバを倒すことを決意する。そして、それは颯斗一人でやるのではない。

 

 「ハート、ブレン、フリーズ、行くよ。」(颯斗)

 「ああ。」(ハート)

 「はい。」(ブレン)

 「ふむ。」(フリーズ)

 

 ハート、ブレン、フリーズ。グローバルフリーズを引き起こし、人間に反乱を起こした機械生命体ロイミュードの最初の3体。彼らは人間を理解した彼らは今度はたった一人の少年と共に戦うのだ。

 

 「変身!!」(颯斗)

 ≪シグナルバイク!シフトカー!ライダー、ロード!デッドヒート、ハート!≫

 

 颯斗は仮面ライダーグレートロードタイプデッドヒートに変身する。

 ロードは両手の拳を握りしめてファイティングポーズをとるとダグバに向かって一指し指を向けた。

 

 「デッドゾーンの向こう側まで付き合えよ!!」(ロード)

 

 それを見て歓喜するかのように両手を広げるダグバ。そこからダグバは両手に炎を纏わせて地面に叩きつける。

 地面から次々と火柱が上がる。それを見ながらもロードはダグバに向かった走り出した。

 

 「うおおおおお!!」(ロード)

 

 ダグバに近づいたロードはそのままダグバにパンチを放っていく。それに対して反撃の攻撃を始めるダグバだがその攻撃をロードは全て防ぎ、躱し、その隙を強烈なパンチでダメージを与えていく。だが、果敢に向かって行くロードだがダグバに与えるダメージも時間が経てば完全に回復してしまう。

 

 「颯斗!このままではキリがないぞ!」(ハート)

 「でも、やらないと!!」(ロード)

 

 ダグバを完全に倒すには今のままの戦法ではいけない。それはロードも分かっているのだが一向に打開策が見つからない。

 

 「いっそのこと、奴を一瞬で倒せるのであれば。」(ブレン)

 「そんな方法、無いで...しょ?」(ロード)

 

 ブレンの言葉にロードの脳裏にある風景がよぎった。

 

 「もしかすると、行けるかも!」(ロード)

 「何がいけるんだ。」(ハート)

 「あいつを倒す方法が見つかった!!」(ロード)

 「一体、何を思いついたのですか?」(ブレン)

 「109と最初に戦った時に使ったリミッター解除、あれならきっと。」(ロード)

 「正気か、颯斗!?」(ハート)

 

 ロードがダグバを倒せる策として言葉にしたのはかつて自身が感情のままに使った危険すぎる力だった。

 デッドゾーンオーバーヒート、自身をも焼き尽くす最悪の力。ダグバを倒すことが出来るロードにとっての唯一の方法である。

 

 「危険すぎます!たださえ、強力なハートの力を、それをよりによって熱暴走させるなんて!」(ブレン)

 「颯斗!それでは颯斗の身が危ない!」(ハート)

 

 ハートとブレンはロードのその策に真っ向から反対する。だが、ただ一人フリーズだけは静かに聞いていた。

 

 「何か、勝算があるのだな。」(フリーズ)

 「ん。」(ロード)

 「でなければ言わないだろう。」(フリーズ)

 

 フリーズがロードに問い掛ける。それに対してロードも答えをしっかりと持っていた。

 

 「当然。前と同じように僕一人だけじゃあ前と同じになっちゃう。だから、ハートとブレンとフリーズの力も必要なんだ。」(ロード)

 

 ロードの言葉を聞いたハートとブレンがそれが単なる思い付きではないということを察した。だから、

 

 「それでどうすれば良い。」(ハート)

 

 ロードにそう問いかけたのだ。

 

 「ハート、デッドゾーンの上限のリミッターを解除して。ブレンはデッドゾーンの間の温度の上昇をチェックしてハートとフリーズにデータを渡して。フリーズは僕の生命維持のための温度維持、でも、ハートの熱を冷めないレベルで。」(ロード)

 

 ロードの指示を聞いてハートたちはそれぞれに実行した。それと同時にロードもマッハドライバー上部のボタンであるブーストイグナイターを何度も連打する。

 

 「?」(ダグバ)

 

 ダグバはロードがしていることが何なのか理解できないようだった。

 

 「分かんないよね。僕も普段ならこんな手を使うことは無いんだけど。改めて言うけど、デッドゾーンの向こう側まで付き合えよ。」(ロード)

 ≪急に!デッドヒート、ハート!デッッッッドゾーーーーン!オーーーーーーバーーーーーヒーーーーーート!!≫

 「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」(ロード)

 

 その次の瞬間、ロードの体が赤から青、青から白へと輝きだした。それと同時に全身から強烈な熱が発せられるようになった。これこそがロードタイプデッドヒートハートの最強能力、デッドゾーンオーバーヒートである。

 

 「へえ、面白いね。」(ダグバ)

 

 そう言ったダグバだがロードのデッドゾーンデッドヒートの影響がその肉体に現れ始めていた。それに気づかずにダグバは変わらずにロードに殴り掛かった。

 

 ジュオオオオオオオオオオオオ!!

 

 ダグバがロードに殴り掛かったその瞬間、なんとダグバの右腕が一瞬で蒸発したのだ。

 

 「ん?」(ダグバ)

 

 一瞬で消失した自身の右腕を見るダグバ。その声音は完全に何が起きたのは理解できていなかった。

 

 「君の力はどう言う原理かは知らないけど、焼いた端から全て燃やし尽くせば再生も能力も使えないよね。」(ロード)

 

 ロードが考え着いた策、それは全ての攻撃を受けても完全に再生するダグバをその攻撃で再生する前にその肉体を全て燃やし尽くすというものである。そして、今のロードはそれが簡単に出来るのだ。自らの肉体を覆うその鎧を天で輝く太陽そのものへと変えたロードはすでに近づくだけでダグバを消滅させることが出来るのだ。

 

 「颯斗。1秒ごとにアーマー表面の温度が急上昇しています。早めに決着を!!」(ブレン)

 「むう、私の冷却能力でも持ってあと30秒だ。これ以上は保証は出来ない。」(フリーズ)

 「颯斗!一気に決めるぞ!!」(ハート)

 「うん!!」(ロード)

 

 ロードのシステム内でブレンが30秒のカウントダウンを始めた。フリーズは冷却能力を全開にして、ハートはその力を発揮しながらロード=颯斗と心を重ねていた。

 ロードの光熱の拳がダグバの左腕を蒸発させる。さらに、追撃の拳はダグバの顔を半分消し飛ばしたのだ。

 

 「これで、終わりだ!!」(ロード)

 ≪ヒッサーツ!フルスロットル!デッドヒート、ハート!≫

 

 強く握りしめた右手は太陽そのものに。光り輝き全てを瞬時に焼き尽くすデッドヒートパニッシュがダグバの胸に突き刺さる。

 

 「ハハハハハ!!僕が、死ぬ!アハハハハハ!!」(ダグバ)

 

 そのまま、爆発と共にその肉体を蒸発、消滅させたダグバ。それと同時にハートとブレンがデッドゾーンを強制停止させた。そこからフリーズが冷却能力を全開にしてロードの体を急速に冷やしていく。

 

 「っ、っ、っ、勝った。」(ロード)

 

 その場に膝をついて小さくガッツポーズをするロード。

 

 「皆、ありがとう。」(ロード)

 「正直、あまりにも無謀でしたが何とかなりましたね。」(ブレン)

 「颯斗。二度とこんなことをするなんて言うな。命がいくらあっても足りないだろ。」(ハート)

 「それは私も同感だ。冷やしていくそばでどんどん温度が上がってはどうしようもない。」(フリーズ)

 「ああ...だめ?」(ロード)

 「「「ダメに決まっている。」」」

 「だよね。」(ロード)

 

 しばらくロードは完全に身体が冷えるまでその場で膝をついたままだった。かくして、十三異界覇王のなかで3体の覇王が倒されたのだった。




 次回、夏の暑さが近づく中でIS学園で行われる異種格闘技!

 「お前を殺せば、ダグバを殺したことになる。」
 「じゃあ、僕が勝ったら僕のお願いを聞いてよ。」

 ロード対ガドル。人間とグロンギは決して相容れないのか。そして、新たに現れた十三異界覇王とその眷属。

 「これより、ガギジョンゲゲルを行う。」
 「辞めろおおおおお!!」

 アギトたちと邂逅する炎竜。悪しきアギトたちのおぞましき饗宴が始まる。
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