長野県にある九郎ヶ岳遺跡で十三異界覇王の一人である純白鏖殺王ン・ダグバ・ゼバと颯斗=仮面ライダーロードとの戦いが始まった。尋常ではない再生能力、自然発火能力などの強力な力を持つダグバに苦戦するロード。起死回生の一手としてかつて使ったオーバーヒートの力を使う。ハート、ブレン、フリーズの協力の元でかつては暴走させるままだったその力を短い時間ながらも制御してダグバを撃破した。
side3人称
ダグバが倒れ、夏の暑さが近づいてきたある日。IS学園の第1アリーナに颯斗とガドルの姿があった。
「それでルールは?」(颯斗)
「リント流でも構わない。だが、どちらかが死ぬまで続ける。」(ガドル)
「生殺与奪を握った方が勝ち、かな。」(颯斗)
「まあ、それでも構わない。」(ガドル)
アリーナ中央で話す颯斗とガドル。それを見守るのは大樹、一夏、マドカ、簪、本音、楯無、千冬。さらに、バベル、ジャーザもその場に居た。
「お前を殺せばダグバを殺したことになる。それをまさか承諾するとはな。」(ガドル)
「うん。でも、僕は殺されるつもりなんて全くないけど。」(颯斗)
至って自然体な颯斗に殺気が漲るガドル。これより二人はゲゲルを行うのだ。
「では、行くぞ。」(ガドル)
そう言って本来の姿であるカブトムシの怪人の姿となったガドル。それに対して颯斗はマッハドライバーを腰に装着した。
「変身!」(颯斗)
≪シグナルバイク!シフトカー!ライダー、ロード!デッドヒート、ハート!≫
颯斗も仮面ライダーロードへ変身した。
両者はアリーナ中央でにらみ合いながら静かにその戦いを始めた。
「俺は破壊のカリスマ、ゴ・ガドル・バだ。」(ガドル)
そう言ったガドルは両目と装飾の宝玉を紫色へと変え、装飾品を大剣へと変え、ロードに向かってゆっくりと歩みを進めていく。
「僕は仮面ライダーロード。デッドゾーンの向こう側まで付き合え!」(ロード)
ロードはそのまま走り出し、ガドルに向かって拳を突き出した。
ガドルはロードのパンチを大剣の腹で受け止める。そこを、足払いを掛けてロードの体勢を崩そうとする。ロードはそのまま空中へと飛び上がり、一回転してガドルの背後へと降り立つ。
自身の背後にロードが移動したことに気付いたガドルはすぐさま大剣を横なぎに振るい、ロードの肉体を切り裂こうとした。それをロードは左腕のアーマーで受け流したのだ。この世に存在するものを全て切り裂くであろうその大剣をロードは決して焦ることなくまるで飛んできた葉っぱを払うかのようにいなしたのだ。そこからロードはガドルの顎に鋭く重たい右フックを放つ。ガドルの顔は吹っ飛び、後ろへ数歩後退りをした。
「動きが変わったな。」(ガドル)
「先生の教え方が良いから。」(ロード)
ガドルはロードの技量が明らかに向上していることに気付いた。そして、このアリーナに来ている同胞のバベルとジャーザに視線を写したロードを見て、ロードの言う先生が誰なのかに気付いた。
「なる程な。まあ、関係ないがな。」(ガドル)
そう言うとガドルは両目と宝玉の色を紫から緑へと変化させた。それに伴い大剣もボウガンへ変形した。ガドルはボウガンの銃口をロードへと向ける。そのまま引き金を引き、軽自動車もスクラップに出来る圧縮空気弾を次々と連射していく。
ロードはそのまま右へ走り出して空気弾を避けていく。
ロードの動きを追ってガドルは銃口を向けて空気弾を連射していく。
空気弾がアリーナの地面に着弾して、土煙を吹き上げていく。ロードはガドルの周りを円を描くように走り、そのまま土煙の中へと姿をくらませた。
「なる程、こうして視界を奪って奇襲をする気か。」(ガドル)
ガドルはロードの目的が奇襲と考え、そのまま今の形態である射撃体の特性の鋭敏な五感でどの方向にロードが居るのかを探った。だが、ガドルの予想を裏切り、ガドルの足元がいきなり陥没した。
「何!?」(ガドル)
「フン!!」(ロード)
地面に沈み込んだガドルにロードの剛腕から放たれた渾身のストレートパンチが直撃した。そのまま空中へと打ち上げられたガドル。そこへ、ロードは自身も飛び出してガドルに追撃のラッシュをかけていく。
「ぐっ。」(ガドル)
「隙あり!!」(ロード)
≪ヒッサーツ!フルスロットル!デッドヒート、ハート!!≫
ロードの右腕が高熱を帯びて赤く輝き始めた。文字通り燃える拳でロードはガドルを殴りつける。その一撃は強力でなんとガドルの大剣を半ばから折ったのだ。
ガドルは半ばから折れた大剣に視線を落とす。それからロードの方へと視線を向けた。
「ダグバ相手に使うつもりだった奥の手を使うか。」(ガドル)
ガドルはそう言うと全身に力を漲らせる。すると、全身から電気が走りガドルの全身が金色を帯びた。
「これはダグバを相手に使うつもりだった。あのダグバを倒したお前に使っても卑怯ではないだろ。」(ガドル)
そう言うガドルは自身が帯びていた電気を折れている大剣へと走らせる。すると、半ばまで折れていた大剣は折れる前よりも大型になり強化されて復元した。
「あれって。」(ロード)
「俺達の超進化に似ているな。だが、あれは俺の様に熱を帯びているわけではないな。」(ハート)
ロードもハートもそれがただの強化には見えなかった。ロードはまだハートと出会ったころに聞いた超進化について思い出してた。
「なら、仕切り直しとしようか!!」(ガドル)
そう言うとガドルはいきなりロードも反応するのに苦労するほどのスピードで距離を詰めてきたのだ。
「えっ!?」(ロード)
「ふん!!」(ガドル)
そこからガドルは尋常ではないスピードで大剣を振り下ろした。それをロードは左腕のアーマーで受け止めるのではなく受け流すことで対処した。だが、
バリメキメキバキ!
受け流すはずがそのままロードの左腕のアーマーを破壊してしまった。
「痛った!!」(ロード)
「颯斗!!」(ハート)
ロードは左腕を抑え、ガドルから距離を取った。
「これはお前たちリントが使っている雷を使った力だ。ダグバ相手に奥の手としていたがお前に使っても卑怯ではあるまい。」(ガドル)
そう言ってガドルは強化された大剣を何度も何度も振るう。ロードはガドルの大剣の一撃が一切触れてはいけないものだと理解してからは何とかは躱していく。
「とどめだ。」(ガドル)
ガドルは全身から金色の電気を漲らせる。ロードはそれがガドルの本気の一撃を放つ気だということに即座に気付いた。
「っ!」(ロード)
ロードが慄くなかでガドルは全身から迸る電気をより激しくしていく。その中でガドルはロードに向かって走り出し、助走から跳び上がり空中でひねりを加えたドロップキックを放った。ただのドロップキックではなく、ひねりが加えられた瞬間からガドルの体は高速で回転しはじめる。そこでロードはマッハドライバーを操作して必殺技のデッドヒートパニッシュを何とかガドルの攻撃に合わせる形で繰り出した。
アリーナの中央で激しい音が鳴り響いた。そこには変身が解除されて地面に転がる颯斗に見下ろすガドルが居た。
「これで終わりだ。」(ガドル)
ガドルはそう言って大剣を持って颯斗の近くに歩き出した。だが、その次の瞬間にはガドルの肉体からは黄金の輝きは失われ、さらには人間としての姿まで戻ってしまった。
「何!?」(ガドル)
何が起きたのか分からないガドル。そこを颯斗は立ち上がり、そのままガドルに向かって走りだした。
「どっせい!!」(颯斗)
驚いているガドルに颯斗は走り込んでドロップキックをかました。それだけではなく、どんどん颯斗はガドルに対して強引にパンチをしていくなど変身が解除されてなお止まらなかった。
「調子に乗るな!!」(ガドル)
そこをガドルが颯斗の顔面に強烈なパンチを打ち込んだ。それで颯斗が倒れるかに見えたが、
「ふん!!」(颯斗)
そこからなんと颯斗はガドルの顔面に頭突きをかましたのだった。
「痛った~。」(颯斗)
颯斗は折れた鼻から流れる血を拭っては後ずさるガドルを睨む。
「やるな、ガミオ。」(ガドル)
その姿にかつての盟友の名を口にしたガドル。
「僕は、ガミオじゃない!!」(颯斗)
その中で颯斗が怒気を滲ませてガドルを殴った。
「僕は!留芽!颯斗!だ!!あんたらの!ガミオじゃあ、ない!!」(颯斗)
一発殴るごとにそう言う颯斗。だが、言いたいことはこれだけに留まらなかった。
「あんたたち、皆!ガミオって呼ぶとき!なんで!そんな!悲しい目をしてんのさ!!そんなに!悲しいなら!ちゃんと!本人に言え!!」(颯斗)
いくら瓜二つとは言え全くの別人の名前で呼ばれるのは颯斗もいい気はしない。その中でグロンギたちがガミオについてのことを話している時の雰囲気が余計に颯斗を苛立たせていた。
「そんなに!大事な人だったら!いつまでも!悲しむな!!」(颯斗)
死んだことは悲しいこと、それは颯斗自身も分からないでない。だが、いつまでも悲しみに暮れるのは違うのだ。
「うるさい、若造が!!」(ガドル)
そこに言葉と共に颯斗に飛んで来たのはまたも顔面にきれいに入った拳である。
「ゴの頂点である俺が悲しんでいるだと?ふざけるな!!あいつは、ガミオはいつも俺の行く先を軽々と超えていった。その気になればザギバスゲゲルも容易く突破出来ただろう。だが、あいつは一度も本気を出さなかった!!一度もだ!あろうことかあいつはゲゲルを放棄したんだ!!」
そこにガドルが自分の思いのたけをやっと言葉にした。
「いつも覇気のない顔をして、その癖にやる気になればあのガドラを思わせる顔になったかと思えば、山で阿呆な面をさらしている、その癖にいつもいつも俺の先をいつの間にか行っているあんな奴を!俺が悲しむだと!違う!あのダグバに臆せずに立ち向かったあいつに!ガミオに俺は勝たなければならないんだ!!だが、あいつは死んだ!あいつに勝つにはダグバに勝たなけれなならない、それを、それを今度はお前が越しやがった!負けっぱなしのままじゃあ、終われないんだよ!」(ガドル)
ガドルから出たのはガミオに対する劣等感の表れだった。
「だらっしゃあああ!!」(颯斗)
ガドルの言葉に答えた颯斗。その答えはあろうことか普段から作業用に使っているスパナだった。それを普通なら絶対にしない鈍器としてガドルの頭部に当てたのだった。それを見て表情をこわばらせたのがアリーナで見守っている大樹たちだった。これには普段は温和な颯斗がそんなことをしたことで全員が一瞬思考を停止させたのだ。
「ふん!ふん!」(颯斗)
工具類を凶器として使い始めた颯斗。その光景にやっと普段からよく二人でいる大樹が動き始めた。
「いやいやいや、颯斗!ストップ!ストーーーーップ!!」(大樹)
大樹に連れられ他のメンバーも颯斗を止めに入る。
「このクソガキ!!」(ガドル)
ガドルは変わらずに拳で殴る。この戦いがどうもただのケンカじみたものへと変わり、さらにはかなりの暴力性が出てきたことで流石に見ていた面々がやっと止めた。
「今回はここで終いだ。ハヤトをなんとか落ち着かせてくれ。」(バベル)
「分かりました。それで続きは?」(大樹)
「ああ、辞めで良いだろう。こっちはこっちで頭目の意見を聞かねえとな。」(バベル)
「離せ!バベル!ジャーザ!あのクソガキ!起きてこれないようにしてやる!!」(ガドル)
「はいはい、一回頭を冷やすわよ。」(ジャーザ)
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」(颯斗)
「おい、颯斗!辞めろ!!」(一夏)
「落ち着け!落ち着け!!」(大樹)
そんなこんなでこの戦いは終わったのだ。
「なんだよ、ずっとガミオのことをそう思ってたのか?」(バベル)
「うるさい!!」(ガドル)
「はあ、まあそう思ってもおかしくないけどね。」(ジャーザ)
ガドルらは3人で自分たちの居を構えている場所へ向かっていた。
「まったく、あのガキ。顔がガミオに似てやがるだけならまだしも同じようなことをほざきやがって。」(ガドル)
「ああ、あれまんまガミオだったな。」(バベル)
「確かに。」(ジャーザ)
ガドルが颯斗とのゲゲルを行うと聞いた時に一瞬は「は?」と思ったバベルとジャーザだがこうやって話すとそう言うことだったのかと笑っていた。彼ら3人はガミオと同い年のグロンギであり、ガミオに対しての感情は三者三様である。だが、今の彼らの表情はどこか晴れやかだった。
「なんか不思議な奴だったな、ハヤト。」(バベル)
「そうね、ガミオにそっくりで同じ感じなのにどこか違っていてね。」(ジャーザ)
「むかつくところはどちらも全く変わらんがな。」(ガドル)
3人ともどこか心の中にあるつっかえが取れたようであった。そうやって話しながら彼らは他のゴのグロンギたちが待っている拠点へ着いたのだ。だが、彼らの明るい表情はそこまでだった。拠点の方から尋常ではない気配を察して本来の姿である怪人の姿となった。
ガドルは装飾品を錫杖へと、バイソンの怪人に変身したバベルはその体躯をより強靭なものへ変えて刺の付いたハンマーを構える。ジャーザはサメの怪人となり鋭い銛を構える。
「行くぞ。」(ガドル)
ガドルのその声を合図にバベルたちは拠点の中へ入った。彼らが入ると、そこには...。
ガドルたちが拠点へ戻ったのと同時に颯斗を何とか落ち着かせた大樹に電話がかかって来た。
「ん?」(大樹)
そこには普段はあまり電話をかけてこない秋人の名前が通知されていた。
「どうしたの?」(マドカ)
それを見るマドカ。二人には秋人がなぜ電話を掛けてきたのか、その理由が見当も着かなかった。
「はい。」(大樹)
「大樹かい。あの、玲人さんたちが使っていた別荘に行く用事があるんだけど。」(秋人)
別荘、それに大樹はこの世界での戦いを始まりを思い出す。そこにどうして秋人が?そんな疑問を感じながら大樹は秋人と会話を続ける。
「うん。鍵は小母さんに渡してるから大丈夫だけど、どうしたの?」(大樹)
「実は急用ですぐに取りに行かないといけない物があるんだ。」(秋人)
「どんな奴?あそこ、研究用の機械がほとんどだったけど。」(大樹)
「大型の銀一色のバイクと青色の手形のようなバックル。見たことあるかい?」(秋人)
秋人から聞いたものを思い浮かべるもののそんなのってあったっけと頭の上に疑問符を浮かべる大樹。
「ない、かな。正直、あの時は戦極ドライバーとロックシードを探していたからそんなのがあるなんて思わなかったから。」(大樹)
「うん、分かった。今日はこのまま別荘の方へ行くから自分で探すよ。」(秋人)
「ああ、うん。それじゃ。」(大樹)
大樹はそう電話をして通話を切った。
「お父さん、どうしたの?」(マドカ)
「探し物って。銀色の大型バイクと青色の手形みたいなバックルだって。知ってる?」(大樹)
「うんうん。」(マドカ)
「う~ん、死んだ父さんと母さんの遺品かな?でも、そんなのがあった記憶はないんだけどなあ。」(大樹)
秋人が言ったものに心当たりのない大樹。マドカも幼い記憶にそんなものはなかった。
「一度、戻るか。」(大樹)
今回の秋人の電話で大樹は一度戻ることを考える。
「マドカも一緒に戻る?」(大樹)
「うん。それならお姉ちゃんの所へ行って外出許可証を貰おう。」(マドカ)
大樹とマドカは外出許可証を貰うべく職員室へ向かう。千冬のもとで今回の電話のことも話した為にスムーズに外出許可を得た大樹とマドカはその日のうちに学園から家へと戻った。二人は制服から私服へ着替えてIS学園から自分たちが育った町へ戻った。
「この店、あったっけ?」(マドカ)
そんな中で街を歩いている大樹とマドカはある店の前で足を止めた。店名は「レストランアギト」、二人には全く覚えのない店である。
「いや、無かったはず。」(大樹)
大樹はこの店にある既視感を抱いたがそれがなんなのか分からなかった。
「今は閉まっているみたい。」(マドカ)
「まあ、だよな。がっつし休業時間中だし。」(大樹)
大樹とマドカは看板などから営業はしているものの今が休み時間であることを知った。
「また今度にしようか。明日の昼とかに食べに来るのは良さそうだし。」(大樹)
「うん!」(マドカ)
大樹とマドカはそのままその店を後にしようとした。そこで大きな人だかりが集まっているのに気が付いた。その中心にはいたのは細身の今にも折れそうな体をした中性的な風貌をした男だった。その男を見た瞬間に大樹とマドカはどこか肉体がその男を危険な相手として認識していた。
「これからガギションゲゲルを行う。」
男はそう言うと肉体を変化させた。金色の2本角に大きな赤い複眼、肉体は昆虫のような甲殻に覆われ胸部と腕部には金色の甲殻が覆っていた。それだけではなく男の右腕の爪が、人差し指の爪が異様に伸びて鋭くなっていた。そして腰には黄金に輝く宝玉が埋まっており、その周りにはかぎ爪のような金色の装飾が出来ていた。
怪人へと変身した男はそのまま右手を振るい、近くにいた観客の首を一薙ぎした。
「っ、っ!!」(大樹)
そこを大樹がなんとか間に入ってその爪を竜炎刀で受け止めていた。
「皆、逃げて!!」(マドカ)
マドカがそう言ってロックシードを開錠して召喚したブルーライフルを怪人へと引き金を引いた。
街中で突如として起きた戦闘に人々はクモの子を散らすように逃げ始める。
それらを見た怪人は大樹の前から一瞬の姿を消して逃げている人々を次々と斬り裂いていく。
「辞めろおおおおおおおおお!!」(大樹)
≪ドラゴンフルーツアームズ!竜王、オン・バトルフィールド!≫
大樹は仮面ライダー炎竜に変身して怪人に斬りかかる。怪人は炎竜の攻撃を受け止め、さらにはその軽い身のこなしで炎竜から距離を取る。
「君はゲゲルの標的じゃないんだ。」
「お前、無関係な人々を。」(炎竜)
「彼らは僕のゲゲルの標的さ。僕がしているのは彼女たちを天使にすることなんだ。」
「ふざけるな!!」(炎竜)
声に怒りの色を乗せる炎竜。対する怪人の方は自分のやったことになにも罪悪感を感じていなかった。それどころかそれがなぜやってはいけないのかという疑問のものだった。炎竜はそのまま斬りかかるが怪人はその攻撃を躱して次の標的をマドカに決めた。
「マドカ!」(炎竜)
炎竜は走り出すものの怪人がマドカに爪を伸ばす方が速かった。だが、マドカは冷静にブルーライフルを構えて怪人を撃つ。
怪人は走るスピードを少しも落とすことなくその爪をマドカに突き立てようとした。
マドカは戦極ドライバーを取り出すも怪人が近づく方が速く戦極ドライバーをはたき落とされてしまった。
「これで5人目。」
そう言って怪人が爪をマドカに振り下ろした。
「っ!マドカ――――!!」(炎竜)
炎竜が、大樹が最も忌避する最悪の状況がよぎる。
そこで炎竜は信じられないものを見た。
「ハッ!」
生身の男が、年齢は40代ほどか、オレンジ色のジャンパーを着た男が怪人の腹部に強烈なパンチを放ったのだ。男のパンチは怪人をフッ飛ばしたのだ。その様に炎竜も助けられたマドカも驚いていた。だが、二人が驚いたのはそれだけではなく男の腰にある光り輝きながら何かの鼓動のような音を発するベルトだった
「何、君。ゲゲルの標的じゃないけど、邪魔するなr。」
怪人は立ち上がって男に爪を振り下ろしたが男はそれを躱して反撃のパンチを腹部に当てた。さらに男はキックを入れる。その次の瞬間、男はベルトから放たれた光に全身を包まれて一瞬のうちに姿が変わった。怪人と同じ金色の角と赤い複眼だがその姿は怪人の様に昆虫の思わせるものではなく炎竜を、仮面ライダーを思わせる姿になったのだ。
「お前、一体。」
怪人は腹部を抑えて変身した男に問うた。
「俺は津上翔一。料理人でアギト。」(アギト)
彼こそかつては人を創造した神と戦った人類の進化種の一人、仮面ライダーアギトこと津上翔一である。
異世界からやってきた怪人アギトたち。その殺人ゲームを止めるべく大樹とマドカは津上翔一と行動を共にすることに。一方、大樹の両親の別荘を訪れた秋人は目当てのものを見つける。
「久しぶりだね。」
「10年ぶりか。なら、その時が来たってことだな。」