4月、春の息吹がなんとやら、新学期、新入生、新入社員エトセトラエトセトラ。詰まるところ、新生活の始まりである。俺は前世からの呪いなのかまたIS学園に入学することになった、ちくせう。俺は一夏よりも入学の決定が遅かったこともあり、職員室で担任の先生から諸々の説明を受けている。
「ということだ。私たちが把握しているのは入学時期はばらばらだが柏葉と同じようにISを動かした男性が2人居るということだ。それまでは急な変更が起きることも考えられるから、頭に入れておくように。」
「はい。」
「質問はあるか?」
「いえ。」
「なら、行こうか。」
俺と担任の先生は俺の所属するクラスへと行く。
「誰もいないのだから、何か言ったらどうだ?」
「普通、近親者のいるクラスで担任をするのは良くないと思うけど。」
「仕方ないだろ、一夏がISを動かしたのが分かってから色々と忙しかったんだ。それにあいつの精神的疲労を考えての措置だよ。」
「近親者、それも弟と妹が同じクラスでそのクラスの担任が実の姉なんてどこぞのエロゲだよ。」
「文句もそれまでだ。クラスに着いたぞ。」
そう、前世と変わらず、俺の担任は千冬姉ちゃん。クラスメイトは一夏、箒、万夏。これって、ダメだしょ、普通。教育委員会とかに苦情が来るぞ。
「一夏の自己紹介が終わってから入るぞ。」
「はい。」
「織斑一夏です!、、、、、、、、、、以上です!」
クラスの全員がずっこける音がした。
「はあ。」
「入ろう、先生。」
「そうだな。」
俺と千冬姉ちゃんは1年1組の教室に入った。
「山田先生、遅れてすみません。」
「いえ、織斑先生、お疲れ様です。もう、会議は大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です。順番を無視するようですが先に彼の自己紹介をしても?」
「はい!」
「柏葉、皆に自己紹介を。織斑、兄は席へ。」
「ちょっ、千冬姉!」
「織斑先生だ。すぐに席に着く。」
「お、おう。」
「はい、だろ。」ギロ。
「はい!」
千冬姉ちゃんに言われ、一夏が席に着いた。おお、女子の視線が痛い。箒は苦笑しているし、万夏は俺が来た所為か放心状態。さあ、さっさと言うか。
「柏葉大樹です。日本先端宇宙開発技術研究所の専属パイロットを今年の3月からさせてもらっています。趣味は読書、映画鑑賞、ギター演奏です。先程、自己紹介をしていた織斑君とは小学校からの付き合いになります。急なことでまだ戸惑っている部分もありますが入学した以上、勉学にも訓練にも励んでいきたいです。よろしくお願いします。」
そう言って、頭を下げる。
「織斑君と比べると普通?」
「でも、自己紹介は良いかも。人となりが出ているというか。」
「織斑君は惚れるけど、柏葉君は友達どまりかな?」
「オリ×カシかあ、無いわね。」
うん、失礼だな。特に最後の発言、俺はのんけじゃ(# ゚Д゚)。
「柏葉は織斑、妹の後ろの席だな。座って良いぞ。」
「はい。」
「次、織斑妹。」
俺は千冬姉ちゃんが言った席へ行く。俺が近づくのに気づいた万夏に小声で
「緊張しないで、気張らずに。」
と言った。万夏も少し落ち着いたようで頷くなどのジェスチャーをした。
「えと、織斑万夏です。その、、、、、ええと、、、、私、、、その、、、、。」
うん、もともと万夏は人の多い場所が得意でない。さらに人見知りで初対面の相手とはまず話せないから、めちゃくちゃ、テンパっている。目があっちゃこっちゃ動き回っているのがその証拠。
「わ、、、私、、、その、、、、す、、、、、す、、、、、。」
阿寒、いや、それは北海道。いけない方のあかんだ。テンパって爆弾発言をする前兆だ。
「好きな人がいます!」
、、、、、、、、、、、、、、、、、。耳をふさがないと。
「キャー!」
「え、誰?誰!?」
「まさか、いるの?いるの?近くに?近くに!?」
「織斑君と小学校からの付き合いって言ってた彼なの?もしかして、柏葉君!?」
「まさか、柏葉君なの!?そうなの!?」
「千冬様の妹に二人目の男性操縦者のカップル!何それ!?」
うるせえええええええええ(# ゚Д゚)。俺と万夏はそこまで行ってねえよ!近しい友人たちの間じゃあ、万夏が俺のことが好きなのは周知の事実じゃあ!俺でも分かるわ!俺もそうだもん!好きだよ!このクソ可愛いい幼馴染、好きだよ!前世から心火を燃やしてフォーリンラブだよ!付き合いてえよ!結婚を前提にお付き合いを申し込みてえよ、畜生!悲しいかな、それなのに告白も出来ないヘタレなんだぜ、俺。心火、全然、燃やしてねえ。
「静かにしろ!万夏、席に戻れ。次、自己紹介しろ!落ち着け!」
千冬姉ちゃんと山田先生の指示を聞いて、やっと落ち着く。これはこの後が面倒だ。うん、自分の関係で忙しくなるな。一夏のトラブルの後始末なんかやってれるか。てか、やらない。やるつもりなんかない。苦労してろ、唐変木。そんなこんなで自己紹介は終わっていく。まさか、俺の方で騒がしいことが起きるなんてな。自己紹介が終わった後、一夏が俺と話そうとしたけど、俺は万夏と共に先程の発言から質問攻めにあっていた。それで休み時間が終わったよ。恋バナに食らいついた女子高生ほどヤバいのは無い。
そして、授業。今は山田先生が授業を行っている中、千冬姉ちゃんが教室の後ろで見て回っている。周りの人はなんなく、ついて行っている。俺は前世で同じ内容をやっていたことと入学前に束姉ちゃんと正則さんというISの生みの親二人によるISに関する超短期集中講義を受けたことで割とついて行っている。あれは地獄だった、あの2人が地獄の鬼の顔をしていた。
「皆さん、ここまでで分からないところがありますか?」
内容が一段落したため、山田先生が質問の有無を確認する。こうやって知識がしっかり定着した状態で受けると山田先生の授業がすごくわかりやすいことが改めて実感できる。まあ、前世の通りなら一夏はやらかしているだろうな。
「山田先生。」
一夏が恐る恐る手を挙げる。
「どうしましたか、織斑君?」
「全部、分かりません。」
案の定、一夏の奴が問題発言をする。知識が無くても山田先生の授業で分からないは無い。それが全部分からない、あのブリュンヒルデの弟がする発言じゃねえよ。周りの皆の顔をしっかり見ろ、一夏。んな、あほなって顔だぞ。千冬姉ちゃんなんか額に手を当てているよ。
「ええと、織斑くん以外で全て分からない人は、、、、。」
山田先生が恐る恐る聞く。そりゃ、そうだ。自分の授業でやっている内容すべてについていけてないなんて教師としてショックのはずだよ。当然、手は上がらない。
「柏葉君は大丈夫ですか?」
そして、俺へと確認が移る。
「はい、大丈夫です。」
俺の発言に一夏が嘘だろという顔をする。俺がその顔をしたいよ。
「織斑兄、参考書で勉強しているはずだろ。」
千冬姉ちゃんが言う。俺も使った、凶器に使えそうな分厚い本。あれを一通り見れば、半分はついていけるはずだから。
「参考書って?」
この後は一夏が3日で参考書の内容を覚えることが決定した。
「一夏兄さん、あれはない。」
「何人かは舐めているのかって目をしていたよ。」
「いや、本当に分かんなかったんだよ。」
「参考書を捨てるなよ。捨てる時に本の題名の確認くらいしろ。」
「そういう、大樹はどうなんだよ?」
「束姉ちゃんと正則さんによる3日間でISに関するすべての知識完成、地獄の特別超短期集中講座のおかげで問題ねえよ。」
休み時間に、俺、万夏、箒が一夏の先程の授業の様子を注意してた。
「ちょっと、よろしくて。」
俺たちに話しかける金髪碧眼の美少女、セシリア・オルコット。
「どうしたの、セシリア?」
箒は代表候補生なので面識がある。
「箒さん、そちらの織斑一夏に用がございまして。」
「俺?」
「そうです。」
「なぜだ?」
「あなた、舐めていらっしゃるの?」
「はあ?」
要件は分かった。俺は箒に後を任せ、万夏と共にその場を離れようとする。そりゃ、世界的に有名なあのブリュンヒルデの弟があんな体たらくだから、舐めているのかって思うわ。女尊男卑に染まっていなくても、こいつ舐めてんのかって思うわ。
「柏葉さん、なぜ離れようとするのです?」
席をはずそうとした俺に気付いた。
「俺もいるべきかな?」
「あなた、この方とは小学校からの御友人なのでしょう?」
「正確には5歳からの付き合い、面倒だから小学校からの付き合いだって言ってるだけ。」
「少なくとも御友人のあの体たらくはどうなのですか?」
「同意見かな、ここにいるのは俺たちの様に超法規的措置で来ている生徒じゃない。努力してここにいる生徒に対して、こいつのさっきの発言は侮辱と取られても文句は言えない。まして、舐めていると思われても反論しちゃいけないレベルだ。」
「そういうあなたは?」
「俺は企業に所属する時にそこの企業の人が集中的に教えてくれたおかげでついていけている。ここの人たちと比べるとまだ勉強が必要だが。ここにいる以上はISに関することでも努力を怠るのはどういう理由があっても許されることじゃない。そう考えているよ。」
この世界の彼女はどこまで前世と同じかは分からないが、おそらく女尊男卑よりだろう。俺の発言にも口を出したいようだから。
「もうすぐで授業だ。一夏に言いたいことがあれば次の休み時間にでも。」
「ええ、そうしますわ。」
そう言って、セシリアは自分の席へ戻った。
「あの人、ちょっと苦手。」
ここまでのやり取りを見ていた万夏が言った。
「俺もあの人はかなり付き合いにくい部類かな。」
「悪い人じゃないんだけど。」
「なんだよ、あいつ。」
「「「一夏(兄さん)は、まず勉強だ(だよ、よ)。」」」
次の授業は千冬姉ちゃんで開始早々
「授業に入る前に、1組のクラス代表を決める。クラス代表はいうなればクラス委員長だ。別に気負うことはない、この学園ではクラス代表が学年別トーナメントに出場することもあるが、今の1年生の君たちはまだ成長途中だ。負けることも多いがそれにめげることなく努力し続けた欲しい。クラス代表は自他推薦は問わない、推薦されたものは降りることは出来ないからそのつもりで。」
クラス代表の話をした。俺の名前を出ないことを祈りつつ、
「私、織斑君が良いと思います!」
「私も!」
「えっ、俺!?」
次々と、一夏の名が挙がる。
「私は篠ノ之さんを!」
「わたし!?」
次は箒だ。俺の名前はというと
「柏葉君は?」
「う~ん、花が無いじゃない。」
「それに、万夏さんの彼氏だし。」
「そうだよねえ、流石にそれはかわいそうだし。」
自己紹介の一件で万夏の彼氏認定されています。これが俺だけだったら、やり玉にあげられて、前世と同じ末路だった。この状況はひとえに万夏がいるのが大きい。あの、おどおどした様子からクラスメイトからは守ってあげたい系女子に認定されており、俺は特撮オタクがばれ、人畜無害の男子ということと万夏の幼馴染ということでクラスの間だと不可侵領域(恋愛関係等)みたいな扱いになっている。クラスの皆、俺達、まだそんな関係じゃないぞ。
「ほかに誰かいないのか?いないのなら、織斑兄か篠ノ之になるが。」
「ま、待ってください!」
まあ、君はこれに文句があるよな、セシリア。
「どうして、この男の名前が出るのです!篠ノ之さんならまだしも、このやる気も覚悟もない男が!」
「おい、その言い方は、、、。」
「黙ってくださるかしら、あのブリュンヒルデの弟あろうものがあんな体たらくではクラスの士気に関わります。これだから、男は。」
男に対して、良い思いを持っていないのだからさっきのやり取りでの一夏の様子から考えれば我慢ならないよな。
「男がなんでも劣っているように言うな!」
「ISを動かせない時点で劣っているではありませんか!そもそも、開発が遅れている極東の島国のサル同然のあなたがどの口でおっしゃるのですか!」
「そういう、お前の国はメシマズの味覚音痴だろ!」
ああ、他国のけなしあいは辞めろよ。国家代表候補生が他国をバカにするのはダメだろ。それと一夏は少し抑えることを覚えろ。向こうの国の将来の代表相手に失礼だろ。そんな、俺は飛び火を恐れてだんまりを決め込む。
「おい、大樹。大樹からも何か言えよ!」
お前から地雷を投げるなよ。付き合いが長いからって、なんでもかんでも加勢するのは違うだろ。つか、千冬姉ちゃん、見ていないで止めてよ。仕方ない、あまりしゃべりたくはないが何か言わないと収まらないだろう。
「俺から言えるのは二人とも、いったん落ち着くべきだ。オルコットさん、こいつがクラス代表になるのが不満なら君も立候補するべきだ。一夏、さっきの授業の様子からああ言われても仕方がないし、言い分に腹が立ったからと言って、感情的になるな。小言を言うようで申し訳ないけど、オルコットさんは国家代表候補生、一夏は世界初の男性操縦者だ。さっきの二人の言い争いは双方の品位を疑う内容だ。ああいうのは今後控えるべきだと思う。」
俺は千冬姉ちゃんに目配せする。
「私が言うべき内容は全て柏葉が言った通りだ。ここは中学校ではない。高校生である以上、相応の常識を持て。クラス代表の決定に文句あるようなので1週間後に放課後にアリーナを借りて、代表決定戦を行うのを私から提案させてもらう。」
一夏、箒、セシリアの3人による代表決定戦か。まあ、これでこの場は丸く収まるならいいな。
「3人による総当たりも良いが4人によるトーナメント戦を行うのも良いだろう。柏葉がクラス代表決定戦に参加するのに賛成の者は挙手をしろ。」
「ええ!」(;゚Д゚)
「私も賛成です!」
「私も!」
そういうとクラスの半分が手を挙げた。だから、こういう時にまともなことを話すのは嫌なんだよ(# ゚Д゚)。
あの後、俺と一夏に専用機が与えられることが伝えられ、一夏のバカがハンデはいらないと言った。俺は適性がD寄りのCなのでハンデがあっても勝てるかどうか分からない。
授業終わりに
「それと、柏葉は今日の放課後に研究所から専用機が搬入される。フィッティングなどを行うから、ISの格納ドッグへ行くように。実技を行う前にISに関する実技を見るいい機会だ、興味のある生徒も行くように。」
千冬姉ちゃんが言った。そして、放課後。
「はあ、こんなことになるなんて。」
「大ちゃん、勝てるの?」
「正直、仮面ライダーとして戦うのと勝手が違うだろ。この1週間はまず感覚に慣れていくところからやっていくべきだと思う。戦うための動きはその後かな。」
俺と万夏は俺の専用機が搬入されてくるという整備ドッグへと向かっている。全員が来るのかと思ったら、案外、皆、部活などで見れないとのことだった。一夏と箒は1週間後の代表選に向けて特訓に行った。ちなみに鈴もIS学園の入学が決まったのだが諸事情で一度中国に行っている。同行人がいないと思ったらただ一人、
「ダイダイとマドマドについて行く~。」
一組のクラスメイトの布仏本音さんも同行している。
「かんちゃんとはや君を紹介するね~。」
と言って、着いてきたのだ。俺は前世の記憶からかんちゃんが4組のクラス代表で日本の国家代表候補生の一人、更識簪であることが分かっている。どうやら、目的地は同じようなので俺も万夏もあまり気にしていない。
「ほ、本音ちゃんの言う、かんちゃんとはや君で誰なの?」
万夏はのほほんの言った二人が気になっていたようだ。簪はともかく、はや君なる人物は俺も知らないから聞こうと考えていた。
「私の友達~。かんちゃんはねぇ、お嬢様なんだよ。私~、かんちゃんのメイドなの。はや君はすんごい人なんだよ、正義の味方で仮面ライダーなんだよ~。」
俺と万夏はのほほんの言った仮面ライダーと言う単語に反応する。
「仮面ライダーって、、、。」
「ダイダイは知っているの~?」
「知っているっていうか、、、。」
のほほんの言うはや君なる人物は中学生の時から仮面ライダーとして戦っていたらしい。今は戦うことなく、簪の手伝いをしているとのことだ。
「のほほんさんははや君が変身したところを見たことはあるの?」
「あるよ~。」
彼女は俺の問いにそう答えた。俺は純粋にこの世界で戦ってきた新たな仮面ライダーとの邂逅を楽しみにしていた。
「かんちゃん~、はや君~。」
整備ドッグに着くとのほほんは友人二人を見つけたらしく、走りだした。俺の方は当の束姉ちゃんと正則さんがまたまた終わっていなかった仕事の処理をしていたらしく1時間ほど遅れるらしい。その本音の知り合いの仮面ライダーが気になる俺としてありがたい。
「どうしたの?本音?」
作業用の眼鏡型ディスプレイを掛けている簪がのほほんに気づいた。そして、
「簪~、どしたの~?本音、なんでここにいんの?」
油まみれになりながら作業をしていた俺と同い年の少年が出てきた。
「二人に紹介したい人がいるの~。」
「本音さんと同じクラスの柏葉大樹です。一緒にいるのが、。」
「お、織斑、ま、万夏です。」
なぜか、俺の姿を見て鋭い視線を投げかける二人。理由はきっと、二人が出てきたドッグにある。
「君?一人目の男性操縦者って?」
刺のある言い方で彼が言った。
「いや、。」
「大ちゃんじゃない!それは私の双子の兄さん!」
向こうの態度から強く言う万夏。
「マドマドの言うとおりだよ~。どうしたの?はや君?」
「一人目の所為で、簪の専用機の開発がストップしたんだよ、データ収集とかに人員を取られて。」
ここでも、簪の運命は変わんなかったみたいだった。一人目の男性操縦者の話はこの二人としては面白くない話だ。
「ごめんなさい、疑ったりして、、、。」
簪が謝る。それに伴い、彼も頭を下げる。
「いや、大丈夫だよ。こちらこそ、身内に関係したことで迷惑があったみたいですまなかった。」
俺も二人に謝罪の意を表す。
「いやいやいやいや、謝らないで。先に疑ったのは僕の方だよ。」
こうしてみると、彼は仮面ライダーとして戦っていた分にはまともな理由で戦っていたのだと思う。それとそこはかとなく感じる同類(オタク)の気配、彼とはいい関係を築けそうだ。
「自己紹介がまだだった。僕は整備科1年の留芽颯斗。」
「私は4組のクラス代表で日本の国家代表候補生をしています更織簪です。よろしく。」
俺たちはお互いに握手を交わした。
「留芽君は、仮面ライダーなんだよね。」
俺は早速、そのことを聞く。
「ああ、うん、昔、ちょっとね。」
そのことに歯切れが悪くなる。おそらく、少し前の俺と同じで、戦うことに抵抗を感じているのだろう。
「いや、ごめん。本音さんが言ってたもんだから、つい。」
「良いの良いの。本音がそのことを話したのは柏葉君と織斑さんが話しても大丈夫だって分かったんじゃないのかな。本音、そういう僕たちの間の隠し事については口が堅いから。」
俺たちは簪の専用機、打鉄弐式が未完成のその機体を鎮座させているドッグで話すことにした。万夏は簪、本音と共に話している。やはり、お互いにすごい姉がいると共感するものがあるのだろう。あの人見知りの激しい万夏が簪と早い段階で打ち解けている。
「ねえ、織斑さんと柏葉君ってどういう関係?」
「下の名前で良いよ、皆親しい人は大樹っていうし、万夏の方も名前で呼んで。」
「分かった、僕も名前で呼んでよ。」
「分かった、颯斗。」
「よろしく、大樹。ええと、大樹と万夏さんて?」
「ああ、幼馴染。諸事情で万夏の家で生活させてもらってる。」
「わお、まじ。」
「まじ。かなり長くて、織斑先生、万夏のお姉さんは俺を実の弟と変わらないくらいに接してくれるし、万夏の両親も良くしてくれているよ。」
「良い人達なんだ。」
「かれこれ10年も面倒を見てもらっているよ。最初は近所の友達だったんだけど。」
「もう、家族同然じゃん。」
「頭が上がらないし、万夏の家族は俺のことを本当の家族だって言ってくれるよ。」
「僕は普通の家だよ、サラリーマンの父さんに、専業主婦の母さんの3人家族。簪と本音とは幼稚園からの幼馴染。簪のお姉ちゃんもその時からの付き合い。何をするも4人一緒だったんだ。」
颯斗の簪との関係は俺と万夏とはたいして変わらないだろう。恋愛感情があるかどうかは別として。
「あらあら、皆の話し合いにお姉さんも入れてくれない?」
俺たちの様子を見ていた上級生、簪に似たその人が扇子で口元を隠している。この学園で最強の名を持つ、現ロシア国家代表選手、更識楯無だ。
「お姉ちゃん!」
「刀奈姉ちゃん!」
簪と颯斗が驚いている。
「簪ちゃん♡もう、会いたくてしょうがなかった♡颯斗もどうして生徒会に来ないの?」
「来ないも何も、倉持技研の所為で簪の専用機を何とか完成させなきゃいけないんだよ。」
「颯斗は私に付き合ってくれているの。それにお姉ちゃんは生徒会の仕事で忙しいでしょ?」
「大丈夫よ、この時期はそれほど仕事があるわけじゃないし。」
なんだか、姉妹間で火花が散っているぞ。まさか、一夏が建てるはずだったフラグ関係は全て颯斗がクリアしてんの?まさかというか簪と楯無先輩の仲が原作と違って良いのは颯斗がすでに改善させたから、、、。こいつ、やりおる。
「それと、二人目の男性操縦者と織斑先生の妹さんにも興味があったし。」
それは後付けの理由でしょ。いや、目的としてはあるよな。でも、このシスコン先輩にとっては妹に会うのが大きな理由だろうな。それと惚れている幼馴染。
「初めまして。柏葉大樹です。」
「織斑万夏です。」
「ええ、初めまして、ヴァルハラの仮面ライダーさん。」
そして、この人が俺の素性を調べないなんてありえないからな。
「ヴァルハラ?」
「今、仮面ライダーって。」
「お嬢様、何なの?」
3人は混乱しているだろう。俺はポケットのロックシードと懐に隠している戦極ドライバーを取り出す。
「颯斗、簪さん、本音さん、ごめん。俺も仮面ライダーだよ。」
俺のドライバーを見て、3人とも驚く。
「まさか、この時期に入った男性操縦者の2人が仮面ライダーとはね。ヴァルハラは何を企んでいるの?特にあなたはヴァルハラのトップとは個人的な関係があるのでしょう?柏葉君。」
「あくまでプライベートで関係があると言うだけです。それと俺と一夏が入学したことにはヴァルハラは関与していません。あいつがISを動かしたら、俺まで適性があった、それだけです。」
「そう、調べても良いわね。」
「はい、必要ならヴァルハラの関係者から話を聞きますか?」
「必要な時にね。それと私の妹と友達に何かあれば、ただじゃ置かないわよ。」
「俺自身、大切な人がいます。他の人の大切な人に危険が及ぶようなことは絶対にしません。」
俺と楯無先輩がにらみ合う。
「全く、これだから人間は。」
「こら、ブレン!そんなことをおっしゃるのは辞めなさい。それに彼はわたくしたちが調べたところ、信頼できる人物ですよ。刀奈もそれはよくわかっているはずです。」
「二人とも、話すのを辞めろ。ここにいるのはばれないようにする取り決めだっただろう。」
赤、緑、白のミニカーが話していた。俺達、全員がそちらに目を向けていた。
「「何、それ!?」」Σ(・□・;)
俺と万夏は奇妙なものを見て、驚きのあまり叫んだ。
次回、大樹と万夏の前に現れた謎のミニカー3台。そして、大樹のもとに専用機が届き、IS学園最強の更識楯無と戦う。そして、遂に始まる代表決定戦。新たな仮面ライダー、留芽颯斗は大樹の姿を見て、何を思うのか