神羅の霊廟さんの作品、IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人とのコラボ開始!
side 大樹
颯斗が仲間に加わってからインベスの対処以外にも俺たちの装備の強化も行われた。簪の専用機の開発もありながら率先してそのようなことを颯斗はやってくれている。
「と言うわけで作りました。その名もずばりネオマキシマキャノン!」(ノ´∀`*)
「だからそれはダメだろ!」( ; ゜Д゜)
だからと言って作る奴の半数がアニメや特撮の再現は辞めろ、特にネオなマキシマな大砲はダメだから!小島一つを吹っ飛ばす超兵器を再現するな!強化とか言って、自分が作りたいものを作るんじゃねぇ(# ゜Д゜)
「え~、何なら良いのさ!?」
「ウルトラマンから離れろ!あそこの超兵器を作るな!作る奴全部がISやインベス相手にオーバーキルなもんを出すな!」
「ゴジラは良いんだね!」(⌒‐⌒)
「それもよくねえよ。」
「何なら良いのさ!」(# ゚Д゚)
「逆切れするな!!」(# ゚Д゚)
基本、こんなやり取りをしながら毎日が過ぎていった。そんなこんなで少しずつ日差しの厳しさが増していったある日のことだった。
「クラックが!?」
「詳細は不明だが、IS学園の付近でクラックの反応があった。だが、反応があったのはごく短い時間ですぐに消えてしまった。」
貴虎さんからIS学園の近くでクラックが開いたということが俺に伝えられた。俺たちが倒してきたインベスはクラックの向こうにあるヘルヘイムからやって来たものではなく、人為的にインベスへと変貌するなんらかの物質を摂取した地球上の生物である。そのためクラック、ヘルヘイムとは直接的な関係は無い。
では、誰がクラックを開けたのか?考えられるのはヘルヘイムに存在した知性を持ったインベス、オーバーロード―フェムシンム達が一つ。しかし、生き残りがいるのであれば話は変わるがフェムシンム達は15年前の戦いで全滅した。今更、彼らがこの星に攻め入るのは普通ではあまり考えられない。他に考えられるのは今は別の惑星にいる、仮面ライダー鎧武こと葛葉紘汰、始まりの女である高司舞であるがこちらであれば警戒する必要は全くない。ただ、もしも地球に来ているのであれば何か大きな事件が起きていることになるので貴虎さんたちに救援を要請するべき案件になる。最後に考えられるのは兄貴だが、正直あの兄貴がこんな形でIS学園を襲撃してくるとは思えない。まず、あのクソ兄貴が来たのなら今頃IS学園は壊滅しているはずだ。
「詳しい場所を教えてください。まずは、俺だけで確認してきます。」
「分かった。くれぐれも気を付けてくれ。」
貴虎さんとの通話を切ろうとした時、
「それと、すまない。大樹君を、大樹君の友達を巻き込むようなことになってしまった。」
と貴虎さんが言った。テレビ越しでも見てたけど、この人は、俺・僕の名付け親であるこの人は説明不要で良い人だ。だからこそ、俺に一夏を巻き込んだことを後悔している。
「貴虎さん、これは俺も一夏も自分で選んだことです。だから、どんな結果になっても貴虎さんに落ち度はないです。」
「しかし、。」
「前の世界じゃあ、頼れるの自分だけだった。それこそ、皆から離れて一人でなんでもやろうとしたし、やった。その結果が最悪の結果で終わって、そのことを今でも抱えて、自分をだましながら戦っているんです。それでも踏ん張っていられるのは近くで突っ走る親友に、帰りを待ってくれる彼女、俺を家族として受け入れてくれる人達がいるからです。
実は、前の世界よりも精神的には楽なんです。いざとなれば、頼れる大先輩たちがいるのが分かっているから。だから、面倒を掛けますがよろしくお願いします。」
それでも、言葉で精いっぱい、俺が大丈夫であることを伝える。
「大樹君、、、。」
「いつかは、一緒にご飯を食べましょう。父さんと母さんの話もしてほしいですし、聞きたい話がいっぱいあるし、うんと、ええと、、、だから、、、。」
締めに何か言おうとするが上手い言葉が見つからない。
「ああと、つまり、、、。」
「フッ、大丈夫だ。大樹君の思いは分かった。何かあれば、すぐに連絡してくれ。」
そういうと貴虎さんは電話を切ってしまった。
「いまいち、格好突かないんだよなあ。」
そんなことを言いながら、なんとなく貴虎さんが最後に言ってくれた言葉が嬉しくもあった。
「朝のSHRをサボることになるけど、行くか。」
俺は貴虎さんから伝えられた場所へ向かい始めた。
side 牙也
「ここはIS学園か。」
俺は箒、カンナと共に異世界へ渡った。どうやら、ここは異世界のIS学園らしいが、、、。
「見たところ、私達のいた世界の学園と大差はないみたいだな。」
あたりを見渡した箒が言った。箒の言う通り、この世界の学園も俺たちの世界のものとあまり大差はない。
「今の時間帯は朝のSHRみたいですね。気付かれないうちに移動すべきでしょう。」
カンナが今のうちにこの場から移動することを提案する。そのことに俺も箒は異論はない。その前に、、、。
「なあ、さっきから隠れているみたいだがばれているぞ。」
俺たちの背後にいるであろう人物に声を掛ける。
side 大樹
さすがに俺が来ていることはお見通しだったらしい。貴虎さんから伝えられた場所へ行くと和装の俺と同年代の青年と箒、少女がいた。
「君たちは?」
俺は彼らにそう問いかける。
「俺は紫野牙也、こっちは仲間の篠ノ之箒とカンナだ。」
「俺は柏葉大樹。IS学園の生徒だ。さっきの話だけど物陰から聞かせてもらった。」
彼らが異世界から来たらしいということはさっきの会話から明白だった。正直、箒が前の世界のようなサムライのような口調であることや他の二人が全く顔を知らないということから情報欲しさに隠れながら聞いていただけだけど。
「君たちは実際の処は何者?箒の方は俺の知っている友人の篠ノ之箒とは別人だということは分かる。異世界と言うのはこの世界とは違うISの存在する世界のことか?」
「ここにもISはあるようだな。」
青年、牙也の言い方からすると俺の憶測は当たってはいるらしい。身分を確認したいが今聞きたいことを最優先で聞こう。
「じゃあ、君たちなのか?クラックを開けていたのは?」
「クラックを知っているのか!?」
この反応、先程出現したと思われるクラックと関係あるかどうかは別としてクラックそのものは知っているらしい。
「先程、ここにクラックが開いていたという情報が入った。君たちなんだろう、そのクラックを開けたのは?」
俺の言葉に返事を返さず、三人とも警戒している。まあ、長々と話すのも良いだろう。警戒して当然。ただ、本音は早く戻りたいんだよ。千冬姉ちゃんがきっと怒っているだろうから。だから、手っ取り早い方法を取らせてもらう。実際はあまりやりたくない方法だけど。
「色々と情報が必要なんだ。しゃべってもらうぞ。」
俺はドライバーとロックシードを取り出した。
side 牙也
俺たちの話を聞いていた大樹は制服のポケットからロックシードを、懐からは戦極ドライバーを取り出した。
「お前、アーマードライダーか!」
その言葉を肯定するように大樹はドライバーを腰に当てる。手元のロックシード、ドラゴンフルーツと思われるロックシードを開錠した。
「ドラゴンフルーツ!」
大樹はロックシードをドライバーにはめると大樹の頭上にクラックが開いた。クラックから巨大な鋼のドラゴンフルーツが現れた。大樹はドライバーを操作すると、
「変身。」
と言った。ドラゴンフルーツを纏うと、黒地に炎や竜の鱗の意匠が目を引くアンダースーツが出現。ドラゴンフルーツが展開すると竜を思わせる兜が見えた。
「俺はアーマードライダー炎竜、仮面ライダー炎竜だ。」
そういうと炎竜は手に持っていた赤色の刀を無双セイバーと合体させた。
炎竜はナギナタモードになった無双セイバーを構える。
「どうした?変身しないのか?」
炎竜は俺たちのそう問いかけた。
俺はロックシードとドライバーを出す。箒も俺に倣うようにドライバーを出した。
「「変身!!」」
俺と箒はそれぞれアーマードライダー零、アーマードライダーレオンへ変身した。
side 三人称
「カンナは下がっていろ。」
アーマードライダー零はカンナにそう言って自身のアームズウェポンである薙刀―紫炎を炎竜へ向ける。レオンもガンブレード型のアームズウェポン―マスガンドを構え、炎竜を見据える。対する炎竜はアーマードライダーが2体という状況に動揺を見せることなく、零とレオンの動きに対応できるよう無双セイバーの剣先を下げて体の無駄な力を抜いている。
炎竜は零とレオンの動向を注意深く見ている。零とレオンは自分たちの知識にはないロックシードで変身した炎竜を警戒している。だが、零とレオンは多くの戦いを潜り抜けているだけではなく、公私ともに信頼しているパートナーでもある。その上で先に攻撃を仕掛けてきたのは零とレオンだった。
零とレオンは炎竜の左右からそれぞれのアームズウェポンを振るう。零とレオンの攻撃のタイミングは寸分の狂いもなく間違いなく炎竜に防ぐことは出来ないと思われた。
一方の炎竜はこの戦いが始まった段階から零とレオンの動きを考えていた。それこそ脳内でさまざまなシチュエーションを考慮し、そこから導き出される結論を元に零とレオンを注意深く観察していた。炎竜は卓越した観察眼、前世から受け継いだ数多くの戦いの記憶を駆使して戦うライダーである。その最たる戦い方は相手の勢いを利用したカウンターである。炎竜はレオンと零が寸分の狂いもなく挟撃してきたことに合わせ、ドライバーを操作した。
「ドラゴンフルーツスカッシュ!」
大半のアーマードライダーが行うスカッシュはロックシードのエネルギーを武器や体の一部に集中させる。この時、炎竜はスカッシュで解放されたエネルギーを全身に行き渡らせた。それによって一時期的にステータスを大幅に強化、零とレオンの挟撃を一時的に強化した身体能力から繰り出される高速移動でもっていなした。
その動きに零とレオンは一瞬驚きつつもすぐさま追撃を行う。対する炎竜は零とレオンの連携の練度の高さからこのまま、二人を相手に戦うことの困難さを理解した。だが、学園内では二人を分断させることが出来るような施設などはない。
炎竜は二人の攻撃を無双セイバーで防いだり躱してやり過ごす。
「牙也!このまま一気に押し込むぞ!」
「ああ!」
零とレオンはドライバーを操作して、必殺技を発動させる。
「ブルーベリースカッシュ!」
「マスカットスカッシュ!」
零の紫炎、レオンのマスガンドの刀身にエネルギーがチャージされる。それを見た炎竜は無双セイバーにドラゴンフルーツロックシードをセットした。
「ロックオン!1、10、100、1000、10000、ドラゴンフルーツチャージ!!」
炎竜の持つ無双セイバーの刀身が炎に包まれる。
「「はあ!!」」
「うおおおお!」
零とレオンが武器を振り下ろし、炎竜は二人目掛けて走り出す。
双方の攻撃が衝突し、辺りがまばゆい光に包まれた。
時間は遡り、SHRが始まった時間。大樹がその場にいないことに心配を隠せない万夏。双子の兄である一夏も大樹がいないことに頭の上に疑問符を浮かべていた。幼馴染である箒も普段は遅刻することをしない大樹がこの場にいないことにどことなく落ち着かない様子である。
「皆さん、おはようございます。」
そんな彼らをよそに1組の副担任である真耶がSHRを始めた。
「本日からこのクラスに転入生が3人、やってきます。皆さん、入ってください。」
真耶の言葉に反応して、教室の外で待っていたと思われる3人が入って来た。一人目は金髪碧眼の中世的な男子、シャルル・デュノア、2人目は左目に眼帯をした銀髪の少女、ラウラ・ボーデヴィッヒ、3人目は茶髪に活発そうな印象を与える少年だ。3人目の少年は真耶を扇がず、他の二人を差し置くように前に出た。
「俺は4人目の男性操縦者の桐ケ谷陸だ。ちなみにネットでのハンドルネームはR。天才ゲーマーMの再来、天才ゲーマーRだ。」
激闘を繰り広げる炎竜たちの前に謎の人物が現れ、襲い掛かる。そして、万夏たちは、、、。