IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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 夏休みへと入り、沢芽市へと向かった大樹とマドカ。同じ頃、正則と束は風都にある鳴海探偵事務所へと来ていた。貴虎たちと話す中で前世のことを思い出す大樹。そして、マドカは鳳蓮から戦極ドライバーを託された。
 沢芽市に襲来したナイトとイリーナに立ち向かうために大樹は炎竜に、マドカは仮面ライダーヴァルキリーに変身する。


仮面ライダー炎竜 第31話

side 3人称

 かつて沢芽市の噴水公園は異界から襲来した赤きオーバーロード、デムシェと町を守るために力を合わせたアーマードライダーたちが激闘を繰り広げた場所でもある。それから15年、そこはまたも戦いの舞台になった。

 そこは多くの人の亡骸に崩れた瓦礫、所々で火の手が上がっていた。そこで対峙するのは紅き鎧を纏った竜戦士、仮面ライダー炎竜、蒼天を思わせる鎧を纏った紫の戦乙女、仮面ライダーヴァルキリーの二人の仮面ライダーと漆黒の人狼であるオーバーロードのナイト、濃紺色のISに駆るイリーナであった。

 炎竜は無双セイバーナギナタモードを右手に持ち、左半身になって左手を前に突き出して構えている。そして、ヴァルキリーは手に持っている銃槍に変化したブルーライフルの穂先をナイトたちに向けている。

 ナイトは自身の体から精製した剣を肩に担ぐと異様なまでに前傾姿勢を取る。イリーナは自身のIS、ミッドナイトファルコンに装備されている対物ライフルをコールする。

 全身に力を漲らせ、オオカミが獲物ののど元に食らいつくように飛び掛かるナイト。それに対するは無双セイバーを構えて迎撃の姿勢を示した炎竜である。上段から振り下ろされた剣は高い威力を有して炎竜に襲い掛かる。炎竜はナイトの攻撃を無理に受け止めようとせずに無双セイバーで受け流す。さらに、炎竜は攻撃を受け流したところでナイトのがら空きになった胴に蹴りを入れる。はた目には直撃に見えたこの一撃はナイトは剣を持っていない左手で防いでいた。炎竜は一撃を入れることが出来なかったことを気にすることなく、ナイトに切りかかる。最速最短の剣戟は一太刀目、二太刀目と無理のない連携で次々と繰り出されていく。ナイトはそれを防ぐことなく、逆に斬りかかってくる。体にいくつもの傷を負いながらもそれを意に介することなく炎竜に切りかかる。炎竜の刃とナイトの刃の軌跡が衝突する。

 

 ガキイイイイイイイイイイイン!!

 

 辺り一帯に金属音が響いた。炎竜もナイトもぶつかった刃の衝撃から距離を取る。

 

 「もったいない、それほどの力を持っていればあらゆるものをねじ伏せることが出来るものの。」(ナイト)

 「もったいないな。それほどの力を持っていながら、他人を傷つけるためにしか使えないなんてな。」(炎竜)

 

 刃を振る程に両者は心の底からそう強く思う。そして、両者はまたも刃を振りかざして激しい剣戟の応酬を繰り広げる。力に対する認識の違いがそのままその戦い方に現れているのが目に見えた戦いである。傷が多くなるほどに歓喜に震えるように剣を振るうナイトに躱しきれない強力な一撃をアームズの鎧で受け止め、必要最低限の動きで消耗を抑えながらも強烈な剣を振るう炎竜。剣戟の余波は戦場となっている公園にあるものを壊していく。

 

 

 

 ヴァルキリーは上空にいるイリーナに対して、ブルーライフルで狙い撃つ。イリーナは軍用ISとして開発されたミッドナイトファルコンの性能を存分に活かし、ヴァルキリーの攻撃を躱していく。イリーナの動きに合わせてヴァルキリーも動いていく。

 

 「キングのことを侮辱したあなたはこの世に残しはしない。死ね!!」(イリーナ)

 「ふざけないで!こっちは彼氏と結婚して、子どもをたくさん産む予定なの!こんなところで死んでられないの!!」(ヴァルキリー)

 

 イリーナも高所にいる、飛行できるというアドバンテージを生かしてヴァルキリーを狙撃していくがヴァルキリーはその軽やかな動きで次々と躱していく。それに苛立つイリーナはさらに銃撃を激しくしていくがヴァルキリーはそれもまるで舞でも披露しているかのように躱していく。そして、

 

 「そんなに隙だらけなら、当て放題、だよ!!」(ヴァルキリー)

 

 ヴァルキリーはイリーナが激高した瞬間にブルーライフルで数度、狙い撃つ。その攻撃はイリーナのシールドエネルギーを削っていく。そして、

 

 「撃つだけが能じゃないよ!!」(ヴァルキリー)

 

 ヴァルキリーは周囲にあるものを使ってイリーナの元へと高く飛び上がり、ブルーライフルの穂先を突き出す。ブルーライフルの穂先はシールドエネルギーを貫通してイリーナの肩に深々と突き刺さる。

 

 「っ!よくも!!」(イリーナ)

 

 自身の体に傷をつけられた、そのことを自覚してライフルの銃口をヴァルキリーに押し付けるイリーナ。

 

 「死ねええええ!!」(イリーナ)

 

 ライフルから戦車の装甲すらも撃ち抜く弾丸が撃ち出される。いくら、アーマードライダー、仮面ライダーとはいえ無事では済まないだろう弾丸、防御力が低いブルーベリーアームズとなっているヴァルキリーにはそれは致命傷となり得る一撃だった。それを考えたイリーナは唇を歪な形に歪める。だが、

 

 ≪ブラックベリー!≫

 『カモン!ブラックベリーアームズ!バスターオブクレイモア!』

 

 ヴァルキリーは高い防御力を有するブラックベリーアームズにアームズチェンジして、その弾丸を真正面から受け止める。着弾すると爆炎がヴァルキリーを包み込むが、爆炎の中から漆黒の刃が蛇腹状に変形、さらに鞭のような形に変化してイリーナに絡みつく。地上へ降り立っていたヴァルキリーブラックベリーアームズは変形したオニキスクレイモアでイリーナを拘束する。そして、

 

 「このクソ女!食らいなさい!!」(ヴァルキリー)

 『カモン!ブラックベリースカッシュ!』

 

 ヴァルキリーはドライバーを操作する。ロックシードから供給されたエネルギーはオニキスクレイモアへと伝達される。刀身全てにエネルギーが纏われるとヴァルキリーは勢いよくオニキスクレイモアを引く。エネルギーを帯びた複数の刃がシールドエネルギーを、ISの装甲を削り切っていく。

 

 「な!よくもおおおおおおおおおおおお!!」(イリーナ)

 

 その一撃はイリーナを行動不能にするには十分だったらしく、イリーナはISを解除して、地面に降り立つ。

 

 「よくも、私を地に引きずりおろしたな!!許さない、許さないぞ織斑万夏!!」(イリーナ)

 「そう、、、。私はあなたのことは別に気にしない。でもね、私の彼に、大樹のことを傷付けるなら容赦はしないから。」(ヴァルキリー)

 

 ヴァルキリーはイリーナに背を向けて、炎竜の元へ走り出す。その姿を見るイリーナの瞳は憎悪の炎が激しく燃えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

side 大樹

 刃を振れば振る程に嫌な感触が伝わってくる。この感触だけは好きにはなれない、否この感触はずっと大嫌いだ。最後の戦い、IS学園で行われた第5回モンド・グロッソ世界大会あの事件が起きた時よりもずっと前から大嫌いだ。インベス、それがもとは人間だった、それを考えると毎回毎回嫌悪感やら罪悪感からずっと吐いていた。刃を通して伝わる感触は、、、肉を切り裂くあの感触は、、、自分が切っている相手はスーパーなんかで売られている肉なんかじゃなく、元は自分と同じ人間。それを否が応にも考えないことが出来なかった。本当の所は一夏たちを巻き込みたくなかったのは一夏たちを俺と同じ人殺しにしたくなかったからだ。こんな苦しみは、元々この世界の異物である俺一人が背負えば良い。ずっとそう思って戦って来た。でも、俺は元はそこまでそういった荒事を得意とする人間じゃない。結局、精神が段々とすり減っていき、傷の痛みを抑えるための薬なしでは生活できないほどに依存してしまう程に限界が来ていた。それくらいに俺は、戦いというものが嫌いだ。

 ああ、それなのになんでこいつは笑ってられるんだ。こんなの、ただ辛いだけなのに。こんなに辛いことのどこが、、、いや、こういう類の相手には何も言うまい。そもそも、こんな奴に投げかける言葉そのものが俺には無い。

 こんなことを感じながらいつも戦っている。今までは、俺の中にいたもう一人の俺のおかげで直視することは無かった。でも、これからはこんな苦しみを抱えながらずっと戦っていく。いや、俺はそうしていかなきゃいけない。それが、多くの人を殺してきた俺が追うべき罰だからだ。その思いをたぎらせ、無双セイバーを振るう。無双セイバーとナイトの剣が衝突して鍔迫り合いとなる。ここまでの戦いの中で数度、このように拮抗状態になる。

 

 「良いぞ、もっとだ。もっと来い!!」(ナイト)

 

 打ち合う程にコイツの目に狂った輝きが宿る。それに、ほんの一瞬力を緩めてしまった。

 

 「ハア!!」(ナイト)

 

 ナイトの力に押し返され、無双セイバーが弾かれる。手から離れることは無かったが、こちらの体ががら空きになってしまう。その瞬間にナイトは上段に振りかぶる。手を戻そうと反応するが全く間に合わない。

 

 「フン!!」(ナイト)

 「っ!!」(炎竜)

 

 ナイトは俺に左袈裟懸けに剣を振り下ろした。俺の扱うアームズの中で最も防御力の高いドラゴンフルーツアームズでも完全にダメージを防ぎきれなかった。俺は攻撃を受けた左胸を抑え、数歩後ろに下がってしまう。攻撃を受けた個所から激しい痛みが走る。流石にこれは無視できるほどの痛みではない。俺は仮面の下で顔をしかめる。なおもナイトは俺は斬りかかる。俺は間合いに入った瞬間にナイトを蹴り飛ばす。この蹴りは最初の蹴りと違い確実にナイトの胴に入った。手ごたえから見て直撃、ではあるが足に伝わった感触はアーマードライダーの力でも砕けないほどの固さだった。

 

 「ハハハハハ!!良いぞ、良いぞ!あの時のような獣のような激しさはないが、油断すれば簡単にこちらの息の根を止めるその鋭い剣、やはりお前は俺が求める相手だ!!」(ナイト)

 「、、、ふざけるなよ、、、。そんなことに、付き合わせるなよ、、、。」(炎竜)

 

 歓喜に震えるあいつの姿を見て、俺は嫌悪感と共に激しい怒りが沸き上がるのを感じる。俺は無双セイバーを握る手にあらん限りの力を込める。怒りで冷静さがはじけ飛ぶ、その感覚を覚えた瞬間、

 

 ズガーン!!

 

 ナイトが突然のけぞった。俺は後ろを振り返ると、変身したマドカがブルーライフルで狙撃を行った直後だった。マドカはナイトが怯んだのを見て、俺の左隣に立つ。マドカは俺の手を握って、

 

 「落ち着いて。いつも言っていたでしょ、何事も落ち着いて対処すれば良いって。」(ヴァルキリー)

 

 と俺に言う。その一言が俺の中の怒りが落ち着かせる。でも、その怒りは先程のような業火のような激しさとは違い、緩やかな、それでいて触れるものを灰へと変える程の熱さのものへと変わった。

 

 「ありがとう、落ち着いた。」(炎竜)

 「じゃあ、一緒に、ね。」(ヴァルキリー)

 ≪カモン!ブルーベリースカッシュ!!≫

 ≪ソイヤ!ドラゴンフルーツスカッシュ!!≫

 

 俺とマドカはドライバーを操作、ロックシードから供給されるエネルギーが脚部に流れる。俺とマドカは飛び上がり、俺は竜炎蹴、マドカはサファイアレッグを放つ。

 

 「さあ、来い!!」(ナイト)

 

 ナイトは剣に漆黒の雷を纏わせて、俺とマドカの必殺技を迎撃した。だが、ナイトの持つ剣は一撃で半ばまで折れて、俺とマドカの蹴りはナイトの胸部に深々と突き刺さった。俺とマドカの勢いは強くナイトを数メートルまで弾き飛ばした。

 

 「はあはあ、流石に分が悪いようだな。」(ナイト)

 

 ナイトはオーバーロードから人間へと戻り、俺とマドカの蹴りを受けた胸部は肌が破れ、筋肉が露出して血が流れていた。

 

 「このまま続けてもいいがこの状態で他の奴らが来ると面倒だな。」(ナイト)

 「退くというの!?ここまで虚仮にされておめおめ逃げると!!」(イリーナ)

 

 ナイトの言葉に後ろから来たイリーナが言う。相当マドカにやられたみたいで怒り心頭の様子だ。

 

 「俺も浅くはない傷を負った。お前もISが使い物にならないだろう。こいつらを殺すのは次の機会にしよう。」(ナイト)

 「次なんて待てるわけがないでしょう!!ここで!!」(イリーナ)

 「フン。」(ナイト)

 

 ナイトはイリーナの腹部を思い切り殴って、イリーナの意識を落とす。意識を失ったイリーナを肩に担ぎ、ナイトは俺とマドカを見る。俺とマドカは逃亡を許さないために駆け出す。

 

 「次に会う時こそは決着を着けようか。」(ナイト)

 

 ナイトは右腕を横なぎに振るうと暴風を起こして姿を隠す。暴風が晴れるとナイトとイリーナの姿は無かった。

 俺とマドカは変身を解除する。そして、辺りを見回してみる。

 

 「守り切れなかった。」(大樹)

 「でも、私たちが居なかったらもっとひどくなっていたよ。」(マドカ)

 「それでも、、、。」(大樹)

 

 俺は右手を握りしめる。確かにこんなことをしたナイトたちは許せない。それ以上にこの場に間に合うことが出来なった自分が許せない。そうしていると右手に柔らかな感触が感じた。

 

 「必要以上に自分を責めないで。」(マドカ)

 

 マドカは俺の右手を握っていた。その表情は悲痛な色を帯びていた。

 

 「分かってる。でも、これが性分だから。」(大樹)

 「抱え込まないでよ。お願いだから。」(マドカ)

 

 そう言って、マドカは俺に背に両手をまわす。俺もマドカの背に両手をまわし、マドカの体を抱きしめる。俺にとっても、貴虎さんたちにとっても、マドカにとっても苦い結果となって、ナイトとの3度目の戦いは終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side マドカ

 あの日の夜、私はスコールの指示ではなく束さんからの勧めから一夏兄さんを殺すべく行動を始めた。この時には大樹が一夏兄さんの友人の一人だということはとっくに分かっていた。きっと、昼間に大樹と一緒に居なかったら、私はためらいもなく一夏兄さんに力を振るっていただろう。

 大樹と一緒に行動してからか、あろうことか、私はもしもこの時に一夏兄さんを殺してしまったら、大樹は私のことはどう思うのだろうと考えてしまった。拒絶されるかもしれないと頭によぎってしまったあたりから私は冷静ではいられなくなった。そして、、、

 

 「一夏!箒たちの所へ行け!!」(大樹)

 

 とうとう来てしまった。この場で最も会いたくなかった人が私の目の前に現れてしまった。こんな形で、こんな場所で再会を果たすなんて、私はそれまで生きてきた中で最も動揺した。私の動揺は一夏兄さんには知られることは無かった。けれでも、その場に来た大樹は私が激しく動揺していることに気付いていた。それなのに、それなのに、、、。

 大樹は、、、基本的には切り替えがうまいのだと思う。普段一人でいる時、友達といる時、戦っている時と頭の思考を丸々変えることが出来るのだと思う。私と一緒に京都の町をめぐっている時とIS乗りとして戦っている時はまるで別人なのではと思う程に、割り切っていた。そんな姿を見た私はとうとう我慢しきれずに

 

 「お前は、、、お前は何も思わないのか!」(マドカ)

 

 と問い掛けた。でも、帰って来た返答は

 

 「君と俺は何も接点がない、そう決めたはずだろ?」(大樹)

 

 ひどく乾いた声で響いてきた。今思えば初めての失恋になるのかな。でも、その直後に暴走した一夏兄さんの攻撃を受けそうになった時に、

 

 「マドカ!!」(大樹)

 

 大樹は自分の体を楯に私の身を守ってくれた。きっと、その時から私はこの人に恋をしてしまったのだと思う。それからは大樹のおかげで私はIS学園内でそれなりの扱いで自由に生活できた。あの時は恥ずかしい程に大樹に私が気に入らないことがあったら暴力を振るうぞと脅していた。まだ、話したことは無いけどひどい照れ隠しだった。今までにない程に穏やかで優しい生活をその時は送っていたと思う。

 インベス退治にいそしむ大樹は一度だけ冗談で私に自分を殺せると言った時があった。その時、涙を流しながら怒る程に傷ついた。その数日後に仲直りもしたけど、、、。でも、私も平然としていられなかった。毎晩毎晩悪夢に苛まれた。この時の私は人並みに物事の善悪の判断も出来るようになったために私が手に掛けた人たちが夢に現れた。そんな時は決まって、大樹が私のことを抱きしめてくれていた。そうしてもらうと悪夢を見ることなく眠ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ん~~~~ん。懐かしい夢。」(マドカ)

 

 私は随分と懐かしい夢を見た。見ていて、苦しくもあったし、楽しくもあった。私は時計を見て、時刻がまだ夜中の3時を指していることに気付く。私は隣で寝ている大樹を見る。

 

 「良かった。今日は大丈夫みたい。」(マドカ)

 

 時折、大樹は寝ている時にうなされていることがある。幼い頃にお父さんとお母さんが殺されたり、お兄さんが犯人ということでひどい目にも遭った後からそう言ったことが多くなったと思う。大樹が前世の記憶を取り戻す直前、実はかなり長期間学校を休んでいた。精神的に限界になっていたからこそ、だとお父さんたちは言っていた。前世の記憶を取り戻してもそれが回復したわけではなく、今でもうなされることがあって、それも何日も続くことがある。そういう時は決まって寝不足気味で昼間はあくびをかみ殺す場面が見られることも多い。ここ最近はうなされることは多くは無かったけど心配だった。

 

 「寝ている時は可愛いのにね。」(マドカ)

 

 こうして寝ていると年相応と言うか、あどけない顔でものすごく無防備に見える。あの世界では私は大樹に守られている立場だった。今はもうそうじゃない。互いに守って守られて、どっちがどっちだか分からないようなことになったけど、こうすることで大樹を支えてあげられる。

 

 「もう一人でなんて戦わせないから。」(マドカ)

 

 私は寝ている大樹の頬に口付けをする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 颯斗

 夏休み、世間では友達と一緒に海水浴だったりなどとイベントには事欠かない時期。そんな僕はと言うと、、、

 

 「え~~~~~~~~~~と、確か地図で確認するとこうだから~~~~~~~。」(颯斗)

 「ねえ、迎えに来てもらった方が早いと思う。」(簪)

 「そうだよ~~。だいだいたちに来てもらおう?」(本音)

 

 かんちゃんとのほほんと一緒に篠ノ之博士の研究所へ向かっているのだけど、、、、、、、。完全に迷いました。もう、地図を見てもどこにいるのかさっぱり。

 

 「ハート、助けて。」(颯斗)

 「いや、俺達はずっと道案内をしていたんだぞ?それなのに迷う颯斗がおかしいのか、すごいのか、、、、。」(ハート)

 「あの~、颯斗。私はずっと道案内は私達がしますので大人しく聞いていてくださいって言っていましたのだけど。」(#^ω^)(メディック)

 「いや、行けると思ったんだけど、、、。」(颯斗)

 「「「無理だって!!!」」」(簪、ハート、メディック)

 

 僕は言ったことのない場所へ行くとかなりの確率で迷ってしまう。地図とにらめっこしていると、、、。

 

 「颯斗、簪、本音。」(大樹)

 

 僕らの後ろからリュックを背負った大樹と万夏ちゃんが来る。

 

 「おはよう。」(マドカ)

 「おはよう~。」(本音)

 「おはよう、二人ともどうしたの?」(簪)

 「昨日、沢芽市に行っていて。その帰り。」(大樹)

 「新婚旅行?」(颯斗)

 「だったらよかったけどな。マドカに渡すものがあって、それを取りに行っていたんだ。」(大樹)

 「指輪?」(颯斗)

 「だったら良かったけど。」(大樹)

 「ねえ、沢芽市で局地的な地震が起きたってニュースで言っていたけど?」(簪)

 「大樹のお兄さんの仲間が来たの。」(マドカ)

 「仲間って、前に大樹達の前に現れたって言ってた奴ら?」(颯斗)

 「ああ。」(大樹)

 「大丈夫だった?」(簪)

 「私達はね。」(マドカ)

 「二人とも、大丈夫で良かった~。」(本音)

 

 今朝のニュースはそう言うことだったのか。というか万夏ちゃんに渡すもので沢芽市に行かないといけないものって何?後で聞けば良いか。

 

 「ねえ、私達篠ノ之博士の研究所に行きたいんだけど、迷っちゃって。」(簪)

 

かんちゃんがそう言うと、大樹とマドカが

 

 「「すぐそこ。」」(大樹、マドカ)

 

 と神社を指さす。なぜに、神社?僕らが行きたいのは研究所なのに。この数分後に驚きの事実と出会いがあったのはまた今度。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 三人称

 「それで、随分とこっぴどくやられたんだってな。」(藤村)

 「クイーン、イリーナもISをやられた。俺達では流石に修復できないからな。」(ナイト)

 「まあ、ISが仮面ライダーに対抗できるわけじゃない。結局のところは宇宙開発を目的に作られた玩具が世界征服のために作られたものの流れをくむ兵器に対抗できる訳がないだろう。」(藤村)

 

 某国某所、藤村とナイトは椅子に腰かけていた。

 

 「だが、お前たちが暴れたおかげでデータも十分に取れた。これで最強のインベス、ベへモスが完成したよ。」(藤村)

 「ベへモス、柏葉勇吾が持っていた最後のインベスの改造体か。」(ナイト)

 「ああ。まあ、あいつの目的はインベスでは無くて、それを生み出すものだったからな。随分と気前よく渡してくれたもんだ。」(藤村)

 「学園に、ガゼルたちを襲わせたのはベへモスを完成させるためか?」(ナイト)

 「おいおい、そんな前のことを聞いてどうする?ああ、正確にはガゼルたちを見て、ベへモスのイメージが出来たんだがな。そもそも、ガゼルたちを襲わせたのは柏葉勇吾を倒したって言う弟の方を見るのが目的だったんだがな。」(藤村)

 

 藤村は手を組んで小ばかにしたような笑みを浮かべる。

 

 「まあ、ベへモスが完成した今、もうあいつは俺の前には立たないのだろう。」(ナイト)

 

 ナイトの言葉にはどこか落胆した色があった。そして、ナイトと藤村がいるさびれた廃クラブの地下、そこは上の階とは違い、金属的な光沢がありとあらゆる場所に見られる。そこは複数の大きなからの水槽があった。だが、奥の方にある二つの水槽は違った。一つは呼吸器をつけられながらも無数のケーブルが刺されており、何かの液体を投与されているイリーナが何らかの液体の中で裸で浮かんでいた。もう一つには、、、、、、、、、、、、。

 

 「GIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIGAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」(???)

 




 最強のインベス、ベへモスインベス。藤村が作り出したインベスの前に対抗する白銀達はなすすべなく圧倒されていく。そして、

 「清濁併せ吞む、そう言ったことを経験して成長していくもんさ。」
 「ハヤブサ!ヤドカリ!カンガルー!」

 現れるは新たな欲望の王。



 始まるは世界の終わり。全てをむしばむ邪神の策略がついに動き出す。
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