IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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 109の事件から数日が過ぎたある日、大樹たちの前にクラックが出現した。そのクラックが何か思案する面々に謎の鎧武者が出現し、襲い掛かって来た。変身して応戦する輝龍らだが奮戦するも鎧武者によってクラックの向こうへと飛ばされてしまった。


仮面ライダー輝龍 最弱の一誠コラボ 第2話

side 大樹

 間一髪間に割って入ることが出来た。ただ、さっき戦ったあの鎧武者と同じでこいつらもこっちの攻撃が効いているそぶりが無かった。

 

 「ああ、助けてすぐに言うのは気が引けるけど手伝ってくれないか?如何せん、俺の攻撃はこいつらには今一通用しなくて。」(大樹)

 「ああ、それならお安い御用だよ。」(裕人)

 

 俺が助けた彼はそう言うとどこからか剣を出した。剣は一見して軽くて扱いやすいものだと分かる。俺はそのまま開錠しているゴールドドラゴンフルーツロックシードを腰に装着したままの戦極ドライバーに再度セットする。

 

 「変身!!」(大樹)

 ≪ソイヤ!ゴールドドラゴンアームズ!黄龍、アップライジング!!≫

 

 俺はクラックの中を通る中で解除された変身を再度行った。

 

 「その姿は、、、。」(裕人)

 「ん?ああ、ここにもいるのか、、、。」(輝龍)

 

 彼は俺の変身した姿を見て、何やら驚いていたがここにも仮面ライダーないしは近い存在が居るのだろう。俺は光龍剣を構え、敵に向かって行く。俺が剣を振るっても、殴っても、蹴っても聞いているそぶりが全くない。それに対して俺が助けた彼の方の攻撃はどうやらこの足軽のような奴らに効果があるみたいだ。だが、

 

 「クソ、数が多い。」(輝龍)

 

 どこからか増援が出ているらしく数が減るどころかだんだんと増えてきている。そもそも、俺の攻撃が全くと言って通用しない相手は初めてだ。こないだの109は俺だと有効打を与えることが出来ないことも、その理由も分かっていた。でも、今回の相手は違う。こっちの攻撃は当たり、普通であれば(そもそも、俺のこれまでの相手が普通ではないが)それ相応の手ごたえと反応が返ってくる。今回の相手はクラックに飛ばされる前に戦ったあの鎧武者と同じで攻撃を当てた感触はあるのだが、一向に有効打を当てている感触が無い。例えるならサンドバックにただ竹刀を当てている感触とでもいうのだろう。

 

 「はあ!!」(裕人)

 

 その反面なのか、理由が何なのかは分からないが彼の攻撃はこいつらに効いているみたいだ。恐らくというかどこからともなく剣を出していることから何らかの特殊な機関などの所属なのだろう。そうだとして、今はこの足軽もどきたちを何とかしなければならないが。幸い、こいつらの攻撃は変身している状態であればそこまでの危険性はない。ただ、それは我慢比べ、持久戦ということに繋がっており、向こうはどうやら疲れを感じないようだ。どうにか手は無いか、そう考えていた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 3人称

 輝龍が裕人と共に謎の異形と戦っていた時、どこからか光矢と謎のパーカーが飛来してきた。

 

 「裕人!大丈夫か!?」(クリス)

 「雪音先輩!タケル君!」(裕人)

 「裕人、あとは任せてくれ。変身!」(タケル)

 ≪開眼!オレ!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!!≫

 

 あとからやって来たのはシンフォギア、神話の神造兵器の力を持つ歌姫達の一人である雪音クリス、マドカと簪、そして、この世界に存在する仮面ライダーの一人である御堂タケルだった。タケルは腰にあるゴーストドライバーのレバーを押し込み、仮面ライダーゴーストオレ魂に変身した。

 

 

 

 

 

 

 

 駒王学園裏の森でも輝龍と裕人が戦っていた異形たちが居た。だが、

 

 「響先輩!龍見先輩!」(小猫)

 「お待たせ!小猫ちゃん!」(響)

 「よし、行くぜ、メイル!」(一誠)

 「うん、お兄ちゃん!!」(ゆめ)

 

 あとからやって来た少年、龍見一誠が金色のカードデッキを前に突き出す。するとそばにいた少女が金色のドラゴンへと変貌するや否や光となって一誠の持つカードデッキへと吸い込まれた。すると、一誠の腰に銀色のベルトであるVバックルが出現した。

 

 「変身!」(一誠)

 

 一誠は金色の龍騎こと仮面ライダー光龍に変身した。

 

 「仮面ライダー!?」(颯斗)

 

 一誠が変身した光龍の姿を見た颯斗はその姿から自身とは違うタイプとは言え、仮面ライダーであると直感した。

 

 「行くぞ、響!」(光龍)

 「うん!行くよ!!」(響)

 

 光龍はカードデッキからカードを引き、それを左腕にあるメイルバイザーにセットして読み込ませる。

 

 ≪SWORD VENT≫

 

 すると空中から金色の剣、解放龍の剣(リモート・エッジ)が落ちてきた。それを光龍は右腕でキャッチし、構える。

 光龍の隣に立つのは同じ時に神社にいる雪音クリスと同じシンフォギアの装者である立花響である。彼女は白とオレンジのボディスーツに身を包み、金色の脚甲とガントレットと言ういでたちで拳法を思わせる構えを見せる。

 光龍は向かってくる異形たちを手に持っている解放龍の剣で切り裂いていく。だが、異形たちに切り裂かれた傷は無い。そこに

 

 ≪REMORT≫

 

 という音声が響くとたちまち異形たちは地面に倒れ伏す。傷一つついていないのにまるで自身の体を自分の意思で動かせないようだった。倒れ伏す異形たちの災難はまだ続いていた。光龍の隣にいた響は天高く飛び上がっており、その右腕のガントレットの機構はすでに稼働済みだった。

 

 「ぶっっっっっとべええええええええええええ!!!」(響)

 

 響はそのまま地面向けて急降下し、地面に着くと同時に右腕で地面に正拳突きを放った。そして、正拳突きが地面に当たるその瞬間にガントレットの機構が稼働し、強烈な衝撃を放った。その衝撃は地面を通して異形たちの肉体を崩壊させていった。

 

 「やったね!!」(響)

 「響先輩、、、。」(小猫)

 

 そう、敵を倒すことが出来たのだがそれと引き換えに森一帯が吹き飛んでしまっていた。

 

 「響、流石にやり過ぎだぞ。」(光龍)

 「あはは、、、そうだよね、、、。」(響)

 

 光龍の言葉、小猫を含めた周囲の視線に耐え切れずに肩を落とす響。

 

 

 

 

 

 ≪ガンガンセイバー!!≫

 「おうら!!」(ゴースト)

 

 そして、時をさかのぼること数分ほど前、ゴーストらが神社に到着したころだった。変身を完了したゴーストはガンガンセイバーを召喚し、足軽たちを次々と薙ぎ払って行く。

 

 「よし、これならどうだ!!」

 ≪開眼!マサムネ!武勇で皇帝!!独眼竜!!≫

 

 ゴーストは蒼色のゴーストアイコンを取り出し、それを使って仮面ライダーゴーストマサムネ魂にゴーストチェンジした。さらにどこからかやって来た龍型のガジェット、ドラゴンスピーカーがガンガンセイバーの上部に合体、ガンガンセイバーバスターソードモードとなった。

 ゴーストマサムネ魂はバスターソードモードとなったガンガンセイバーを振るい、足軽たちを倒していく。また、

 

 「おら!」(ゴースト)

 ドオン!!

 

 ゴーストがガンガンセイバーの柄を叩くとバスターソードモードの上部にあるスピーカーから衝撃波が放たれ、足軽たちを吹き飛ばしていく。

 

 「よし、トドメだ!」(ゴースト)

 ≪ガンガンミナー!ガンガンミナー!オメガブレイカー!!≫

 

 ゴーストはガンガンセイバーをゴーストドライバーに近づけ、必殺技を発動。蒼色ののオーラに覆われたガンガンセイバーを振るうと龍型の衝撃波が放たれ、足軽たちを粉砕していく。

 

 「すごい、、、。」(輝龍)

 

 その姿を見た輝龍はそう呟く。

 

 「御堂君、助かったよ。」(裕人)

 「いや、どうってこたないって。」(ゴースト)

 「まずはひとまずは無事見てえだな。」(クリス)

 「彼が助けてくれて。」(裕人)

 

 裕人の言葉に輝龍に注目が集まる。輝龍は意を決し、ドライバーからロックシードを外して変身を解除する。

 

 「ええと、、、、、、、、まずは、その、ここってどこ?」(大樹)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 駒王学園。元は女子高だったが男女共学となり、年々男子生徒の割合が増えてきている。この学園、実は人ならざるもの、キリスト教の聖書において書かれている悪魔たちがいるいわば悪魔のための学校である。そもそも、この街、駒王町自体が聖書に書かれている悪魔たちが治めている土地である。

 大樹、マドカ、颯斗、簪はこの世界に来た時に出会った彼らの案内で駒王学園の生徒会室に来ていた。

 

 「ねえ、大丈夫かな?」(颯斗)

 「誠心誠意、本当にあったことを話す。それ以外に出来ることなんてあるとでも?」(大樹)

 「そもそも、信じてくれる?」(簪)

 「でも、この人たちは大丈夫じゃない?」(マドカ)

 「クラックからこっちに来て、、、というかIS学園を知らないって時点で僕らのいた世界じゃないよね?」(颯斗)

 「使っている機械も私たちの時代より古い、というよりはお父さんたちが使っていたっていうものに近いよね。」(マドカ)

 「こんなことって、私が体験するなんて思わなかった。」(簪)

 

 後ろの方で大樹たちはこそこそと話している。一応は大樹たちはここが自分たちの知っている世界かどうかの確認はした。確認した結果はこの世界は自分たちのいた時代よりも2,30年近くの技術の遅れがあり、ISが存在しない世界ということは分かった。さらには白騎士事件、柏葉夫妻惨殺事件などの事件が存在しないことから完全にここは自分たちが育ってきた世界では無いということが分かったのだ。

 

 「ええと、そちらの方々の話を聞いてもよろしいでしょうか?」(???)

 

 生徒会室にいる眼鏡をかけた少女、支取蒼那=ソーナ・シトリーは生徒会室の入り口に固まっていた大樹たちに話を聞こうとする。その話を投げかけられた大樹たちは自分たちの中でこういった状況下における話が出来る役目、つまりリーダー役を大樹に決めて説明をした。

 

 「つまり、あなた方は異世界からやって来たのですね。」(ソーナ)

 「ああ、はい。俺たちの世界は早い話が科学技術の進歩が進んでいる世界で過去には人ならざる者の侵略が幾度もありました。まあ、俺達が生きている時代にもそれらの類はいますが。」(大樹)

 「じゃあ、お前らの装備はそうなのか?」(一誠)

 「はい。でも、正確にはそのたぐいに対抗できるものを持っているのは俺を含め、3名です。」(大樹)

 「仮面ライダーなのか、お前たちは?」(タケル)

 「ええ。」(大樹)

 

 大樹の言葉に自分たちのドライバーを出す颯斗とマドカ。それを見たタケルが一番に反応した。

 

 「戦極ドライバー!?」(タケル)

 「俺の持っているものは俺の両親が手に入れていたもの、マドカのものは俺がヴァルハラ、アーマードライダーの名で知られる仮面ライダーたちの組織に頼んで作ってもらったものです。」(大樹)

 「つまりはお前たちはその世界で戦っている仮面ライダーたちってことなんだな。」(一誠)

 「で、その仮面ライダーたちがなんで私のいるこの世界に来ているんだよ?」(クリス)

 「クラックと呼ばれる異世界に通じる穴があって、そこから飛ばされて。」(大樹)

 「飛ばされたってことは誰かに?」(小猫)

 「鎧武者、俺達をクラックに飛ばしたのはそいつです。」(大樹)

 「鎧武者、ですか。」(小猫)

 「仮面ライダーを異世界に飛ばすなんて余程の相手だね。」(裕人)

 「見たところ、俺とマドカの使うシステムと同じもの、戦極ドライバーを使っていた。」(大樹)

 「ってことは鎧武系のダークライダーか。」(タケル)

 「とにかく、俺達としては目下としての最優先事項は自分たちの世界に帰還することです。ただ、クラックがまた開くのを待つとなるとどのくらいの期間になるか、、、。そして、クラックは必ずしも俺たちの世界に繋がっているわけではないので、確実に自分たちの世界に戻る手段が確保できるまでは最低限の衣食住は提供してほしいです。」(大樹)

 「ねえ、イッセー。」(響)

 「どうした、響?」(一誠)

 「アザゼルさんの発明を貸してもらうのはどうかな?」(響)

 「おっちゃんの異世界渡航機か?」(一誠)

 「うん、この前にアザゼルさんが当分は使わないって言っていたけどこの人たちが元の世界に帰ることが出来るなら良いじゃないのかな?」(響)

 「そうだな。おっちゃんに話してみるか。会長、少し時間をもらいますけど、何とかなると思います。」(一誠)

 「それでしたら、龍見君たちに任せてもよろしいでしょうか?生徒会側はすぐには動けそうにもないので。」(ソーナ)

 「分かりました。」(一誠)

 

 そう言った話の流れで大樹たちのことは一誠たちが当分の面倒を見ることになった。

 

 「ねえ、取り合えずは何とかなるの?」(颯斗)

 「なったみたい。」(大樹)

 「ひとまずは安心だね。」(簪)

 「でも、すぐに帰れそうだよ。もう少しいても良いんじゃ?」(マドカ)

 「いや、早く帰れるに越したことは無いだろ?それに、あの鎧武者は放っておけない。戻ったら、貴虎さんたちにすぐに連絡しないと。」(大樹)

 「そうだね。僕も泊さんたちに連絡しないと。」(颯斗)

 

 ひとまずは元の世界への帰還に目途が付いたために安堵する大樹たち一行。

 

 「俺たちの自己紹介がまだだったよな。俺は龍見一誠だ。で、」(一誠)

 「私は立花響!よろしくね!!」(響)

 「ああ、私は雪音クリスだ。一応、3年。」(クリス)

 「僕は木場裕人。よろしく。」(裕人)

 「御堂タケルだ。」(タケル)

 「匙元士郎だ。この学園の生徒会所属だ。よろしくな!」(匙)

 「ゼノヴィア・クァルタだ。私も今は生徒会の所属だ。」(ゼノヴィア)

 「塔城小猫です。そして、」(小猫)

 「赤龍帝ドライグだ。よろしくな、異世界の人間たち。」(ドライグ)

 「私はこの学園の生徒会長をしていますソーナ・シトリーです。短い間ですがよろしくお願いします。」(ソーナ)

 

 大樹たちの前でこの世界で出会った面々が自己紹介をする。

 

 「柏葉大樹、仮面ライダー炎竜。」(大樹)

 「僕は留芽颯斗です。仮面ライダーとしてはロードって名乗ってます。」(颯斗)

 「織斑マドカです。仮面ライダーヴァルキリーで、大樹の彼女です。」(マドカ)

 「私は更識簪です。私は仮面ライダーじゃないけど。」(簪)

 「しばらくの間、よろしくお願いします。」(大樹)

 

 そして、大樹たちもまた自己紹介をした。

 

 「そういえば、柏葉さんたちは学年はどれくらいでしょうか?」(小猫)

 「俺たちは全員高校1年生ですけど。」(大樹)

 「え?」(一誠)

 「ん?」(大樹)

 「は?」(タケル)

 「んんん?」(。´・ω・)ん?(颯斗)

 「ええええ!!」(響)

 「「???」」(マドカ、簪)

 

 この場にいた全員がまるでそんな阿呆なと言わんばかりの表情だった。

 

 「え、年下?」(一誠)

 「え、先輩?」(大樹)

 

 




 一誠たちの元でひとまず落ち着く大樹たち。そんな大樹たちは一誠と響、クリスが所属する組織へと向かう。しかし、大樹たちの前にこの世界では死んだはずの3人の人物が現れた。

 「今度こそ、僕が主役だ!!」
 「私達が受けた屈辱、味わってもらうわ!!」
 「積もり積もった恨みを晴らさせて頂きますわ!!」

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