IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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 銭湯を終えた大樹たちは駒王学園へと場所を移した。この世界の仮面ライダーである龍見一誠、御堂タケルらにしばらくの間、自分たちが元の世界へ戻るまでの支援を願い出た。一誠たちは大樹たちを一時保護することになった。そんな中で駒王町を見て回る大樹たちの前に謎の3人組が現れた。


仮面ライダー輝龍 最弱の一誠コラボ 第4話

side 3人称

 大樹たちの前に現れたのはその魂を裁かれるべき場所へと連れていかれた兵藤宗二、リアス・グレモリー、姫島朱乃だった。彼らはその肉体を変化させ、それぞれ竜人、悪魔、堕天使の異形の姿へと変貌した。

 

 「何度来ても懲りない奴らだな、変身!!」(タケル)

 ≪開眼!オレ!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!!≫

 

 タケルは仮面ライダーゴーストに変身する。大樹、颯斗、マドカも目の前の相手が敵ということを察知して輝龍、ロード、ヴァルキリーへと変身する。残った簪は緊急事態ということで打鉄弐式を起動する。

 

 「お兄ちゃん!私も!!。」(レイナ)

 

 その場に同行していたレイナも腰にゴーストドライバーを出現させる。そして、手に持っていたユリン眼魂をゴーストドライバーにセットする。レイナはゴーストドライバーのトリガーを引いて、押し込む。

 

 「変身!!」(レイナ)

 

 レイナはオレンジのカラーがピンクになったゴースト、仮面ライダーユリンに変身した。輝龍らはそれぞれの武器を手にする。

 

 「さあ、僕の力にひれ伏せ!!」(宗二)

 

 宗二=幻魔宗二は自らの力を誇示するように左腕を掲げる。リアス=幻魔リアスと朱乃=幻魔朱乃はそれぞれ特属性である滅びの魔力、雷の魔力を球状に成型し、輝龍らに放った。輝龍たちは散開することで回避した。

 輝龍、ゴースト、ロードは幻魔宗二へ、ヴァルキリーは幻魔リアスへ、ユリンと簪は幻魔朱乃へと相手を決めて戦いを始める。

 

 「こんなので僕を倒せるとでも?」(幻魔宗二)

 「こいつもなんか効かない!」(ロード)

 「とにかくやるしかないだろ。」(輝龍)

 「大樹、颯斗!無茶をするな!」(ゴースト)

 

 そして、幻魔王信長、造魔足軽の時と同様に輝龍とロードの攻撃は幻魔宗二には効果が薄かった。そして、それはヴァルキリーも簪も同様だった。だが、

 

 「もう、何なのよ!!しつこいわよ!!」(リアス)

 「うるさい!!」(マドカ)

 「うっとおしいですわ!!」(幻魔朱乃)

 「それはこっちのセリフ!!」(簪)

 「あの、簪さん!?無茶はしないでください!!」(ユリン)

 

 どういうわけかこの場で最も相手を激しく攻撃していた。

 

 「ねえ、何で?」(ロード)

 「いや、分かんない。付き合いが長いけど分からない。」(輝龍)

 「突き合いって言った?」(ロード)

 「何か字が違うと思うんだけど。」(輝龍)

 「無視をするなあああ!!」(幻魔宗二)

 

 お互いの彼女の猛攻の理由を聞く輝龍とロードだが理由がいまいちわからない。そのやり取りを見た幻魔宗二は自分のことなど眼中にないかのような二人のやり取りに激高して輝龍とロードに向かってくるが、、

 

 ≪ゴールドドラゴンスカッシュ!≫

 ≪急に!デッドヒート!ハート!!≫

 

 輝龍とロードはとりあえずドライバーを操作、輝龍は光龍剣を振るい、ロードはその剛腕でぶん殴った。

 

 「ギャアアアアア!!」(幻魔宗二)

 「ん?」(ロード)

 「え?」(輝龍)

 

 攻撃を受けた幻魔宗二の様子を見て違和感を覚える輝龍とロード。そして、

 

 「ねえ、今手ごたえがあったんだけど。」(ロード)

 「俺も。確かに芯を捉えた感覚があった。」(輝龍)

 

 今までにない手ごたえを感じていた。その一方で、

 

 「ちょ、何でよおおお!!」(幻魔リアス)

 「これでは、魔力が!」(幻魔朱乃)

 「ふん!!」(ヴァルキリー)

 「死んで!!」(簪)

 「あ、、、ええと、じゃあ私は後ろで撃ってますね。」(ユリン)

 

 幻魔リアスと幻魔朱乃が魔力を出す前にヴァルキリーと簪は猛攻を仕掛けていた、

 ヴァルキリーはいつの間にやらブルーベリーアームズからブラックベリーアームズになっており、オニキスクレイモアをあり得ないほどのスピードで振り回していた。

 簪は荷電粒子砲の春雷をエネルギーの消費を考えずに幻魔朱乃に当てていた。

 二人の猛攻を見ていたユリンは一応声を掛けてガンガンハンドガンモードで援護射撃をする。

 

 「「巨乳、死すべし!!」」

 

 ヴァルキリーと簪はそう叫ぶとそれぞれの最大火力を誇る武装の限定を解除した。

 

 ≪ブラックベリースパーキング!!≫

 

 ヴァルキリーは最大出力のブラックエンドを、簪は山嵐の多重ロックオンによる超収束過剰火力を叩き込んだ。

 

 「「きゃあああ!!」」

 「私っているのかなあ?」(ユリン)

 

 戦場にユリンのつぶやきがこぼれた。

 

 

 

 

 「いい気になるなよ!!」(幻魔宗二)

 ≪Boost!!≫

 

 幻魔宗二の左腕の籠手からぐぐもった音声が流れた。その直後にそれが何を意味するのかを理解していたゴーストは輝龍とロードに声を掛ける。

 

 「大樹、颯斗!!気を付けろ!!こいつ、時間が経てばたつほど強化される!!」(ゴースト)

 「喰らええええ!!」(幻魔宗二)

 

 幻魔宗二はバスケットボール大の魔力弾を形成し、それを放った。輝龍とロードはガードする態勢を作るも、それが予想以上の威力を秘めていたためにフッ飛ばされて変身が解除された。

 

 「嘘、一撃、、、。」(颯斗)

 「一回分でこれかよ、、、。」(大樹)

 

 大樹も颯斗も防御力には自信があった。それがたった一度で突破されたのだ。

 

 「ハハハハハハハハ!僕を甘く見るからこうなブヘエエエ!!」(幻魔宗二)

 

 高笑いした次の瞬間に空中を飛ぶ幻魔誠二。見れば、ブルーベリーアームズに戻ったヴァルキリーと簪が遠くから狙い撃っていた。

 

 「「私の彼氏に何すんのよ(するの)!!」」

 「なんか、私っているの?マドカさんたち、すごく強いんだけど、、、。」(ユリン)

 

 空中できりもみ回転を3回行い、地面に激突した幻魔宗二に愛しの相手をボコられたのが相当ご立腹みたいだ。ヴァルキリーと簪は追い打ちの攻撃をぶち込んでいく。

 

 「何が良くて、頭よりも胸に栄養が行っている女といるのよ!!自慢か!?自慢かあああ!!」(# ゚Д゚)(ヴァルキリー)

 「ウフフ、死んで。」(簪)

 

 追い打ちの攻撃をしていく際に出てくるセリフは明らかに自分たちよりも豊かな胸を持つリアスと朱乃を侍らせていた宗二への怒りだった。ヴァルキリーはその言葉から分かる通りに烈火のごとく怒っており、簪はハイライトが消えた瞳で宗二を狙い撃っていた。

 

 「オータムと言い、スコールと言い、箒も!束さんも!お姉ちゃんもお母さんもあって!!何よ!!私の周り、大樹の周りの女の人って巨乳が多いのよ!!」(# ゚Д゚)(ヴァルキリー)

 「お姉ちゃんと、本音と比べたら私なんて、、、フフフ。」(簪)

 

 どうやら、ここに来て日ごろの不満、自身の体型へのコンプレックスが刺激されたらしい。その様子を見た大樹も颯斗もああ、だからかと納得すると同時に絶対にこのことで二人を傷付けないことを心に決めた。

 

 「もう、そりゃ、私は小さいけど!!鈴とラウラより背は小さいけど!!これでも、高校生!!なんなの!!」(ヴァルキリー)

 「お姉ちゃんと比べたら、私なんて、、、。」(簪)

 「大樹、颯斗。止めないとヤバくないか?」(ゴースト)

 「何か私、マドカさんたちの気持、分かる気がします。」(ユリン)

 「じゃあ、もう一回変身して止めに行ってきます。」(大樹)

 「え?怖いよ。」(颯斗)

 「いや、君の彼女、ヤバいよ。あの目はヤバいよ。」(大樹)

 「君んところは滅茶苦茶怒っているよ?大丈夫なの?」(颯斗)

 「あれはまだまだ可愛い方。」(大樹)

 「違うね。やっぱエロゲー的な付き合い方をしている人は違うね。」(颯斗)

 「今、簪たちが撃っているところの真ん中にぶん投げてやろうか?」(大樹)

 「ごめん。それは勘弁して。」(颯斗)

 

 何とも間の抜けたやり取りをしながら大樹と颯斗は再度変身する。変身した輝龍とロードはそれぞれの彼女のところへ行く。

 

 「はい、マドカさん。終わり。終わり!!」(輝龍)

 「離して!あいつは灰にしないと!燃やさないとおおおお!!!」(ヴァルキリー)

 

 輝龍はヴァルキリーの背後に回り込んで後ろから抱きしめる。一方のロードは

 

 「ギャアアアアア!!」(ロード)

 「あ、颯斗、、、。」(簪)

 

 簪の砲撃に巻き込まれてしまい吹っ飛んでいった。その数瞬の後、

 

 「なんで私ってこんなに無いの?」(マドカ)

 「俺さ、マドカの見た目で何か不満とか言った?」(大樹)

 「言ってないけど、、、。」(マドカ)

 「俺は不満なんかまったくないよ。マドカ、きれいだよ。」(大樹)

 「でもおおお。」(マドカ)

 「はい、気にしない。あそこの人たちのこと、気にしない。」(颯斗)

 「、、、、、、でも、私、、、こんな貧相な、、、。」(簪)

 「かんちゃん、貧相じゃないよ。ベストボディ!!」(颯斗)

 「、、、そう?」(簪)

 「うん!!」(颯斗)

 

 お互いに彼女がどれだけ魅力的か、自分たちが如何に惚れているのかを話していた。そもそも、これが普通の生活の中での場面であればよくあるカップルの話だがこれは今戦闘中に起きていることである。いつもであればこんなことはこのような場ではしない2組だが今は敵が完全に伸びているということもあり、警戒を弱めていた。

 

 「ふう、まずはこいつらをふん縛っておくか。」(ゴースト)

 

 そうゴーストが言った時だった。どこから時空のゆがみが現れ、そこから所々が筋肉が露出しており、身体の大半の機械の装甲で覆っている異形のライダー=幻魔チェイサーが出現した。

 

 「チェイス!?」(ハート)

 

 その姿からかつての仲間であるチェイスを思い出すハート。幻魔チェイサーが来たことに好色を示したのは宗二たちだった。

 

 「よく来た!!さあ、助けてくれ!!」(宗二)

 「何を勘違いしている。俺が来たのはお前たちを連れ戻すためだ。」(幻魔チェイサー)

 

 幻魔チェイサーがそう言葉を発すると周囲の動きが急激に遅くなった。その中で問題なく動けていたのは颯斗と簪だけだった。

 

 「これって、重加速現象。」(簪)

 「お前はロイミュードなのか?」(颯斗)

 「俺の発したこのフィールド内を動けるのか?」(幻魔チェイサー)

 

 幻魔チェイサーはそう言うと高速で颯斗の元へ近づく。

 

 「っ!!」(颯斗)

 「颯斗!!」(ハート)

 

 ハートが急遽自身からマッハドライバーに入り、強制的に颯斗を変身させた。ロードは両腕をクロスすることで幻魔チェイサーの拳を防御した。

 

 「中々、面白いな。決めたぞ。お前は俺が殺す。」(幻魔チェイサー)

 

 幻魔チェイサーは後方へ跳ぶと宗二たち3人を抱え、時空のゆがみへと姿を消した。幻魔チェイサーが姿を消すと重加速現象は消失した。

 

 「あいつ、魔進チェイサーなのか?」(ゴースト)

 「ハート、あいつって前に話したチェイスってロイミュードなの?」(ロード)

 「似ている。だが、俺の友はあんな殺気を放つような奴じゃない。」(ハート)

 

 敵が去ったことで変身を解くゴースト、ロード、ユリン。この場にいた彼らの表情は新たに来る戦いを予感してか重いものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「がばばばばば!!」(幻魔宗二)

 「余程、我慢できなかったのか?まだ調整が終わっていないというのに勝手に出ていきおって。幻魔チェイサー、良くやった。」(ギルデンスタン)

 

 幻魔たちが根城としている世界のはざま=幻魔空間では先程戦闘をしていた幻魔宗二たちが円柱の中に入れられていた。近くにある基盤を操作するギルデンスタンは任務を遂行した幻魔チェイサーに称賛の言葉を与えていた。

 

 「父上、あの男、俺と同じ力を持っていたあの男を相手にする。」(幻魔チェイサー)

 

 幻魔チェイサーはそう言うとブレイクガンナーに似た武器=幻魔銃拳を召喚する。

 

 「なるほど!!お前の気に入った相手がいたのか!!好きなように動くと良い!そうすれば、必然と信長が目指すものも成功するだろう!!」(ギルデンスタン)

 

 ギルデンスタンがこうまでに高揚しているのは彼が生み出した造魔である幻魔チェイサーの完成度の高さだろう。自身で思考し、1対1であれば負けることは無い、以前に創造された造魔であるマーセラスを超える幻魔チェイサーはギルデンスタンが生み出した最高傑作である。

 

 「ギルデンスタン。例のものは出来たか?」(幻魔王信長)

 

 物陰から信長が出てくる。

 

 「いや、まだだ。創造神の力を結晶化させることが出来たが如何せん、その結晶をその錠前の形にするのが難しいのだよ。」(ギルデンスタン)

 「急げ。その力を持って全ての世界を侵攻するのだからな。」(幻魔王信長)

 「分かっている。何、しばらくしてから来てくれ。」(ギルデンスタン)

 

 そう言ってまた基盤を操作しだすギルデンスタン。そこには怪しく輝く純白の結晶があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よっ、待たせたな。」(一誠)

 

 その頃、一誠たちの家で大樹たちは話を終えた一誠と響と合流していた。

 

 「それで、どこに?」(大樹)

 「まあ、待てよ。響、未来の方はどうだ?」(一誠)

 「OK!!」(響)

 「よし、皆。近くまで集まってくれ。」(一誠)

 

 一誠の呼びかけに応じ、近くまで寄る大樹たち。すると彼らをまばゆい光が包み込んだ。

 大樹、颯斗、マドカ、簪は光に包まれた次の瞬間に眼を開けるとそこは一誠の家ではなくどこかの大きなビルのロビーのような場所だった。

 

 「あれ?」(颯斗)

 「は?」(大樹)

 「ん?」(マドカ)

 「ええと。」(簪)

 「「「「何があった?」」」」

 「ここが俺と響が所属する神を見張る者(グリゴリ)の本拠地だ。」(一誠)

 「え?でも、あれ?」(颯斗)

 「もしかして、テレポーテーションですか?」(大樹)

 「ええとね、その、私には分かんなくて。」(響)

 「まあ、そんなもんだな。」(一誠)

 「「一誠さん!響さん!」」(???)

 

 その時に一誠と響を呼ぶ声がした。

 

 「切歌ちゃん!調ちゃん!」(響)

 

 響は自身を呼んだ人物たちの元へ駆け寄る。彼女たちは響、クリスと同じシンフォギア装者である月読調と暁切歌である。

 

 「この人たちが一誠さんたちが言っていた人達ですか。」(調)

 「初めましてデース!」(切歌)

 「おし、調、切歌。おっちゃんたちのところへ行くぞ。」(一誠)

 「分かった。」(調)

 「はいデース!」(切歌)

 

 大樹たちを連れて移動しだす一誠たち。大樹たちはその施設を歩いていき、訓練室兼研究室と書かれた部屋の前に来る。

 

 「おっちゃん、入るぜ。」(一誠)

 「おお、来たか。」(???)

 

 そこにいたのは着流しに身を包んだ男だった。彼こそが一誠たちが所属するグリゴリを納める人物である堕天使の首領アザゼルだった。そして、彼の傍らにいたのは彼の妻である錬金術師のキャロル、キャロルの妹であるエルナである。

 エルナ達と反対側にいたのはクリス、響の親友であるシンフォギア装者である小日向未来であった。

 




 アザゼルらと出会い、元の世界への帰還に一応の目途がついた。そして、大樹たちはドライバーの調整のためのデータ収集として一誠らと手合わせすることになる。

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