IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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 誠二らの襲撃を受けた大樹たちは仮面ライダーに変身して対抗、マドカと簪が自身のコンプレックスを非常に刺激された相手だったためにオーバーキルをして勝利を収めた。その時、新たに出現した敵である幻魔チェイサーが出現、颯斗を自身の相手と決めて誠二たちを連れ去った。


長らくお待たせしてすみませんでした。コラボ最新話です。どうぞ。


仮面ライダー輝龍 最弱の一誠コラボ 第5話

side大樹

 俺たちは龍見さんたちが所属している組織、グリゴリへと来ていた。俺達があったのはグリゴリの代表であるアザゼルと言う人、、、聖書に書かれている堕天使の頭領だよな。そして、隣には金髪碧眼の美女と美少女、龍見さんの仲間の雪音さん、その隣には俺達と同年代の黒髪の日本人の少女。なんだろう。すごく、明らかに人知を超えたものに関わっている気がする。

 

 「ほう、お前たちが一誠が言っていた異世界人たちか。」(アザゼル)

 

 アザゼルさんが話しかけてきて、俺はいきなり後ろから押されて前に出た。どうやら、颯斗たちがやったみたいだ。とにかく、代表者として俺は話し出す。

 

 「はい、俺は柏葉大樹です。俺達はこことは違って科学技術が発展した世界から来ました。」(大樹)

 「俺はここ、グリゴリのトップをやらせてもらっているアザゼルだ。科学技術と言っていたがどういったもんだ?」(アザゼル)

 「機械工学、電子技術などです。正直なところ、俺はあまり詳しくなく。」(大樹)

 「ほう、そうか。で、お前を含めると4人いるそうだが。」(アザゼル)

 「はい。後ろにいます留芽颯斗、更識簪、織斑マドカが俺の仲間です。」(大樹)

 「そうかそうか、それにお前さんたちはどうやらそっちの世界じゃあ仮面ライダーらしいな。」(アザゼル)

 

 そう言われて俺は後ろの颯斗とマドカに目配せする。二人は制服の中にしまってあったドライバーを見せた。

 

 「そこの坊主のはルシファーんとこのドライバーと同型か?」(アザゼル)

 「ああ、それはそちらの現物を見ないと分からないですが、もしも同じシステムないしは同系のものがあればたぶんですが。」(大樹)

 「それで、元の世界に戻るのに俺が作った装置を使いたいってどういうことだ?」(アザゼル)

 「実は、、、。」(大樹)

 

 

 

 

 

 ~十数分後~

 

 「なるほどな、もしかすると俺達の世界に属する奴かもな。」(アザゼル)

 「お手数になるのを承知でお願いします。元の世界に戻る前に俺達のドライバーに調整してもらってもよろしいでしょうか?龍見さんたちの攻撃が通用していたことから何か付与できれば。」(大樹)

 「おう、良いぞ。元の世界への移動に関してはそうだな、こっちにも準備があるからな、今からでも準備をさせてもらう。その時にはお前たちの世界に由来する持ち物を預からせてもらうが良いか?」(アザゼル)

 「はい、良いです。ただ、扱う際には仲間の颯斗と簪を一緒に居させてもらってもよろしいでしょうか?」(大樹)

 「おう、構わないぞ。それとドライバーの調整についてだがまずはお前さんたちがどれほどの性能の物を使っているのかを調べさせてもらえねえか?」(アザゼル)

 「ええ、はい。」(大樹)

 

 俺達は双言われてドライバーを提出しようとするがアザゼルさんはそれを止めた。

 

 「そうしてもらっても良いが手っ取り早くやろうぜ?うちの一誠、タケルがいるんだ。手合わせをしてデータを取らせてもらうぞ。」(アザゼル)

 

 その提案を聞いて俺は少し考える。提案として考えるならば自分たちの手の内をさらすようなことであるがこの人達の世話になっている以上はあまり神経質になるのも失礼になる。どうしたものかと思い、俺は後ろの皆に視線を移す。

 

 「僕は問題ないです。むしろ、バッチ来い!です。」(颯斗)

 「本気でも大丈夫ですか?」(マドカ)

 

 どうやら二人はやる気みたいだ。そうであるなら話は決まりだ。

 

 「では、お願いしてもよろしいでしょうか?」(大樹)

 「一誠、タケル、良いよな?」(アザゼル)

 「おっちゃんが言うなら良いぜ。」(一誠)

 「よし、じゃあどういう相手にするんだ?」(タケル)

 「そうですね、こっちは一人多いし。」(大樹)

 「あの、私も良いですか?」(玲奈)

 「玲奈!?」(タケル)

 「私もどれだけやれるのか自分で確かめたいです!」(玲奈)

 「それじゃあ、3対3ってことで良いですか?」(大樹)

 「玲奈もこういっているんだ。そうしようぜ。」(一誠)

 「どうします?全員で一斉にやるか、一人ずつやるかどちらにしますか?」(大樹)

 「それでしたら一人ずつやっていただけると調べやすいのでそうしてもらっていいでしょうか?」(エルナ)

 「じゃあ、、、。」(大樹)

 

 

 

 

 

 

 

side颯斗

 よし!異世界の仮面ライダーとの力比べ、先鋒をやらせてもらうことになった!相手は言うと

 

 「それじゃ、準備は良いか?」(タケル)

 

 仮面ライダーゴーストのタケルさんだ。僕たちは今、グリゴリのトレーニングルームで手合わせをすることになった。そして、僕とタケルさんはお互いに既にドライバーを装着済み。準備はOK!!

 

 「はい!それじゃ、行くよハート。」(颯斗)

 「ああ、行こうか颯斗。」(ハート)

 

 ハートが僕に右手の中に止まる。それを見たタケルさんはコアアイテムのアイコン?を手に持って横のボタンを押した。

 

 ≪シグナルバイク、シフトカー!≫

 ≪アーイ、バッチリミナー!バッチリミナー!≫

 「「変身!」」(颯斗、タケル)

 ≪ライダーロード!デッドヒートハート!≫

 ≪開眼!オレ!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!≫

 

 僕は仮面ライダーグレートロード(改名は大樹たちの案。)に変身、タケルさんは仮面ライダーゴーストに変身した。

 

 「俺は仮面ライダーゴースト。命、燃やすぜ!」(ゴースト)

 「仮面ライダーグレートロード。先輩、「「デッドゾーンの向こう側まで付き合ってよ(デス!)!」」(調、切歌)台詞取られた!!」(ロード)

 

 きめ台詞を取られた!!せっかく、こっちで初めてまともに変身したのに!!

 

 「なんで、お前たちは分かったんだよ?」(一誠)

 「「何か、ティン!!と来た(デス!)。」」(調、切歌)

 

 なんか、一誠さんが呆れている。まあ、気を取り直して行こう。

 

 「先輩、デッドゾーンの向こう側まで付き合ってもらえますか?」(ロード)

 「良いぜ。お互いに命を燃やそうぜ!!」(タケル)

 ≪ガンガンセイバー!≫

 「はい!」

 

 僕は走り出し、タケルさんにあいさつ代わりに右ストレートをお見舞いする。僕の右ストレートをタケルさんは召喚した武器、ガンガンセイバーで防ぐ。う~ん、やっぱり簡単にやらせてもらえないか。

 

 「おお、すごいな。腕がしびれているぜ。」(ゴースト)

 「じゃあ、遠慮なく!!」(ロード)

 

 僕はそのまま左ストレートを繰り出す。そんでもって次の攻撃は右のジャブ、左のフック!そして、ガンガンセイバーをどかすことが出来た。最小限のスペースだけど、そこ目掛けて全力で右アッパーを振るう。でも、予想した感触はなく、空ぶってしまった。

 

 「あれ?」(ロード)

 「危ない危ない、そのままだと良いのをもらいそうだったわ。」(ゴースト)

 

 声がするのは僕の上の方、タケルさんが浮かんでいた。え、ゴーストって伊達じゃなかったの?

 

 「それじゃ、フォームチェンジだ。」(ゴースト)

 

 そう言うとタケルさんは赤色のアイコンを取り出して、それを最初に使ったアイコンと交換した。すると、ベルトからなにやら赤い袖なしのパーカーがまるで幽霊の様に、、、ゴーストだから良いのか。タケルさんは空中でドライバーのレバーを押し込んだ。

 

 ≪開眼!ユキムラ!戟塵纏う!!大阪の陣!!≫

 

 するとタケルさんは赤いパーカーに着替えて、何となくだけど武将の真田幸村(戦極バサラ)に似ているな。あ、どっかからか何かが飛んできて、大剣から薙刀に変えたガンガンセイバーと合体して、あれは、、、十文字槍?マジでバサラの幸村だ。なぜだか頭の中でTMrevolutionが流れ出した。

 

 「よし、行くぜ!」(ゴースト)

 

 タケルさん、武器を振るって僕の方へと向かって来た。なんだか、スピードが上がってさっきから装甲を槍の穂先がかすってきている。あ~、ちょっとヤバいかな。

 

 「これでどうだ!」(ゴースト)

 ≪ガンガンミナー!ガンガンミナー!オメガスライサー!!≫

 

 ん?なんか槍を頭の上で回転させてきた、と思ったら赤いオーラを槍が纏って行って、、、

 

 「ハア!!」(ゴースト)

 

 その槍を振るったら赤い斬撃があああああ!!!

 

 「痛たああああああああ!!」(ロード)

 

 変身が解除されることは無かったけど痛い!!これ、明らかに必殺技だよね!!

 

 「お?耐えるのかよ。」(ゴースト)

 「お返しいいいいい!!」(ロード)

 ≪急に、デッドヒート!ハート!≫

 

 お返しにシフトアップした一撃を当てる。いやああ、ブースターが付いてパンチにスピードと威力が上がったからね、流石にタケルさんもシフトアップした攻撃はガード越しでも効いたみたい。

 

 「おわ!すごいパワーだな。流石はハートの力を使っているだけあるな。じゃあ、こいつを使わせてもらうぜ!」(ゴースト)

 ≪Dive to Deep!!ゲン!!カイガン!!ディープゴースト!!キルゴー!!覚悟!!ゲ・キ・メ・ツ!!ゴースト!!≫

 

 なんか新しいアイコンに入れ替えるとタケルさんの姿が大きく変わった。暗めの銀色の体に青紫のパーカー、ものすごく刺々しい一本角の姿になった。

 

 「ええと、それは?」(ロード)

 「これはディープゴーストだ。俺が使うフォームの中じゃあ2番目に強いぜ。」(ゴースト)

 「なんか悪者みたいですね。」(ロード)

 「いや、それは。」(ゴースト)

 「ん~、ならこっちも奥の手を使いますね。」(颯斗)

 

 そう言って僕はマッハドライバーを操作する。すると全身に熱が回ってボディのアーマーが赤く輝きだした。

 

 ≪急にデッドヒート!ハート!デッッッッッッッドゾーーーーーーーーーン!!≫

 「それって。」(ゴースト)

 「デッドゾーン、僕の切り札です。ただまあ、完全な短期決戦仕様です、けどね!!」(ロード)

 

 僕は炎をまき散らして先制パンチをする。さあ、ぶっちぎるぜ!!

 

 「ハア!!」(ゴースト)

 

 タケルさんもガンガンセイバーに青い剣を取り出して応戦する。ただ、それまでと違って戦い方がすんごく荒々しい!!

 

 「これで!!」(ロード)

 ≪ヒッサーツ!フルスロットル!デッドヒート、ハート!!≫

 

 僕はマッハドライバーを操作して必殺技デッドゾーンパニッシュを発動した。高熱を帯びて真っ赤に輝く右腕から放ったストレートパンチをタケルさんはガードするのでもなく、避けるのでもなくドライバーを操作した。

 

 ≪ゲンカイ!!ダイカイガン!!ディープゴースト!!ギガ!!オメガドライブ!!≫

 

 タケルさんの背後に紋章が現れ、そこからエネルギーが右腕に集まっていく。どうやら、迎え撃つみたい。上等!!

 

 「うおおおおおおお!!」(ロード)

 「ハアアアアアアア!!」(ゴースト)

 

 お互いに退かぬままに思い切り右腕を振りぬく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side大樹

 結果から言うと引き分けって言えば良いのか。デッドゾーン状態の颯斗がなんと膝をついていた。対するタケルさんも膝をついていた。颯斗の方は肩で息しているし、負けに近いだろうな。

 

 「はい、データは十分ですのでタケルさんも颯斗さんも変身を解除して戻ってきてください。それでは次の人は入ってください。」(エルナ)

 

 変身を解除した颯斗が戻って来た。

 

 「ああ、強い。」(颯斗)

 「お疲れ様。どうだった?」(簪)

 「う~ん、なんか特性が相性として良くないかな。それにまだ何かあるみたいだし。」(颯斗)

 「そりゃ、出したやつが全部ってわけじゃないだろうな。じゃあ、次はマドカだな。」(大樹)

 「うん。じゃあ、颯斗が負けた分を取り返してくるね。」(マドカ)

 「マドカ、剣道の試合じゃないからね。勝ち負けをあまり気にしないでよ。」(大樹)

 「やるからには勝つ!あと、出来ればカップルそれぞれで寝れる場所の交渉もお願い。」(マドカ)

 「最後の部分はダメもとでしてみるけど、、、。ダメだ、勝つ気満々だ。」(大樹)

 「ねえ、万夏ちゃんってかなり負けず嫌い?」(颯斗)

 「いや、勝ち負けのそう言うのはさっぱりしている方。やるにはベスト、全力でっていう姿勢だけ。」(大樹)

 

 そう話しながら俺はマドカの背中を見る。

 

 

 

 

sideマドカ

 私は腰にドライバーを装着して、相手が出てくるのを待っている。残っている相手は龍見一誠さんと御堂玲奈ちゃん、たぶんだけど相手は、、、

 

 「よろしくお願いします!」(玲奈)

 

 やっぱり、玲奈ちゃんだった。その腰にはすでにゴーストドライバーがあった。

 

 「うん、私の方こそよろしく。」(マドカ)

 「はい!」(玲奈)

 

 う~ん、大樹はあくまで手合わせだから普段の戦いよりも模擬戦の考えで頼むって言っていたけど、良いよね?本気でやっても。ISに乗っていた時と同じ戦い方が出来るからこそ、試したいこともあるし。

 

 「じゃあ、やろう。」(マドカ)

 ≪ブルーベリー!≫

 「はい!」

 

 私はブルーベリーロックシードを開錠する。玲奈ちゃんもピンク色の眼魂を取り出して、横のボタンを押した。私達は同時にロックシードと眼魂をドライバーにセットした。

 

 ≪ロックオン!≫

 ≪アーイ!バッチリミナサーイ!バッチリミナサーイ!≫

 「「変身!」」

 ≪カモン!ブルーベリーアームズ!マスケティアーオブサファイア!≫

 ≪開眼!ユリン!ウィルゴー!!覚悟!!ト・キ・メ・キ!!ゴースト!!≫

 

 私達はドライバーを操作、私は仮面ライダーヴァルキリーに、玲奈ちゃんは仮面ライダーユリンに変身した。

 

 「命、燃やします!」(ユリン)

 

 変身が完了すると玲奈ちゃんがきめ台詞を言った。う~ん、大樹も颯斗も言っているし、私も何か言った方が良いかな?でも、こういうのは大樹が得意だし、、、いきなり、良いのが出るわけではないけど、、、。物は試し、だよね。

 

 「この戦場(せんじょう)、私が勝つ。」(ヴァルキリー)

 (俺のから考えたでしょ?)

 

 何となく大樹にツッコまれた気がするけど、暫定ってことで許してほしいな。

 

 「マドカさん、行きます!」(ユリン)

 

 そう言うと玲奈ちゃんはベルトから紫色のライフル型の武器を出して、私を狙い撃つ。どの光弾も私をしっかりと狙っていて、私が大きく躱さないといけないほど。たぶん、玲奈ちゃんは銃の扱いに慣れている。さっきから、私の動きを予測して撃っていることからかなり扱いなれていることが分かるし、距離が離れても正確性があまり下がっていないことから相当な技術だということも分かる。でも、

 

 「それじゃ、私を倒せないよ!」(マドカ)

 

 私は空中に飛び上がってブルーライフルを引き金を引く。私が撃った光弾は全て玲奈ちゃんが撃った光弾を撃ち落とす。

 

 「ええ!?」(ユリン)

 

 機動力に任せて躱すこともできるけど、動きながらその攻撃を打ち消していくことがはるかに私の性分に合っている。玲奈ちゃんが驚いた隙に私は玲奈ちゃんに2,3発、光弾を当てた。

 

 「きゃあ!」(ユリン)

 「驚く時間は無いよ。今度は私から行くね!!」(マドカ)

 

 私は地面に着地して、高速で玲奈ちゃんに走り寄って連続突きを放っていく。

 

 「え!?あああ!!うわ!!」(ユリン)

 

 玲奈ちゃん、驚きながら防御に徹しているけど近接戦は苦手みたい。それじゃあ、私の攻撃を躱せないよ。私の攻撃は防がれるよりも玲奈ちゃんに当たる方が多くなってきた。

 攻撃していく中で玲奈ちゃんのドライバーから赤と白の眼魂が飛び出してきた。私は一時、攻撃の手を止めて距離を取った。その眼魂は空中に浮かぶと白地に赤いラインが走るパーカーになった。

 

 【大丈夫、玲奈ちゃん?】

 「は、はい。助かりましたアスナさん。」(ユリン)

 【玲奈ちゃん、私の力を使って。】

 「分かりました。」(ユリン)

 

 パーカーが話しかけている、、、。なんというか変な景色だけど、真面目だもんね?私と大樹、一夏兄さんなんかは変身する時は空中から落ち来た果物を被っているから大きい声ではおかしいなんて言えないもんね。なんだか、玲奈ちゃんと話しているパーカーさんの声、何だか他人の気がしないけど。なんか一緒に秘密基地で遊んでいた気がするし。

 会話が終わった玲奈ちゃんとパーカーさんは眼魂を入れ替えて玲奈ちゃんがドライバーを操作するとパーカーさんが玲奈ちゃんに着られて?フォームチェンジした。

 

 ≪開眼!!アスナ!!走る剣先!!閃く光!!≫

 

 フォームチェンジを終えた玲奈ちゃんは武器をタケルが使っていた剣に持ち変えた。すると、かなりの速さで私に連続突きを放つ。

 

 「っ!!」(ヴァルキリー)

 

 とっさにブルーライフルを盾にして突きを防ぐけど何個かは良いのをもらった。ちょっと思っていたよりもヤバい。剣筋ははっきり言って分かりやすい、躱せないほどの技術は無い。だけど、技術のなさを補う程、うんうん、それだけで相手を突破できるほどのスピードがある。私と大樹が使っているのは鎧の特性、武器の特性を変えることにあるから大幅に変わることは無いけど、仮面ライダーによっては大きく能力が変わるのは本当みたい。でも、それで負ける気なんてしない。私は玲奈ちゃんの動きを見切って、ドライバーを操作した。

 

 ≪ブルーベリースカッシュ!≫

 

 普段、私はサファイアレッグを発動するけど今はブルーライフルの穂先と自分の両足にエネルギーを集める。大樹が使っていた方法の中に全身にエネルギーを行き渡らせることで大幅にステータスを強化する方法があったけど、私が試したかったのは大樹が使っていた方法を応用して自分の武器と自分自身を同時に強化できるかということ。やった感じは上手くいっているから成功かな。

 

 「やああああ!」(ユリン)

 

 私は玲奈ちゃんの攻撃を躱して、碧く輝くブルーライフルで高速の刺突サファイアスラストを当てた。

 

 「きゃあああ!!」(ユリン)

 

 サファイアトラストは玲奈ちゃんに見事に決まって2,3メートルほど飛んで行った。けど、、、

 

 「え~と、玲奈ちゃん。大丈夫?」(ヴァルキリー)

 

 流石にやり過ぎだったかな?だよね、、、はあ、大樹と過ごすようになってからやめようと思っていたけど、まだ残っていたんだ、私が嫌いな世界を憎んだ織斑マドカ()が。

 

 「大、丈夫です!!」(ユリン)

 

 玲奈ちゃんから返って来たのはやたらと元気な返事だった。あれ、けっこう痛いはずなんだけど。

 

 「まだまだやれます!!」(ユリン)

 「あははは、じゃあ、やるね。」(ヴァルキリー)

 

 玲奈ちゃんのその根気、それじゃ私も付き合う。今度はロックシードをブラックベリーに変えて、

 

 ≪ブラックベリー!ロックオン!カモン!ブラックベリーアームズ!バスターオブクレイモア!≫

 

 私はブラックベリーアームズにアームズチェンジした。私はオニキスクレイモアを右手に持って、玲奈ちゃんに走り寄る。玲奈ちゃんは先程と同じようにスピードのある刺突のヒットアンドアウェイで戦っている。きっと、自分の形態の特性を理解しての戦法だと思う。

 それは戦う上では当然だし、玲奈ちゃんがこれから戦って行くには絶対に不可欠なもの。戦いの中で勝つならともかく、生き残るには自分には何が出来るのかを理解しないといけない。これはスコール、オータム、そして大樹はよく分かっている。勝つことが大事だって皆思っているけど、それよりもどう生き残るかが一番大切。むしろ、生き残ることを前提にしなければならない(それを戦っているうちにしなくてもいいくらいまでに追い詰められていた人を知っているけど)。

 考え事は置いておいて、私は玲奈ちゃんの攻撃をオニキスクレイモアで防いでいく。中にはガードしきれないものもあったけどそこはブラックベリーアームズの特性である高い防御力で最小限のダメージに留める。

 

 「マドカさん、行きます!!」(玲奈)

 ≪ガンガンミナー!ガンガンミナー!オメガブレイク!!≫

 ≪ダイカイガン!!アスナ!!オメガドライブ!!≫

 

 どうやら、玲奈ちゃんは大技を出すつもりらしい。背後に現れた紋章がエネルギーになって武器に集まっていく。私はドライバーを操作して、新しい技の準備をした。

 

 ≪ブラックベリースパーキング!!≫

 

 オニキスクレイモアが紫色のエネルギーを帯びていく。私はオニキスクレイモアを大剣から鞭へと変形させて、玲奈ちゃんの動きを待つ。

 

 「いやあああああ!!」(ユリン)

 

 玲奈ちゃんは私に飛び掛かり、空中からの高速の連続突きを放っていく。その軌跡はまるで流星のようで綺麗だった。でも、私はをそれに見とれることなく、鞭モードのオニキスクレイモアを振り回して私の守る刃の結界をドーム状に作り出す。

 玲奈ちゃんの攻撃は止まることなく次々と放たれていく。それを私はとにかくオニキスクレイモアで防御していく。そして、玲奈ちゃんの攻撃が止んだ、武器の様子から見ると大技が終わったんだと思う。その瞬間に私は自分のエネルギーと玲奈ちゃんから受けたエネルギーで限界以上のエネルギーをためたオニキスクレイモアでカウンターの強力な一撃を放った。

 

 「はあああ!!」(マドカ)

 

 ブラックトルネード、強力な防御からのカウンターアタックが玲奈ちゃんに決まった。

 

 「きゃあああ!!」(ユリン)

 

 玲奈ちゃんが吹っ飛ぶけどギリギリでパーカーさんが受け止めたって、なんか緑色のパーカーさんとピンク色のパーカーさん、薄橙色のパーカーさんが出てきて玲奈ちゃんを助けていた。

 

 「あの、玲奈ちゃん。ごめんね。」(ヴァルキリー)

 「いえ、マドカさんって強いんですね!あんな技、どうやって?」(ユリン)

 

 仮面越しで分からないけど、たぶん目をキラキラせているんだろうな。

 

 「玲奈さん、マドカさん、データは十分ですので戻ってください。」(エルナ)

 「じゃあ、戻ろう?それと本気でやってごめんね。」(ヴァルキリー)

 「いえ!今日は勉強になりました!」(ユリン)

 

 

 

 

 

side大樹

 マドカの勝利だったな。なんかスイッチが入っていたな。まあ、後で少しは話をするか。

 

 「次は俺だな。」(大樹)

 

 そう言って俺はポケットからゴールドドラゴンフルーツロックシードを出す。さて、どこまでやれるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side3人称

 トレーニングルームには大樹と一誠、そしてゆめの姿があった。

 

 「俺の相手は大樹か。」(一誠)

 「よろしくお願いします。」(大樹)

 「敬語にしなくても良いぜ?」(一誠)

 「いや、違う学校でも先輩なら。」(大樹)

 「良いから良いから。」(一誠)

 「大樹さんてタケルと同じなんでしょ?」(ゆめ)

 「ん?」(大樹)

 「ゆめ。」(一誠)

 「だって、そうでしょ?お兄ちゃん。」(ゆめ)

 「はあ、大樹は普通じゃないだろ?その、転生した人間じゃないのか?」(一誠)

 

 転生した、そのことに大樹は勘づくものがあった。たぶん、それには他のメンバーも気づいていることも。

 

 「どうして、そう思ったんですか?」(大樹)

 「戦い方が、俺の師匠に似ててさ、それと未来、仲間がお前とマドカちゃんは他の二人とは少し違うって。」(一誠)

 

 そこまで感づかれているのであれば少しの非礼も良い、ということなのだろう。

 

 「それを俺が簡単に認めるって?」(大樹)

 「そう言うタイプじゃないだろ。でも、腹を割って話すことも必要だろ?」(一誠)

 「先輩、いや一誠。あいにく、俺はそうじゃない。」(大樹)

 

 大樹はそう言うと戦極ドライバーを装着する。

 

 「そう簡単には腹を割るつもりなんてない。」(大樹)

 

 そう言って大樹はゴールドドラゴンフルーツロックシードを取り出す。それを見た一誠はそれが大樹からの挑戦と受け取る。

 

 「力を示せってことか?」(一誠)

 「まずは相手の実力を知る。こっちとしてそう簡単には本音を言わんさ。少なくともあんたたちは信頼できるがするかどうかはまた別だ。」(大樹)

 「良いぜ、少しは付き合うぜ。ゆめ、行くぞ。」(一誠)

 「うん!」(ゆめ)

 

 ゆめ=メイルは本来の姿であるドラゴンの一時的に戻り、一誠のカードデッキへと戻った。一誠はカードデッキを突き出し、Vバックルを腰に出現させる。それを見た大樹はゴールドドラゴンフルーツロックシードを開錠、戦極ドライバーにセットする。

 

 「「変身!!」」(大樹、一誠)

 

 光り輝く竜騎士=仮面ライダー光龍、金色の鱗を輝かせる竜武者=仮面ライダー輝龍へと変身した。

 

 ≪sword vent≫

 

 光龍はバイオブレードを召喚、輝龍は光龍剣を両手に持ち、構えた。そして、両者は互いに走り出して剣を交えて火花を散らす。

 

 

 




 激突する仮面ライダー輝龍と仮面ライダー光龍。両者の激突は大樹の中にある暗い感情をあらわにした。そして、遂に対峙する幻魔王信長。大樹たちはこれまで以上の相手との想像を絶する戦いを始める。

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