IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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 織田信長、幻魔王の力を持つ信長の手によって大樹は漆黒の感情に囚われる。間一髪のところを異世界から来た鬼武者に救われる。


仮面ライダー輝龍 最弱の一誠コラボ 第8話

side 3人称

 幻魔戦車から仮面ライダー輝龍、仮面ライダー光龍、仮面ライダーヴァルキリー、響が降り立つ。

 幻魔鎧武の呪縛から解放された輝龍は膝が地面についてしまい、その姿が輝龍から赤い炎竜のものへと変わってしまう。

 

 「大樹!その姿は!?」(光龍)

 「え?」(炎竜)

 「大ちゃん、前の姿になっているよ。」(ヴァルキリー)

 「本当だ。」(炎竜)

 

 炎竜は自分の姿を確認して、自分に何が起きたかを確認する。

 

 「おい、ここは危険だ。ひとまず、移動するぞ。」(左馬之助)

 

 疾風に乗って降りてきた左馬之助が炎竜たちに声を掛ける。

 

 「あんたは?」(光龍)

 「自己紹介がまだだったな。だが、今は移動するのが先決だ。」(左馬之助)

 

 左馬之助はあたりを見ると無数の幻魔たちが彼らに迫っていることが見て取れた。

 

 「大ちゃん、いける?」(ヴァルキリー)

 「行かないとダメだろ。」(炎竜)

 

 炎竜は竜炎刀と無双セイバーを合体させて杖代わりにして立ち上がる。彼らは自分たちの背後を守るように円陣を組む。彼らに迫る幻魔たち。一刻ごとに彼らに迫っていた。そこを青色と銀色の閃光が走り、幻魔たちを消し去る。

 

 「一誠!響!大丈夫か?」(???)

 「遅くなったわね。」(???)

 

 炎竜たちの前に青色が目立つボディスーツを身に纏ったポニーテールの女性と銀色に左腕にガントレットを装備した女性が降り立つ。彼女たちは光龍の仲間でツヴァイウィングというコンビ名で冥界を回る歌姫である風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴである。

 

 「翼さん!マリアさん!」(響)

 「助かったぜ。悪魔領の方は?」(光龍)

 「ひとまずは木場達が抑えている。そちらにいる彼らは総督が言っていた異世界の仮面ライダーたちだな。」(翼)

 「はい。」(ヴァルキリー)

 

 悪魔領にて戦っていた二人は光龍と響が戦っていることを聞いて、こちらの方へ来たのだ。その時に異世界のライダーである炎竜たちのことをアザゼルから聞いていたのだ。そのことを問うた翼に炎竜に肩を貸すヴァルキリーが答えた。

 

 「それで、あなたは何者なの?」(マリア)

 「話したいところだが落ち着いて話せる場所が良いだろ。」(左馬之助)

 

 左馬之助の言葉に確かにそうだと思う一同。だが、途中から合流した翼とマリアは左馬之助のことをあまり信用は出来ない存在ではあった。だが、光龍と響が問題なく一緒に居る点から今は安全な場所へ移ることが最優先であることを考える。

 

 「メイルに乗せてもらおう。」(光龍)

 ≪advent≫

 

 光龍はカードデッキからカードを引き、メイルバイザーに読み込ませた。すると、光龍から解放龍の剣に封じられているドラゴンのメイルが召喚される。光龍らはメイルの背中に乗り戦場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人間界、一誠たちが住んでいるアパートには響、未来、翼、クリス、マリア、切歌、調のシンフォギア奏者たち、タケルと玲奈、エルナ、一誠、そして大樹たちがリビングにそろっていた。

 タケルはエルナに傷の手当てをしてもらっていて、大樹に至ってはソファーの上で力なくうなだれていた。そして、彼らの前にいるのは蒼い具足を身に纏った金髪碧眼の偉丈夫である結城秀康=蒼鬼と紅い具足を身に纏った精悍なもののふである明智左馬之助である。

 

 「つまり、あなたたちは今回冥界を襲った魔族のことはよく知っているということなのね。」(マリア)

 「ああ。俺たちのいた日ノ本では長らく幻魔との戦いがあった。オタクらが相手にしているのは先の幻魔王である織田信長ってことだ。」(蒼鬼)

 「信長は俺が封印した。だが、どういうわけか、奴は新たな体を手に入れてお前たちの世界に侵攻してきたらしい。」(左馬之助)

 「俺は直接やり合ったことは無いが一度死んだ俺達がこの世界に呼ばれたってことは奴らを倒せってことだと思うがな。」(蒼鬼)

 「鬼武者、そう呼ばれてましたよね。」(颯斗)

 「ああ。俺達は幻魔と戦っていた鬼の一族から幻魔に対抗する力を与えられた。俺たちの様に鬼の力を持つ者のことを鬼武者と言う。」(左馬之助)

 「俺は奴ら幻魔が白き創造神と呼んでいる幻魔の神と相対する黒き破壊神の力を持った鬼武者だ。俺は日ノ本で生まれたが生まれた時から鬼の力を持っていたこの見た目だ。」(蒼鬼)

 「俺はまだ若い頃に幻魔と出会い、そこで鬼の一族から幻魔を封じる力を持つ鬼の籠手を与えられたことで鬼武者になった。」(左馬之助)

 

 鬼武者、彼らのいた世界において世界を守護してきた者達である。左馬之助と蒼鬼は自身の力を説明しながら幻魔と鬼の戦いについて明かしていく。

 

 「それで信長たちの目的は。」(一誠)

 「信長は俺に阻止された天下統一の野望をまた実現しようとしているんだろう。それも俺達のいた世界だけじゃなくあらゆる世界を支配するために。」(左馬之助)

 「早い話が信長を倒せば良いんだろ。お前たちはここで待ってろ。」(蒼鬼)

 

 蒼鬼は大剣を背負うとそのまま玄関に向かって行く。

 

 「待ってくれ!俺も行く!」(タケル)

 

 傷を負ったタケルがそう言うが傷の手当てをしていたエルナと玲奈が止める。

 

 「辞めとけ。その怪我だとまともに動けないだろ。」(蒼鬼)

 

 蒼鬼は傷を負っているタケルに対してそう言った。

 

 「その怪我なら寝ていた方が良いな。それじゃ、左馬之助。俺は先に出てるぜ。」(蒼鬼)

 

 蒼鬼はそのまま玄関へ向かうと外へ出てしまった。

 

 「君たちはここで待って居て欲しい。この戦いは元々は俺達が終わらせるべきだったものだ。本来、無関係である君たちを巻き込みたくない。」(左馬之助)

 

 左馬之助も同様のことを大樹たちに言った。

 

 「いや、待ってくれ。あいつらが好き勝手にしているのは俺達の世界だ。何もしないわけにはいかない。」(一誠)

 「これは君たちの問題ではないだろ。」(左馬之助)

 「それでも、ここは俺達の生きている世界なんだ。俺達が守る。」(一誠)

 「分かった。君以外には誰か行くのか。」(左馬之助)

 「「私が!!」」(響、未来)

 「分かった。なら、一緒に行こう。」(左馬之助)

 

 左馬之助の後に続く一誠、響、未来。そして、一誠は去り際に残っている仲間たちに目配せをする。彼女たちはその糸を理解して、一斉に頷く。一方のタケルは玲奈とエルナによって強制的に寝させられている。颯斗と簪は一誠たちの後姿を見て、お互いに顔を見た。そして、うなだれている大樹のそばで大樹の肩に手を乗せているマドカ、うなだれて顔を伏せている大樹の表情は重く暗いものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ええと、僕のドライバーの複製を作りたいからパーツを御願いしても良い?」(颯斗)

 「ほえ?」(切歌)

 「総督の場所にならあると思う。」(調)

 「じゃあ、お願いしても?」(颯斗)

 「でも、どうして?」(調)

 「う~ん、さっきの戦闘でちょっとダメージがね。自分で直すけど万が一を考えて。」(颯斗)

 

 颯斗は切歌と調(たぶん、話しかけやすそうな雰囲気だったから)にマッハドライバー製作のためにパーツを依頼した。当然ながらここまでの戦いの激しさにより少なくないダメージが颯斗のドライバーに蓄積されていた。基本的にメンテナンスは颯斗自身が行っているために万全でなくても必要十分な修復は出来る。だが、今回の敵である幻魔たち相手を考えると万が一にもドライバーが破壊してしまうこともあり得る。颯斗はそれを考慮して2台目のドライバーを作ることにした。切歌と調は颯斗の頼みを快く引き受けた。

 

 

 

 

 「それでは治るまでは安静にしてください。」(エルナ)

 「いや、大丈夫だ、、、痛!」(タケル)

 「ほら、お兄ちゃんは寝てて。」(玲奈)

 「僕は一度グロゴリに戻っています。タケルさん、絶対に安静ですよ。玲奈さん、お願いします。」(エルナ)

 「はい!」(玲奈)

 「ちょっと、待ってくれ。エルナ、玲奈。」(タケル)

 

 幻魔チェイサーとの戦いで最も怪我を負ったタケルはエルナと玲奈の手により手当を受けたがすぐには復帰できないレベルだった。エルナはタケルに安静を言いつけ、玲奈にその面倒を頼む。エルナはグリゴリへ向かう切歌と調と一緒に転移アイテムを使おうとする。

 

 「お願いですから前のようなことは絶対にやめてください。」(エルナ)

 

 エルナは強い口調でタケルに言って、グリゴリへ行ってしまった。エルナの言った言葉にいたたまれない表情になるタケル。

 

 「お兄ちゃん、エルナさんね、すごく心配していたよ。お兄ちゃんは仮面ライダーだからしょうがないけどそれでもだよ。」(玲奈)

 「分かってる。ちゃんと治すよ。」(タケル)

 

 玲奈もタケルに言う。妹からも同様の言葉を言われ、何とも言えなくなるタケル。その傷を癒すことを最優先にして体を休める。

 

 

 

 

 

 

 (ああ、、、やっぱりずっとあったんだな。)(大樹)

 

 一方、大樹は先程までの戦いにおける自身の行動を省みていた。いくら、相手の手によるものだとしてもそれによって生じた事態は自分の責任である。そして、それを引き起こして自分の中にある暗い感情を大樹は苦々しく思うと同時にそれを否定したい気持ちとやはりという納得の気持ちと入り混じった感情を抱いていた。

 

 「ねえ、平気?」(マドカ)

 

 その様子を見ていたマドカが声を掛けた。

 

 「っ、さっきはごめん。」(大樹)

 「良いよ。だって、大樹が自分からやったわけじゃないよ。それに私は大丈夫だよ。」(マドカ)

 「はあ、何を考えこんでんだよ?敵の所為でおかしくなったんだから気にしてどうする?」(クリス)

 「誰にだって弱い心はある。だが、それに押しつぶされてはいけないぞ。」(翼)

 

 大樹とマドカのやり取りを見ていた翼とクリスが口を開く。彼女たちの仲間にも似たような、敵に自分たちの心の隙間を狙われたことがあるのだ。それを踏まえて二人はそのように声を掛けたのだ。

 

 「それでも、それに駆られて、俺はあんなことをしたんだ。」(大樹)

 

 それでも、大樹の心を晴らすには十分では無かった。

 

 「俺、父さんと母さんを兄貴に殺されてからずっと周りから人殺しの家族だって言われてきた。その所為で学校ではいつもいじめられていたし、事件のあった数年はずっとそのことでマスコミが来ていた。俺を引き取ってくれたマドカの父さんと母さんにはいつも迷惑をかけてた。一夏にも、千冬姉ちゃんにも、そして、マドカにも。そんなこともあって俺のことを守ってくれた人達には申し訳ない気持ちと俺のことを責め続けるその他大勢への怒りと殺意、そんなものを抱く自分への嫌悪感をずっと感じてた。気付けば、そんなことを忘れてた、見ないふりをしていたんだ。俺は強い人間じゃないよ。大切な誰かが傷つくのははっきり言って吐き気がするほど嫌だし、周りへの恨みつらみを口にはしなくてもそれを根深く抱える、そんな弱い人間だよ。」(大樹)

 

 この場にいた誰もは大樹の話すことに口をはさむことはしなかった。大樹とは幼い頃から共にいるマドカは大樹の語ったことについてずっと知っていたし、見てきた。ゆえに大樹の抱えているものがそう易々と何とかなるものでは無いことは分かっている。

 颯斗と簪は何となくは大樹の境遇を知っており、それとなく大樹から聞いたこともあった。その二人からすれば大樹の本音を始めて垣間見たのだ。この二人にとっては大樹の境遇はかなり予想だにしていないことである。いくら、断片的に聞いているとは言えども生々しいことを口にしたのだ。

 傍らで聞いていたタケル、玲奈、クリス、翼、マリアは大樹の話を黙って聞いていたが、

 

 「そんな、大樹がそんな風に考えるのは仕方ないだろ。」(タケル)

 「そうです!それに大樹さんは悪くないじゃないですか!」(玲奈)

 

 大樹の境遇に怒りをあらわにするタケルと玲奈。クリスらもこれには表情に怒りの色が見える。そう、大樹の境遇に彼らは怒りを覚えている。だが、

 

 「俺が悪くなくてもまわりには関係なかったんだ、良くも悪くも。」(大樹)

 

 大樹の言った言葉は大樹の考えを如実に表していた。そして、それを聞いたタケルたちはそれでもと言葉にする。颯斗と簪は大樹を見るが声を掛けられず、マドカは視線を伏せるが右手で大樹の左手を握る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 柏葉大樹を一言で言え、と問われれば付き合いの長い人物たちは口をそろえてこう言う。

 

 「良い奴」

 

 他には人が良い、気遣いが出来る、他者のことを考えることが出来る、優しい人物と出てくる。確かにはた目から見ればそう言えるほどに善人に見える人物である。だが、大樹本人は自身のことをそう評価していない。大樹は自身の行動を純粋にこうすべきであること、当たり前であることだからしているに過ぎないのだ。詰まるところはそう言ったことは本人には大したことではなく、大樹の自信に直結しておらず、周りの友人と自身を比較して自身の欠点ばかりを見てしまう性分であるために実のところはかなり自己肯定感の低い人物である。さらには前世での出来事もそれに拍車をかけている節があり、おそらくは突っ込んだ会話をしない限りは分かりにくいものの基本的には自分を卑下している。

 面倒な人物と言えばそれまでであるが彼の生い立ちを考えればそうなってもおかしくはないし、もっと人として大切な部分がないがしろにされて生きていた可能性も有ったのだ。幸いにも死んだ勇吾と同じ道を歩まなかったことではあるのだが。

 

 

 

 これらを踏まえると大樹はいまだに過去の痛みから脱しきれてはいない。だからこそ、戦士としての厳しさを持っていながら少年としての普通の感性と他者を思いやれる優しさを持ち合わせているのだ。だが、それは同時に大樹は過去の戦いにおいてゆっくりと成長していき、そこで得るべきものを手にしていないことにもなる。それは大樹の名付け親である貴虎、幼い頃からの大樹を知っている正則をはじめとした歴戦の勇士と肩を並べる程の戦闘経験を有していながら彼らの持っているものを大樹はいまだに持っていないのだ。そして、この戦いで大樹はそれを学ぶこととなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「行くか。」(左馬之助)

 

 戦場へと戻った一誠、響。今回は幻魔と戦って来た左馬之助に共に戦っている仲間の小日向未来もいる。彼らの視線の先には蒼鬼が大剣を振るい幻魔たちを薙ぎ払っている場面であった。

 

 「響、未来。行くぞ。」(一誠)

 「うん!」(響)

 「分かった!」(未来)

 

 左馬之助の刀が蒼い輝きに包まれると青色の刀=鬼の武器である雷斬刀へと変化する。そして、一誠は仮面ライダー光龍へと変身し、響もシンフォギアを纏った。未来もまた紫色のボディスーツを身に纏い、ロッド型の武器を手にする。彼らはそのまま戦場へ身を躍らせる。その頃、

 

 

 

 

 

 「これだ!!」(幻魔ネクロム)

 

 悪魔領へと進軍していた幻魔たちは悪魔領にあるとある場所を襲撃した。幻魔ネクロムは幻魔鎧武に作るよう命じられていたものを完成させるために必要なものが悪魔領、堕天使領にあることを感知しており、今回の進軍はそれの入手も目的であった。そこにはチェスの駒に似たもの=イーヴィルピースが保管されてあった。

 

 「それをどうするつもりだ!」(サーゼクス)

 

 今回の進軍に対応していた魔王サーゼクス・ルシファーは息も絶え絶えの様子でいた。そして、こことは別の場所では裕人、小猫、ゼノヴィアをはじめとした駒王学園の悪魔たちが幻魔たちを相手に奮戦していた。そして、ここは彼らが容易には入れない場所である。そこに侵入してきた幻魔ネクロムを警戒したサーゼクスは単身で対応していたが幻魔ネクロムは特殊な力を使い、サーゼクスの攻撃をしのいでいた。さらには追従させていたマーセラスを相手にさせており、自身は安全圏からサーゼクスを攻撃、目的のものを手にしたのだ。

 

 「それはこれから滅ぶお前たちに言うことではない。それでは目的は達したぞ。」(幻魔ネクロム)

 

 幻魔ネクロムは異空間への穴をあけるとそこに姿を消す。

 

 「待て!!」(サーゼクス)

 

 サーゼクスは幻魔ネクロムを追うがそれをマーセラスに止められた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「グオオオオオオ!!」(幻魔リュウガ)

 ≪strike vent≫

 「それなら!」(光龍)

 ≪sword vent≫

 

 光龍の前に幻魔リュウガが姿を見せた。幻魔リュウガは漆黒の巨大な爪=マガラクロウを装備、光龍はバイオブレードを召喚して応戦する。時折、幻魔リュウガから暗紫色の粒子が空中に舞い上がる。そして、それは知らず知らずのうちに戦場へと広がっていた。

 

 

 

 

 

 「ふん!!」(幻魔チェイサー)

 「やあ!」(響)

 「はあ!!」(未来)

 

 幻魔チェイサーには響と未来が応戦していた。幻魔チェイサーは幻魔銃拳を使い距離を問わない戦いを見せる。それに対して絶妙なコンビネーションで戦う響と未来。響は強烈な拳打を放ったかと思えば空中に飛び上がっての急降下攻撃など強烈無比な格闘戦を、未来は後ろで武器からレーザービームを放ち、それを戦場の各所に配置した鏡による反射を使ったトリッキーな射撃で幻魔チェイサーと戦っていた。

 

 

 

 

 

 「それでどうする!信長のところへ行かねえといけないんだろ!!」(蒼鬼)

 「だが、この数ではな!」(左馬之助)

 

 二人の鬼武者は互いの背中を預けながら迫りくる無数の幻魔たちを斬り払って行く。その姿はまるで長い間共に戦ってきたようであった。その彼らはこの戦いの終えるために必要なことを互いに分かっているがそのためには何としても敵の本陣へと向かう必要があった。

 

 「なあ、俺達は本当に幻魔を倒すために呼ばれたんだよな?」(蒼鬼)

 「、、、もしかすると、彼らが理由かもな。」(左馬之助)

 

 そして、彼らの疑問。本当に幻魔を倒すためだけに呼ばれたのか、ということである。彼らは自分たちの世界の長き幻魔との戦いを終わらせた。その彼らの疑問は最もだったがこの場において、その考え事をしている余裕はそれほどなかった。

 

 

 

 

 「っ、ぐっ!」(光龍)

 

 突如、光龍が膝をつく。

 

 【お兄ちゃん!】

 「体が、重い。それに、頭も働きにくい。」(光龍)

 

 突如の体調の不調。そして、それを見た幻魔リュウガはカードデッキからカードを引く。

 

 ≪final vent≫

 

 幻魔リュウガの体から悪魔のごとき漆黒の龍=黒蝕竜ゴア・マガラが出現した。そして、ゴア・マガラは大きく体をのけぞらせて口から強烈な紫色の爆炎を吐き出す。そして、その爆炎を纏いながら幻魔リュウガは大きく飛び上がり、強烈な踵落とし=ダークネスジャッジメントを光龍に放つ。

 

 「ぐああああ!!」(光龍)

 

 

 

 

 ≪魔装、獄炎≫

 「はあ!!」(幻魔チェイサー)

 

 幻魔チェイサーは赤黒い大剣を召喚し、重加速フィールドを展開する。幻魔チェイサーは地面に大剣祖突き刺し、動きが止まった響と未来の真正面に強大な火柱をいくつも出現させた。

 

 「「キャー!!」」

 

 

 

 




 悩める大樹にマドカはある物を手渡す。颯斗の姿を見続けた簪もある決意をする。異界の仲間たちと共に立ち上がる時がついに来た。

 強大な力を手にする幻魔鎧武に、それぞれが強力な力を持つ幻魔ライダーたち。

 ≪幻魔王アームズ。魔の道、オンステージ≫

それぞれの思いが輝く時、新たな力を手にする。

 ≪sword vent≫
 「おおおおお!!」
 ≪開眼!ソウキ!≫
 「命、燃やすぜ!」
 ≪デュアルゴールドアームズ!金・龍・覚・醒!≫
 「この戦場、俺達が勝ち取る!!」


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