バレンタインの日の夕飯時、
「「どうすればいい?」」
「俺に言われても、、、。」
颯斗と陸が俺に相談があると言い、相談に乗っている。
「ねえ、今日のあの二人の恰好、僕を殺しに来てるの?いや、嬉しいというかなんというか眼福なんだろうけど、あんなのをそう何度も来られると血が足りなくなるし、寿命が縮むし。」
「俺に思いを寄せている女の子二人が春休みに実家に来いと言っています。うかつにOKを出すのも難しいもんだから、返事を先延ばしにしています。どうすればいいですか?」
「俺の場合は、二人のようなことが全くなかったからな。それを忘れてないか?ラッキースケベ?実家への訪問?正直、俺でもアドバイスできることと出来ないことがあるからな。」
二人とも、それぞれで色々あったみたい。と言うか、一から十まで俺に話すな。先輩と簪が恥ずかしいところを隠しているだけのリボン姿?シャルの実家とラウラの職場訪問?実家訪問は俺はとっくにしているというか彼女の実家で居候中だから気にするほどではないが、そうか、リボンでねえ。万夏に頼んだらしてくれるかな?したら、おそらくその夜はオールナイトで楽しむな。寝かせねえよ、と言うより、万夏も俺も寝てられない!のノリで致すわ。セ○○スする時、いつも、お互いに、寝てられないでしょ、一緒なんだから、将来誓ってんだから、もう関係ないでしょうが!でしている気がする。イチャラブと言うより、欲望に突き動かされてんな、俺と万夏。まあ、お互いに会いたくて会いたくて震える期間が長かった、そして告白までも長かった。仕方ない仕方ない。
「もう、颯斗の方はさ、そんなあからさまなアプローチをしているからさ、告白とかしたら?陸の方は、おそらくどちらか片方、もしくは両方にOKを出したところで入籍まで確定って言っているようなものだからな、それは他の人にも相談した方が良いな。」
そんなことを考えながらも友人二人の相談に考えられるアドバイスをする。
「そう、簡単に告白するべき?」
「ちょっとした勇気が必要なの必要。その場の勢いもあるし。陸は貴利矢先生や明日那さんにも話したら?」
「て、結局俺は他人任せかい!」
「俺は万夏の実家に居候中だし、結婚を前提にお付き合いどころか(ピー)までしまくっているのがばれているし、もう学園を卒業どころか俺も万夏も18歳になったら婚姻届けをさっさと出すところまで確定しているから、陸に関しては浮かずに言えないよ。」
「お前のそういうところがうらやましい、そこまで確定かよ、畜生。」
これが先に人生の勝ち組になった者の余裕だ( ・´ー・`)というより、付き合っているのが早い段階でばれたもんだから小父さんも小母さんも本気になっちゃって、その場の勢いでそこまで決まってしまい、結納を箒の家ですること、近しい人たちを呼んで結婚式を挙げることも時期までも決まってしまったというのが事実。プラスいたすことを致しちゃっているんなら早い段階で孫が出来てもバックアップは任せろまで言われて、俺の方は流石に避妊を気を付けるようになった。普通はそんなことを言えないし、言わないよ小父さん、小母さん。
「まあ、俺から言えるのはそう言うことだし。それにそういうのは下手に焦って動くことは無いよ。」
「下手に焦って動いたらどうなる?」
「しばらくは気まずいぞ。」
「それはやだ。」
「言うタイミングは、自分の中でここで言わなきゃいけない、そう感じた時だよ。だから今すぐじゃないと重いけどな。」
「そういう大樹は?」
「俺は、、、。」
颯斗の発言から俺は前世での出来事を思い出した。
あれは、俺が亡国機業へ身を移すことを決意した時だった。
「ねえ、大樹。どこかに行くの?」
思えば、マドカはとっくに気付いていたのだろう。俺が一人で学園を離れることも、皆の前から姿を消すことも全て気付いていただろう。それらがすべて、兄貴が原因だということも。
「ああ、少しな。父さんと母さんが死んだから整理整頓しなきゃいけなくてさ。」
俺は本当のことではなく、嘘をついてその場を乗り切ろうとした。
「私も行こうか?」
「いや、大丈夫だよ。思いのほか、遺品が少なかったし、俺一人で何とかなるよ。」
「どれくらいかかるの?」
「どうだろう?」
「一日で戻れる?」
「もしかするとな。ただ、一日では帰れないな。一週間とか、一か月、もっとかかるかも。」
ただ、だましている、隠しているという罪悪感から少し本当のことを話してしまった。
「、、、。マドカ、、、。」
「どうしたの?」
これがマドカと過ごせる最後の時間だと思うと本当のことを全て洗いざらい話したかった。俺の思いを全て吐き出してしまいたかった。出会った時、一緒に京都を回った時から好きだと、誰よりも護りたいと、俺にとって大切なのはマドカだけなんだと、だから、一人で兄貴を探しに行くと、そのために亡国機業に行くことも、学園を辞めることも全て話したかった。だけど、、、
「必ず帰るよ。どんなに時間が掛かっても。」
この時、自分の感情を、思いを抑えた。この時、この選択が一番後悔する選択だったと俺は思わなかった。
「俺は、一度それを逃した。今、思えば、あの時に全部、万夏(マドカ)に話していれば、何もかもがちがったんだろうって。俺がもっと前に好きだってことを話していたら、万夏(マドカ)に辛い思いをさせずに済んだんだろうって、ふとした時にいつも考える。」
「つまるところは肝心なところでヘタレなことをしたと?」
「それなら、良かったよ。あの時の俺はビビッて話せなかったんじゃない。自分の思いを無理矢理抑え込んだんだよ。」
あの時のことは、俺が覚えている中の出来事のなかじゃ、一番の後悔だと思う。結局は臨海合宿で前世の記憶を思い出した万夏(マドカ)の勢いに飲まれ、俺も万夏(マドカ)も互いの思いを互いに吐き出した。それで付き合うというか結婚を申し込んだんだが。
「だから、同年代の友人と言うよりはそういう失敗をしたかっこ悪い大人のアドバイスと思って聞いといてよ。」
「大人ねえ。」
「大人って言っておきながら、精神年齢は学生だろ?」
「お前ら、相談しに来ておいて、なんつう言い分だコラ。」(#^ω^)
「「大人は高校生のノリではっちゃけないじゃん。」」
ええ、この二人の言うとおりです。精神年齢が20歳の青年が15歳の時に戻った感じですので基本は学生ですよ。正確には2回、転生しているもんだから精神的には40代のはずだが、どうも転生する前の、最初の世界の知識と意識の引継ぎはそこまで強くない、つまりは自分の知識や意識は変わっていないと感じているが精神年齢が肉体に引っ張られるように年相応のものになっているということ。仮面ライダーやISがフィクションと言うのは知っているが現在ではその程度の知識ぐらいしか思い出せないし、その時の自分の意識は現在の俺の意識にそこまで強い影響を与えていないのだ。
「まあ、とりあえずは俺が言えるアドバイスはその程度だから。」
「僕はまず、あれかな?血液の貯蔵を増やす?」
「それよりも、そういったアプローチに対する免疫を付けた方が良い。」
「なあ、俺はどうすりゃ良いの?」
「だから、他にも相談しろよ。」
そんなこんなで俺たちは解散した。
「ねえ、どうしたの?」
その日の夜、一緒にシャワーを浴びていた時に万夏に言われた。
「何が?」
お互いに体を洗っている最中(そういうプレイではなく、本当に普通に洗っているだけ)にそんなことを聞かれ、疑問に思った。
「考え事、してたでしょ。」
「まあ。」
「颯斗と陸の相談に乗っていて、何かあった?」
「あったというよりは俺の方で勝手に考えるようになったってだけで。」
「恋愛相談してて?」
「まあ、そうだね。」
「前の世界でのこと?」
「うん。」
俺と万夏の間では前の世界での記憶はお互いにあまり話題に上がらない。俺自身、大切な記憶ではあるものの、後悔の記憶の方が先に思い出されるし、その当時の自分の行動を考えれば、今では関係ないことだがどうしてもあの時ああすればよかったと考えてしまう。そのために、俺から前の世界に関することは話題に出すことはあまりない。
「いつの記憶?」
「学園を離れる前。」
「私と話していた時でしょ、思い出したの。」
「そう。颯斗に自分がここだと思うタイミングで告白したらって言ったら、俺はどうなのって。」
「ブーメランしちゃったんだ。」
「ものの見事に。」
「また、そうやって思い出して、後悔してたらキリが無いよ。」
「そうだけど。」
「それに。」
そう言って、万夏はシャワーからお湯を流しだした。俺と万夏の体についていた泡が流れていく。
「大樹だけじゃないよ。私だって、あの夜のことは後悔しているんだよ。あの時、大樹が自分の思いを話せるようにしていたら、私が自分の思いを大樹に話していたら、私の寿命のことを話していたらって、私だってそう思っているんだよ。」
あの時、始めて同じ部屋になった時と同じ瞳で俺を見つめる万夏。
「大樹、もっと話してよ、前世でのこと。思い出して辛いのは私も同じ。だけど、大樹が話してくれない方がもっとつらいよ。」
そう言って、俺の抱きしめる万夏。
「これから、いっぱい話してよ。些細なことでもなんでも。」
「そうだな。これからはずっと一緒だって言ったもんな。奥さんに、万夏にちゃんと話さないとな。」
俺も万夏を抱きしめる。互いの体温が感じられる。愛しい人が近くにいるということを実感させてくれる。
「でも、、、、、、、話す前に、少し、シタイでしょ?」
そう言う万夏は俺の体に引き締まりながらも女性ならではの柔らかい体を押し付ける。いつぞや、先輩が颯斗にしたことを俺にしている。まあ、うん、何回も経験があるから、この後は大抵、することをする流れになる。俺の体も普通に反応しているし。
「ねえ、この流れでスル?普通は前世でのことを話す流れだと思うけど。」
付き合いだして分かったのは俺の彼女、結構性欲が強い。付き合ってからシナイ日が無いくらいに強い。ここまでのムードが一転するよ。てか、したわ。
「それは、終わってからもできるでしょ。それに今夜は少し、変わったことをしたいから。」
「前にも言ったけど、痛いのは辞めて。そっちの趣味は無いから。」
なんだかんだ強く拒否しない俺も俺だわ。これじゃ、結婚よりも子供が出来る方が早い。
「万夏、避妊はするから。」
「絶対?」
しなきゃダメでしょ、常識だよ。なんで、俺の彼女、早い段階で子どもを作ろうとしてんの。
「大樹、良かったね。」
「良かったです、はい。」
あれから2,3時間後、結局しちゃった。ベッドの上でめちゃくちゃした。避妊はした。万夏の妨害に遭いながらしっかりと避妊しました。お互いに満足したよ、めちゃくちゃ満足した。
「ねえ、どうして一人で行こうと思ったの?」
いきなり、万夏が話を切り出した。ただ、俺もそれには慣れており、
「一番は皆を巻き込みたくなかったから。あのまま、学園にいれば、皆にも被害が出るのは分かってたから。結局は最悪の結果だったけど。」
と答えた。
「私だけでも一緒に行くことは出来たと思う?」
万夏がそう言った。
「行くって言っていたら、きっと俺は一緒に連れていくことは出来ないって言ってたよ。」
「それでも、私は行くって言ってたよ。」
「俺はきっと許さなかったよ、一番傷ついて欲しくなかったから。」
「私は、大樹が死んじゃうって分かっていたら、反対されても一緒に行ったよ。」
俺も万夏(マドカ)もお互いに傷ついて欲しくなかった。もし、あの時、万夏(マドカ)が一緒に行くと言っていたら、絶対に止めたし、万夏(マドカ)も俺に言うことを聞かなかったと思う。
「なあ、そうなっていたらどうなっていたんだろうな?」
「どうだったのかな?」
今となっては俺も万夏(マドカ)も想像することしか出来ないがそれでも互いの思いを話していただろう。結局は今、あれこれ考えていてもあの時の結果は変わらないということだけ。
「俺、ずっと前の世界のこと、話しちゃいけないって考えていたんだ。言っても信じてもらえるか分からなかったし、終わったこと、変えられないことって考えたら、それを教訓に生きることは出来ても、俺が一番変えたい世界には二度と戻れない、それだけは嫌でも分かったから。それなら、平穏な今の世界で代わり映えしないけど幸せって思える記憶を思い返す方が良いって思ってた。」
「それで、大樹の心は、どうだったの?」
「今の世界で過ごしていた記憶を思い返せば、それだけ前の世界でのことを考えることの方が多かったよ。」
万夏(マドカ)が前の世界の記憶を思い出すまで事実、俺は前の世界での記憶には目を背けていた。
「後悔だらけだな。」
前の世界でのことはIS学園に入学してから死ぬまで最後の5年間が一番後悔することばかりであった。
「大樹は優しいから、いつもそうやってああすれば良かった、もっと別の方法があったはずって、だから後悔しているでしょ。お兄さんのこと、インベスになった人たちのこと、千冬姉さん、一夏兄さん、お父さんとお母さんのこと、私とのこともいつもそうやって考えているでしょ。」
「考えているよ。一人になった時は特に。」
そう言うと、俺のとって最大のトラウマである死ぬ直前の最後の戦いの記憶が脳裏に浮かんだ。その途端に右腕は震えだす。その震える手を万夏(マドカ)は両手で包み込む。
「私ね、最初はこう感じるって考えたら悔しかったけど、大樹のこと、本当に映画のなかのヒーローだと思ってたんだ。人知れず、一人で戦う正義の味方。作り話の中の皆が理想とする英雄だって思ってた。その大樹の強さを知れば、私は誰でもない私になれるって思っていたし、大樹の話を聞けば、私はもっと強くなれるって思ったよ。」
「学園に移った時、一夏じゃなくてやたらと俺を指名してもんな。俺の回答はすごく気に召さなかっただろ。」
「ふざけてるのかって本気で思ったよ。でも、大樹と話していくうちに大樹の強さって力とか技じゃないんだって分かってね、大樹が特別な人じゃないって分かったら、なんだか、それで納得したの。」
「納得できたの?」
「うん。私ね、大樹のことをその前から、京都で会った時から意識したけど、大樹が特別すごい人じゃないのが分かった、その時から大樹のことを好きな人として意識するようになったの。それからはこの人のことをもっと知りたいって、皆の知っていることから大樹しか知らないことも全部知りたくなって。」
万夏(マドカ)は俺の右手を握りながら、楽しそうに話す。
「大樹が自分のことを話してくれるたびに、知るたびにね、私、幸せだったの。始めて心が穏やかになったの。大樹が私を普通の女の子にしてくれたの。」
あの当時、俺は万夏(マドカ)と関わることで自分が人を大きく変えることが出来ることを知った。だからこそ、俺は彼女を絶対に守らなきゃいけないと思ったし、守りたいと思った。まさか、万夏(マドカ)がここまで思ってくれていたことは初耳だったけど。
「でも、あの戦いで大樹が死んでから、もう守られてばかりじゃダメって思った。大樹に守られている普通の女の子のままじゃ大樹を助けられないって。」
万夏(マドカ)は俺以上に後悔したことや辛かったことがあった。俺とのかかわりの中で戦いに身を置くことを辞めた彼女がまた戦いの場に身を置くようになったのはやはり、俺の死なんだろう。
「どうして、俺の助けに?あの世界じゃ、俺は死んだ。俺のことを忘れて生きることもできただろう。」
「忘れないよ、忘れたくても忘れられなくしたのはあなただから。たとえ、姿が変わっても別の世界に生まれ変わったとしても私はあなたにまた会いたいと思ったから。また出会えたら、また大樹と一緒に生きる、大樹が戦うのなら大樹の帰りを待つだけじゃなくて、隣で、一緒に戦う、そう決めたから。」
俺も彼女も随分と難儀な誓い、それも自分自身に課した絶対的なまでの、呪いに等しいものを自分の中の不文律として決めている。ただ、それのおかげでまた会えたのだろう。
「お互い、難儀な相手に惚れたな。」
「運命の相手だって、私は思っているけど。」
「そうじゃなかったら、お互いに解けない呪いに掛かっているな。」
「呪いでも私は良い。一生どころか、生まれ変わっても一緒にいたいもの。」
だから、万夏(マドカ)に惹かれたんだろうな。
「強いな、万夏(マドカ)は。」
「強くしてくれたのは、大樹だよ。」
気づいたら、右腕の震えは止まっていた。
「落ち着いたね。」
「ああ、万夏(マドカ)のおかげだよ。」
今世も前世も、万夏(マドカ)と関わるようになってから、俺は変われた。万夏(マドカ)は強くなったって言うけれでも、きっと俺は弱くなっているだろう。明確なまでに失いたくないものが出来たから。だから、死に物狂いで戦うんだ。そんな誰もが持っているそんな感情こそが俺を突き動かしている。だからこそ、俺は自分を正義の味方なんて思わないし、違うと考えている。
「大樹。」
「ん?」
「愛してる。」
「俺も愛してる。」
そういうと、互いにキスをする。触れ合うだけだったものが舌を絡めせる激しいものへと変わる。
「ねえ、続き、しよ。」
「分かった。好きなだけ付き合ってよ。」
どうせ、夜は長い。明日は久しぶりの休日だ。互いの思いも記憶も存分に交し合う、愛する人との交わりは夜が更けるまで続いた。
わお、高校生のイチャラブか、これ?かなり、アダルティ。当初の予定はもっとコメディ色が強かったはずだったのに。感想、質問お待ちしています。