side 大樹
兄貴との因縁に終止符を打った夏の激戦から3日後、
「なんで、こんなことに...。」(大樹)
「え、え、ええええええええええ!」(颯斗)
俺と颯斗はなぜか女になっていた。
話をさかのぼること4時間前の朝の8時だった。その時間に束姉ちゃんから連絡が入り、IS学園である実験を行うそうだから来て欲しいと言われた。思えば、その時点で嫌な予感はしていた。でも、まああの人だから非人道的なことはしないだろうという、今にして思えばあの時の俺のバカと言いたいほどだった。
そこで呼ばれたのは俺だけでなく、颯斗もだった。二人とも頭の上に疑問符を浮かべて、束姉ちゃんが作ったというピンキーな液体を飲んだ。その時点で気付けよ、俺えええええええ(;゚Д゚)。
そして、時間は巻き戻る。
「よおおおおおおおし!成功じゃあああああああ!」\(^-^)/(束)
「何してくれんだ、このクソウサギ!!!」(大樹)
俺は渾身のドロップキックを束姉ちゃんにお見舞いするが、
「ふふん!細胞レベルチートの束さんに普通の女の子同然の大ちゃんが一撃を当てることなんて出来やしないよ~。」(束)
軽やかに躱された。てか、胸が邪魔!おっきいおっぱいは好きだけど、にしても邪魔!動くと安定しないから全然邪魔!
「う...嘘。」(颯斗)
一方の颯斗は鈴と同じくらいの背丈に、絶壁の胸という、まあ、うん、ロリ体型になってた。対する俺は背はそのままにおっきいおっぱいと、おそらく...性転換物でよくあるボン!キュッ!ボン!な体型になっているはず。
「颯斗、終わった?」(簪)
「ねえ、大樹。どうしたの?」(マドカ)
カオスなところに彼女(婚約中)が来た。え、この後、
「「巨乳、死ねえええええええ(# ゚Д゚)。」」(マドカ、簪)
俺はマドカと簪からおっぱいに強烈な一撃をもらいました。
「つまり、束さんが作った薬の実験だったんだ。」(マドカ)
「でも、どうして?」(簪)
「え?大くん、今は大ちゃんとハヤ君、ハヤちゃんの方が良かったからだよ。都合もよかったしね!」♪(o・ω・)ノ))(束)
「「屑が!!」」(大樹、颯斗)
「ふふん、誉め言葉だよ~。」(束)
「ちなみに薬の効果は?」(簪)
「1日はこのままだよ。」(束)
「「はああああ!!」(# ゜Д゜)(大樹、颯斗)
1日はこのままだってかよ!ああ、どうすんだよ、これえええ。
「あれも出来る、これも出来る、それに.................。」(簪)
「まずは着替えない?いつまでもそのままの服だと動きにくいし。」(マドカ)
「でも、服たって。」(颯斗)
「別にこのままでも..。」(大樹)
俺も颯斗もこの状態で別に1日程度なら良いじゃないかと思っていたし。もう、こんなことが起きて、やる気なんて端からない状態だった。でもな、こんな状況になってその面での準備をしていないはずが無いんだよな、束姉ちゃん。
「ちなみに服及び下着もあるよ。」( ・´ー・`)(束)
「「ふざけんな!」」(女大樹、女颯斗)
「ここまで来て拒否権なんてあるわけないじゃない。」(束)
むかつく(# ゚Д゚)。その悪い笑顔がむかつく(# ゚Д゚)。
ガシ!ガシ!
「ん?」(大樹)
「ほえ?」(颯斗)
「行くよ!」(簪)
「はい、じゃあ着替えようね。」(マドカ)
「あ~~~~~~れ~~~~~~~~!」(颯斗)
「ちょっと!マドカさん!たんま!」(大樹)
俺と颯斗は碌に抵抗することも出来ずに連れていかれた。特に簪は小さくなった颯斗を抱きかかえると猛スピードで走り去る。俺の方は背丈に関しては変化がないとはいえ、力も落ちている。容易くマドカに連れられる。
俺と颯斗が連れてこられたのは学園内にある女子更衣室だった。
「「ここ、ダメでしょ!!」」(大樹、颯斗)
「束さん、ここに全部用意したって。今日は私たち以外誰も来ないようにしているから良いみたい。」(マドカ)
「じゃあ、颯斗。やるよ!」(簪)
「待って、かんちゃん!ああああああああああああああああ!!!!!!!!」(颯斗)
いつになくやる気満々の簪に引っ張られて更衣室の奥へと消えた颯斗。なんか、何時になく女性陣がやる気だ(久方ぶりの遠い目)。
「ねえ、大樹。」(マドカ)
「何?」(大樹)
「自分でする?」(マドカ)
「拒否してもさせるでしょ?それに、颯斗がドナドナされたところを見たら抵抗する気も無くなったよ。」(大樹)
「じゃあ、おいで。」(マドカ)
「うん。」(大樹)
友人が無残な姿をさらしたおかげで俺は抵抗する気力も無くなった。
「じゃあ、この下着着て。」(マドカ)
そう言ってマドカが差し出したのは黒のレース生地のスケスケ下着だった。
(うわああああ、楽しむ気満々だった~。)(大樹)
「別のない?」(大樹)
「あるよ。」(マドカ)
そう言って出すのは明らかに勝負下着っていう煽情的なエロエロ下着。
「なんで!?」(大樹)
「私の趣味。」(マドカ)
「いや、そうだけど...。」(大樹)
そりゃ、知っているよ、あなたの趣味。そして、夜の営みでそう言うのを見て高ぶる俺も俺だけど。
「せめて、スポーツ系のを...。」(大樹)
「私にISで勝てたらね。」(マドカ)
ああああああああああああああああ!!!!!!!!勝てるわけないじゃん!絶対に勝たせない気でやるでしょうに!でも、
「受けて立つ。」(大樹)
「じゃあ、このISスーツを着て。」(マドカ)
そう言って出されたのは胸元と背中が大きく開いていて、脚にはスリットが入っている女性用のISスーツだった。やべ、これが本命だ。
「ぜ、前言撤回!」(大樹)
「無し!」(マドカ)
そう言って、ISスーツを持って俺に近づくマドカ。やばい、やばい、やばい!この人、本気で俺で楽しむ気だ!
「一度ね、してみたかったんだ。スーツを着てするの。本当は大樹が元の性別でしたかったけど、今日は可愛くなった美人さんの大樹に私が着てみたかったこれを着せるから。今夜もいっぱいしようね。」(マドカ)
「こうなったら!」(大樹)
危険を感じた俺は煌竜の拡張領域に収納しているドライバーを取り出し、、、そもそも収納してなかった。今、沢芽市に送ってメンテナンス中だった(´;ω;`)。
「覚悟、決まった?」(マドカ)
そう言う彼女の笑みは悪魔の笑みだった。ああ、オワタ。
side 颯斗
今日という日を僕は忘れないだろう、たぶん。かんちゃんの関係先の社長さんに呼ばれて、謎のピンキードリンクを飲んで体が縮むどころか、女の子になってしまった。今朝、見ていた夢ってこれのことだったのか(遠い目)。
ちなみに、夢の内容は裸の僕が手術台の上で拘束されていて、周りに白衣を着た人たちがいて、そのそばには何やらピンクの液体があったり、女物の衣服とかがあった。その夢をを見た1時間後に束博士から連絡を受けた。もう、事件なんて起きないだろうと思ったからドライバーも家に置いてきたし、ハートたちとは....。
「良いのか。颯斗?」(ハート)
「うん。束博士だし、ハートたちが来る必要は無いよ。」(颯斗)
「それもそうですわね。私達は家で待っていますので。」(メディック)
「それでは、ハート。久しぶりに二人で語り合いましょう。」(ブレン)
「あの~、ブレン。私もいるのを忘れずに!」(メディック)
「はははっ。じゃあ、行ってきます。」(颯斗)
というやり取りをしていたからこの場にはいない。ああ、こんなことになるなら気を付けていれば良かった。そして、今の僕はかんちゃんの着せ替え人形にされていた。
「うん、この制服、良い!」(簪)
「ねえ、もう...。」(颯斗)
「じゃあ、つぎはこっち!」(簪)
そう言って出したのは人気アニメシリーズのキャラクターの衣装だった(f〇t〇アポ○○ファの幼女使い魔)。
「嫌だ!」(颯斗)
「良いから、良いから。」(簪)
もう、体格差からまともに抵抗も出来ずになされるがままに。早く戻らないかなあ(切実な願い)。
side 大樹
IS学園第1アリーナ。普段はなかなか使うことが無いこのアリーナを使って、ISによる模擬戦という名の本気の戦いをしていた。
「喰らえっての!」(大樹)
「当ててみて~♪。」(マドカ)
さっきから連射矢(着弾後に爆発する機能がある強力な奴)をマドカ目掛けて打ち込んでいく。ただ、そのどれもが躍るような軽やかな動きで躱されていく。俺は弓矢から散弾銃(第二次移行によって、散弾以外にも普通の弾丸、徹甲弾が撃てるようになっている)でマドカに撃っていく。
「サイレント・ゼフィルス、モードチェンジ黒騎士!」(マドカ)
マドカのコールによって青色から黒色に変化、フェンリル・ブロウを装備して散弾を次々と弾いていく。それを見た俺は武器を日本刀に変更、シールドエネルギーの残量からワン・オフ・アビリティー「爆竜轟哮」を発動する。シールドエネルギーの8割が一気に減少し、日本刀は形を変えて巨大な斬馬刀へと変化する。
「終わりだ!!」(大樹)
俺は斬馬刀を振るい、紅蓮の龍をマドカに放った。普通の相手ならこれを受けるとシールドエネルギーを一気に削って、絶対防御を発動させるほどに追い詰めるのだが、
「はい、終わり♪」(マドカ)
いつの間にか懐に入り込まれていてフェンリル・ブロウの横なぎの一撃を受けた。残り少ないシールドエネルギーを全部削られて終了した。試合が終わり、ISを待機状態にしてアリーナの地面の上で大の字になる俺。ちなみに、今の俺の服装はマドカが持ってきたのISスーツである。いや~、視線を自分の体に移すと見える魅惑の谷間...。自分の体じゃなけりゃ興奮ものだけど。
「はい、私の勝ち。」(マドカ)
そうやって、笑顔で俺の顔を覗き込むマドカ。ああ、遊ばれるのか...。
「ねえ、お兄さんとのこと、もう大丈夫?」(マドカ)
俺の予想していた言葉ではなく、兄貴とのことだった。マドカの表情はどこか心配そうで、それはいつも見ていた表情で...
「大丈夫...って言いたいけど、ここに来てかなり来てる。」(大樹)
「やっぱり、殺さなきゃよかったって思ってる?」(マドカ)
「いや。兄貴は、正直ああしないと止まらなかっただろうし。それを考えたら、仕方ないって思っている。でも、やっぱ殺したんだなって思うと、辛い。」(大樹)
心が弱い、とかそんなことを言う奴もいるだろうけどやっぱり自覚すると辛いと感じることがひしひしと心にのしかかるものがある。
「私は、元々はそうでもしないと生きていけなかったから。何とも言えないけど、あまり気に病むことは無いよ。」(マドカ)
「そう、だけど。」(大樹)
「お兄さんと仲直りしたかった?」(マドカ)
「いや、もう兄貴との関係なんて最初に殺し合った段階で完全に修復できなかったんだ。ただ、ずっと前みたいに家族として生きることも出来たのかなって。」(大樹)
結局は俺が口にするのはたられば話だ。そうこうしているマドカはサイレント・ゼフィルスを待機状態にして俺に膝枕をしてくれた。
「こういうの、良いでしょ?」(マドカ)
「ん?...うん。」(大樹)
「ねえ、今日くらいはそのことを忘れて一杯騒ごう?今の大樹、そんな見た目だからそう言うこと言っても恰好付かないよ。」(マドカ)
確かにマドカの言うとおりだ。女になるという珍事が起きた今の自分が殺した兄貴のことでくよくよしているのはまあ可笑しな図だ。
「...自分じゃなけりゃ楽しんでるよ。」(大樹)
「颯斗はどうなの?」(マドカ)
「なんか、ご愁傷様かな。俺もだけど。」(大樹)
「一夏兄さんは?」(マドカ)
「あいつは一度こういう目に遭え、マジで。」(大樹)
「言っておく?」(マドカ)
「束姉ちゃんに言ってよ。こういうのは一夏にやってくれって!」(大樹)
「それはね~、いっくんの方は込み入った事情もあるけどね、大した面白い結果にならなかったんだ。ぶっちゃけるといっくんに薬を投与したところでちーちゃん、まーちゃん第2号になるだけだったんだ~。」(束)
会話に割り込んだのは今回の事態を引き起こしたクソ兎。面白い結果にならなかった、だああああ?
「面白いからかよ(# ゚Д゚)。」(大樹)
「うん。シュミレーションしたらだいくんもはやくんもまあ面白い結果になるのが分かったから。だって長身ナイスバディとロリ幼女だよ?面白いに決まってるじゃない?」(束)
そんな理由でかよ!!だあああああ(# ゚Д゚)。どこの世界行ってもこの人はこの人だ!屑め!!
「そもそも、俺と颯斗に飲ませたあの薬、何のために作ったんだよ。」(大樹)
「え?暇つぶし。」(束)
「そんな理由で作ったものの実験台にされたのかよ...。」(大樹)
まあ、こんなことだろうよ。話を聞いていると力が抜けてくる。こうやって、だべりながらも時間は過ぎていった。その頃の颯斗はと言うと...。
side 颯斗
「もう辞めて~。」(颯斗)
「待って、もう少しだから。」(簪)
着せ替え人形にされてからかれこれ1時間?2時間?もう時間の感覚がない。お願いだから、早く元に戻って~~~~~~~~~~~~~~~~。
遂にやってしまった性転換ストーリー。いや、入れ替わりでも良かったのだろうけど。比較的に大樹にはこういったふざけた目に遭ってもらわないと精神的につぶれてしまうので。颯斗の場合は...単純に巻き込まれただけです。次の日常編はこれまたカオスなのものを予定しています。それでは~。