IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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 夏休みに会ったバカ騒ぎ。


日常編第6話

side 三人称

 夏休み期間、夏の恒例行事となっている篠ノ之神社の礼賛祭。神社の境内には出店が多く並び、夜には篠ノ之神社の巫女による舞が神社で行われる。当然ながら、地域の人々が集まる。だが、この祭り、終了した翌日こそが本番であった。

 

 「今年も無事に礼賛祭を終えることが出来ました。みなさま、ありがとうございます。本日は神社の業務は休み、無礼講ということで祝いましょう、カンパイ!」(柳韻)

 「「「「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」」」」

 

 篠ノ之神社の神主、篠ノ之柳韻、妻の楓、柳韻の妹の雪子、夫妻の娘の束と箒、束の夫の岩城正則、束と正則の養子の黒江、五反田食堂から店主の五反田厳、厳の孫の弾と蘭、鳳凰飯店の店主の楽音と妻、看板娘である鈴、織斑家は秋人、春奈夫妻、息子の一夏と娘のマドカ、織斑家で生活している大樹、彼らに加え、友人である御手洗数馬、更識簪、留芽颯斗がその場にいた。これこそが篠ノ之神社恒例、仕事終わりのフィーバー飲み会(バンド付きカラオケ込み)の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

side 颯斗

 .............お呼ばれしてもらったけど、いたって普通の飲み会だな。皆、それぞれが持ち寄って来たものを食べたり、バーベキューしたり、お酒飲んで楽しんでた。

 

 「いても良いのかな?」(颯斗)

 「なあ、となり良いか?」(数馬)

 「あ....良いよ。」(颯斗)

 

 この人は織斑一夏の友人の御手洗一馬君、今は藍越学園に通っているらしい。僕たちはもう自己紹介は済ませており、特に何もなく過ごしている。

 

 「留芽は、なぜIS学園に?」(数馬)

 「ん?ん~、機械いじりが好きで、工学系の学校を考えていて、中学の成績が良かったから推薦で。」(颯斗)

 「それでか?」(数馬)

 「うん。」(颯斗)

 「面白いのか、ISとか?」(数馬)

 「勉強はまあきついけど面白いよ。」(颯斗)

 「そうか。」(数馬)

 

 そのまま僕たちの間に流れる静寂。うん、初めて話す相手って話題が無いと話を続けるのは難しいね。

 

 「なあ、アニメオタクだってな。」(数馬)

 「う、うん。」(颯斗)

 「ベストは?」(数馬)

 「う~ん、ガンダムシードかな。ロボット物でガンダムシリーズの新しい走りとして王道だったし。何よりフリーダムが良い」(颯斗)

 「俺はプロディフェンスだな。」(数馬)

 「プロディフェンスも良いね!あの装備と言い、劇中の動き、まさにラスボス!」(颯斗)

 「他はどうだ?」(数馬)

 「二作目のデスティニーも良かったね。ダブルオーは悪くはなかったかな。鉄血はキャラクターが死んでいくのが辛かったなあ。でも、鉄血はガンダムがガンダムらしくないからなあ。そこがちょっとね。」(颯斗)

 「確かに。ビーム兵器が無いのをガンダムと言って良いのか。」(数馬)

 「そう!そこだよ!カタナやメイスを使うのはまあいいよ。でも、銃系の装備が実弾なのはなあ。」(颯斗)

 「ガンダムはやはりビームライフルが無いとな。」(数馬)

 「本っっっっっっっっっ当、それ!やっぱりビームだよ!」(颯斗)

 「留芽、お前とは仲良くできそうだ。」(数馬)

 「ガンダムを語り合える君は友だ!」(颯斗)

 

 僕と数馬君は手を固く握りしめる。やはり、ガンダムは偉大だ。

 

 

 

side 正則

 「ぷっっっはああああああああ!やっぱうまい!」(正則)

 「仕事終わりのビールは格別だね!」(束)

 

 いやあああ、忙しかった礼賛祭の業務を終えてのこの一杯が良い。黒江は箒に連れられ、万夏ちゃんたちと話しているな。

 

 「変わったな。」(正則)

 「ん?」(束)

 「クーのことだよ。ずっと、外には出ないって言っていたあの子がああやって人と話すなんて。」(正則)

 「ああ、そうだね~。あのクーちゃんが外の世界に興味を持つなんてね。」(束)

 

 初めて黒江と出会った時のことを思い出すと今でもよくここまで明るくなることが出来たなと思う。実際には血のつながりのない親子関係だけど俺と束は目いっぱいの愛情を黒江に注いできた。最初は他人行儀でなかなかお父さん、お母さんとは呼んでくれなかったけど、今ではお義父さんとお義母さんにも懐いてくれて普通の家族の様になっている。

 

 「そう簡単に家族にはなれないって思ったし、あんな親の血を引く俺が良い親になれるか不安だったけど。」(正則)

 「そんなことを言ったら私だってくーちゃんのお母さんになれるのかなって思ったよ。」(束)

 

 俺も束ははっきり言えば人間という規格を超えた存在だ。それ故に周囲とのずれもあった。自分たちも歪だった。それは治してくれたのはお互いの存在もあるし、その中で関わって来た家族、友人のおかげもある。

 

 「人外が良く人間になれたもんだ。」(正則)

 

 いつも思う常日頃ってな。

 

 

 

 

side 大樹

 まあ、この時期おなじみの光景だな。乱痴気騒ぎならないだけましな無礼講パーティ。気付けば、大人たちの無茶振りに巻き込まれて、あっっっっっと言う間に終わる夏の行事。不思議とこの騒ぎの中にいる間は嫌なことも忘れることが出来た。

 

 「蘭ちゃん、これ焼けたよ。」(大樹)

 「ああ、ありがとうございます!大樹さん。」(蘭)

 「大樹、それ少し早めに火から挙げてね。」(秋人)

 「はい。」(大樹)

 「いやあ、大樹坊に任せれば安心だな。」(厳)

 「うちのバカ息子は大火事にさせかねないので特にね。」(秋人)

 「一度の許しが大失敗だったから?」(大樹)

 「あいつに焚火、炭火の扱いは絶対にさせない。」(秋人)

 

 ちなみに俺はバーベキュー要員として肉をどんどん焼いています。話題に上がっている一夏はボヤ騒ぎを3度も起こしたドアホとして焚火禁止令が出ている。流石に去年はひどかったので今年は大人しくしている。

 

 「鈴、弾。ほい。」(大樹)

 「おっ、サンキュー。」(弾)

 「ありがと。で、大樹。万夏には良いの?」(鈴)

 「いや、今は箒たちと話しているし良いよ。」(大樹)

 

 少し離れたところで箒、簪、マドカ、クロエが話している。話しているところを割って入るのも悪いし、肉を焼かなきゃいけないし。そうしている小父さんが俺からトングを取って、俺に言った。

 

 「少しでも一緒に居な。変に遠慮すると良くないよ。」(秋人)

 「いや、でも。」(大樹)

 「あのね、大樹。万夏ね、あんたにちょこちょこアピールしてんのよ?さっさと行きなさいよ。」(鈴)

 「別に大樹が焼かなくたって俺とかがやっておくから、行って来いよ。」(弾)

 

 小父さんの言葉を引き継ぐように鈴と弾が言った。ああ、逝けって、いや違った行けってことね。俺は皆に渡された皿を持って、マドカのところへ行く。

 

 

 

 

side鈴

 やっと行った。なんというか、大樹は遠慮して行かないのよね。まあ、仕方ない部分もあるから、それが分からないわけではないんだけどもね。

 

 「ほら、弾。やるわよ。」(鈴)

 「ん?鈴もやるのか?」(弾)

 「なめんじゃないわよ?看板娘鈴ちゃんを見くびるなっての。」(鈴)

 「おし、じゃあ、そっちの肉取ってくれ。そのまま、焼いていくわ。」(弾)

 「はい。他にもあるから、それも置いていくわよ。」(鈴)

 「おう。」(弾)

 

 あの二人は気付いていないだろうけど、私が大樹のことを言わずにはいられないのはあることを知っているから。それを回避するために国家代表候補生になったし、そのための努力もした。この世界でも確かに私は一夏を好きなったし、大樹がそのことを気に掛けてくれているのも分かる。それでも、今の私の優先順位は一夏との恋じゃなくて、私のことを応援してくれた親友がまともな平穏な生活を送れるように面倒を見て、助けること。でも、大樹が実際に戦っている場所はISを使っている私じゃあどうしようもできない場所だった。実際の処は歯噛みをするだけのことが多かった。

 

 「おい、気に病むなよ。」(弾)

 「うるさいわね。あんたこそ、こっちに気を掛ける暇があるの?」(鈴)

 「そうでもしないと、大樹がやられる前に鈴が潰れるぞ。」(弾)

 

 そういうコイツの瞳は何となく妹を見るような目だった。私の記憶の中のこいつはこんな目で私を見るような奴じゃなかった。

 

 「あまり気にするな。今の大樹を見れば、少なくともあの時のようなことはよほどのことが無い限りはしないだろう?」(弾)

 「その余程の状況にあいつはいるのよ?誰かが見張るか、くぎを刺さないといけないじゃない。」(鈴)

 「くぎを刺しても無駄、って気もするけどな。なんだかんだで一夏と同じくらいに決めたら一直線だろ、大樹の奴。」(弾)

 「確かにね。」(鈴)

 

 こういいながらやり取りをする弾も私と同じだ。出会った時の反応が全くと言って良い程に分かりやすかった。というか、向こうの方から私に聞いてきたのだ。それでお互いに話していくとまあ大樹のあの後もよく知れたし、その後に残った人たちのことも。

 あの時、大樹が一人で戦いに行った時になぜだかあの場で大樹のことを叱咤激励をしていたのを覚えている。その時には私はその場にいなかったはずなのに。まあ、今の私の状況こそ何が何やら訳が分からないけど。

 

 「ほら、焼きなさいよ。」(鈴)

 「分かっているって。」(弾)

 

 手が止まっている弾に催促をする。今、私の前では大樹がマドカと話している。きっと、あの二人はあのようにしてあの世界でもずっと過ごしていたのだろう。私は、、、私はそれを近くで見る今の世界は好きだ。大樹には平穏などこにでもある生活こそがいるべき場所だと私は思いたい。全部を背負わせた私が言えることではないけれど。

 

 

side 3人称

 飲み会も中盤に差し掛かると大人たちはすっかり出来上がっていた。子ども達にとっては大して驚く場面でもなかった。というより、この世界における一夏たちの両親はこういった宴会でもってストレスを発散する節があり、だからこそ、子ども達も何も言わないのだ。

 

 「ほうほう、これはまたうまい。」(柳韻)

 「うちで使っている紹興酒です。料理にも使うが飲むのもうまい!」(楽音)

 「ねえねえ、束ちゃん。黒江ちゃんに妹か弟あげないの?」(雪子)

 「やだ、もう、おばさん。そういう夫婦の営みは不躾に聞かないで~。励んでるのは励んでるけどね!!」(束)

 「あらあら~。」(雪子)

 「あ~、万夏に彼氏が~。」(秋人)

 「おう、どこの馬の骨だ!?」(厳)

 「うちの大樹~。」(秋人)

 「おう、やっとか!」(厳)

 「でもな~、今でなくても~。娘をやらん!!って思っていたけど、まあ、こうなってもおかしくなかったからな~。でもな~。」(秋人)

 「うちの大樹と万夏ががね、付き合いだしたのよ~!!」(春奈)

 「本当なの!?」(楓)

 「そうなのよ!!それも万夏の方から!!」(春奈)

 「ええ!?あの万夏ちゃんが!?」(楓)

 「これで優菜ちゃんの墓前に大樹は大丈夫よって言えるわ~。」(春奈)

 「良かったじゃない!それで、式の予定はどうなの?」(楓)

 「もう、楓さん。今は恋人同士でお付き合い中なのよ。まだ、先よ~。」(春奈)

 「式をするのなら、うちの神社でやっても良いわよ!旦那と相談して格安で貸してあげる!」(楓)

 「本当!?その話、酒飲みの席の虚言じゃないわよね?」(春奈)

 「大丈夫よ!任せて、任せて。」(楓)

 

 酔っぱらって上機嫌になっており、それぞれの家の子ども達のことについて話すわ話すわ。完全に普段は見せないはっちゃけモードで騒ぎ出した。話の内容は全体的には大樹とマドカに関することだが。

 

 「トップバッター、篠ノ之正則、行きまーす!!」(正則)

 

 正則がどこからか運び出したカラオケマシン(L〇〇ED〇M)を起動して、歌い出した。ちなみに歌うのは十数年前に人気だった女性をダメにするグループの曲だった。だが、正則自身はそんなに歌が上手い訳ではない。酒が入ってハイテンションになったためにやり始めた。

 もう、ここからはカオスだ。誰も止めない、止められない。ここからが本番だと言わん限りの大騒ぎになりだした。

 

 「おし、採点は!?」(正則)

 

 そう言う正則はいつの間にか設置していた大スクリーンで自身の歌の採点(精密採点)を見守る。その採点は全国採点を数点ほど下回っていた。

 

 「ぬあんで!!」(正則)

 「束さんは、ダーリンの歌に100点を付けます!!ダーリン、格好良かった!!」(束)

 「たばちゃ~~~~~ん!!」(正則)

 

 なんだか、勝手にラブラブムードを出し始めた篠ノ之夫婦(娘)。その姿を見た娘の黒江は

 

 (今この時だけは父様と母様の娘でいたくない。)

 

 となかなかに辛辣な本音を漏らしそうになっていた。

 

 「チクショー、歌って飲んででもやってやれねえよ!!」(秋人)

 「秋人、歌うのか?」(柳韻)

 「この苦悩を何かにぶつけたい!!」(秋人)

 「五反田さん、鳳さん、行くぞ!!」(柳韻)

 「面白えじゃねえか!!」(厳)

 「見せてやるぜ!大人の底力!!」(楽音)

 

 酔いが回った秋人たちが何やら楽器の準備をしだした。

 

 「何?何?」(颯斗)

 「え、もう。」(大樹)

 「今年は早いな。」(弾)

 「父さん、何があったんだ?」(一夏)

 「聞くな、理由に関しては一切聞くな。」(大樹)

 「なんでだ?」(一夏)

 「聞くなって。」(大樹)

 

 普段は見せないような様子で楽器の準備をする父親に疑問を持つ一夏。当然だがその原因である大樹は発言を控えた。そんなこんなで秋人たちは篠ノ之神社の剣道場にドラム、ギターをそろえて、いきなり楽器を弾きだした。弾いている曲は十数年前に相方がやらかして店頭からCDが消えたグループの曲だった。

 

 (殴られたくね~。)(大樹)

 

 この場で最も戦々恐々していたのは親父バンドのボーカルの末娘と絶賛お付き合い中の大樹だった。そりゃ、完全OKをもらっていない以上はこのようなことになるのは予想していた。

 

 「さあ、採点は?」(束)

 

 スクリーンに映し出されるのは全国平均点を上回る得点だった。

 

 「「おーし!」」(厳、楽音)

 「秋人、言ってやるんだ。この場で父親としての威厳を見せてやれ!!」(柳韻)

 

 おそらくはかなりの常識人である柳韻が秋人をそそのかしだした。この流れは大樹にとって非常に、非常に良くない流れだった。

 

 (この宴会、いつもそうだ。なんで、先生そんなに悪ふざけをすんの?そういうので一番被害が出てるの俺なんだけど!?)(大樹)

 「大樹!!」(秋人)

 「なっ、何!?」(大樹)

 「、、、、、、結婚は、まだ勘弁してくれぇぇぇぇ。」(´;ω;`)(秋人)

 (うわあ、一番面倒くさいパターン。)( ゚д゚)(大樹)

 

 その中で最も面倒なのは泣き上戸の秋人への対応だった。

 

 「いや、待ってよ。小父さん、まだいきなり結婚とか言ってないよ。」(大樹)

 「でも、するんだろ?」(´;ω;`)(秋人)

 「いや、だって、まだ高校生だよ、俺とマドカ。今、まだ15歳だよ。結婚できないから。」(大樹)

 「昔はしてただろう。」(´;ω;`)(秋人)

 「どれくらい前の話さ。戦前じゃん。」(大樹)

 「あんなに、小さくて、体も弱かった万夏が、、、結婚なんて、、、。」(´;ω;`)(秋人)

 (もうヤダ、、、。)(大樹)

 

 これこそが大樹にとっては面倒であったのだ。とにかく、秋人は酒が入るとかなり涙腺が緩くなるようで些細なことでも泣くようになってしまう。これの被害は主に大樹に集中することが多く(大樹の事情が大きな要因)、その時には大樹が秋人をなだめるというなんとも言えない場面が出来上がるのだ。

 

 「小父さん、そんなさ、まあ、僕が言うのも違うけど。まだ、マドカと結婚するってわけじゃ、、、。」(大樹)

 「何を言ってるの。」(#^ω^)(マドカ)

 

 そして、今回は運悪くマドカが来てしまった。まるで、さび付いた機械のような動きで後ろを振り返る大樹。そこには絶対零度の笑みを浮かべるマドカが居た。

 

 「結婚する気は無いってこと?」(マドカ)

 「いや、そう言うことじゃなくて。」(大樹)

 「そう言うことじゃないの?」(マドカ)

 「ごめん、ちょっと待ってて。今、やらなくちゃいけないことが。」(大樹)

 「何?そんなに大事なの?」(マドカ)

 「そ、、、それは、、、。」(大樹)

 

 ここまで来たら中途半端なことを言ったところで火に油を注ぐだけ、それを前世の友人の行動で痛い程(主に胃が)分かっている大樹である。だが、それをやれば今回は別のところで火の手(というよりもダムの決壊)が上がってしまう。そう、今回大樹はどちらかの地獄(周りにとっては良い酒の肴)を選ばなければならない。それがたとえ育ての親をどんなに悲しませることだろうと。

 

 「そうじゃない。マドカと付き合っていることは本気だし、結婚だってしたい。こんな俺のことを好きでいてくれたマドカのこと、一生離したりしない。それくらいにマドカのことを愛している。」(大樹)

 「大樹、、、。」(〃ノωノ)(マドカ)

 

 この時に言い終えた大樹の顔はまるでゆであがったタコの様に赤く、それはマドカも同様だった。それを見た秋人は言うと

 

 「ふおおおあううあああああううううあああああ!!」(´;ω;`)(秋人)

 

 最早言葉にならなかった。他の大人たちは言うと

 

 「まさか、あの大坊がなあ。」(厳)

 「男とはそう言う者、だな。」(楽音)

 

 その光景を見てしみじみと言う厳と楽音。

 

 「キャー(≧∇≦)、春奈ちゃん、聞いた?聞いた?」(楓)

 「聞いちゃった(≧∇≦)。(≧∇≦)」(春奈)

 

 いい年しているのにキャーキャー言う春奈と楓。

 

 「ダーリン♡」(束)

 「たばちゃ~ん♡」(正則)

 

 関係なしにイチャイチャする束と正則。

 

 「あらあら、お赤飯ね。」(雪子)

 

 そう言いながら家の中へ入る雪子。

 

 「もっと騒ぐのかと思ったのだがなあ。」(柳韻)

 

 このくだりでもっとも罰を受けるべき人間は残念そうな言葉を発していた。

 結局のところは大樹のSAN値を大幅に削った結果に終わった。

 

 

 

 

 

 「だああああああ、歌ってやる!!」(大樹)

 

 どこからか出してきたギターを持ち、大樹がカラオケを操作しだした。入れた曲はオオカミを超えた超生命体によるバンドでドラマやアニメ、映画などのタイアップ曲を複数手掛けている。ちなみに、某変態な仮面の主題歌が大樹の十八番である。

 

 「何気に上手い。」(颯斗)

 「しかも、ギターをかき鳴らして。」(簪)

 「おお、エンジンがかかったか。」(数馬)

 「ああ、藍越に来てたらあいつをボーカルにしてたんだけどなあ。」(弾)

 「いや、あいつはやらないでしょ?一度、それをやろうとして邪魔をされてから弾たちの迷惑になるならしないって言っていたじゃない?」(鈴)

 「こうして、歌っている大樹さんってかっこいいですよね。」(蘭)

 「ね、顔も悪くないからモテるはずなんだけどね。」(箒)

 (モテて欲しくない。)(マドカ)

 「いや~、かなり様になっているよな。」(一夏)

 

 彼らが言うに大樹自身はかなりの歌唱力もあり、ギターの類はそれなりに弾ける(本人談)のでバンドでは中心になれる程である。様になっているので友人たち(恋人を除いた)はやってもいいのにとは考えているが、、、。

 

 「すごいね、颯斗。ん?颯斗?」(簪)

 

 簪は近くにいる颯斗に話しかけたが当の本人はどこかへ行っており、、、

 

 「イエーイ!!」(颯斗)

 

 そのままにしてあった親父バンドのドラムになぜか上半身裸の姿のでスティックを掲げていた。そのまま、まるで某総理の発言により一躍人気が爆発した某ロックバンドのドラマーのように激しくドラムを叩きだす。その姿はまさしく嵐を呼ぶドラマーだった。

 

 「え?」(数馬)

 「はっ?」(弾)

 

 その様は普段の様子からは全く想像できないもので今日が初対面の人物たちは目が丸になってしまうほどだった。

 

 「ああ、やりたくなったんだ。」(簪)

 

 大樹が歌い終わると、後ろにいた颯斗に振り返り、

 

 「何、急に乱入してんだよ!!」(# ゚Д゚)(大樹)

 

 と文句を言った。

 

 「良いでしょうが!ギターだけじゃ味気ないでしょ!」(# ゚Д゚)(颯斗)

 「なら、最初から来いよ!途中から後ろでダンダン、気になるんだよ!」(# ゚Д゚)(大樹)

 「途中から入りたくなったんだい!」(# ゚Д゚)(颯斗)

 「せめて、次の曲まで待てよ!」(# ゚Д゚)(大樹)

 「この熱いパッションを押さえろと言うか!!」(# ゚Д゚)(颯斗)

 「押さえろおおおお!!!」(大樹)

 

 流石に後ろでいきなり激しいドラムパフォーマンスは気にはなるものだった。そんな状態で歌っていたとは思えないほどの高得点をカラオケマシンは点けていていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「大丈夫?」(大樹)

 「うん、大丈夫。ずびびびび!!大丈夫だから。」(涙目)(秋人)

 「お~い、準備は良いか?」(楽音)

 「行けると思います。」(大樹)

 「よおし、大樹は前にな。それと秋人は大樹の隣。」(楽音)

 「は~い。」(大樹)

 「分かった、ずびび。」(秋人)

 

 落ち着いた大樹と秋人は楽器を準備していた弾、数馬、颯斗、楽音と共に演奏の準備をする。まだまだ、宴を始まったばかりである。彼らは演奏を始めるとそれまでのどんちゃん騒ぎで見せていたようなどこか抜けた様子ではなく、男らしい精悍な顔つきだった。




 神社なのに、お祭りが終わったのにバカ騒ぎ、近所迷惑の極。続きはまた今度。現在、第1.5部仮面ライダー黒龍evolution仮面ライダーシュバルツも執筆中です。それでは~。

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