IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜第1.5部第2弾。仮面ライダー黒龍evolution仮面ライダーシュバルツ、開始!!


仮面ライダー黒龍evolution仮面ライダーシュバルツ
仮面ライダー黒龍evolution仮面ライダーシュバルツ 第1話


side 修羅

 「お~お~、やっちまったなあ。どうだ?人を殺した感覚は、それも4人も?」(勇吾)

 「ユウウウウウウウウウウウウゴオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」(大樹)

 

 いつも見る風景だ。そう、俺が生まれた瞬間のあの日。あいつが鈴たちに手を掛けたあの時、俺は生まれた。知識として俺が何なのかは分かっていたが、まさか、自分がそうなるとはな。俺自身はそれを嘆くつもりはない。そもそも、俺の目的は勇吾を殺すこと、それ以外に考えることなんてない。

 

 「ハハハハハハハハハハハハ!!終わりだ!お前はそのまま這いつくばっていろ!!」(勇吾)

 

 両目を失った俺は勇吾に変身した状態で腹に強烈な一撃を受けていた。勇吾の腕が俺の腹から背中に貫通しており、誰が見ても致命傷だということは明らかだった。だが、俺はそのまま死ぬつもりなんて無かった。残っていた力を振り絞り、勇吾の腕をつかむ。

 

 「あ?何をするつもりだ?」(勇吾)

 ≪ドラゴンフルーツスカッシュ!!≫

 

 ドライバーを操作して、左手で勇吾の腕を抑えながら、右手の竜炎刀を振るった。

 

 「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」(勇吾)

 

 竜炎刀はまるでバターを切るように勇吾の頭から体まで抵抗なくすんなりと切り裂いた。そのまま勇吾の肉体は紅蓮の炎に包まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ああ、いつもの夢か。」(修羅)

 

 目を覚ますとそこは今の潜伏先であるとあるホテルの天井だった。俺は体を起こすと近くのベッドに寝ている二人の美女に視線を移す。

 

 「ずいぶんとお楽しみだったみたいだな。」(修羅)

 

 オータムとスコール、亡国機業特殊部隊モノクローム・アバターの隊長と副隊長の2人。まあ、今はただのオータムとスコールだが。その二人は全裸でベッドの上で寝ており、衣服が脱ぎ散らかされている様子などから昨夜は随分と忙しかったみたいだ。

 

 「はあ、全く、こんなことで何をやってんだ、俺は。」(修羅)

 

 今の俺達は亡国機業ではない。俺がスコールたちの部隊を襲撃してから2か月ほどたったある日、突如亡国機業が壊滅した。原因は亡国機業のバックにあった大国が勇吾と取引をして、インベスを差し向けたから。結果として亡国機業は壊滅、俺が居たおかげでベッドの上で寝ている彼女たちは無事で済んだ。その後、俺はあいつの方に勇吾が作り出した怪物のデータを渡し、その後はあの塔であいつと勇吾と戦った。

 勇吾が死んだ今、俺に為すべきことなどはない。だからこそ、あの瞬間に、勇吾の一撃を受けた瞬間に死んでもよかった。それなのに、俺は生きていた。どこかで死のうと考えていたところにこの二人が戻ってきて、俺を手放すつもりはないと言い、俺はこの二人について行き、なぜだか俺はスコールの息子として生活するように言われた。従うつもりは毛頭に無かったのだが、いかんせんあいつにドライバーもロックシードも渡してしまい、あるのは手元の改造されたラファール・リヴァイブだけ。そんなんでこの二人をのしていくなんて出来るはずもなかった。そんなこんなで今はスコールの隠し口座から定期的に金を下ろしながら、生活をしている。まあ、こうやってホテル暮らしなのはここにいる3人全員が戸籍が無いもんだから家を買える金があるのに買えない、アパートも借りれないという状況になっているから。

 俺はソファーに座りながら天井を見上げる。やるべきことなどない日々、やるべきことは既に無くなり、そもそもそれ以外など俺がやろうと思うことなど一切ない。まあ、、、、、、、、、、、、、、、、、燃え尽き症候群、らしい。スコールとオータムが外へ出ている間、日がな一日何もせずに過ごしている。気付けば、二人が戻って来るまで食べることもしなかった。

 

 「いや、、、何もやることもやりたいこともないからか。」(修羅)

 「あら、起きてたの?」(スコール)

 

 今の自分を自嘲したらスコールが起きていた。

 

 「とっくにな、良いからその贅肉を隠せよ。」(修羅)

 「私の体にその物言いはどうかなのかしら?」(スコール)

 「贅肉だろ、その胸にぶら下がっているもんは。それも、人工物。」(修羅)

 「はあ、どうやったらそうなるのかしら。」(スコール)

 

 スコールはため息をついてベッドから出る。こんなやり取りはこの生活になってからいつものこと。

 

 「ねえ、修羅。少しは外に出なさい。ずっと、部屋の中にこもっていて良いことなんてないわよ。」(スコール)

 「いつから、あんたは俺の保護者になったんだ?別に外へ出てやることもやりたいこともない。外へ出る必要なんてないだろ。」(修羅)

 「必要があるから、そんなことをその年から言っていたら気付いた時にはおじいさんよ。良いから、外へ出るわよ。」(スコール)

 「うるせえ、ババア。」(修羅)

 

 ピッチャーから水をコップに注いでいたスコールは近くにあったコップを俺の方へぶん投げる。全く、このババア、肉体のほとんどが機械だからとんでもないスピードでコップが飛んでくる。俺とオータムでなければ死ぬぞ。

 

 「ババアは事実だろ。」(修羅)

 

 俺はそう言いながら高速で飛んできたコップを受け止める。

 

 「あなたね、女性に対してなんてことを言うのよ。」(スコール)

 「事実を言って何が悪い?あんたの実年齢、俺の5倍だろ。」(修羅)

 「ピンポイントで正解を言うんじゃないわよ。」(スコール)

 

 俺の物言いにかなり怒り心頭らしい。まあ、知ったこっちゃないが。

 

 「もう、部隊なんて名ばかりだろ。そんなあんたの言うことを聞く必要は全くない。」(修羅)

 「、、、そんなことを言って、どうするつもりよ。」(スコール)

 

 怒っていたかと思えば俺のことを心配するその眼、、、全く意味が分からないな。

 

 「たく、、、。」(修羅)

 

 俺は自分のフード付きのコートを取り、それを着た。その後、俺はそのまま部屋の出口へと歩く。

 

 「どこへ行くのよ?」(スコール)

 「知るか、、、。」(修羅)

 

 スコールはそのまま何かを言っていたが俺はそれを無視して扉を開けて、部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

sideスコール

 「はあ、どうすれば良いのかしら。」(スコール)

 

 私が予想していたよりも修羅が私達に心を開くのは難しかった。柏葉大樹、その別人格である彼は柏葉大樹に似通っているかと思ったけど、それは正解では無かった。柏葉大樹を調べるとかなり凄惨な人生を歩んできたことが分かった。それ故に解離性同一性障害を発症したことも何らおかしいことではない。その過程で修羅と言う別人格を生み出して、自分への非難などに耐えてきたのだろう。だからこそ、修羅が他人に一切の興味を示さないことも予想できた。それが、誰に対してもというのが私の予想以上だったけど。

 

 「どうした?スコール。」(オータム)

 

 どうやら、考えていたらオータムが起きる時間になったみたい。そのオータムはシーツに体をくるませて体を隠していたけど。

 

 「大丈夫よ。さあ、何かを食べましょう?」(スコール)

 「スコール、あいつのことだけど、好きにさせて良いじゃないのか?」(オータム)

 「何よ、急に。」(スコール)

 「私らのようにやりたいことややることがあるなら、そのまま放っておけば良いだろ?どうして、そんなにあいつのことを気に掛けるんだ?」(オータム)

 

 オータムからの問いかけ、そうね、、、。私達にとっては有用であるから、彼を近くに置いていたに過ぎない。それは彼が私達の前に初めて現れた時に確かに私は使えると思ったから彼を部隊に入れた。でも、一緒にいて、彼を見ていたら放っておけなかった。

 

 「簡単よ、昔の私たちと同じ目をしていたからよ。」(スコール)

 

 

 

 

 

 

 

 

side 3人称

 当てなどなく修羅は街の中を歩いていた。街の中は秋の季節を感じさせるものであふれていたがそれに修羅は興味を示さない。そんな彼にとって平穏な日常など、自身が身を置く場所では無いのだ。

 

 (今更、、、いまさら何をしろって言うんだ。勇吾の殺すこと以外に何もない俺に、、、。あいつと違って、守るべきもののない、大切だと思えるような記憶もない俺に、、、何をしろって言うんだよ。)(修羅)

 

 修羅は大樹が持つ記憶のほとんどを覚えているわけではない。正確には大樹が過ごしてきた平穏な日常での記憶は修羅は共有しておらず、所々の劇的な部分、そして大樹が過ごしてきた苛烈な時間しか持っていない。その修羅にとって最大にして唯一の生きる理由だったのが勇吾の打倒だった。それが終わった今、戦いの場を自身の身を置くべき場所としてきた勇吾にとってはこの世界に生きる理由などなかった。ゆえに修羅は勇吾を打倒したときには自分の命を絶とうと決めていた。だが、スコールたちと過ごす中でその考えは消えてはいないが修羅の中ではそうしなければならないという程の強いものではなくなった。それ故にどうするべきなのか、どのような道を進むのかが修羅の中では決まっていなかった。そして、それを決めるための思い出や経験、人とのつながりが修羅には無かったのだ。

 修羅があてどなく歩き続けていく中で人々がざわめきだした。それに修羅は興味を示さずに構わずに歩き続ける。だが、

 

 「っ!!」(修羅)

 

 修羅は目を見開き、突如として空を見上げる。それは周りにいた人々も同様で、空にある一点を見ていたり、指をさしていた。そこには黒い3つの点があった。その点はそのまま修羅たちの先にある交差点に墜ちた。衝突したところから周囲に衝撃波が広がり、建物のガラスを割っていく。人々はそのまま、交差点から遠ざかるように逃げていく。だが、その中で修羅だけはその何かが落ちた交差点の方へと走っていた。修羅がそこに着くと交差点のど真ん中にはまるで血を思わせる色をした球状の液体が3つ、宙に浮かんでいた。

 

 「これは、、、。」(修羅)

 

 修羅は様子をうかがっていると3つの球体は形を変えて、二人の壮年の男と1人の美女へと変化した。

 

 「どうやら、上手くいったようだ。」(???)

 「それにしても、どこの世界のこの星はまあ代り映えしないもんやなあ。」(???)

 「あら、それでも私達ブラッド族にはやることが同じでは?」(???)

 

 3人はそのまま話していたが修羅が居ることに気付いたらしく、修羅の方へと向く。

 

 「なんや、僕?そこに突っ立って?」(???)

 「お前らはなんだ?」(修羅)

 「われらはブラッド族、星々を渡り歩き滅ぼす者だ。」(???)

 

 修羅の問いかけにリーダー格らしき男が答えた。

 

 「なるほど、敵か。」(修羅)

 

 修羅はそう言うと改造が施され、漆黒のカラーリングであるラファール・リヴァイブを展開する。

 

 「あら、面白い玩具ね。」(???)

 「ほんなら、伊能さん。先に楽しませてもらいますわ。」(???)

 「良いだろう。」(伊能)

 

 関西弁を話す男と美女はどこからか取り出したボトルを振る。

 

 「それは、、、。」(修羅)

 「どうやら、これが何かは知っているみたいね。」(???)

 「じゃあ、行くで。」(???)

 

 二人はボトルのふたを回すと最初に現れた血色の液体に戻る。すると女性の方はまるで鳥のくちばしの様にハサミが頭部から出ている怪物=シザースロストスマッシュに、男の方は白と紫のカラーリングの縞模様が特徴の怪物=ゼブラロストスマッシュに変化した。修羅はそのままラファール・リヴァイブに装備されているミニガンを取り出し、そのまま無数の弾丸を放ちだした。

 




 修羅の前に現れたブラッド族。仮面ライダーの力を持たない修羅には歯が立たない相手だった。そして、その修羅を助けたのは別の世界の地球の混乱に陥れ、暗躍したブラッド族の一人、エボルトことブラッドスタークだった。

 「お初にお目にかかりまして、だな。」

 

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