IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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 ヨーロッパで新たに確認されたインベスのことをヴァルハラから知らされた大樹はマドカたちと共にヨーロッパへと飛んだ。その中で大樹は颯斗と自分の思いを話し合い、仲間たちと共に戦うことを改めて決意する。そして、ヨーロッパの森林地帯に出現したブラキオインベスとヴァルハラの仮面ライダーたちの激しい戦いの火ぶたが切って落とされた。


仮面ライダーエグゼリオンwithドクターライダーズ 第3話

side大樹

 俺達はヨーロッパの森林地帯でぱっと見はブラキオサウルスの超巨大インベス、ブラキオインベスを相手に戦っていた。だが、

 

 「ねえ!こんなに大きい奴を殴っても全然効いていないんだけど!!てか、弱点はどこ!!ラ〇シャ〇ロン相手なら撃〇〇が使える要塞で戦うのがお約束でしょ!!」(ロード)

 「それをぐちぐち言うな!!そんな大型武装を持ってこれる余裕があるか!!都合よくそう言う場所で戦えるのはモ〇ス〇ー〇ン〇ーだけだ!!つか、ここの面子ならある程度装備が揃っているんだから文句言うな!!」(炎竜)

 「ねえ、二人とも!口喧嘩は終わってからにして!!」(ヴァルキリー)

 

 超巨大な相手に絶賛大苦戦中。ああ、最低でも大〇〇爆弾Gと対〇〇爆弾は欲しかったのは俺も同意見。口喧嘩をしていると上空から狙撃しているマドカさんからお叱りを受けた(´・ω・`)。もう、どこもかしこも固い。きれいに弾かれるくらいに固くて流石に驚いた。颯斗の弾かれ方を見て、マジで〇ンハ〇だった。

 

 「行くぜ!!」(ナックル)

 ≪クルミスパーキング!≫

 

 空を見上げるとダンデライナーから飛び降りたザックさんが自分の右腕にスイカアームズの大玉モード並に巨大なクルミのオーラを纏わせてブラキオインベスの頭頂部を思い切りぶん殴った。当たりにまるで除夜の鐘のような音が大きく響いた。だけど、

 

 「全然効いてないよ。まるで何もなかったみたい。」(ロード)

 

 颯斗の言う通り相手にはあまり効果はないみたいだ。

 

 「でも、まだやれるだろ。」(炎竜)

 「まだ手はあるしね。」(ロード)

 

 だけど、俺も颯斗もそれで辞める理由はない。てか、まだやれることがあるんだ。まだあきらめる理由にならない。

 

 ≪メロンエナジー!≫

 ≪急にデッドヒート!ハート!デッッッッッッッッッドゾ――――――ン!!≫

 

 俺は新たに貴虎さんたちから渡されたメロンエナジーロックシードを開錠した。颯斗の背中や腕にある排気口から大量の蒸気が噴き出て、颯斗の体が赤く輝きだした。俺はデュアルギアのロックシードをドラゴンフルーツからメロンへと変える。

 

 ≪ミックスアップ!デュアルメロンアームズ!豪・華・絢・爛!≫

 

 鮮やかな若葉色と目を引く鮮やかなオレンジのラインの具足が特徴的なデュアルメロンアームズへと俺はアームズチェンジした。俺は左腕に装備している大型楯メロンシールダーを構え、竜炎刀を右腕に持つ。

 貴虎さんたちにデュアルギアについて調べてもらったら、どうやら父さんと母さんの研究所にあったデータの中に同一のものがあったらしい。ただ、これはそれを元にしているが細かな点ではかなり違うみたいだ。まあ、ユグドラシルが研究していたものではなく、あの世界、天使や悪魔の実在する異世界で鬼武者によって与えられたものだから科学じゃあ分からないものもあるだろう。

 話を戻すが、俺と颯斗はブラキオインベスに向かって走り出す。颯斗は噴出する蒸気の勢いを利用して一気に距離を詰める。その後は太く、大木のような足に拳を何度も何度も叩きつける。俺はメロンシールダーに竜炎刀を合体させ巨大な戦斧であるギガメロンアックスへと変形させる。自分の身長の2倍ほどの長さに巨大な刃をもつ子の武器を俺はブラキオインベスの別の足に何度も何度も叩きつけていく。このギガメロンアックス、元が大型楯であるメロンシールダーと強度に関しては全アームズウェポン屈指である竜炎刀であるため、いくら体表を固くできようがかなりの重量かつ強度を有しているこの武器なら固い部分を一気に破壊できる。最初の一撃目では大きな傷は出来なかったが数度繰り返しただけで体表に無数のひびが入っていた。

 

 「これで、行けええええええええ!!」(炎竜)

 

 俺は一際大きく振りかぶり、力を限界まで貯めた一撃をブラキオインベスの足に思い切り叩きつけた。

 

 バキャアアアアアアアアアアアアン!!!!

 

 甲高い音が響いてギガメロンアックスの刃が深々とブラキオインベスの足にめり込んだ。流石に身じろぎ一つはするだろうと予想していたが何の動きもない。俺はそのままギガメロンアックスをめり込ませたままドライバーを操作する。

 

 ≪ドラゴンフルーツスカッシュ!≫

 

 ロックシードから供給された赤いエネルギーはそのまま俺の腕を伝い、ギガメロンアックス、ブラキオインベスの足へと流れていった。それに伴い足は内部から次々と破裂音が響き、内側から大きく爆ぜた。それと同時に

 

 バゴオオオオオオオオオオオオン!!!

 

 別の足を攻撃していた颯斗の方から爆発音が大きく響いた。

 

 

 

 

 

 

 

side3人称

 炎竜とロードがブラキオインベスの足を破壊したことでブラキオインベスはその巨体を支えることが出来なくなった。そのまま、深手を負った足の方から地面に倒れる。倒れたブラキオインベスに対して追い打ちをかける炎竜とロード。がら空きとなった胴に炎竜はギガメロンアックスを、ロードは赤熱した鉄拳を打ち込んでいく。だが、

 

 「ここも堅いよおおおお!!」(ロード)

 「気持こっちの方は柔らかい程度だな。それでも効果は薄いけど。」(炎竜)

 

 彼らが急所と睨んでいた腹部は思いのほか固く、脚部よりも攻撃が通じるとはいえそれでもなおかなりの防御力を誇っていた。

 

 「まさか、こんなに硬い奴だったとは。鳳蓮、何か手は無いか?」(斬月)

 「こんなのはまるで空母を落とせって言ってるようなものよ。坊やたちの話を聞くとどうやらかなり厄介らしいじゃない。メロンの君のその大きいので傷が付かないのならかなり苦労するわよ。」(ブラーボ)

 

 空中から様子を見ていた斬月はジェット機を操縦しているブラーボと話をする。歴戦のアーマードライダーたちをまとめる役を担う二人から見て今回の相手であるブラキオインベスは非常に厄介であった。

 

 「ねえ、兄さん。見ていると奴が触れている場所から少しずつ植物が枯れてきている。このインベス、触れている場所から少しずつだけど生物からエネルギーとかを吸収しているんじゃないかな。」(龍玄)

 「だろうな。様子を見る限り大樹と颯斗君には問題は無いようだが。」(斬月)

 「あの二人、てこずっている見てえだし、俺も様子見がてらに加わります。」(ナックル)

 

 炎竜とロードの元へナックルも加わる。それに上空では時折龍玄もブドウ龍砲を撃つことで時折注意を引いている。そして、

 

 ≪ブルーベリーオーレ!≫

 

 空中から青色のレーザーがブラキオインベスに当たる。ジェット機に乗り、ロードレディのサポートを受けて長距離狙撃を行っているヴァルキリーである。だが、当たった部分から爆発が起きるも煙が晴れると少し焦げ跡しか残らなかった。

 

 「全然通じない。」(ヴァルキリー)

 「当たる瞬間にそこだけ硬化している。皮膚の下なら狙撃も通じるかもしれないけど。」(ロードレディ)

 「ねえ、大樹。何とかなりそう?」(ヴァルキリー)

 「何とかなるって言いたいところだけど、さっき破壊した足が回復している。どう言う原理なのかは分からないけど。」(炎竜)

 「チャンスは一度きりってことね。」(ヴァルキリー)

 「悪い。こいつまた起き上がる。颯斗とザックさんと一緒に一度離れる。」(炎竜)

 

 ヴァルキリーたちが見ると倒れていたブラキオインベスが立ち上がり、まるで何事もなかったかのように動き出した。ブラキオインベスから距離を取っていた炎竜はロードを乗せてハイビスカストライカーで木々の間を縫うように走る。一方、ナックルはダンデライナーに再び乗り込み、空へと舞う。

 

 「なあ、一発勝負の策だけど聞くか?」(炎竜)

 「ぜひ。」(ロード)

 「あのラ〇シャ〇ロ〇をもう一度寝せる。寝ている間に腹の部位を徹底攻撃、肉が露出したらマドカの超高火力長距離狙撃で仕留める。」(炎竜)

 「一発勝負の理由は?」(ロード)

 「あいつ、たぶんだけどまわりの動植物から栄養分を軒並み吸収しているはず。その所為で周りの植物が枯れている。」(炎竜)

 「つまり、短期決戦で倒さないといけないってことだね。」(ロード)

 「それでこの巨体を維持するのに必要なエネルギーをいつまでもこの森林地帯で賄いきれるかだ。」(炎竜)

 「それ、皆に話した方が良いんじゃない?」(ロード)

 

 ロードと話した内容を他の仲間に話すために炎竜はアーマードライダー同士の通信回線を開いた。

 

 「というのが俺の考えです。」(炎竜)

 「一発勝負、失敗すればチャンスを無い訳ね。それの根拠は?」(ブラーボ)

 「完全に回復すればまた同じように最も弱い部分を破壊しにくくなる可能性があります。そうなる前に完全に倒さないと。」(炎竜)

 「それは端からここにいる全員が考えていたことだぜ。それにその考えは俺も賛成だ。こういう奴はさっさと終わらせるに限る!」(ナックル)

 「じゃあ、大樹と颯斗で隙を作って。私達はその間に準備をするから。」(ヴァルキリー)

 「颯斗、大樹。たぶんだけど首を集中攻撃した方が良いと思う。いろいろと調べたらそこが一番弱いから。」(ロードレディ)

 

 仲間たちとの通信でおおよその作戦が決まる。決まった結果、上空からのトドメ役はヴァルキリーに。ヴァルキリーのスポッターにロードレディ。ジェット機を守る役目を負うのは龍玄。ナックルはブラキオインベスの注意を引き、斬月はスイカアームズでダメ押し。作戦立案者である炎竜とロードは言うと。

 

 ≪ドラゴンフルーツスカッシュ!≫

 「颯斗、しっかり捕まってろ!」(炎竜)

 「飛ばされるのに、掴まってろってナニ!!」(ロード)

 

 作戦の肝であるブラキオインベスのバランスを崩し、他のメンバーが必殺技を放つ隙を作るという役になった。やることと言えばロックシードのエネルギーをチャージしたギガメロンアックスを発射台に見立ててロードがメロンシールダーに乗り、炎竜が力の限り吹っ飛ばすということである。つまりはというと

 

 「吹っ飛べええええクソ親友!!」(炎竜)

 「そうだと思ったああああああああああああああああ!!」(ロード)

 

 日頃の恨みを込めた友情人間ロケットである。日頃の行いはこういう時で自分の首を絞めるものである。この勢いは相当なものですでにロードは音速に達していた。

 

 「こうなったらやけくそだああああああああああああああああああああ!!!」(ロード)

 ≪急に!デッドヒート、ハート!デッッッッッッッッッドゾーーーーーーーーーーーーーン!!ヒッサーツ!フルスロットル!≫

 

 ロードは猛スピードでブラキオインベスに迫る中でマッハドライバーを操作する。空中で加速する中で背中の鬼の顔から蒸気を噴出して全身を赤熱化、、、どころか発火して火の玉そのものになった。燃え盛る火の玉となったロードはそのままブラキオインベスに激突した。それを見ていた炎竜はハイビスカストライカーのエンジンを限界まで駆動させ、自身もブラキオインベスに向かって猛スピードで森林を疾走する。炎竜はデュアルギアを操作して自身が放つ最大最強の技を放つ。

 

 ≪デュアルメロンスパーキング!≫

 

 ギガメロンアックスにオレンジ色と若葉色のエネルギーが走り出す。炎竜はハイビスカストライカーに乗りながら、ギガメロンアックスを地面に触れさせながら高速回転を始める。そのまま炎竜は周りの木々を斬りながら高速でブラキオインベスに向かって行く。炎竜は速度を上げながらエネルギーをチャージしたギガメロンアックスでブラキオインベスの全ての足を両断した。全ての足を失ったブラキオインベスは地面に倒れ伏す。炎竜はギガメロンアックスにチャージされたエネルギーが切れると同時にハイビスカストライカーを止めた。

 

 「行くぜ!」(ナックル)

 ≪クルミスカッシュ!ジンバーマロンスカッシュ!≫

 

 すでに最強形態であるジンバーマロンアームズになっていたナックルは燃え盛る拳を何度も何度もブラキオインベスの首へと叩きつけていく。

 

 ≪ロックオン!ドラゴンチャージ!ハイー!ブドウスカッシュ!≫

 

 ダンデライナーからソニックアローで狙いをつけているのは龍玄ジンバードラゴンフルーツアームズである。ドラゴンフルーツの赤いエネルギーとブドウの紫色のエネルギーがソニックアローに集まっていく。限界まで引き付けられた弦を離すとソニックアローから2頭の龍が飛んでいき、ブラキオインベスの首へと当たり大爆発を起こした。

 

 ≪スイカスカッシュ!≫

 

 斬月はスイカアームズを鎧モードへと変えて、スイカ双刃で龍玄のソニックボレードラゴンが当たった場所を何度も何度も切り刻んだ。その結果、首の皮膚がはがれ、内部の筋組織が露出した。

 

 「これなら、確実に撃てる。」(ヴァルキリー)

 ≪ブルーベリースパーキング!≫

 

 ヴァルキリーの狙撃は確実にブラキオインベスの傷ついた首を貫いた。ヴァルキリーが撃ちぬいた場所から爆発が連鎖してブラキオインベスの肉体を破壊、ブラキオインベスは体の内部から爆ぜ燃えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パリのシャルル・ド・ゴール空港。そこにはフランスへと到着したシャルロット、ラウラ、千冬、陸の姿があった。

 

 「はあ、随分と長かったなあ。」(陸)

 

 陸は体の各部をほぐしながらそう言う。

 

 「そう言うな。そもそも海外での飛行機に乗るということはこういうことだぞ。」(千冬)

 「先生、それでももうちょっと良い席があったでしょう。どうしてそうしなかったんですか?」(陸)

 「今回は学園主体では無いからな。そんなに良い席に乗る余裕はない。」(千冬)

 「教師って薄給なんですね。」(陸)

 

 ここで軽い口を叩く陸。一方でシャルロットの表情は故郷に帰ってきたとはいえ思わしくなかった。それを見るラウラの表情はただただ友人を思ってのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて、これより始めるか。地獄の再現を。」(???)

 

 フランスを襲う災厄の猛威、それが姿を現すのもそう時間は残されていなかった。




 フランスに到着した陸たちはシャルロットの父が経営するデュノア社へと移る。その時、フランスの首都であり、芸術の都であるパリでバグスターウィルスが爆発的に感染、街を覆い尽くそうとしていた。デュノア社内部の闇が明らかになる時、謎のライダーが現れる。

 「私は仮面ライダータナトス。さあ、死のゲームの開始よ。」

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