2年生に進級した大樹たちの前にファブニールが現れ、戦いの火ぶたが切って落とされた。
side炎竜(大樹)
新たに現れた敵、ファブニールは左手に黄金の果実、ヘルヘイムの森で実る世界を作り替える程の力を持つ果実を持っていた。オーバーロード、はっきり言えば黄金の果実を持っていたオーバーロードがいきなり出現した。それは、はっきり言えば超異常事態だ。格上も格上、まともに戦って勝てるかなんておこがましいレベル。
「一夏、颯斗。殺す気どころかこっちが最初から本気を出さないと死ぬぞ。」(炎竜)
「あいつが持っている奴って貴虎のおっさんが言ってた黄金の果実か?」(白銀)
本物かどうか、それは奴の次の動きで分かる。
「セット。」(ファブニール)
ファブニールがセットの掛け声で黄金の果実が輝きだした。俺達はそこから何かしらの攻撃が来ることを予想して防御態勢を取った。だが、黄金の果実の輝きは一瞬で弱まった。
「リセット。」(ファブニール)
ファブニールはその後は黄金の果実を消失させた。何もしないのか。
「来いよ。」(ファブニール)
ファブニールはそう言うと俺達に来いと挑発をする。何だ?一体、何をしたんだ。見たところ、俺達の方にもあいつの方にも何も起きた感じはしないけど。
「うおおお!!」(白銀)
「はああああ!!」(ロード)
って、待たずに一夏と颯斗の奴!!
「どんな手で来るのか分からないのに突っ込むな!!」(炎竜)
side3人称
白銀がバニシングブレードを振るい、ロードが背部アーマーのエンジンを駆動させてファブニールに攻撃を始める。白銀は持ち前のスピードを活かしながら流れるような連携でバニシングブレードを振るって行く。一方、白銀の攻撃を合間にロードは強烈無比なパンチ攻撃を繰り出していく。
白銀とロード、二人を同時に相手取って全く退くことなく戦うファブニール。右手に持つ薙刀を振るいながら、視覚外から来る攻撃すらも躱していく。
「なんで当たらねえんだ!?」(白銀)
「見えていないのに、どうして。」(ロード)
その様子を見ていた炎竜はファブニールの動きに疑問を持ち始める。
(まるで見えている、若しくは知っている...。さっきの黄金の果実は攻撃ではなく...。)
ファブニールの動きからある予想を立てる。その中で白銀とロードはファブニールの攻撃に大きく吹き飛んでしまう。
「さっきからこっちの攻撃を分かっているみたいに。」(ロード)
「なら、同時攻撃だ。」(白銀)
白銀とロードは立ち上がるとドライバーを操作する。
≪シルバーエナジースカッシュ!≫
≪ヒッサーツ!フルスロットル!デッドヒート、ハート!≫
白銀に輝くバニシングブレードを上段に構える白銀。全身に高熱を発して右手を固く握り込むロード。それを見ていたファブニールも腰にある戦極ドライバーを操作する。
≪ソイヤ!ビーストドラゴンフルーツスカッシュ!≫
「はああああああ!!」(ロード)
「たあああああああ!!」(白銀)
ロードは地面を蹴りだし、前方へと勢いよくジャンプをして必殺パンチのデッドヒートパニッシュをファブニールに放つ。白銀も同時に走り出し、エネルギーがこもったバニシングブレードで兜割をするバニシングスラッシュを放った。それに対してファブニールは爆炎に包まれた薙刀で最初にロードをすれ違いざまに斬りつけ、後から来た白銀のバニシングスラッシュを返して、がら空きになった胴に反撃の一太刀を浴びせた。
「うああああ!!」(ロード)
「くっ!」(白銀)
ロードと白銀の変身が解除される。地面に倒れ伏す一夏と颯斗に千冬と真耶が近づく。
「一夏!颯斗!」(炎竜)
炎竜も倒れた二人の名前の叫んだ。その炎竜にファブニールは薙刀の切っ先を向ける。
「次はお前だ。」(ファブニール)
「っ!」(炎竜)
炎竜は無双セイバーと竜炎刀を合体させて無双セイバーナギナタモードへと変える。ファブニールは炎竜へと斬りかかり、炎竜も応戦する。ファブニールの斬撃は炎竜どころかその余波でアリーナをも破壊していく。ガードをしても自身の鎧も破壊していくファブニールの攻撃に炎竜は回避に重きを置いた立ち回りへと変えていく。一方のファブニールは炎竜の攻撃を受けても全く効いている様子もなく、問答無用と言わんばかりに薙刀を振るって行く。
(こいつ、硬い!無双セイバーの刃が全く通らないくらい硬い!だけどそれだけじゃない。こっちの手の内を分かっているかのように技の出鼻を全て潰されてる。奴にこっちの手の内を明かす時間なんて無かった。一体どこで?)(炎竜)
炎竜は自身の動きをまるで読んでいるかのようなファブニールの動きの理由に思い当る部分とここまでの状況を鑑みてある結論を出した。
「なら、これを使うか。」(炎竜)
≪マツボックリエナジー!≫
炎竜はファブニールの動きの謎を解くためにマツボックリエナジーロックシードを開錠し、デュアルギアにセットする。
≪ミックスアップ!デュアルマツボックリアームズ!瞬撃!ステルス・イン・ザ・シャドウ!≫
炎竜はまるで忍者のような姿であるデュアルマツボックリアームズへとアームズチェンジした。専用武器である影松・真を構え、ファブニールへと攻撃していく。先程までとは違い、一段と上がったスピードを活かし、影松・真による刺突、薙ぎ払いをしていくがそのどれもがファブニールにことごく対処されてしまう。
「これはどうだ。」(炎竜)
≪デュアルマツボックリスカッシュ!≫
炎竜はデュアルギアをする。すると、ファブニールを囲むように炎竜が5人に分身した。5人の炎竜は様々な方向から攻撃をしていく。煙を使った瞬間移動や手裏剣を使った数々のニンジャアタックをしていく炎竜。だが、そのすべての攻撃をファブニールは躱し、防ぎ、ことごとくを止めていた。
「こっちの動きを読んでいる、だよな。」(炎竜)
「お前ならカラクリ自体にすでに気付いているだろ。確証が完全にないとそれにも気付けないのか。」(ファブニール)
「いや、その発言でやっと分かったよ。」(炎竜)
≪デュアルゴールドアームズ!≫
ファブニールの発言から確信に至った炎竜は最強形態デュアルゴールドアームズへと変わり、竜炎刀と光龍剣の二刀流となる。それを見たファブニールは薙刀を持ち直して構えた。
両者はお互いの間合いを保ったままにらみ合う。高まる緊張感の中でそれまでの静寂を破ったのも両者だった。同時に走り込み、武器を振るう炎竜とファブニール。その戦い振りは互角だが剣戟が繰り出される中でその均衡も徐々に変わりだしていた。僅かながらに炎竜が上回っていた。炎竜の激しい二刀流が、斬撃の合間に繰り出される蹴りが、拳がファブニールの頑強な体を打ち据え、切り付けていく。
(いける!このまま押し切る!)(炎竜)
炎竜が脳裏でそう考えた時、ファブニールは、
(まあ、だと思うよな。)(ファブニール)
急に力づくの攻撃を繰り出したのだった。炎竜は不意のその攻撃に対応できずにまともに喰らってしまい、体勢を崩してしまう。
「これは流石に無理だろ。」(ファブニール)
≪ビーストドラゴンフルーツスカッシュ!≫
ファブニールは薙刀を掲げ、その刃を爆炎で包み込む。その刃が振り下ろされ、燃え盛る凶刃が炎竜の首を刈り取ると思われた。
≪爆走!クリティカルフィニッシュ!≫
「柏葉!」(エグゼリオン)
住んでの所を仮面ライダーレーザーレベル2に乗って救出したのは仮面ライダーエグゼリオンレベル2である。エグゼリオンが炎竜の腕を抱え、何とか助けることは出来た。
「ありがとう、陸。」(炎竜)
「良いって、良いって。」(エグゼリオン)
「おいおい、とんでもなくやべえ奴が居るじゃねえか。」(レーザー)
エグゼリオンはレーザーの動きを止めて、炎竜を下ろした。遠目から彼らはファブニールを確認する。
「貴利矢先生たちが倒したっていうゲムデウス並?」(エグゼリオン)
「いや、ゲムデウスの方がまだ良い方かもな。」(レーザー)
「九条先生、陸。あいつが金色に輝く果実を出したら即刻阻止してください。その後のこっちの攻撃が全て読まれます。」(炎竜)
「はあ?」(エグゼリオン)
「おい、それって今来た自分たちには効かないだろ。」(レーザー)
「だと良いんですが。」(炎竜)
もう一度武器を構える炎竜。それに対してやり取りを見ていたファブニールも薙刀を構えた。
「じゃあ、貴利矢先生。レベル3、行く?」(エグゼリオン)
「はあ?陸、レベル0のガシャットとプロトガシャットに代えろ。レベル3でどこまでやれるか分かんねえぞ。」(レーザー)
「へいへい~。」(エグゼリオン)
エグゼリオンがレーザーのガシャットを取り換えようとした時だった。ファブニールが突然、何かを感じたように視線を別の場所へと移したのだった。
「まさか。ちっ!この時に!!」(ファブニール)
ファブニールはそう言うとクラックを出現させてその先へ飛び込んだ。
「お前との戦いはまた今度だ。それまでに他の奴らに殺されないようにしろよ、柏葉大樹。」(ファブニール)
「待て!」(炎竜)
ファブニールはクラックを閉じ、その場から姿を消した。炎竜とエグゼリオンは止めようと動くがその時にはクラックは消えてしまっていた。
「俺の名前を知っていた。あいつ、一体。」(ファブニール)
一抹の疑問と大きな傷跡を残し、最初の
sideファブニール
「はあ、はあ、はあ、はあ。」(ファブニール)
弱くはなかったな、まさかヘルヘイム以外の力を使ってくるとは。だが、そのことに気付いていなかったな。それよりも、黄金の果実の力、多次元世界の同時体験の使い過ぎで体にガタが来てるな。俺は今は誰にも使われていない亡国機業の本部、の廃墟に身を隠してる。まあ、選んだ理由はただ単純にここが都合が良かっただけだが。まずは、
「変身を解除して傷を治すか。」(ファブニール)
俺は戦極ドライバーにセットしている
「はあ、痛!」(ファブニール)
やはり、
「この世界のお前が俺とは違う道を選ぶ必要がある。そのために俺はここに居る。」(ファブニール)
side大樹
今、学園内にある地下の指令室に俺、一夏、颯斗、陸、マドカ、簪、千冬姉ちゃん、山田先生、九条先生が集まっている。集まっている理由は今朝、学園を襲撃したオーバーロード、ファブニールのことについて。
「新しいオーバーロードか。」(千冬)
「ヴァルハラにも連絡しました。ただ、向こうも事態の把握っていうかどうも他に似たような奴が世界各地に12体が確認されて多大な被害を出しているという情報を連絡してくれました。ただ、今は現状把握に努めているみたいです。」(大樹)
「あんなのが他にも12体!?多すぎでしょ!!」(颯斗)
報告をする中でその強さを身に染みた颯斗が大声を上げた。ファブニールと同レベルの相手が12体、去年の激しい戦いを知っている俺達でもそれがあまりにも強大な相手達であるという想像に難くなかった。
「実は、衛生省の方からゲムデウスが確認されたっていう情報があった。もしかすると、そのゲムデウスも無関係ではないだろう。」(貴利矢)
「ゲムデウスって、仮面ライダークロニクルのラスボスキャラ。あんなのもまた出てんの。」(陸)
「今はまだこちらは情報面でも戦力面でも劣っている。現状は情報収集を第1に万が一にも接触の場合は退避を優先するべきだな。」(千冬)
千冬姉ちゃんの言葉にこの場に居る誰もが異論を出さなかった。当然ながらこっちはまだ何が起きているのか正確に分かっていない。故に情報を得なければならない。今後の行動を決めるのにそれは重要だった。
「相手が大樹の名前を知っていたの?」(マドカ)
「去り際に俺の名前を言ったんだ。他の奴らに殺されないようにしろって言って。」(大樹)
あの後、俺達は寮の自室へ戻り、今日1日の疲れをいやすべく休もうとしていた。一応、マドカに今朝のことを俺の口からできるだけ話している。
「味方、、、っていうわけじゃないよね。」(マドカ)
「ケンカを吹っ掛けてるからな。味方ではないと思うけど。」(大樹)
そう、俺の名前を知っていることがずっと引っ掛かってた。でも、ここまでだと正確な理由まで思い当るものは全く無い。正直、最初は兄貴かと疑ったけど、兄貴は確実に倒したし、なおかつあいつは兄貴とは確実に別人だ。太刀筋と言い、振る舞いと言い絶対に兄貴じゃない。あいつ、俺と似てる気がする。戦い方の癖とかがどうも俺自身と戦っているような気がしたからだ。
「どうなるんだろうね。」(マドカ)
マドカの方を見ると普段とは違うすごく不安そうな表情をしていた。俺はマドカを抱きしめることで少しでも不安が薄くなるようにする。
「ここまでと変わんないよ。いつだって降りかかる火の粉は振り払う。守るために死ぬんじゃなくて良きるために戦い抜く。絶対にマドカのそばを離れないから。」(大樹)
「大樹。」(マドカ)
「ここでやっと一緒になれたのに離れるわけがないだろ。何が何でも一緒に居るよ。」(大樹)
やっと、一緒に居れるようになったんだ。どんな相手だろうと負けるつもりもましてや死んでやるつもりはない。オーバーロードが相手だろうと絶対に。
「じゃあ、一緒に居れるって思わせてよ。」(マドカ)
そう言って俺の背中に手を回しながら濡れた眼差しのマドカ。マドカは俺に背中を回しながら布団の上に後ろから倒れる。
「いつものようにして。」(マドカ)
...ああ、いつものやつね。どうも、そういうのが性行為一辺倒になってんなあ。
「お願い。」(マドカ)
言えるのはお互いに大分楽しんだってこと。そうしてる中で朝日を拝んだけど。
side颯斗
「はあ、入学式が近いのにとんでもないことになったなあ。」(颯斗)
突然のオーバーロードの出現、去年なんかD〇Oのような感じ(僕の中の勝手なイメージ)の大樹のお兄ちゃん、ロイミュード109、、異世界での戦いにフランスのウィルステロとかあったのに。僕は今学園から離れて本土の街の方に来ている。
「ハートたちの起こしたグローバルフリーズにインベス事変、Xデイとか数えたら本当に呪われてるくらいにいろんな事件が起きてるよねえ。」(颯斗)
「颯斗、グローバルフリーズのことは。」(ハート)
「分かってるよ。やったことは今更取り消せないし、今のハートたちは人間は敵じゃないでしょ?」(颯斗)
まあ、昔に起きたことは関係ないって言えばそれまでだけど。それを抜きにしてもいろいろ起きすぎだよ。
ごん!
「あだっ!!」(颯斗)
考えすぎで壁に当たった。痛~~~~。
「こんな壁...。」(颯斗)
僕が壁と思ったのはかなりガタイの良い軍人さんだった。
「あ、あの、ごめんなさい。」(颯斗)
怖~~~~~~~~~~~~~~~!!すごい、圧が!圧がすごく怖い!
「ン。ゴラゲリントザバ。」
..........?何語?
「ギジャクウガバ?ダガクウガゼパバギ。」
さっきから何を言っているんだろう。
「え、え~と。」(颯斗)
「ああ、すまないな。けがはないか。」
あ、日本語しゃべれるんだ。
「いえ、大丈夫です。けがはないです。」(颯斗)
「そうか。すまなかったな。」
ああ、話してみるとなんだか武人って感じだなあ。今時、あんな人ってそんなにいないけど。
「颯斗。あいつ。」(ハート)
「どうしたの、ハート」(颯斗)
「人間じゃなかったぞ。いや、人間に近いが違うものだ。」(ハート)
「どういう意味?あの人、人間だよ。どこからどう見ても。」(颯斗)
僕がそう言った次の瞬間に近くの警察署から発砲音が聞こえた。僕は急いでその警察署へと入る。
警察署の中には黒光りした甲殻を持った人型の怪物が居た。そいつは手に両端が二股に分かれている棍棒というかロッドを持っていて、署内に居る警察官の人たちが拳銃で発砲している。
「変身!!」(颯斗)
僕はすぐに変身してその怪物と警官の間に入ってそいつを警察署の外へ出す。僕はすぐに構えて、真正面から怪物を見据える。
「ゴラゲグロンギゼロアギトゼロバギバ。」(???)
「お前は何。どうして警察署を。」(ロード)
「ゴセパザバギンバシグラゴ・ガドル・バザ!」(ガドル)
新たに現れたこの黒い甲殻を持つ怪人、ガドルとの出会いを始めに僕は十三異界覇王の一人と激しい戦いを始めることになる。それと同じように僕の今後の人生に大きな影響を与える人との出会いにも。
side3人称
日本長野県九郎ヶ岳遺跡に純白の異形、
「フフフ。僕を笑顔にしてよ。」(ダグバ)
この場には居ない自身に傷を負わせた相手になのか、誰に発したか他者からは分からないその言葉は無邪気な狂気しか感じ取れない。
ゴ・ガドル・バと戦いを繰り広げるロード。そこにファブニールとダグバの戦闘まで起きた。さらに新たな十三異界覇王、青き魔獣アマゾンネオが現れる。