アマゾンネオとの戦いの後、衛生省のライダーがヴァルハラを訪れ協力体制を構築する流れになった。その夜、ガドラと出会った颯斗はガドラと拳を交えるものの歯が立たなかった。そんな颯斗にガドラは鍛えると言い、颯斗を連れてどこかへ向かった。
side三人称
沢芽市、そこのモノレール駅に陸の姿があった。
「ふう、到着。」(陸)
沢芽市に降り立った陸は学園側に何も言わずに(当然の様に)来ており、さらには保護者である貴利矢たちにも話していなかった(常習犯)。
「貴利矢先生たちが聞いた話だとヤバい奴が居るみたいだけどな。パッと見は普通、か。」(陸)
街の様子としては人々は何かに怯えているような様子はなく、人の通りも極端に少ないということも無かった。その様子を見ていた陸は拍子抜けしたようで、腕を組んで考え出す。
「う~ん、どうしたもんかね。」(陸)
そう言ったところで陸の腹の虫が盛大に鳴ったのだ。時刻は昼前、流石に腹ごしらえをしないといけないので陸は街を散策し始めた。
同じ頃の東京都の奥多摩。その山奥に颯斗の姿があった。
「はあ、はあ、キッツい...。」(颯斗)
大量の薪を背中に背負い山道を歩く颯斗。その颯斗の視線の先にはガドラがおり、颯斗よりも多くの薪を背負って先に山道を歩いていく。
「はあ、はあ、強くなりたいって言ったけど、はあ、はあ、これ、明らかな体力作りだよ....。」(颯斗)
ここに来て早々に颯斗は自分の決断が早とちりだったのではと思ってしまう。
「颯斗、ここから離れるなら今のうちかもしれないぞ。あいつの気が変わらないうちにな。」(ハート)
ガドラのことを信用できないハートは颯斗のそう言う。だが、颯斗はハートの言葉に従うのではなく再び山道を歩き始める。
「大丈夫だよ。ガドラさん、悪い人じゃない。それにこういうので強くなれるならやってやるさ。」(颯斗)
へばっていた颯斗も気を取り直して山道を再び歩き始めた。
颯斗と陸がそれぞれで行動をしている時、大樹はマドカと共に篠ノ之神社へ来ていた。
「それで、そのファブニールっていう奴が言っていたんだよな。ここに今回の事件に関するものがあるって。」(正則)
「その言葉を信用するなら、だけど。」(大樹)
「う~ん、でもうちの神社の神様とかはそんな変わったものじゃないよ。だいくんたちが探してるものがあるとすればここだけど。」(束)
神社にある蔵の一つで颯斗から聞いたファブニールの情報の真偽を確かめていた大樹たち。実際にはヒントらしきものも無かったのだが。
「やっぱ、嘘を掴まされたか。」(大樹)
「しゃあねえ。そもそも学園に殴り込んできた奴の言葉だ。どこまで信用できるか分からないだろ。」(正則)
そう言っている大樹と正則の前に柳韻が姿を見せた。
「なあ、こっちの本堂を見てみろ。もしかすると、そのファンタ?が言ってたもんかどうかは分からんが今大樹が関わっていることに何かヒントがあると思うが。」(柳韻)
柳韻の言葉にやや驚いた表情を見せる大樹と正則。二人は柳韻に連れられ篠ノ之神社本堂へと入る。
「昔、私は、...俺はこの実家が嫌で飛び出した。中卒の武術バカで日本中で武者修行をしていた時にある地域に立ち寄った時にな、ある人からこれは大事なものだからどうか大切に保管して欲しいって言われたもんがある。」(柳韻)
柳韻が話をしながら本堂内にある倉庫へと大樹と正則を案内した。そこには複数の古い書物などが所狭しと置かれていたのだった。
「その地域では龍虎を神獣として崇めていてそいつはかなり昔からある一族の家宝を守りたいって言って俺に託した。」(柳韻)
柳韻はそのうちの一つを取り出した。
「そいつの名前は柏葉飛龍斗、おそらくだが大樹の死んだ父親とつながりのある人物だろうな。」(柳韻)
倉庫内においてある机の上に書物を広げた。
「長い時間を掛けてこれを現代語に置き換えたノートだ。俺は途中までしか出来なくてな。ここに何かヒントがあるだろう。」(柳韻)
さらに一緒に保管されていたノートを出す柳韻。大樹と正則はその資料と書物を広げて読み始めた。
ゴスン!ゴスン!ゴン!ゴン!ゴン!ガン!
山奥にある小屋、ガドラが寝床兼生活場としている場所で颯斗は持ってきた薪を斧で割ろうとしていた。だが、今までに使ったことがないためにうまく扱えず、薪も綺麗に割ることが出来ないでいた。
薪割を始めて1時間になろうとするがいまだに一本も割ることが出来ないでいたのだ。
「ん~~~~~~~~~~~!!!なんで、出来ないのさアアアアアアアアああああああ!!!」(颯斗)
そう叫んで思い切り斧を振り下ろすと手から斧がすっぽ抜けて直線上にあった木に刃が埋まってしまった。
「ああ、深く食い込んでる。」(颯斗)
颯斗は持ち手を握り、あらん限りの力で斧を抜こうとする。
「グギギギギギギギ!!」(颯斗)
顔は紅潮し、両手は白くなるほどの力が入っている。だが、一向に斧は動く様子はなく颯斗は木に足を付けて踏ん張り始める。
「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」(颯斗)
動く様子の無かった斧が少しずつだが動き始めた。
「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」(颯斗)
そこからさらに力を込めた颯斗。斧はきれいに抜けて慣性の法則に従って放物線を描き、地面に刺さり...というよりは埋まった。
「はあ~。」(颯斗)
溜息を吐く颯斗。しばらく斧を見て立っていたがもう一度斧を抜こうと奮闘を始めた。
「どこかな、どこかな。」(陸)
陸は腹ごしらえのために飲食店を探していた。元々、沢芽市に縁があるわけではない陸はとにかく歩き回っていた。その時、道に倒れている人物に気付いた。
「大丈夫ですか。」(陸)
陸は倒れている人物に声を掛ける。陸は彼の様子からどうやらこの何日か食べていないことを即座に見抜いた。
「立てますか?それかここでしばらく待ってください。何かアレルギーとかはありますか。その他に欲しいものは?」(陸)
「...肉と水。」(???)
「肉?何が良いですか?鳥?ブタ?」(陸)
「何でもいい。」(???)
その人物=青年は弱弱しく言う。陸は青年を道の端へ移動させると近くのコンビニに駆け込んで水と何本かの焼き鳥を買って青年の元へ戻った。
「ほい。とりあえず焼き鳥と水。」(陸)
「ありがとう。」(???)
青年は陸から水と焼き鳥を受け取ると一心不乱に貪り喰う。その様子を見た陸は足りるかどうかの心配をするが水を飲み干した青年はそれまでの消耗した様子と比べかなり回復していた。
「ありがとう。おかげで助かった。」(???)
「いや、大したことは。」(陸)
青年は穏やかな表情で笑みを浮かべる。それを見た陸は安心し、青年に話を聞くことにした。
「俺、桐ケ谷陸。名前を聞いても?」(陸)
「僕は水澤悠。よろしく。」(悠)
陸が悠の話を聞いてあまりにも荒唐無稽だと思った。どうやら悠は別の世界、ISや仮面ライダーが存在しないある世界からやって来たらしい。悠が気付いた時にはこの世界に来ていたというのだ。
「別の世界...って。」(陸)
「信用できないよね。」(悠)
理解して信じるのは難しい、それでも陸は悠の様子からどうも嘘を言っているわけではないことは理解できた。その上で話していないこともあることも。
「まあ、良いや。それで、。」(陸)
陸が別の話題を振ろうとした時、突如悠が街の別の方向を鋭い目つきで睨んだのだ。陸も同じ方向を見るが変わった様子はない。
「君は安全な場所に居て。」(悠)
悠はそう言うとジャケットの内側から黒色に鳥を思わせるようなパーツが目を引くベルトを取り出していた。
悠はベルトを腰に巻くと陸から少し距離を取った。
「アマゾン。」(悠)
悠はベルトのグリップを握り、静かにそう言うとグリップをひねった。
≪OMEGA!≫
次の瞬間、悠の肉体は緑の炎を上げて爆風を放った。陸は爆風から身を守り、それでもなお悠の姿を見ようとする。
爆風が収まると同時に悠の体を覆っていた緑の炎は消え、その姿はメタリックグリーンにオレンジの胸部アーマー、赤いカラーリングのラインが入ったトカゲを思わせる
仮面ライダーアマゾンオメガ、人間とアマゾンの血を引く第3のアマゾン。異世界において人を喰らう獣になり下がったアマゾン達を狩る獣戦士がこの世界にその姿を現した。
アマゾンオメガの視線の先に感染蒼獣王アマゾンネオと共にこの世界へやって来た人を喰らうアマゾン、ヒョウアマゾンとサイアマゾンが姿を現した。
アマゾンオメガはヒョウアマゾンとサイアマゾンの方へと静かに歩みを進める。アマゾンオメガに気付いたヒョウアマゾンとサイアマゾンはアマゾンオメガの方へと向き、飛び掛かる。アマゾンオメガは飛び掛かって来たヒョウアマゾンとサイアマゾンに蹴りを放ったり、払ったりする最小の動きで対処していく。
「あれが先生たちが言っていた怪物か。」(陸)
陸はアマゾンオメガの戦いを見てそう言った。陸はしばらくそのままでいたがジャンバーからゲーマドライバーを取り出す。
「考えても埒が明かないか。」(陸)
陸はガシャットを起動し、仮面ライダーエグゼリオンに変身する。仮面ライダーエグゼリオンはガシャコンスピアーを使いヒョウアマゾンを攻撃する。
「っ!君も。」(アマゾンオメガ)
「たぶん、違う。でも、こいつらは放っておけない、だろ。」(エグゼリオン)
ヒョウアマゾンは標的をアマゾンオメガからエグゼリオンへと変えてその爪を振るう。サイアマゾンはその体から繰り出される怪力でアマゾンオメガを叩き潰そうとする。会話も途中にエグゼリオンとアマゾンオメガは戦闘へと戻る。
沢芽市で戦闘が行われている頃、IS学園では簪がモノレールに乗ろうとしていた。
「ハートはどうしてそんなところに。」(簪)
「分かりませんわ。ただ、ハート様が居る場所に颯斗もいるというのは確実です。」(メディック)
昨夜から姿を消した颯斗を心配して簪はメディックたちの力を借りて探そうとしていたのだ。
「でも、どうしてこんな山奥に?」(簪)
「たぶん、会えば分かるでしょう。ハート様も気まぐれでそう言った場所に居る方ではありません。」(メディック)
モノレールに乗った簪は目的地である奥多摩の山を目指すことに。その頃の颯斗はというと、
「ふん!」(颯斗)
ガスン!
いまだに薪割に奮闘していた。初めにやっていたよりも多少はコツをつかんだらしく一回で刃が半分程度までには入るようになっていた。
「えい!えい!えいえいえいえいえいえい!」(颯斗)
最後はそのまま薪木を叩きつけるように斧の刃を進めていく。颯斗は近くで作業をしているガドラを見る。ガドラの方はなんと素手でそのまま薪木を割っていた。
「うそ~~ん。」(颯斗)
小さな声でそう言う颯斗。ずっと見ていたガドラは薪木を割くのを辞めると颯斗の方へと近づく。
「そこまでにしておけ。来い。」(ガドラ)
ガドラの言葉に従う颯斗はガドラの後を追う。ガドラの後を追うとそこには周囲の木よりも大きな大木があった。颯斗はその威容を見て、息をのんだ。
「この木に向かって1000回、拳を打ち込め。」(ガドラ)
「1000回?」(颯斗)
ガドラは颯斗にそう言うと小屋へと戻る。しばらく、颯斗はガドラと大木の何度か見るが意を決して、その大木の幹にストレートパンチを左右に交互で打ち込んでいく。
簪が乗ったモノレールが都内へと到着した。簪はそのまま奥多摩へと向かおうとした時にどこからか香る花の香りに気が付いた。
「この香りって?」(簪)
簪がそう言うとそこにはチャイナドレスに身を包んだ妙齢の美女がいた。
「あの人、から?」(簪)
「簪、あの方はおそらく人間ではないです。」(メディック)
「え?」(簪)
そして、その美女は簪とメディックの会話に気付いたようで簪の方へ向き直り近づいてきた。
「お前は?」(???)
「な、なんでしょうか。」(簪)
「お前にはリントではない者の気配が感じられる。だが、お前自身はリントだ。」(???)
彼女の言うことがメディックであることにすぐに気づいた簪。簪は目の前の彼女が並大抵の人物ではないことにすぐに気づいた。
「あなたは、一体...。」(簪)
「私の名はガリマ。グロンギの者だ。」(ガリマ)
ガリマはそう言うと何かを感じたようにどこか別の方向を見た。
「どうやら、ゴの者たちが居るみたいだな。」(ガリマ)
さらにガリマが話すと簪とガリマに近づく一団がいた。簪と同年代と思われる不良風な少女から至って平凡な中年の男、白いスーツを着た大男に、ライダースーツを着た男性、黒いドレスに身を包んだ美女に、カウボーイ風の男などバラバラな服装をした彼らはどこか異質であった。
「ガリマ、ザバ。」(???)
カウボーイ風の男がガリマの話しかける。そして、この出会いは奥多摩の山奥に居る颯斗にとって無関係ではない。彼らの出会いは颯斗の人としての本質を露にし、人としても戦士としても大きく成長させるきっかけとなる。
沢芽市で邂逅を果たしたエグゼリオンとアマゾンオメガ。二人の前に感染蒼獣王アマゾンネオとカラスアマゾンが立ちはだかる。一方、ガリマと共に謎の一団と接触した簪は彼らから話を聞く。そんな中で新たな十三異界覇王が姿を見せる。
「素晴らしい!!その欲望を開放しよう!!」
そこに現れるは過去に存在した悪の組織の魂を受け継ぐ欲望の怪物たち。
「まさか、こうなるなんてな。」