黒の剣士の英雄譚(キャバルリィ)   作:ミヤイ

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《前回のあらすじ》
狩人によって連れていかれてしまった明日奈を救うために満身創痍の和人と怒りが爆発寸前の一輝が立ち上がる!!






前書きからして大丈夫?と不安になるかもしれませんが……
話の内容的に今回が一番よく出来たと思った。今回は、名言が連発!?果たしてどんな内容になってるのか……
お楽しみに!!(bye作者


第10話「真の力、解放!?」

 

 

『Let's go ahead!』

 

 

試合開始の合図を告げる音声が鳴り響くは、和人は剣技(ソードスキル)であるレイジスパイクを放つもそれを躱され、腹部を思いっきり蹴り上げられると、そのまま地面に伏せてしまった。

 

 

「桐ヶ谷君!?」

 

「ここで大人しくやられてろって。」

 

 

桐原はそう言うとフィールドを自分の領域にするために狩人の森(エリアインビジブル)を発動させると同時にフィールド1面を森とかした。既に彼の姿はどこにも見えなくなった。そんな中、一輝は和人の近くに寄ると彼の制服が既に血塗れになっているのが目に入ってきた。

 

 

「桐ヶ谷君!?その血……」

 

「あ、あぁ……この間の傷が開いちまったか……」

 

 

そんな彼はなんか無視して桐原は、矢を放つとそれを一輝は、切り落とす。

 

 

「いい加減にするんだ!桐原君!!こんなことしてどうする気なんだ!?」

 

「そんなの……最弱の落第騎士(ワーストワン)には関係ねぇーよ!」

 

 

一輝は、桐原が放った矢を全て切り落とす。和人は、ようやく呼吸を整えるとゆっくり立ち上がる。

 

 

「サンキュー、おかげで少しは回復できたぜ。」

 

「じゃあ、行こう!桐ヶ谷君!!」

 

「あぁ!!」

 

 

和人、そういうと再びエリュシデータを構えた。だが、彼の姿は見えてはいなかった。

 

 

「どこ向いてるの?こっちだよ?」

 

 

すると、桐原の声が聞こえた途端……激しい激痛が一輝を襲った。あまりの痛さに一輝は、立てなくなりうずくまってしまう。

 

 

「イッキ!?」

 

「お兄様!?」

 

 

ステラと珠雫は、心配になり彼を呼ぶ。和人も心配して近くに行く。それが、桐原の思う壷だと知らずに……

 

 

「余所見してんじゃねぇ!!」

 

 

見えない3本の矢は、和人の右足、右肩、右手を狙い撃ちした。和人は、手に力が入らなくなり握っていたエリュシデータを手放してしまう。

 

 

「お兄ちゃん!?」

 

「キリト君!!」

 

 

リーファや明日奈も和人を呼ぶが動けなくなってしまった二人を桐原は、まるで無抵抗な亀を攻撃するかのように集中的に攻撃していた。撃ち抜かれた和人や一輝は、傷口から激しい血しぶきをフィールドに撒き散らしながらついに倒れてしまった。

 

 

「おい、立てよ!落第騎士(ワーストワン)、卒業がかかってるんだろ?」

 

 

桐原の声に観客の生徒達が反応した。すると、桐原は生意気にも彼における現在の状況をみんなにばらしたのだ。それを聞いた観客は、全員口を揃えて無理だと言って馬鹿にする。

 

 

「お前ッ!?いい加減に……」

 

「黙れ!異世界から来た侵略者め!!驟雨烈光閃(ミリオンレイン)ッ!!」

 

 

和人が反抗しようとして立ち上がるとそれを見た桐原は、一発の矢を放つと和人の頭の上で弾かせて驟雨のように大量の矢が和人を襲った。

 

 

「桐ヶ谷君ーー!!」

 

 

驟雨烈光閃(ミリオンレイン)が和人に命中すると彼の周りには激しい砂埃が巻き起こる。

 

 

「僕のせいで……桐ヶ谷君が……」

 

「__次、内臓な……」

 

 

桐原は、背後から一輝の内臓を撃ち抜くと一輝はそのまま前に倒れ込んだ。

 

 

「みんな!挫けそうな黒鉄君を応援してあげてくれ!!」

 

落第騎士(ワーストワン)落第騎士(ワーストワン)!!」

 

 

まるで、サーカスのショーを見てるかのように会場には、一輝をバカにするような落第騎士(ワーストワン)コールが鳴り響く。その声に一輝は、自分の意思が押し負けてしまいそうになる。絶望してしまったのだ。

 

 

『俺と一輝が束になっても……アイツには勝てないのか?』

 

 

周りに聞こえてくる彼を馬鹿にする声……和人は、大量の矢を受けて戦闘不能寸前にまで陥っていた。そんな、彼の脳裏に浮かんできたのは、愛する人達が居たあのアインクラッドでの生活だった……。

 

・ログインしてすぐにクラインと出会ったり……

・第一層の攻略会議でアスナやエギルと出会ったり……

・シリカの相棒であるピナを蘇らせるために冒険に出たり……

・リズベットの店で武器を壊してしまい彼女とともに()()1()()()()()の元となる素材集めに行ったり……

・アスナやクライン率いるギルド風林火山と74層のボスを攻略したり……

・アスナとシステム上の結婚をして、第22層のログハウスを買ってそこで生活したこと……

・ユイと出会ったこと……

 

そして、和人が一番忘れてはいけないのが……

 

・サチを殺してしまった自分への罪……

 

走馬灯のように見えてきた数々の瞬間。その次に、彼と出会った全てのSAOプレイヤー次々と和人の脳裏に出てきていた。

 

 

「何やってんだよ、キリト!情ねぇぞ!」

 

『クライン……』

 

「そんな所で挫けるお前じゃないだろ?キリト。」

 

『エギル……』

 

「そうです、立ち上がってください、キリトさん!」

 

『シリカ……』

 

「キリト、その剣は、私が鍛えたんだから簡単に壊れたりしないし、簡単に負けるアンタじゃないでしょ!」

 

『リズ……』

 

「パパは、いつまでも強いパパでいてください!何かあったら私がサポートしますから!」

 

『ユイ……』

 

 

力が入らなくなって棒のように固まっていた彼の体が徐々に氷が溶けるように力が入れられるようになっていた……。まずは、指先からゆったりり動かす……。すると、この試合が始まる前に見た手紙を思い出す……。

 

 

『これに負ければ……アスナは……ッ!!』

 

 

見えない敵に対してスキルもない和人が戦っても勝てるはずがない……今思えば和人も納得がする。この世界では、俺は底辺の存在なんだと……。

 

 

「お兄ちゃん!!好きになった人のこと…そんな簡単に諦めちゃダメだよッ!!」

 

『スグ……』

 

 

虚ろになっていた瞳に輝きが蘇り始めていた。諦めて挫けそうな和人をみんなが支えていた。そして、直葉の後に出てきたのは、あのサチだった。

 

 

『サチ……ごめん、俺は君を…ごめん……』

 

「キリト、みんな感謝してるんだよ……キリトと出会っ事…触れ合ったこと…そして、キリトがSAOをクリアしてくれたこと…だから、もう私に囚われないで……キリト、立ち上がって!私の知ってるキリトは、こんな所で止まらない。」

 

『サチ……』

 

 

そして、サチが消えると最後に現れたのは……血盟騎士団の服を着ている閃光のアスナだった……。

 

 

「キリトくん、私は君に会えて嬉しかった……そして、この世界で再会出来て…だから……立ち上がって!私の大好きな君は、こんな卑怯なヤツに負ける人じゃないわ!さぁ、もう一度剣を抜いて……」

 

 

「「「「キリト(くん)(さん)(お兄ちゃん)!!!」」」」

 

 

みんなが呼んでいる……

ここで負けるな、立ち上がれと……

あんな奴、蹴散らせと……

和人は、左手を肩の近くまで動かすと今まで使っていなかった、もう一個の固有霊装(デバイス)の名を心の中で思いっきり叫んだ!!

 

 

『来い!ダークリパルサー!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!私の好きな騎士をバカにするなーー!!」

 

 

一方、場の空気に耐えられなかったステラは、そう大きな声で叫んだ。それは、自分の好きな人を侮辱されたことにより怒りの篭った心からの叫びだった。彼女の声につられ落第騎士(ワーストワン)コールは、なくなり静まり返った。

 

 

「なに、情けない顔してるのよ!アンタのどんな困難にぶつかったって諦めないその姿が私は好きなんだから!だから……こんな奴らに何か言われたぐらいで諦めたような顔するんじゃないわよ!私が好きになったのは……、何時だって上を向いて自分自身に誇り続ける、黒鉄一輝という騎士なんだから!だから……」

 

『忘れてた……僕は……1人じゃなかったんだ……』

 

 

ステラは、必死に叫ぶ。そんな彼女を見ながら一輝は、大事なことに思い出していた。数日間彼が見失っていた大事なことに……。今だってそうだ、和人というパートナーを信頼せずに1人だけで戦っていた一輝は、ここまで自分を応援してくれるステラずっと見ていた。

 

 

「だから……私の前ではずっと格好いいアンタでいなさいよ!このバカァァァァァァーーッ!!!」

 

 

ステラは、そう叫ぶとその瞳には耐え続けていた涙が溜まっていた。一輝は、ゆっくり立ち上がると自分の拳で自分の顔を殴りつけた。

 

 

「さぁ、次はアスナとユイちゃんの番よ!」

 

「え!?私たちですか?」

 

 

ステラは、一輝の復活した表情を見て安心していると少し離れた場所で伸びている和人を見ると彼の大切な人である明日奈やユイにも想いを伝えろというのだ。

 

 

「でも、私たちがすることは決まってるわよね、ユイちゃん。」

 

「はい、ママ!」

 

「どういうこと?」

 

 

リーファは、明日奈達に聞くと少し笑をこぼしていた明日奈は、フィールドを見ているとゆっくり立ち上がった。まるでもう伝えたいことを伝えてあるかのように……

 

 

「キ・リ・ト・くん?いつまで寝てるのかしら!?」

 

 

明日奈の言葉に和人の体は反応すると和人はゆっくり起き上がった。その表情は、戦う前よりも晴れやかだった。

 

 

「悪いアスナ……ちょっと寝てた。」

 

 

その姿は傷だらけなのにも関わらず、表情を見ると明日奈は、何故か安心してしまう。

 

 

「全く……君はそうやっていつも最初は手を抜くんだから……、負けたら私、あんな奴の奴隷よ?どうする気なの?それにさっきのだって凄く心配したんだからね!」

 

「心配しなくても、もう負ける気はないよ!」

 

「じゃあ…信じてるよ……私もユイちゃんも……」

 

 

明日奈の言葉に和人は、うんと頷くと再びフィールドの方へ体を向けると両手をそれぞれの肩まで動かした。

 

 

「__闇を纏い全てを打ち砕け!エリュシデータ!!

__闇を払い、希望を照らせ!!ダークリパルサー!!」

 

 

和人は、もう一つの固有霊装(デバイス)を具現化せると鞘から同時に引き抜いた。その姿は、あの頃(SAO)の黒の剣士キリトだった。

 

 

「一輝、決着をつけるぞ!今度こそ……()()()()!!」

 

「うん、行こう!桐ヶ谷君!!」

 

「クッ!?やれるものならやってみろ!!」

 

 

桐原は、そう言いながら矢を放つも和人が片手剣を風車のように高速に回転させる剣技(ソードスキル)スピニング・シールドを発動させると矢を斬り落とした。

 

 

「何!?」

 

「そこか!!」

 

 

一輝は、そう言いながら急接近すると陰鉄を振り桐原の制服を斬ると再び距離を置いて和人の隣に並ぶと一輝は陰鉄、和人はエリュシデータの剣先を見えていないはずの桐原に向けていた。まるで、見えてるように……。

 

 

「行くよ……桐原君、僕達の最強をもって……君の最速を……」

 

「「捕まえる!!」」

 

 

和人達の揃った声をきくと桐原は、少しやばい気がしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》
桐原VS一輝&和人ついに決着!!
そして、一輝はステラに想いを伝える!?
和人は、ユイと明日奈と共に新たな生活を始めようとしていた。


第11話「決着~それぞれの道~」

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