黒の剣士の英雄譚(キャバルリィ)   作:ミヤイ

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《前回のあらすじ》
狩人の森(エリアインビジブル)によって一方的に責められる和人と一輝……。
絶体絶命の彼らにステラや明日奈が声を送る。
和人は、封印していたあのスキルを解放すると一輝は、冷静さを取り戻すと二人は、再び桐原を倒すと宣言したのだった…。



もしかしたら、この話での一輝君は積極的かもです……


第11話「決着~それぞれの道~」

和人はエリュシデータの剣先を見えていないはずの桐原に向けていた。まるで、見えてるように……。

 

 

「行くよ……桐原君、僕達の最強をもって……君の最速を……」

 

「「捕まえる!!」」

 

 

そう言うと先に動いたのは、和人だった。走り出して一気に間を詰めると、二刀流剣技(ソードスキル)であるダブルサーキュラーを放つも先に逃げた桐原によって躱されてしまう。今度は、一輝が飛ぶと和人の背中を飛台にして一気に桐原と間を詰める。

 

 

「一刀修羅ッ!!」

 

 

一輝は、最強の1分間をここで仕掛けてきた。静矢は、一輝なら勝てると踏んだのか振り返り彼に矢を放つ。

 

 

「欠陥だらけの技でこの俺に勝てるかよ!!」

 

 

放った矢に対して一輝は。陰鉄で弾くとそのまま彼の目の前まで迫った。

 

 

「第七秘剣、雷光!!」

 

 

一輝は、自分オリジナルの剣技である秘剣の1つである雷光を使った。一刀修羅で上がった速度を更に上げたのだ。一輝は、陰鉄の刃先を桐原の方に突き出すが彼は、避けるとそのまま地面に着地した。しかし、その後には和人が待ち構えていた。

 

 

「どうして!?お前らには俺が見えていないはず!?」

 

 

桐原の反応に西京は、大声で笑い始めた。彼女は、和人や一輝に何が起きたのか理解していた。

 

 

「西京先生?」

 

「キー坊も黒坊もしっかり見えているさ。キー坊はともかく、黒坊には模倣剣技(ブレイドスティール)をさらに進化させ、桐原静矢という人間を盗んだんさ。そう……二人が攻略したのは、狩人の森(エリアインビジブル)じゃなくて、桐やんの方さ。」

 

 

桐原は、慌てて二人を見ると既に次の攻撃の構えをしていた。桐原は、そんな二人から離れると木の上に登りながら逃げていた。

 

 

驟雨烈光閃(ミリオンレイン)!!」

 

 

無数の矢が二人に降りかかるが、和人と一輝は全て斬り落としながら再び桐原に向かっていくと先に彼に向かって斬りかかったのは、一輝だった。彼は、陰鉄の棟で桐原を地面にむかって叩き落とした。

 

 

「スイッチッ!!」

 

 

一輝は、前に和人から聞いたSAOの話でダメージをより多く与えるためにプレイヤー同士の連携技スイッチの名を叫んだ。仕組みは、1人が技を決め込んだ後にもう1人のプレイヤーが技を放つというものだった。

 

 

「__これで決める!!」

 

 

和人は、二本の剣を幻想形態に戻すと剣を青白く輝かせた。二刀流の奥義であり和人が愛用してた剣技(ソードスキル)……。

 

 

「スターバースト…ストリームッ!!」

 

 

和人は、そうスキル名を叫びながらあの時のようだ剣を振り下ろしていた。そんな和人は、木の上で眺めていた一輝を横目でちらっと確認すると何かを確認したのか彼とアイコンタクトを終えると最後の十六連撃目を放ち終えた。

 

 

「スイッチッ!!」

 

 

和人は、そう言うと桐原と距離を置いた。桐原は、嫌な予感がしたのか上を見上げるとまるで、鬼のような表情をしていた一輝が真上から降ってきたではないか。

 

 

「それ、刃物!刃物!!当たったら痛いやつ!分かった、俺の負けでいいから!!痛いのは嫌だァァァァァァァァ!!!!」

 

 

桐原の叫び声とともにまた砂埃が会場に舞い上がる。視界が良好になるとそこには、桐原の鼻先を陰鉄で斬っていた一輝の姿があった。

 

 

「__1ミリ予測とずれたか……、僕もまだまだだ。」

 

 

そう呟くと桐原は、気を失いそのまま後ろへ倒れると戦闘不能を告げるアナウンスが会場に響き渡る。

 

 

『桐原静矢、戦闘不能。勝者、黒鉄一輝並びに桐ヶ谷和人。』

 

「し、し、試合終了!!あの狩人の森(エリアインビジブル)で有名な狩人こと桐原選手を見事に倒したのは、落第騎士(ワーストワン)こと黒鉄一輝選手と二刀流剣士、桐ヶ谷和人選手だァァ!」

 

 

会場が予想外の勝利で静まり返るがステラ達は、声を大にして喜んでいた。和人と一輝は、グータッチをするとそのままIPS再生槽(カプセル)のある医務室へと運ばれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病室で目を覚ました和人は、ゆっくり体を動かして上半身を起こすと窓から見える綺麗な夕焼けを見ていた。あの激闘を振り返っていた。そして、左手に残る暖かな温もりを確かめていた。

 

 

「パパ!!」

 

 

病室の扉が開くと二本のスポーツドリンクが入ってる缶をもってユイが勢いよく入ってくると遅れて明日奈が入ってきた。

 

 

「ユイ、アスナ……」

 

「もう、心配させないでよね?キリトくん。」

 

 

明日奈は、少し呆れた感じに話すも今こうして彼と話せれてることが嬉しいのだ。

 

 

「ごめんな、心配かけて……」

 

「本当です、一時はどうなるかと思いました!」

 

 

今回の件に関しては、ユイも少し怒り気味である。和人は、二人の態度に参ったのか頭を掻き回しながら打開策を考えていた。

 

 

「あ、そうだ!ユイ、アスナ……今度の休み3人で出かけるか?」

 

「本当ですか?ヤッター!!」

 

「でも、試合はいいの?」

 

「あぁ、試合があるのは大体平日だからな。」

 

 

そう言われるとユイは、心から喜ぶとその様子を二人は嬉しそうに見ていた。すると明日奈は、和人にそっと近づき彼を包み込むように抱きしめた。最初は、照れくさく感じていた和人も次第に明日奈を抱きしめると明日奈は、そのままの状態で彼に自己紹介をした。

 

 

「__初めまして、結城明日奈です。ただいま、キリトくん……」

 

「桐ヶ谷和人です。おかえり、明日奈……」

 

 

そう和人も自己紹介をすると、一旦距離を置くと恋人繋ぎをしてから二人は顔に近づくと唇を重ね、目を閉じてお互いの舌を絡め合いながら深いキスを交わした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、その後……顔を真っ赤しながらユイは、

 

 

「そういうのは私の見てないところでしてください!」

 

 

と再会してイチャイチャ全開の夫婦に説教をしたのは言うまでもない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、目を覚ました一輝は窓から外の景色を見ると綺麗な月が見えていた。そして、下の方を向くと顔をうつ伏せながら寝ているステラの姿があった。涎が少し見えているが綺麗な寝顔に少しドキッとなりながら一輝は、ステラを優しく揺らして起こした。

 

 

「ふぇ?い、イッキ!?」

 

 

起きるとすぐに状況を理解したステラは、そのまま起き上がり涎をハンカチで拭くと恥ずかしい所を見られたと叫びまくりその場でじたばたしてしまう。

 

 

「す、ステラ落ち着いて!」

 

「落ち着いてられないわよ!あぁ〜、もうお嫁に行けない!!これもイッキのせいだからね!」

 

「え!?僕のせいなの?」

 

 

突然のように押し付けられ、少し困惑する一輝だが……。

ステラは、彼の前に座り込み胸をポンポン叩いて先程の戦いに対しての文句を言いまくっていた。

 

 

「何よ、カズトが怪我してたからって二人がかりなのにあんな奴にボコボコにされちゃって!バカバカバカーっ!」

 

 

一輝は、ステラの頭に手を当てて撫でながら謝ることしか出来なかった。自分が不甲斐ないばかりに不安にさせてしまったのだから。しかし、不意打ちの行為にステラは、顔を赤くする。

 

 

「な、何をいきなり……」

 

「いや、本当だよ……今日の僕は、ステラが居なかったら負けてた。それに……」

 

 

一輝は、戦闘のとき彼女が叫んでくれた言葉を思い出していた。ステラの気持ち……あんなに堂々と自分のことを好きだと言ってくれる人がこんなにも近くにいた。その事だけで一輝はとても嬉しかった。

 

 

「__僕も好きだよ、ステラのこと……」

 

 

その言葉を聞いて完全にゆでダコ状態になってしまったステラは、必死に意味の無い言い訳をし始めた。しかし、一輝はそんなことを無視して再びステラの両手を握りしめた。

 

 

「僕は、君と出会えて幸せだと思えた。ステラと出会ってから毎日が楽しいんだ。君さえよければ……もっと一緒にいたいって思ってるんだけど……」

 

「__ずるいわよ……」

 

 

ステラは、そう呟くと俯いてしばらく黙り込む。その様子に不安になる一輝だった。

 

 

「イッキ、目をつぶって?」

 

「え!?」

 

「良いから……」

 

 

ステラにそう言われると一輝は、目をつぶってしばらく待つと左頬に柔らかい感覚がした。慌てて目を開くとそこには、ステラの柔らかい唇が自分の頬に当たってるのが見えた。あまりにも恥ずかしかったのか……二人は、顔を赤くしながらしばらく黙り込んでしまった。

 

 

「__ステラ……これって……」

 

「か、勘違いしないでよ……これは、下僕とかそういうのじゃなくて……私がしたいと思ったから……」

 

「それって……」

 

 

一輝が聞くとステラは、恥ずかしながらコクっと首を縦に動かした。つまり、告白がOKされたのだ。そんなステラを見た一輝は、彼女をギュッとだきしてしまった。

 

 

「ちょっとイッキ?そんなにきつく抱き締められたら苦しいわよ?」

 

「あ、ご、ごめん……異性の人とお付き合いするの初めてだからつい……」

 

 

滅多に見れない彼の慌てぶりにステラは、クスクスっと吹き出し笑いをしてしまう。

 

 

「私だって、そっちの経験はないから幻滅するわよ?」

 

「ステラなら構わないさ。」

 

 

一輝は、そういうと手を握るとお互いの顔をしっかりと見つめ始めると一輝の口が動き始めた。

 

 

「ステラとならどこまでも強くなれる気がするだから行こう二人で、騎士の高みへ。そして、その頂をめぐる最後の戦いで僕は君と戦いたい。」

 

 

その言葉にステラは、二つ返事でこう返した。

 

 

「望むところよ!次は絶対に負けてやらないんだから!!」

 

「約束だ!」

 

 

月光が綺麗に入り込む静かな病室で二人の騎士は、一生破れないであろう約束を交わした。それは、二人が恋人でありながらも互いを高め合う最高のライバルとして……。

 




《次回予告》
順調に勝利を掴み取っていく一年生メンバー達……。
そんな中、いつの間にか一輝や和人に剣術を習いたいという人が殺到する……。
そんな彼らの様子を物陰からじっと見つめている人物がいた。


第12話「最後の侍の娘」
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