黒の剣士の英雄譚(キャバルリィ)   作:ミヤイ

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《前回のあらすじ》
無事、連勝で試合を終えた和人と一輝の所へ剣術を教わりたいという生徒が沢山現れるようになった。そんな生徒達を和人は一輝に押し付けてその場を去るも絢辻綾瀬による尾行に気づくとその場で戦闘が行われる。やはり、剣術を教わりたいという絢辻綾瀬の言葉に和人は、彼女を一輝の所まで案内することに……


第13話「恋の形……」

 

「__という訳で、綾辻にも剣術を教えてくれ、黒鉄先生。」

 

 

あれから数日の時が経っていた。絢辻は緊張するからと言って何度も後回しにしていたので話すのが遅くなったが、和人は絢辻綾瀬との間に起きたことを全て説明すると剣術を教えることを一輝に頼み込むのだった。しかし、当然彼はまだ納得がいかないのだった……

 

 

「桐ヶ谷君も教えてあげてよ〜」

 

「いや、そんな事言われても……俺のは、特殊だし……」

 

「そうね、カズトのそのアイン何とか流?は、たしかに難しいわね。」

 

 

和人と一輝の会話にステラも参加する。彼女は、彼が生き残ってきたデスゲームの舞台であるアインクラッドの名前から取って彼の剣技をアインクラッド流と呼びたかったのだが、未だに覚えきれていないらしい。そんなステラの言葉を聞くと他の生徒が騒ぎ出す。

 

 

「え、それが桐ヶ谷君の剣術なの!?」

 

「私も習ってみたい!!」

 

「私も!!」

 

 

再び人の集団が和人に集まる。今まで聞いたことのない名前の剣術にみんな興味津々だったからだ。

 

 

「いや、俺の剣技はそう簡単に出来ることものじゃないし……多様な割には、肉体的に負荷がかかるから……。」

 

 

《スターバースト・ストリーム》とかあんな高速で繰り広げる連続技なんてそう簡単に教えられないし、和人のように女神の魔力によって強化されて仮想世界の時のようにスムーズに動ける肉体でないと発動できないだろうと思ったからだ。

 

 

「__なるほど、桐ヶ谷君の剣技は肉体的に負荷が凄い為、連発が出来ないのですか?」

 

 

校内新聞を作っている日下部は、彼に質問してきた。元々、一輝や和人に剣術を教わりたいと言ったのは彼女だったのだ。

 

 

「元々、俺の剣技は、名前とかついてないけどステラのいう名前を付けてアインクラッド流は、一撃を放つと数秒だけ動けなくなる硬直の時間がある。それは、ほんの少しだけど戦闘によっては長く感じる時もあり……そう簡単に使って動けなくなったってなると、敵が素早いと命取りになるんだ。だから、俺の剣技はあんまりおすすめしない。」

 

「そうだったんですね……桐ヶ谷君は、そんな素振り一切見せないからそんなハンデがないんだとばかり……。あ、そうだ!じゃあ、桐ヶ谷君の剣技の奥義ってありますか?」

 

 

日下部の言葉に和人は、顎に左手を添えて考えていた。様々な種類の武器のソードスキルを説明するのは大変だと判断したのか自分が使えるスキルの奥義をここで披露することにした。

 

 

「今から見せるから他言無用で頼むな。」

 

「わ、わかりました。」

 

 

そう言うと日下部を中心とした稽古をしていた生徒全員が黙り込み和人の方へと目を向けた。中には、入学式の時衝突した不良生徒達もいたが、改心させたと知って黒鉄一輝の人間性の部分に和人は、関心を持っていた。

 

 

「__じゃあ、行くぞ……」

 

 

エリュシデータを手に取ると1度深呼吸した和人は、そのまま片手剣ソードスキル奥義技である《ノヴァ・アッセンション》を放つ。10連撃から繰り広げられる片手剣ソードスキルの中で一番多い連撃数を誇る技だ。スキルを撃ち終えると歓声が沸き上がる。そして、少し間を開けて和人は二本目の固有霊装(デバイス)であるダークリパルサーを手に取ると再び、深呼吸して集中する。

 

 

「__ジ・イクリプスッ!!」

 

 

気合を入れ直しをするためか、和人はスキル名を声に出して叫びながら二刀流のソードスキルであり奥義技の《ジ・イクリプス》を放つ。二本の剣から繰り広げられる27連撃に周りは、恐怖を覚える感覚が全身に走っていた。

 

 

『__こんなの受けたら命がない!!』

 

 

そんな彼らの気なんか知らずに和人はスキルを放ち終えるとそれぞれの固有霊装(デバイス)をしまった。

 

 

「まぁ、こんなところかな……。」

 

「前から思ってたけど……カズト、アンタの剣は無茶苦茶よ……」

 

 

あまりにも清々しい顔をして言う和人に少し呆れた表情でステラは言うと周りも納得していた。

 

 

「桐ヶ谷君の剣術を極めることは出来ないけどそれに近づける方法があるとしたら、今よりもっと精進するしかないね。」

 

 

沈黙していた生徒達を勇気づけるよウヤ一輝は、言うと彼らは自然とやる気の満ち溢れた目をし始めた。

 

 

「し、師匠!今度の休みにも特訓をつけてください!」

 

「休みの日も!?」

 

「はい、プールとかでの修行とかどうですか?」

 

 

それってプールに行きたいだけでは?

そんな疑問を抱えながらも一輝は、納得してみんなでプールに行くことになった。勿論、和人も一緒に行くことになっているのは、他でもなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、ステラは一人静かな公園である人を待っていた。ふと時計を見ると既に8時を回っていた……。

 

 

『アスナ、遅いわね……』

 

 

ふと心の中で思った。彼女が待ち合わせをしていたのは他でもない桐ヶ谷和人の彼女でありながらゲームとはいえ新婚生活をするまでの生活をした結城明日奈だった。そして、しばらくすると慌てて走りながら明日奈がステラのところまで走ってくるのが見えた。

 

 

「ごめん、ユイちゃんが中々寝付いてくれなくて……」

 

「ユイちゃんの世話までしてるって……流石はアスナね……」

 

「そうでもないわ、キリトくんは試合で疲れて寝ちゃったみたいだし……黒鉄くんは?」

 

「あぁ、イッキならもう寝ました。アイツも今日は慣れないことをしてたから……」

 

 

するとステラの脳には今日のことや今までのことが走馬灯のように流れ込んできた。そして、一番記憶に残っているのが一輝が口にした言葉だった……

 

 

『ステラ、僕と君の関係は他の人には内緒にしておいた方がいいんじゃないかな?』

 

 

つまり、ステラと一輝は和人達のように外でイチャイチャすることすら禁止ということだった。

 

 

「あのさ……アスナは、どうやってカズトとそこまでの関係になったの?」

 

「え!?」

 

「私は知りたい、アナタ達みたいに仲良しなカップルになれる方法を!!」

 

 

ステラは、顔を赤くしながら話していた。それは彼女が思っていた一番の難題だと思う。付き合ったことのないとはいえ、一国の皇女が突然そんなことを聞いてくるのだから明日奈は、吹き出し笑いをしてしまう。

 

 

「私は本気よ?」

 

「ごめんごめん、ステラちゃんもそう言う女の子っぽい所あるんだって思って……お相手は、黒鉄くんかな?」

 

 

大好きな彼の名前にステラは、過剰反応を起こして顔を真っ赤にしていた。明日奈は、そんなからかいも交えながら話を続けていた。

 

 

「私とキリ……和人くんとはね、あるゲームの中で知り合ったの……タイトル名は、《ソードアート・オンライン》。私は、その浮遊城アインクラッドの第一層ボス攻略会議の場所で和人くんと出会ってパーティを組んでボスに挑んだのだけど死者を出してしまった。プレイヤー達は、元βテスターのことを逆恨みし始めたの。そこで彼は、元βテスターとプレイヤーのイザコザを止めるために一人て嫌われ者を演じたの……。βテスターのチート…《ビーター》って呼ばれてたわ。」

 

「__それが、アスナとカズトの出会い!?」

 

 

ステラの言葉に明日奈は、首を縦に振るとまた話の続きを話し始めた。彼とともに生きてきた2年間のことを全て……。

 

 

「じゃあ、いつからアスナはカズトのことが好きだったの?」

 

「うーん……意識し始めたのは、出会ってから1年ぐらいたった時のことよ?和人くんったら私が好きなのに全然気づかないの、鈍感過ぎにも程があるって感じだったわ……でも、初めて告白された日は嬉しかったけどね!」

 

 

嬉しそうに昔の話をする明日奈を見て自分もいつか好きな男の子の話をこんな笑顔に出来るのか不安になっていた。そんなステラの顔を見ながら明日奈は、再び話し始めた。

 

 

「黒鉄くんも和人くんみたいに鈍い所あるからステラちゃんから積極的に行った方がいいと思うの。」

 

「アスナ……」

 

「大丈夫、女の子から積極的にされて嫌な男の子はいないわ!それに、みんなそれぞれ違った恋の形があるの……。ステラちゃんたちはステラちゃんたちの恋の形を探してね?」

 

「ありがとう、アスナ。私、頑張ってみる!!今日はありがとう!!」

 

「どういたしまして。」

 

 

 




《次回予告》
みんなでプールで特訓をしに来た一輝達……。
そんな中、一輝とステラが喧嘩!?
その理由とは???


第14話「それぞれの想い」





和人の剣技の名前、アインクラッド流はなんとステラが名付けました笑笑
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