黒の剣士の英雄譚(キャバルリィ)   作:ミヤイ

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《前回のあらすじ》
部屋の主導権以上に勝った方が負けた方を生涯服従というルールの元開催された一輝とステラの模擬戦は、一輝の一刀修羅を使い勝利することが出来た。
そして、倒れた二人を医務室に運ぶため急遽代理で和人の編入試験をすることになった東堂刀華は、自らの固有霊装である鳴神を具現化せると、和人は、アインクラッドで使っていた愛剣エリュシデータを固有霊装として具現化させた。
こうして、和人の編入試験が始まる!!








最初に言っておく……《諸注意》
・キリト、アスナはALO(新生アインクラッド編)のように魔法は使える(無詠唱で)
・多分、キリトチートだと思う。
・完全オリジナル回なので作者の妄想爆発です笑













第3話「黒の剣士VS雷切」

刀華は、振り下ろされたエリュシデータを鳴神で受け止めた。激しい稲妻が火花と共に飛び散ると、再び二人は距離を置いた。

 

 

「これが魔力……攻撃を受けてないはずなのに攻撃を受けた感覚だ……」

 

「私のクロスレンジで好き勝手に暴れないで!!」

 

 

そう言うと刀華は再び和人に近づいて鳴神を右斜め下から振り上げた。和人は足の力だけでバク宙してそれを躱し、その位置から片手剣ソードスキルであるレジスパイクのように勢いよくエリュシデータで刀華を突こうとした。

 

 

「喰らえ!!」

 

「いいえ、喰らいません!」

 

 

刀華は、そう言うとまるで読んでいたかのようにスっと身体を横にずらして、迫り来る和人のエリュシデータの刀身を真上から鳴神で叩きつけた。その衝撃で和人が倒れると、彼女は鳴神の刃先で突こうとした。しかし和人は横へ転がり鳴神を躱すと、刀華の足を蹴り上げてバランスを崩させた。

 

 

『まだだ、あの時の俺はもっと速かった!二刀流は、アインクラッドの中で最速の反応速度を持つ者だけが与えられるスキル。二刀流を貰った俺のスピードはこんな物じゃない!!』

 

 

ここはゲームではなくただの現実世界。それは、和人も分かっている事実。しかし、エリュシデータを握っているのなら、負ける訳にはいかないのだ。そして、刀華に勝つためには反応速だけでも黒の剣士としての自分に戻らなくては倒せないと言う直感があった。だからこそ、和人は戦いながら自分を追い込む必要があった。

 

 

『もっと……もっと……もっと早く!!』

 

 

和人の剣を振る速度が次第に早くなってくるのを感じた刀華は、少し焦りを感じた。

 

 

「まさか、編入試験でこれほどの相手と手合わせ出来るなんて思ってませんでした。」

 

「それはこっちもですよ。」

 

 

鍔迫り合いになった両者は、再び距離を置く。すると、刀華はメガネを外して壊れないようにメガネケースへと閉まった。

 

 

「本当は全力で相手をするなと言われてるのですが……貴方に意地があるように私にも破軍学園最強の意地があります。負ける訳にはいかないんです!!」

 

 

刀華から感じられる気迫を感じ、先程剣を交えていた時よりも警戒を上げた和人だったが、次の瞬間……刀華は和人の背後に回っていた。

 

 

「__ここからは、本気です!」

 

 

刀華が、そう言って振り下ろしてきた鳴神を、エリュシデータの腹を盾にして防ぐ。すると、激しい稲妻が和人を襲った。

 

 

「__ぐっ!?」

 

「もう終わりですか?」

 

 

刀華の魔力に負け、膝をついた和人だが、エリュシデータを振り抜き、刀華に距離を取らせた。この時、和人は己の最大の弱点を知ることとなった。

 

 

「__体力切れですか?」

 

 

その言葉に何も返せなかった。和人は息が上がり、肩が激しく上下に動いていた。常日頃、剣を極めている彼女と、ゲーマーの自分とでは基礎体力に大きな差がある。今のままでは確実に負けは必至。

 

 

「認めるよ、確かに俺は今体力切れだ。昔剣道やってたから通じるかなって思ったんだけど、無理があったみたいだ。」

 

「では、負けを認めると?」

 

「__いいや、むしろ逆だ!」

 

 

敗北宣言かと思われたが、和人の発言に流石の刀華も首を傾げた。今、彼女は和人の頭の中を電磁波を使い読み取ろうとした……。それは、彼女の伐刀絶技(ノウブルアーツ)である、閃理眼(リザースサイド)だ。しかし、刀華の頭の中に浮かび上がってきたのは、和人の今までの記憶だった……。二年前、仮想世界で囚われの身となりそこから攻略の為に命をかけてきた……。例え、ゲームでも命を張ってモンスターも戦っていたのだ。そして、75層でヒースクリフとの決闘……。

 

 

「もしかして、貴方は死んだの?」

 

「多分な……、俺は知らず知らず誰かに助けられて来たんだって実感するよ……。だからこそ、ここで負けるわけにはいかないんだ!!」

 

 

すると、和人は眩い光の中に取り込まれてしまった。75層で消えたあと少し感じたあの暖かい光……。

 

 

「ここは?」

 

「お待ちしてました、桐ヶ谷和人さん。」

 

 

後から声をかけられた和人は、振り向くとそこには、小さな力の粒子が浮いていた。

 

 

「ここは?それに……君は??」

 

「私は、この世界の女神……貴方をはじめ、3名のSAOプレイヤーを転生させた人です!」

 

「3名!?」

 

「はい、プレイヤー名…キリト、アスナ、そして……ヒースクリフ。」

 

 

最後の人物の名を聞いた時、和人はトンカチで頭を撃たれたような感覚になったと同時に怒りが一気にピークとなった。

 

 

「何でヒースクリフを!?」

 

「この世界に必要と思ったからです、私はプラス要素とマイナス要素をバランスよくしなければなりませんから。でも、やはり貴方が最初に目覚めたとは……」

 

「目覚めた!?」

 

伐刀者(ブレイザー)は、魔力も秘めています。ですが、SAOから来た貴方達には、魔力は本来なら0です。そこで、私はある条件が満たされた時、魔力が上がるようにしてあるのです。それもこの世界でも渡り合える魔力と力を……」

 

 

女神はそう言うと自分より小さな光粒子を和人の胸へと向かわせて同化させた。そして、和人は限界まで減少していた体力が回復し、異様に軽くなった。それに胸の奥底から沸き上がる力……。この状態は、かつて彼が過ごしていたキリトのアバターのステータスに近いものを感じていた。和人は、それをさらに実感するために手を開いたり閉じたりして確認していた。

 

 

「そして、貴方達にプレゼントがあります。」

 

 

そういうと女神は、眩い光を放つと和人の視界が悪くなり目元に手を置く。すると、遠くから誰かが近づいているのが足音だけでわかっていた。

 

 

「__パパ?」

 

 

その声は短い時間だけではあったが、とても良く覚えている……。自分のことをパパと呼び親しげに接してくれた、小さな女の子の声だった。和人は、光が止むとゆっくり前を見直した。

 

 

「パパ!パパですよね?私です、ユイです!」

 

「__ッ!?……本当に、ユイなのか?」

 

「はい!お久しぶりです、パパ!!」

 

 

和人は、ユイと再会すると我が子が帰ってきたかのように優しくそして、もう二度と離さないように抱きしめた。でも、和人には一つ疑問がある……AIのユイが何故この世界に!?

 

 

「このユイは、本物なのか?ユイは、あの時……アインクラッドで別れてから俺のナーヴギアに残ったままだ!それをどうして?」

 

「答えは簡単です、貴方のナーヴギアからユイさんの心が刻まれた水晶を拝借してちゃんとした人の身体に埋め込んだのです。だから、そこの娘はちゃんとした貴方達の子供ですよ。」

 

「ナーヴギアからってことは、俺達は本当に……」

 

「はい、貴方とアスナという名のプレイヤーは、アインクラッドでHPがゼロになり死にました。ヒースクリフという名のプレイヤーは、死亡だけが確認されており、それ以外は、まだ分かっておりません。貴方には、せめての選別として魔力とSAOの頃のステータスを身体へと適合させました。」

 

「ありがとう、神様。」

 

 

神様効果と言う2次元でしかない話を和人は、しみじみと感じながら体感していた。そんな彼の横でひょこっと顔を出してきたユイが彼に質問する。

 

 

「パパ、また一緒に居られますか?」

 

「あぁ!!」

 

 

和人がそう答えるとユイは、笑顔で喜んでいた。また、この笑顔が見られるとは思っていなかったので和人は、涙目になりながらも喜んだ。

 

 

「さぁ、行きなさい!この世界で運命に抗う彼を支えてください。」

 

「分かった!行こう、ユイ。」

 

「はい、パパ!」

 

 

そう言うと光の中から元の場所に戻った和人達は、目の前で待ちくたびれていた刀華と対峙した。当然、光が消えたら隣に幼き少女の姿がある状況なので周りは少しざわついていた。

 

 

「彼女は、相当な実力の持ち主です。気をつけてください、パパ!」

 

「分かってるさ。」

 

「パパって、なんでここに?」

 

 

和人の考えを読んでいた時に和人が思い出していたので存在は知っていた刀華は、驚いていた。まさか、唐突に子供が現れるとは夢にも思っていなかったからだ。

 

 

「俺にもよくわからない、神様効果って奴かな?さぁ、試験の続きを始めようか!」

 

「そうね。」

 

 

刀華は、そう言うと鳴神を鞘に一旦収めた。それを見た和人は、これから彼女が何をしようとしているのかが理解出来た。

 

 

「時間も押してるし、そろそろ決着をつけよう?」

 

「分かった……」

 

 

お互いに一定の距離を置くと刀華は、魔力を最大限まで引き上げ始めた。一方、和人は肩の上にエリュシデータの剣身を置くと目を閉じるとしばらくしてからゆっくり目を開くとお互いに距離を縮め始めた。刀華の周りには、激しい稲妻が数本か走っていた。

 

 

「__行くわよ!私の最強の伐刀絶技(ノウブルアーツ)、雷切ッ!!」

 

「受けて立つ!!片手剣ソードスキル、スラントッ!!」

 

 

スキル名を叫ぶとエリュシデータの剣身が炎によって包まれた。それを見た刀華は、少し驚きながらと迷わず抜刀術である雷切を放つと和人は、エリュシデータを上から振り下ろしたッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界が眩む……

激しいエネルギーがぶつかり合い膨張して激しい爆発を引き起こしたのだ。その爆煙によってユイは、和人が見えなかったのだ。

 

 

「パパ……」

 

「な、何事だ!?」

 

 

用を済ました神宮寺が激しい爆発を聞いて駆けつけると、次第に煙が晴れた。フィールドには、和人と刀華がお互いに気を失いながら倒れていた。

 

 

「桐ヶ谷!東堂!!」

 

 

どうしてこうなったのか……。

それは、戦っていた当人達しか分からないことだった。ただ、和人は剣術すらこの学園の生徒達に劣るもゲームとはいえ、アインクラッドで2年間も命をかけて戦ってきたという長い実戦感覚が、他の生徒より優れているからこそ東堂刀華という最強の存在と互角に渡り合えたのだとユイや神宮寺、更には黙って見ていた西京もそう思ったのだ。

 

 

「今年の予選会は、盛り上がりそうだね……」

 

 

その言葉を最後に西京は、第4訓練場を後にした。




《次回予告》
入学式、そこは新たな学友との出会いの場……
一輝にとっては愛らしい妹との再会の場となる……。
そして、和人とユイは生き別れになった恋人のアスナを探すために早速行動しようとしていた。



第4話「入学式」
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