黒の剣士の英雄譚(キャバルリィ)   作:ミヤイ

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《前回のあらすじ》
第4訓練場での決闘以降、ステラは更なる高みへ登るために一輝の朝練に付き合っていた。和人も自身の体力を強化する為に朝練に付き合う毎日が続いていた。
そんな中、入学式を迎え一輝、ステラ、和人それにユイが破軍学園の1年生として入学する。
しかし、周りの男子生徒は、ユイを連れ回す和人が気に入らないようで和人に入学式後、周りの人なんかお構い無しで喧嘩をふっかけてきた。




第5話「再会」

 

 

「さぁ、戦闘(ゲーム)を始めようか。」

 

 

和人はそういうと彼らは、なりふり構わずそれぞれの固有霊装(デバイス)を振り回すも和人はそれらを全て躱した。

 

 

「くそ、なんで当たらない!?」

 

「俺に任せろ!」

 

 

後方にたっていた生徒が銃口を和人に向ける。彼の固有霊装(デバイス)は、どうやら銃の系統らしい。しかし、和人は何も動揺しなかった。他の生徒がみんな動揺してるというのに精神力が強いのか……ステラは、そんなことを考えながら和人を見ていた。そこへ、一輝がやってきた。

 

 

「桐ヶ谷君?これは一体!?」

 

「あ、一輝!ちょっとタチの悪い学生を黙らせようとしてる所だ!ユイを頼む!」

 

「わ、分かった!」

 

 

そういうと、一輝はユイを庇うように彼女の近くへ行く。しかし、ユイは余裕そうな表情をしていた。

 

 

「ユイちゃんは怖くないのかい?」

 

「はい、パパは絶対負けませんから!」

 

「パパを……桐ヶ谷君を信用してるんだね。」

 

 

そんなユイに対して一輝は、そう呟くと戦闘してる和人の方へ視線を向けると、容赦ない発砲の音が数回に渡って校内に響く。すると、和人は、その銃弾1つ1つをカゲミツG4を振り回して銃弾を弾き飛ばしていた。

 

 

「じゅ、銃弾を弾き飛ばした!?」

 

「化け物か?アイツは???」

 

 

和人の足元には、弾かれた銃弾が転がっていた。それを見た5人は、今度はユイの方へ狙いを定めた。

 

 

「先にそのお嬢さんからやれ!」

 

 

一斉にユイへ向かう彼らの前に一輝が立ちはだかるとリーダーの男を回し蹴りして吹き飛ばした。

 

 

「桐ヶ谷君、その男は任せた!」

 

「__あぁ。」

 

 

和人は、ゆっくりリーダーの男の方へ近づいて行く。先程の行為が和人の怒りを頂点まで引き上げたのだ。

 

 

「よくも、ユイを狙ったな……」

 

「ひ、ひぃ……」

 

 

男は、逃げようとして後ろへ下がるもそこには壁がありもう逃げられないでいた。そんな彼にお構い無しに和人は、カゲミツG4を振り上げた。

 

 

「た、助けて……」

 

「俺とユイは、確かに血が繋がっていない。……けど、ユイは俺の家族だ!そのユイを痛みつけることは俺が許さない!!」

 

 

そう強く言いつけると和人は、カゲミツG4を思いっきり振り下ろした。剣身の部分が幻想形態であるため、リーダーの男は体力だけを削られてしまいその場に倒れた。

あとの4人は、一輝が体術だけで倒したおかげでやっと教室が静まり返った。

 

 

「雑魚を引き付けないその強さ、流石はお兄様です。」

 

 

他のクラスの生徒達は、それぞれの教室へ戻るも1人の生徒はそこに居たままだった。その娘の顔に一輝は、見覚えがあった。

 

 

「珠雫?」

 

「お久しぶりです、お兄様……」

 

 

珠雫は、一輝に寄り添うとそのまま唇を重ね舌を絡めた。その光景にクラスのみんなが大きな声を上げなながら驚いていたが、中でもステラが一番驚いていた。

 

 

「ちょ……アンタ達何やってるのよ!?」

 

 

顔を赤くしながらステラは、二人を引き離すように仲裁に入った。その行為に対して珠雫は、不安そうな態度をとる。

 

 

「私とお兄様のスキンシップを邪魔しないでください!」

 

「キスがスキンシップって聞いたとないわ!?」

 

 

そこから珠雫とステラの言い争いが始まった。ちょっとユイには刺激が強過ぎると判断した和人は、あとのことを一輝に任せるとユイを連れてそのまま教室をあとにした。

 

 

「パパ、兄妹でキスとかするんですか?」

 

「いやいや、そんなことないぞ!?あれは特別なんだ。現に俺は直葉とはしてないし。」

 

 

桐ヶ谷直葉(きりがやすぐは)。彼女は和人の戸籍上は妹だが、幼い頃に両親を失くした和人を直葉の母親が引き取ったらしい。その事を10歳の時に知ってしまった和人は、直葉と距離を置いてしまいそのまま二度と会えなくなってしまった。

 

 

「スグ、元気にしてるかな?」

 

 

和人は、そう呟いて空を見上げた。SAOに囚われてから話していないスグの事を少し考えるようになっていた。二度と会えなくなるのだったら、もっと話しておけばよかった……そういう後悔が彼の心を常に襲っていたのだった。

 

 

「__パパ、あそこの空が変です!!」

 

「え!?」

 

 

 

ユイは、上空の異変が視界に入ると和人にその事を伝えた。青空のはずだったはずの空に亀裂が生じると中から金色の髪をした少女が降ってきた。

 

 

「パパ!?」

 

「ユイは、ここにいるんだ!俺はあの子を助けてくる!!」

 

 

和人は、そう言いつけると空から降ってきた少女を助けるために落下地点まで全力疾走する。

 

 

『__頼む、間に合ってくれ!』

 

 

若干、重力の方が強いのか徐々に落下の速度が早くなるのが目でわかった。和人は、落下地点に近くなると思いっきりスライディングして更にスピードをあげるとギリギリの所で彼女をキャッチすることが出来た。

 

 

「パパ、大丈夫ですか?」

 

「あ、あぁ……スライディングしたから足が擦りむいてるけど大丈夫だよ。」

 

 

和人がそう言うと腕の中で意識がない金髪の少女は、ゆっくり目を覚ますと視界に映り込んできた和人の姿を見て急に涙が溢れ出した。

 

 

「__お兄……ちゃん」

 

「お兄ちゃん!?」

 

「やっと……やっと会えたね、お兄ちゃん!」

 

 

嬉しそうな表情をしながら少女は、止められない涙をずっと流していたが、和人はその子の正体が何者なのか全然わかっていなかった。

 

 

「えっと……君は?」

 

「え!?あぁ、ALOのアバターじゃダメだよね……ごめんね、お兄ちゃん。私は直葉だよ!アバター名は、リーファ。」

 

 

和人は、未だに信用出来なかった。外見が充分違うし、そもそも直葉は剣道しかやらない子でゲームなんてほとんど興味がなかったはず。

 

 

「__じゃあ、スグ……俺のことについて話してくれるか?出来る限り俺たちしか知らない話で頼む……」

 

 

すると、直葉は和人との出来事を全て言い当ててしまった。後から駆けつけた一輝やステラ、珠雫も驚いた状況で二人を見ていた。

 

 

「ここまで、話してるのに認めてくれないの?」

 

「いや、分かった……でも、スグはゲーム嫌いだろ?それに、どうやってこっちに来た?」

 

「んー、ゲームに関しては、ALOっていうVRMMORPGを友達から誘われて始めたんだけどコントローラーゲームよりは操作しやすいからハマっちゃった……アハハ……でね、お兄ちゃん。ここからが本題、ALOでは、大型アップデートでこの異世界フィールドが開放されたの。そこで、妖精王オベイロンはここを攻略しようとして戦闘できる種族、シルフ、サラマンダー、ケットシー、ウンディーネに呼びかけて連合組織を作り上げたの。近々、武装を整えたら攻略を開始するって……」

 

「ちょっとまて、ここはリアルだぞ?そんな事って……」

 

 

直葉の口から出てきたのは、VR世界で遊んでいるプレイヤーが異世界のリアルに生きる人の住処を侵略すると言った残虐な内容であった。

 

 

「やっぱり、リアルなんだ……こっちに来た瞬間、羽が消えちゃって……もう1人の子と来てたんだけど……」

 

「こっちだよ!リーファ!!」

 

 

大声をあげながら小柄の女の子がこっちへとやってきた。紫色のロングヘアのその子は、天真爛漫な感じだったが、リーファの周りを囲んでいる和人達を見ると腰にぶら下げていた細身の片手剣を引き抜いた。それを見た和人は、エリュシデータを具現化させると剣技(ソードスキル)の1つであるスラントで応戦した。砂煙が巻き上がるとその子は、和人との鍔迫り合いに負けて尻もちついていた。

 

 

「ひぇー、鍔迫り合いで負けちゃった〜。お兄さん、人間なのにやるねぇ〜」

 

「ていうか、私のお兄ちゃんなんだけどね……」

 

 

リーファの言葉にみんなが驚いた。兎にも角にもここでは周囲の迷惑になると判断した和人は、みんなを連れて他の場所へと移動した。

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》
妖精王オベイロンによる、異世界攻略と名乗った侵略行為まで時間が無い中、破軍学園では七星剣武祭の校内予選が始まろうとしていた。和人は、運が悪いのか開幕カードになってしまう!?


第6話「校内予選」


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