ピーンポーン!と、海座のラボのチャイムが鳴る。今はクラス代表決定パーティーの後だ。
(来客?こんな時間に?)
「はーい、今出まーす。」
海座は恐る恐るドアを開けると、
「こ、こんばんは。夜分遅くにすみません、海座……さん。更識簪と申します。」
「カイカイ、どうもなのだぁ~。」
海座は、来客に驚愕する。
「……あの時の……って、あっ!」
「やっぱり、あの時の……。」
「ほえ~?2人は知り合いなの?」
と、言う疑問を浮かべる本音を置いてきぼりにしている状況だ。
「立ち話もなんです。どうぞ、上がってください。」
「お、お邪魔します。」
「お邪魔するのだぁ~。」
海座は、ミルクティーを人数分用意する。
「それで、ここには何の要件で。」
「えっと、まず最初から説明すると…。」
簪がいつも通り、整備室で自身のISである『打鉄弐式』を作り上げようとしている時だった。
「かんちゃん!これから、うちのクラスの代表決定戦があるのだぁ~。息抜きがてら、一緒に見よぉ~。」
「で、でも。」
「ほらほら、いっくよぉ~。」
「え?ちょ、本音!」
本音強引に連れ出され、アリーナへ行くと見覚えのある機体が、戦っていた。
「あの機体は……。まさか…ね。」
そして、海座のラボを訪れようか考えていると、またもや本音が強引にラボまで連れてきた。
……そして現在に至る。
「なるほど。……この事は公言しないで欲しいのですがね。約束できますか?」
「は、はい!」
「もちろんだよぉ~。」
ミルクティーを口に含み、喉へ流す。
「確かに、あれは俺です。あの機体のテスト目的で、偶々テロ襲撃があったあの場所をテスト場所にしました。人助けとかではないです。」
「それでも!……私にとっては、ヒーロー…だった!」
「更識さん…。」
「そ、それに、目的がどうであれ、あの場に居た人達が助かったのは事実です。」
「それでもです。」
「もぉ~、お堅いなぁカイカイは。いいんじゃないのぉ~。そう言ってくれる人が居るってさぁ~。」
「私もあんな風になりたいと思った。それにね?正義の味方はみかえりは見返りを求めないの。」
「……あんな機体が欲しかったら作りますよ?」
「え?出来るの?」
「えぇ、大本となるコアがあればですけど。」
「ある。代表候補生だから機体とコアはある!」
「…代表候補生なのに、機体が完成してないと言う事ですか?」
「え?何でそれを……。」
海座は理解したように頷き始める。
「なるほど、織斑を優先させましたね。更識さん、あなたさえ良ければ同じ感じに作り変えますよ、あなたの機体。」
「でも、これは日本の……。」
「買い取りましょう。『prrr はい、篠ノ之。カーくん?』束様、欲しいコアがあるんです。日本が保有していて、現在更識簪さんと言う方が持っているものなんですが、何となりませんか?」
『OKOK、すぐに何とかするよぉ~。あ、明日そっち行ってもいい?』
「成功報酬がてらなら、来ても構いません。材料用意して待ってます。」
『わーい、すぐにゲットするから!明日が楽しみだぁ~。』
「そういう事です。やりますか?」
「お、おねがいします!」
「お任せあれ。今日はもう遅いです。ここに泊まって行くといいでしょう。俺の部屋のベッド使ってください。」
「いえ、そんな……。」
「女性に優しくできないようでは、ダメですからね。」
(あんな一方的な事しといて言えることではないけど……。)
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
「ありがとなのだぁ~。」
「それでは、おやすみなさい。」
博之は、ラボに寝袋で寝た。