「ねぇ。オーブから戻ったら、こんな物が手元にあったんだけど?」
「あぁ、それが俺が想定して居たもの。オーブリングとカードホルダー。」
「でも、なんかよくわからないんだけど……。」
「使い方は、ジャグラーが熟知している……と、いうよりはインプット済みだ。」
「わ、わかったわ。」
「再びオリジンの姿に戻るには、自分を信じる事だ。自分を信じる勇気が、最強の自分だと。」
「ふぅ〜ん。それなら、もう十分なんだけどなぁ〜。」
「いや、心の奥底に迷いという闇があるのなら、解放されない。ま、地道に頑張る事だな!」
「そう。ねぇ、博之君。私ね……。」
「ん?なんだ、キスでもして欲しいのか?」
カァー、と赤くなっていく。
「え、あ!もうすぐ簪の試合だ!早く行こう!」
と、誤魔化す事しか俺にはできなかった。
第3アリーナでは、簪対5組のクラス代表が戦って居た。観客席にいる者たちは呆気にとられて居た。なんせ、未完成と言われていた簪の機体が完璧な状態で存在しているからだ。
「ねぇ、あの青い姿ってなんなの?」
「あれは、『アクロスマッシャー』。なるほど、戦わずして勝つ気だな?」
「ど、どゆこと?」
「見てればわかるさ。」
「あんまり、人を傷つけたくないな。」
そうボヤいついるとレムが、
『それなら、アクロスマッシャーがオススメです。ヒカリカプセルとコスモスカプセルで変身可能です。』
「それなら、戦わなくて済むの?」
『はい。この姿の……。』
「わ、わかった!やってみる!」
ジードライザーを起動させ、特殊フィールドを発生させる。
「ゆ、融合!」
ウルトラマンヒカリカプセルを起動、ナックルに装填。
「アイゴー!」
ウルトラマンコスモスカプセルを起動、ナックルに装填。
「ヒアウィーゴー!」
ナックルに装填されたカプセルをライザーでリード!
『フュージョンライズ!』
「み、見せるよ!衝撃!」
胸元でライザーを作動させる。
「じ、ジード!」
『ウルトラマンヒカリ!ウルトラマンコスモス!ウルトラマンジード!アクロスマッシャー!』
アリーナへと出たジードは、試合開始の合図を待つ。
『これより、4組代表対5組代表の試合を始める!………試合開始!』
「す、スマッシュムーンヒーリング!」
暖かい光が5組の代表にゆったりとだが向かう。
「こんな虚仮威し!」
と、正面突破しようと光線に突っ込んだのが運の尽き。
「……あれ?私こんなところで何してんだろ?」
と、ふわふわとピットへ戻る5組の代表を試合放棄したとみなして……
『勝者 4組代表更識簪!前代未聞のお互いのSEを消費せずに戦い終わるという!一体どうしてしまったんだろうかぁ!』
なんか男臭い解説をする女の人がいるが気にしない気にしない。
「あれは、アクロスマッシャー。癒しやら興奮を抑えるやら色々まぁ、非戦闘要素みたいな面が多く語れる。が、もちろんバリバリの戦闘用だよ。今のは、スマッシュムーンヒーリングと言って、興奮している相手を大人しくさせる……っていう設計だったんだけど……人間相手で出力高すぎたのかな?」
「人間相手で高いって……まさか…。」
「設定値的には熊とかの猛獣を大人しくさせるためのものなんだよ。」
「絶対使われたく無いわ。」
「同感。」
こうして、簪の公式初戦は戦わずの勝利で幕を閉じた。