そんなわけで、臨海学校前日。束は博之のラボに来ていた。
「この機体の解析ね、わかったよかー君♪束さんにまっかせなさーい!」
明るく振舞っている様に見えている。だが、博之は敢えて、聞くことはなかった。
「さて、束さんのオーダー通りの品ご用意してありますから、たくさん食べてってくださいね。」
「うん♪そうさせてもらう♪。」
軽快な足取りは変わらなかったが、それでも何にか様子がおかしい。
「今日のオーダーは、そう!中華!」
束さんのオーダーは中華料理。内装を某サイなパスのようにホロで変えている。テーブルに並ぶ料理はホロじゃないよ?
「お、来たか。」
「ちーちゃん、どうしたの?」
「ご飯食べに来た。」
「……ご飯はみんなで食べた方が美味しいもんね♪さぁ!食べるぞぉ〜。」
「海座、いただくぞ。」
テーブルの上にはあんかけ焼きそばや餃子、回鍋肉、北京ダックや小籠包などが大皿に盛られている。
「このあんかけ焼きそばズルズル ゴクン!…麺とあんかけがうまく絡まさってて美味いなガツガツガツ!ゴクン!」
「この中華スープと焼きそばと合う♪この味は革命だよ、カー君!」
2人のペースは速く、あんかけ焼きそばが開始3分で食べ終えられた。
「この炒飯もカッカッゴックン!エビが美味い!こんな美味いエビ炒飯は初めてだ。エビにもしっかり味が付いてるし、何よりご飯が理想的なまでにパラパラだグォーカッカッゴックン!」
そう言いながら炒飯を口に掻きこんでいく。
あっという間に食べ切られた。大量に大皿に盛り付けていた中華料理がものの1時間で完食。この2人の胃袋を甘く見ていた。
「ふぅ〜、かなり食べたな。」
「美味しかった〜、この味は……星5だね。」
「ありがとうございます。お粗末様でした。」
「さて、私は明日の支度を終わらせないとな。じゃあ束。また次の晩餐で。」
これ次あるんだ。
「うん、また明後日。」
ここでサラッと言ってはいるが、千冬せんせーには、聞こえてなかったみたいだ。
「明後日って事は、来られるんですか?」
「うん。ちょっとね。」
「わかりました。では、束様。お気をつけて。」
「うん、楽しんで来てね。」
そう言って発着場へと向かうのだった。
次の日の朝。バスに乗り込もうとした時の話だった。
「海座、すまない。バスの座席が手違いで埋まってしまってな。」
「あ、わかりました。テストに丁度良いタイミングなんで、大丈夫です。」
「……テスト?」
ラボのケージから、バイク《DN-01 type:Belial》が出てくる。
「こいつの性能テストしないと。」
「そ、そうか。で、免許は?」
「一昨日取れました。」
「許可する。じゃあ、すまないがそいつで来てくれ。」
「先に着いちゃうかもしれないですよ。」
「……。」
と、まぁこんな感じで簪を後ろに乗せ、バイクを走らせるのだった。
ラウラが簪の隣に乗れずに、拗ねていたのはバス搭乗生徒しか知らない。