闇……見渡す限り、漆黒の闇に包まれているその空間に、闇で両腕を吊るされた博之の姿があった。
「はぁ……はぁ…。」
「しつこい奴だな!いい加減、その力のコントロールをやめればいいものを。」
「……確かに、お前は更なる闇を手にした。でも、それまでの力を抑えてしまえば、レイブラッドとガタノゾーアの力しか使えなくなる。つまり、そのアトロシアスの力は使えないんだよ。」
「レイブラッドの力は、俺の力の根源だ。だから、俺自身の基礎能力も上がる!」
「だとしてもだ。俺は…お前をここで食い止めることしかできねぇ。ま、とりあえず1週間は耐え抜くさ。」
「強情な奴め。」
「お前の負の感情に、耐えられるのは俺だけだ。お前の、嫉妬や劣等感やらな。」
「黙れ!」
「ぐはぁ!」
ベリアルは、その拳を振るう。それは、博之の鳩尾へと吸い込まれるように入って行く。
「はぁ、はぁ、いい加減殺すか。」
「ふふ、ベリアル。ここがお前だけの空間だと思ったら大間違いだぞ?」
「何だと?」
「ナノマシン、装着モードに移行。」
それは、専用の衛星にあるBelialを呼び出す呪文。そして、博之を吊るしていた闇も消えた。多分、無駄な抵抗だと言いたいんだろう。
「ふん、そんなガラクタ呼んでどうする。」
「精神世界とはいえ、体内にさえ入れば使える。」
2分後、カラータイマーにBelialを収納したボックスが入る。
「そいつには俺が入ってない。だから、「動かしようがない、か?」そうだ。」
「残念ながら、その辺は対策済みなんだよ!」
と、
「何!それは、俺のカプセル!」
「それに加えて、製錬済みだ!尚且つ、エヴォリューションカプセルの機能……制限時間がない。」
ハッタリだった。そんなのは科学では無理だ。あれは、人々の願いをつないで初めてできる。だが、そんなこと知らない奴にしてみたら恐怖の対象だろう。そのハッタリカプセルをBelialのカラータイマー部分に装填、Belialを纏う。
「オーバーリミットブレイク!」
通常のリミッターをさらに外した。これは、Belialの切り札とも言えよう。代わりにウルトラの力で強化されている肉体へのダメージも相当だ。が、レイブラッドとガタノゾーアで強化されたベリアルの相手をするなら、これくらいでなければ無理だろう。
「「デスシウム光線!」」
2つの光線は互角、ゼガンの様に異空間を発生させることはなく、相殺された。
「お前、さっき俺に嫉妬や劣等感と言ったな。なら、お前にわかるのか?同期に上に行かれ、そいつに好きな女も取られ、より強大な力を求めた俺の心が!」
「ウルトラの父か。」
「そうだ!だが、お前に分かるわけもないよな、神によって生き返され、自らを愛している女が2人もいて、地位も高いお前に!」
「……なら、聞け!俺の過去を。」
こうして、俺は初めて人(って言えるのか?)に己が過去を語る。