晩御飯を食べ終わる頃には、すっかり仲良くなっていた。なんて事はなく、無言タイムが続いた。そもそも、名前も知らないのだ。無理もなかった。
「あー、自己紹介してなかったな。俺は海座 博之。こっちが…。」
「「私が嫁の更識 刀奈(簪)です。」」
「ふ、二股?」
「いや、2人合意のもと。」
「へぇ〜、あ、私は志摩 りんです。どうぞ、よろしく。」
「しっかし、高校生くらいだろ?それなのにソロキャンなんて、凄いね。」
「いえ、そこそこしっかりした物があるので。」
「お父さんとか?」
「いえ、おじいちゃんがキャンパーで。」
「へぇ、今も?」
「はい。家族からは、そろそろ落ち着いて貰いたいみたいですけど。」
「でしょうね。心配になるもの♪」
「ところで、皆さんは何故この時期にキャンプなんか?」
「「私たち、新婚旅行で。」」
「まぁ、ここの富士山は見て貰いたかった。ってだけなんだけどね。」
「それは同感です。」
「質問返しで悪いんだけど、志摩さんはなんでこんな時期に?」
「……シーズンオフで人が居ないので。」
「なるほど、俺と同じわけか。」
「……そろそろ、失礼します。ごちそうさまでした。」
「あ、うん。おじさん達の話し相手になってくれてありがとう。」
「おじさん達のなんてとんでもない。それでは。」
こうして、本栖湖キャンプ1日目が終わった。
2日目。起きた博之は片付けを始めつつ、朝食の準備を始めた。
サラダやらパンやらを作り、テーブルにズラッと並べておく。そのうち、テントから出てきたような音がしたので、見てみるが出てきては居ない。と、逆側のテントを見ると、志摩さんが這い出てきて居た。
こちらに気付いて、現状の自分の格好を思い出したのか、顔がトマト化している。それでも、こちらの作業に興味があるのか、トコトコと近づいてくる。
「何してるんですか?」
「ん?朝食の準備。」
それらを見た志摩さんの腹の虫が鳴る。
「!?」
「あ、1人分材料が多くてね。良ければ、どうぞ?」
「い、いえ。流石にそこまでは(グゥ〜)」
「ほら、遠慮しないで。」
「では、お言葉に甘えて。」
「おはよ〜。」
「おはよう、ヒロ。」
「さて、みんな揃った事だし。朝ごはんにしますか。」
こうして、全員が席に着いて、ワイワイ楽しい朝食の時間が始まった。
朝食後、テントなどの撤去を済ませる。今回移動は、カイザーファクトリーの試作型の大型エコカーなので、それに積み込む。あらかた積み終わった後、向こうも片付け終わったのか、こちらに来る。
「ご飯、ご馳走さまでした。」
「お粗末さまでした。」
「それでは、日本縦断旅行、気をつけてくださいね。」
「そっちも気をつけて。」
「「バイバーイ。」」
と、こちらが手を振ると、向こうも手を振り返してくれた。
こうして、北陸・中央高地の旅行は終わった。
この志摩りんは、なでしこと会う一年前くらいの
設定なのです!