東方妖々続伝〜outside and inside. 作:みかんでない
飛ばしてきた人向けにあらすじ
幻想郷の勢力代表の自己紹介が終わり、幻想郷の危機についてゆかりんは話し始めた。
紫は話し始めた。
「今、この幻想郷で何が起きているか、知っているわね?」
その言葉を聞いて、妖怪たちは皆そろって溜息をついた。
「じゃなきゃこんなところでこんなことしてないよ、めんどくさい」
「この顔ぶれを一度に集められる異変なんてもんは、そうそう無いですよ。それこそ、幻想郷の危機レベルのものでないとね……」
「どうやら、皆も深刻に悩んでいるみたいね……」
「「「はあーっ……」」」
またもや彼女らはいっせいに溜息をこぼす。
俺は訳も判らず紫に尋ねる。
「なあ紫、どういうことなんだ?俺にもわかるように教えてくれないか」
「あらら、ごめんなさいね。実はね、私達今、そうとう『弱く』なってるのよ」
萃香が酒をぐびりと飲み込んで言う。
「具体的には、私ら固有の能力がかなり死んでる。私は体力の消耗がかなり増えた」
「私の仲間内ですと……鵺が完全にやられてますね。あの子、変身しても羽が消えずに残るんですよ」
「ここからは、私が問題を出して皆に原因を考えてもらう形で話をさせてもらうわ。その方が楽しいでしょう?とはいえ、ヒントがないと厳しいでしょうから、ちゃんとヒントはだすわよ。安心して。では、早速第一問!」
「まず、葉一に妖怪達の存在についての問題よ。妖怪とは、昔の時代に人間が理解できない存在を形にした物だと言われているわ。そして妖怪達は、彼等に信じられる事で存在を保っていたの。ここで問題よ。昔は、日本にも沢山の妖怪がいたけれども、今は殆どが外界から姿を消したわ。さあ、何故でしょう?」
答え注意!
僕はちょっと考えて答える。
「現代の人間達は、妖怪を信じていないから、妖怪も存在できないんだろう?これが答かな。」
「まあ正解よ。補足させて貰うと、人間は科学を発達させ、殆どの現象を解明したことによって、妖怪を信じなくなった、というところね。ちょっと簡単過ぎたかしら。」
「答を言ってるようなもんだったからな。」
「ふふ、じゃあ次の問題。じゃあ、この問題は萃香に答えてもらうわ。何故、私達の能力が弱まってると思う?」
答え注意!
「紫の事だから今まで話した事がヒントになっているんだろうね、どうせ。うーん……ああ、幻想郷の人間の我々に対する信仰が失われてきている、とかかな?」
「正解よ。」
「ちょろいな。」
萃香は満足げな顔をしている。
「じゃあ、次の複合問題は皆に考えてもらうわ。何故、今幻想郷の人間の我々に対する信仰が足りなくなったのだと思う?」
ヒント注意!
うーん……難しいな。ヒントが少な過ぎる気がする。
周りも一生懸命考えているようだが、答にはたどり着いていなさそうだ。
突然、聖徳太子が手を挙げる。
「今『足りなくなった』と言ったよな…?紫、それって…失われたという事ではないのか?」
「良いところをつくわね。そうね、決して幻想郷にいる人間からの信仰は失われていない。足りなくなったのよ。」
答え注意!
「大方わかったよ。ちょっと不完全なんだが…。」
「答えて良いわよ、神子さん。」
「ああ。私達の能力が弱まった理由は、里の人間達が数を減らしたからだな?私は宗教家としての活動の一環で人里にたまに行くんだが、最近人里から活気、生気を感じないんだ。我等幻想の妖怪や神の力の出所は人間の信仰…当然人間が数を減らせば信仰が足りなくなり、我々にも能力の制限や果ては消滅という未来が待っているだろうな。つまり人間と妖怪の相関関係、だな。だが、この答えでは不完全だ…。」
「そうね、よく見抜いたわ。私達には信仰が足りないのよ。しかし、彼女の言う通り、これでは答えが足りない。何故、幻想郷の人間が数を減らしているのか…。それを理解してもらわないと。」
ヒント注意!
「「「うーん」」」
「そうね、この問題は難しいから、ヒントをあげるわ。ヒントは、外の日本では生まれる人間の子供の数は増加傾向にあることよ。」
答え注意!
「答えがわかりました。ですが、本当にそんなことがありえるのか…。」
「言ってみなさいよ、月の賢者。皆さんお手上げのようだし。」
「答えは[概念]の幻想入りではないですか?」
「流石ね。正解よ。」
「おい紫、私達にはさっぱりわからんぞ。もっとわかりやすく説明してくれないか?」
「私が説明しましょう。幻想郷の人間の数は、外の人間の数と反比例しているのよ。例えば、外の世界の人口が減れば、こちらには「多産」という外の世界で「忘れられた」概念が幻想入りする。幻想郷の人間の数は地味に増えていたし、今まではこの形だったわね。しかし、あちらが例えば「多産政策」なんてものを導入したとしたら…。」
「Exactly!素晴らしい。その通りよ。外の世界の政府はいわゆる「多産政策」を導入したらしいわ。そのせいで、こちらには少子化の概念が幻想入りしたという訳よ。まあ外と中が結構密接に関わっていた、という訳ね。」
「はー、そういうことか。じゃあ外の世界の政策とやらを廃止しないと、幻想郷の未来は暗いというわけか。しかしそんなことどうやったらできるんだ?」
「それは彼が知っているはずよ、葉一。」
ああ…。そういうことか。
「多産政策は、戦争をする人手を増やすためにとられた政策なんだ。」
「ならば戦争を終えることが出来れば…。」
「無意味になった多産政策が廃止され、」
「幻想郷を救うことができる。」
「その通りよ。葉一は戦争を終わらせる為に戦っているそうだから、彼も間接的に、幻想郷のために貢献してくれているといえるわね。」
「そうなのか!」
幻想郷の首脳達が僕を驚きと期待のこもった目で見つめてきた。僕は今まで自国や仲間達のために戦争終結に尽力してきたが、どうやらそれには別の意味も込められていたらしい。
「でも紫、これだけだと一寸不安じゃないかい?万が一彼がしくじった時には…」
「大丈夫よ。戦争を終える以外にも幻想郷を救う方法はありますもの。別に難しく考える必要はないのよ。」
萃香は不敵な笑みを浮かべて、こう言う。
「これも問題かい?私は答えが分かったぞ。」
答え注意!
「萃香ね、言ってごらんなさい。」
「人が減ったのなら増やせばいい。単純に、外の世界から我々の世界を受け入れてくれる人間を探して、そいつを幻想入りさせればいい、という事だろう?」
「正解ね。我々の能力を取り戻すには、その二つの方法があるって訳。葉一、貴方には、幻想郷の環境に慣れて貰う。そして、貴方と同じように幻想入りする人間が来たら、同じ立場の者として導いて欲しい。それが、貴方をまず呼んだ理由よ。」
「そうか…。まあ取り敢えず、明日からでも良いからここを案内してくれないか?」
「ええ、良いわよ。私達も貴方が幻想郷を気に入るよう全力でサポートするわ!」
そうして、幻想郷首脳会議はお開きとなったが、全員が神社に残りそのまま二次会に突入してしまった。