東方妖々続伝〜outside and inside. 作:みかんでない
「甲板に上がれ!俺を援護してくれ!」
そう言って海中から敵の船の背中に登る。そうして背中に背負った刀を抜き放つ。当然ながらキラキラ光る棒を持って、否応なしに目立ってしまった俺には集中砲火が浴びせられる訳だが、研ぎ澄まされた刀さえあれば重機関銃など無力に等しい。銃弾を叩き切り、銃で敵を狙う部下達の囮、もとい盾となる。そのうちに、部下の弾丸が砲手を撃ち抜き、甲板を制圧した。
「大丈夫ですか、隊長!」
「ああ、なんて事はないさ。とりあえずここを守りきるぞ。」
そう部下に伝え自分は携帯通信機で情報を伝達する。
「こちら第四分隊、戦艦一隻の甲板を制圧した。残ったもので分隊を組む!」
「了解、第四分隊!生きている奴は甲板を目指せ!」
「よし!隊長を援護しろ!ブリキ野郎をぶっ潰せ!」
ダダダダダダダダ
それからしばらくして、新たな情報が入ってきた。
「報告!物資輸送船は、敵駆逐艦の射程距離を脱しました!繰り返します!物資輸送船は、敵駆逐艦の射程距離を脱しました!これより隊員の帰還作戦を開始します!!」
「やったぞ!!」「fooooo!」
部下達はガッツポーズをする。
よし!後は生きて帰るだけだ。
イタゾ、コロセ!
その時、増援にやって来たロボット達の機械音声が聞こえた。
俺は咄嗟にホルダーの銃を引き抜き、遮蔽物に向かって転がりながら出てきた敵を撃つ。だが、何体僕や仲間が倒そうと、敵の数はおさまるところを知らず、どんどん増えていく。そもそもの人数差が違いすぎたのだ。
「こいつら、倒しても無尽蔵に湧いて来るぞ!」
「もっと下がれ!」
味方の兵が撃たれ、数人の弾薬が底を尽き始めた、瞬間。
「下がるな!突撃ィィッ!」
よく響く、聞き覚えのある声が響いた。
「私に続け!敵を駆逐しろ!」
海から厚い装甲に身を包んだ何人かが、ざばざばと上がってきてチャージ済みのガトリングガンを一斉にぶっ放した。前線にいた敵兵をただの鉄屑に変えていく。
「援護だ!援護が来たぞぉ!」
「第五分隊、ただ今到着致しました!」
それは僚友谷本少尉とその部下達だった。
「姐さんを援護しろ!」
「動けるものは第四分隊に合流、海に入る負傷者を引き上げろ!」
彼女や部下達が甲板に上がり、戦闘に加わった。彼女は風のように早くこちらに走ってくる。
「了解第五分隊!谷本!すまんが指揮は任せた!俺は機関銃を奪う!」
「了解さ!全く…私に感謝しなよっ!」
単身特攻、剣で敵を捌きながら、砲塔目指して道を切り開く。敵の弾丸は不思議と俺に当たらず、まるで神が護ってくれたかのようだった。
「オラァッ!」
砲塔に着いた俺は、狭い通路を駆け上がり上にいて機関銃を放とうとしていた新たな砲手を殴り倒す。そしてすかさず、下に群がった敵を備付けの機銃で狙う。
ダッダッダダダダダダダダ!
その時だった。
大声が飛んでくる。
「気をつけて!他の砲塔から狙われている!」
完全に忘れていたもう一つの砲塔。片方は味方が占拠できておらず、完全にフリーだった。回転してくる敵の砲塔を横目に見ながら、運のツキもここまでかと死を覚悟したその時!
俺を狙っていた砲塔が爆発した。
シューン シューン ドゴォォン!
ミサイルが風をきって敵の潜水艇にぶつかっていく。
「こちら援軍、広島支部第一分隊!敵戦艦と味方の位置を確認!いますぐ救出に向かう!」
俺は間一髪で死ななかった事に安堵のため息を漏らして、砲塔から出た。そして広島支部から俺らを救出しにきたガンシップに乗り込む。
「定員まで搭乗したことを確認!今から広島支部に飛びます!」
ババババ…バババババ
全く、今日は運がいい。
その後は無事に広島支部に到着し、人数確認をして配属部隊を組み直した後で、残った荷物を部屋に運び、傷の手当をしてその日は終わった。俺は新しい部屋で眠りに着いた…。
[博麗神社、ちょっと前にて…]
「何ッ!誰も神社にいない…」
「そしてこの天気は…悪い予感しかしないわね。」
「またあいつがやらかしてくれたのね…」
「とりあえず葉一を待ちますか。」
気がつくとそこは例の神社の中だった。障子を開けてみると、宴会をしていた時と同じく空には雲一つ無く晴れていたが、すぐわかる大きな違いがあった。
それはシトシトと静かに「雨が降っている」ということだった。
異変の発生 -STAGE1-
BGM:日常坐臥
紫は縁側に座り、葉一がやってくるのを待っていた。
「来たわね。」
「ああ。しかし、この状況はなんだ?飲みっぱなしの酒、食べかけの料理…。何故紫だけしか居ないんだ?他の人達は?」
紫はニヤリと笑い、俺にこう告げた。
「異変よ。」
「へ?」
それは丁度、文の取材中に話題に上がっていた「異変」だった。
「異変が起きたわ。説明が面倒だから、実際に見せるわ。ちょっと外に出てみて。」
「OK。うぉっ!なんだこれ!急に天気が変わったぞ!」
「私達がいるところは晴れている…が、周りは灰色の雲に覆われ、嵐が吹き荒れ雷も鳴っている…さしずめ『台風の目』と言ったところかしら。」
「紫、この天気の変化は何なんだ?」
「この異変は私達の持つ特性が、天候として現れたものよ。貴方、不思議な気質を持っているわね。」
喜んでいいのか、それ。
「そりゃどうも…ところで、僕はどうすれば良いんだ?その…異変って奴を解決しなきゃならないんじゃないのか?」
「多分、皆は異変の解決とか、後その辺に調査に行ったと思うから、我々も後を追って、異変を解決しに行くわ。葉一、武器はある?今から即席でスペルカード作って、弾幕ごっこのやり方を教えるわ。」
今から作るのか…。まさかの急展開でちょいと不安だな。
「この剣と俺の愛用の拳銃が一丁ある。だが,こんなものでどうするんだ?」
「貴方にこの真っ白な紙をあげる。これは私の魔力が込められていて,スペルカードが作りやすくなっている初心者用のカード。初めて作る貴方にはぴったりよ。よし、じゃあそれを持って、貴方の普段使っている武器のことを思い浮かべて。それで出来るはずよ。」
「よし。こうか……お,絵が浮かんできたぞ!文字もある!」
「ではその文字を読みながら、私に掲げてみて。そうすれば弾幕が発動するわ。」
紫はスキマを使い、僕から距離をとった。
「いっくぞ!霊弾『スプレッド・フォーム』!!」
瞬間、頭にわずかな痛みがキンと走る。
(うっ!!また頭痛だ…。妙な懐かしさが…。)
言い終えた直後に、拳銃から弾丸がいくつもバラバラに飛び出し、ある一点でぴたりと静止すると、向きを変えて紫を追跡した。
「これは速い…!スキマ!」
紫はスキマを開くと、僕の弾丸を飲みこんだ。
「これがスペルカード。そしてこの弾をいかに避けるかというのが、『弾幕ごっこ』よ。今回は弾に当たらなかったから、私の勝ちということね。」
「はえー」
紫はかなり強いな…。戦いなれてる感じがする。俺の初めてのスペルカードは残念ながら、彼女には全く通用しなかった。まあ正直彼女の能力が相当チートなのではないかという疑惑もあるが。
「もう一枚違うのを作っておきなさい。そうしたら出発するわ。」
俺は紫の言う通り、今度は剣をモチーフにしたスペルカードを作った。
「ふうん。始めてながら綺麗に出来てるわね。もしかして作ったことあったの?」
「な訳あるかい。それよりこれから何処へ行くんだ?」
「まず人里ね。取り敢えず場所の紹介がてら知り合いを捜すわ。」
「了解!」
俺達はまだ見ぬ場所へとスキマに入った。
(何だ……先ほどから感じるこの既視感は…??)
決闘評価
損害評価 神
時間評価 神
取得評価 良
緋想天イメージです。