変の軌跡〜帝国の闇を一閃する獅子達〜(現在、戦姫絶唱シンフォギアの世界)   作:光三

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今回の話は、落ちこぼれ魔法使い少女の内容が含まれています。ネタバレが嫌な人は、ブラウザバックしてください。お願いします。


第12話 アリスとアクロスの出会いそして………世界は?

 このゼムリアという『概念世界』では、今から約250年前に『獅子戦役』という血みどろの内戦が繰り広げられた。ゼムリア大陸に存在する『エレボニア帝国』で起こった内戦だ。事の始まりは、七曜歴947年の皇帝ヴァリウスⅤ世の逝去であった。当時、ヴァリウスⅤ世は何人もの妃、側室を持っていたと伝えられている。しかしそれらの妃たちは、帝国各地の大貴族の出身で彼らの帝国における覇権争いを彷彿とさせるものであった。そして……

 

皇帝逝去から数日後、正妃の息子皇太子マンフレートが何者かによって暗殺されてしまった。その直後、第二妃の息子であった第四皇子オルトロスが武力をもって帝都ヘイムダルを掌握した。反対派を徹底的に粛清した上で、即位を宣言して皇帝を名乗った。それを受け、他の3名の皇子たちもまたそれぞれ母方の大貴族の支援を受け即位を宣言し、遂に5年に及ぶ血みどろの内戦『獅子戦役』が幕を開けた。

 

 

〜出典、古代遺物『黒の史書』より『獅子戦役・勃発』から一部引用〜

 

『黒の史書』とは、エレボニア皇帝家に代々伝わる『古代遺物』の一種である。因みに、内容は皇帝に即位した者にしか読むことは出来ない。ならばこの本には何が書いてあるのだろうか………それは、歴史の影で何があったのか、これから何が(・・・・・・)起こるかまで記(・・・・・・・)されているのだ(・・・・・・・)。そして、そこに記された内容を避けようとすれば歪みが大きくなって行くはずだった(・・・・・)。しかし、『ハーメルの悲劇』はこの世界(・・・・)では『ハーメルの奇跡』と呼ばれている。何故そのように呼ばれているのか……本来なら3人しか生き残らないはずだったハーメルの村人が全員生存しているからだ。そう、この世界にはイレギュラーが存在するのだ。その結果、ヨシュアとレオンハルトは、結社の執行者になる事は無かった。そして、一番のイレギュラーはやはりこの物語の主人公『神童』(・・・・)アクロス・ローグレスと《鋼の聖女》アリアンロード/《槍の聖女》リアンヌ・サンドロット否神童の嫁になる予定の人物アリスである。因みに、神童とは渾名としての《神童》ではなく本当の意味での『神童』である。つまり、アクロスは空の女神と(・・・・・)煉獄の大悪魔神(・・・・・・・)との間に産まれた童(・・・・・・・・・)なのだ。

 

空の女神(エイドス)煉獄の大悪魔神(アモン)は、普段『神界』と呼ばれる『概念世界』に住んでいる。『概念世界』ゼムリアは、今滅亡の危機に瀕している。『概念世界』が滅びる原因は、大きく分けると2つある。1つ目は、『概念世界』を創造した神族が死ぬことである。神族は、感情を持った人型のシステムである。親システムが作成した子システムは、親システムが壊れると同時に機能しなくなる。それ即ち、『全て消える』ということだ。2つ目は、概念世界内部で何らかのトラブルが起こった場合である。ゼムリアの滅亡の危機は明らかに後者が原因である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、『神童』アクロス・ローグレスと仮名(・・)アリス・ローグレスの出会いはというと最悪の一言に尽きる。アリスを見たアクロスの第一印象、綺麗だけど性格きつそう。アクロスを見たアリスの第一印象鬱陶しい。本当に最悪である。唯一の救いは、アクロスがアリスを見た瞬間に一目惚れをしたことである。

 

「綺麗ですね」

 

「は、はぁ。そうですか、よくわかりませんがありがとうございます」

 

「あ、あの。お名前を教えて下さい」

 

「知ったところで意味はないかと思いますが、名乗っておきましょう。私は、アリアンロードと呼ばれています(・・・・・・・)。では、失礼します」

 

「ちょっと待って!」

 

「(ハァ、うざい)何でしょうか?」

 

「(ビクッ!)アリス、綺麗なお姉さんの名前今日からアリス!」

 

「!?!!!!??こ、これは!!失礼します!」

 

「(アリスお姉ちゃん、怒っちゃったのかな……)」

 

これが、アクロスとアリスの最初の会話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エイちゃん………」

 

「大丈夫よ心配しないで。アーくん」

 

「…………」

 

「でも、手伝ってくれる?」

 

「!ああ、勿論」

 

「準備はいい、イルバール(・・・・・)

 

「はい。では、始めましょう」

 

「「肉体・魂神界召喚陣発動!!」」

 

「神体蘇生開始………完了」

 

「ごめんなさい、私たちの宝物」

 

「何でこんなことになったんだ?」

 

「知らないの?アクロスは、同じクラスの女子に殺されたの」

 

「何だって!!」

 

「丁度、様子を見ることが出来たタイミングでいなかったものね」

 

「いつも、タイミングが合わない……」

 

「そんなに落ち込まないで、アーくん……」

 

「ところで、殺したのは誰なんだ?」

 

「アリサ・ラインフォルトよ」

 

「なに!!どういうことだ!」

 

「一部始終を見てたけど、大分乱心してた。何かに操られたか(・・・・・・・・)のように(・・・・)

 

「もしかして、アレ(・・)の仕業か?」

 

「それもあるわ。でも、それだけじゃない(・・・・・・・・)

 

「…………」

 

アレ(・・)の特性は、負の感情の増幅よ。今回の場合、アクロスに対する不信感が増幅されているわ」

 

「だが………………そうか、そういうことか!!」

 

「不信感が増幅したところですぐに、殺意に直結することはありえないわ」

 

「つまり、途中から何らかの要因で不信感が殺意にねじ曲げられた?」

 

「そういうことよ………」

 

「あの〜すみません。アクロスくん、もう起きると思います」

 

困ったように、イルバールは言った。

 

「「アクロス!!」」




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