変の軌跡〜帝国の闇を一閃する獅子達〜(現在、戦姫絶唱シンフォギアの世界) 作:光三
第1話 入学式
七耀暦1204年3月31日は、トールズ士官学院の入学式が行われる日だ。俺は今現在列車の中にいる。不意に、アナウンスが鳴った。
『本日はケルディック経由、バリアハート行き旅客列車をご利用いただきありがとうございます。次は、トリスタトリスタ。1分程の停車となりますのでお降りになる方はお忘れ物の無いようご注意下さい。』
「(もうすぐで着くのか)」
「(もうすっかり春だなぁ、出会いと別れの季節なーんてな。)」
そうこうしているうちに、トリスタに到着したようだ。先程から気になっていたのだが、俺以外のみんなは制服が緑なのだ。クラス毎に色が違うのだろうか?
「なあ、君も赤い制服なんだね?」
考え事をしていたら、突然後ろから声をかけられた。
「そうなんだ。ところで君は誰?」
すると、黒髪の男子は自己紹介を始めた。
「ああ、すまない。俺の名前は、リィン・シュバルツァーだ。これから2年間よろしくな」
「おう!俺の名前は、アクロス・ローグレスだ。こちらこそよろしくな」
「なあ、リィン。このさ、送られてきた
「確かに高そうだね、士官学校の備品にしてはかなり凝ってる方だと思う」
「そんなことより、リィン今何時だ?」
「今は…7時45分だ。入学式が9時に始まるから、少し早く来すぎたかもしれないな」
「まあ、何はともあれ一旦駅から出ようか。リィン」
「そうだな、そこで立ってても人の邪魔になるだけだからな」
そう言って2人は、トリスタ駅から出た。そして、街並みや咲くライノの花を見て良いところだと感じた。
「見とれるのもいいけど、入学式に遅刻なんてしたら洒落にならないからそろそろ行くか?リィン」
「そうだな、因みにトールズ士官学院は街の北側にあるみたいだ」
「ああ、ありがとう。助かったぜ」
こうして校門前まで来た俺たち2人は、声が聞こえてきたのでそっちのほうを向くと小柄な少女と太った青年がいた。
「うんうん、君達が最後みたいだね。リィン・シュバルツァー君とアクロス・ローグレス君でいいんだよね?」
「はい、どうも初めまして」
アクロスは、疑問に思っていたことを聞いてみた。
「…しかし、何故自分たちの名前を知っているのですか?」
「えへへ、ちょっと事情があってね。今はあまり気にしないでね」
「「???」」
すると、太った青年が言った。
「これが申請した品かい?一旦預からせてもらうよ」
「ああ、案内書に書いてあった通りですね」
リィンとアクロスは、持ってきた武器を太った青年に預けた。
「確かに。ちゃんと後で返されるとは思うから心配しないでくれ」
「入学式は、あちらの講堂であるからこのまま真っ直ぐどうぞ。あ!そうそうトールズ士官学院へようこそ」
「入学おめでとう。充実した2年間になるといいな」
そして、2人は講堂に向けて歩き出した。その時、俺は気になったことをリィンに言った。
「俺らで最後ってどういうことなんだろうな?他にも未だいたと思ったけど……」
「ああ、俺にもそうみえたよ」
「だよなぁ」
「まあ、今は取り敢えず入学式に行こう」
「だな!」
こうして2人は、入学式が行われる講堂へと入っていった。
「最後に君たちに1つの言葉を贈らせてもらおう」
そう言ったのは、トールズ士官学院の学院長を務めるヴァンダイクだ。
「本学院が設立されたのは、およそ220年前のことである。創立者は、かのドライケルス大帝『獅子戦役』を終結させたエレボニア帝国中興の祖である。即位から30年あまり。晩年の大帝は、帝都から程近いこの地に兵学や砲術を教える士官学校を開いた。近年軍の機甲化と共に本学院の役割も大きく変わっており、軍以外の道に進む者も多くなってきたが……それでも、大帝が遺した『ある言葉』は今でも学院の理念として息づいておる」
「『若者よ、世の礎たれ。』『世』という言葉をどう捉えるのか。何をもって『礎』たる資格を持つのか。これからの2年間で自分なりに考え、切磋琢磨する手がかりにしてほしい。わしの方からは以上である」
この学院長の話を聞いて俺は、やっぱり歴史に名を残す人は言うことが違うなぁと感じた。そんなことを感じていると、入学式が終わった様だ。
「以上でトールズ士官学院第215回入学式を終了します。以降は指定されたクラスで、学院におけるカリキュラムや規則の説明を行います。それでは以上解散!」
疑問に思うことがあったので、近くの席にいたリィンに聞いてみることにした。
「なぁ、入学案内書に指定のクラスって書いてあったか?」
「いや、書いてなかったはずだ」
「ところで、隣にいる赤い髪の人は誰なんだ?」
すると、赤い髪の青年が自己紹介を始めた。
「僕は、エリオット。エリオット・クレイグだよ」
「俺は、アクロス・ローグレスだ。よろしくな」
お互いに自己紹介が終わったので、再びどうしようか相談しようとした時誰かの声が聞こえた。
「はいはーい、赤い制服の子たちは注目!」
声が聞こえたほうを向くと、なんか見覚えのある人がいた。といっても知り合いという訳ではない。あれ、どこで見たっけ?
「どうやら、クラスがわからなくて戸惑ってるみたいね。実は、ちょっと事情があってね。君たちにはこれから『特別オリエンテーリング』に参加して貰うから。まあ、まずわたしについて来て」
と言ったっきり女教官は、先に行ってしまった。
「なぁ、取り敢えずあの人について行った方が良くないか?リィン、エリオット」
「ああ、そうだな」
「ついて行ったら、特別オリエンテーリングについてもわかりそうだね」
エリオットの言う通り、特別オリエンテーリングのこと、この赤い制服のこと、この装置のこともあの先生について行ったらわかりそうだ。しばらく歩くと学院の裏手についた。そして、目の前には古い建物があった。
「随分と雰囲気が出てるじゃんこの建物」
「な、何かいかにも
「……そうだな」
「そう言えば、今建物に入っていった奴らも赤い制服だったな。今更だけど」
「本当に俺たち同じクラスなのかもしれないな」
そうして、僕たち3人は古い建物の内部に入っていった。
赤い制服に身を包んだ生徒たちが古い建物の中に入っていったころ、彼等を見守る様に見ている人がいた。
「ほっほう、あれが俺たちの後輩ってわけだな?」
「まあ、名目こそ違うが似た様なものだろうね。私たちの努力が報われたのならこんなに嬉しいことはない。1年間、地道に頑張った甲斐があるというものだよ」
「だよな〜……って、お前は努力なんてしてねえだろ。好き勝手やってただけじゃねえか」
「フッ、それは君も同じだろう。しかし、アリサ君といい、可愛い子ばかりで嬉しいな。これは是非ともお近づきにならないとね♡」
「へえ、知り合いでもいるのか?……じゃなくて、コナ掛けまくるんじゃねえよ!お前のせいでこの1年、どんだけの男子が寂しい思いをしたと思ってやがるんだ!?」
「……(フッ)」
「は、鼻で笑いやがったなぁ?」
その時、校門前で案内をしていた小柄な少女の声が聞こえてきた。
「もー、2人とも喧嘩しちゃダメじゃない」
どうやら太った青年も一緒にいるようだ。
「やあ、2人ともお疲れ」
「他のヒヨコどもは、一通り仕分け終わったみてーだな?」
「うん、みんなとっても良い顔してたかな。よーし!充実した学院生活が送れるようしっかりとサポートしなきゃ!」
「フフ、流石は会長殿」
「おーおー、張り切っちゃって」
「まあ、多少の助けが無いと最初のうちは厳しいだろうしね。……それでこちらの準備も一通り終わったみたいだね」
「ああ、教官の指示通りにね。しかし、何というか……彼等には同情を禁じえないな」
「ま、それは同感だぜ。本年度から発足する『訳アリ』の特別クラス……せいぜいお手並みを拝見するとしようかね」
アクロスたちは、先輩達のこのやり取りを知る由もない。