変の軌跡〜帝国の闇を一閃する獅子達〜(現在、戦姫絶唱シンフォギアの世界) 作:光三
アクロス達は、その後順調に旧校舎を進み、ついに終点まで辿りついた。
「ここって」
「……どうやらここが地上に通じる終点らしいな」
「ああ、陽も差し込んでいるし間違いないだろう」
「随分雰囲気が出てたわりには、大きなことは何もなかったな。どうだ、エマ。何かわかったか?」
「
「おかしいわね、下層に続く道がある筈なんだけど……」
「つまり、本来あるべき道がなくなっているということか?」
「ええ、そうとしか考えられないわ……」
「そうか……だったら今は、その時じゃないってことなのかもな?」
「フン、それにしてもとんだ茶番だったな。大帝ゆかりの士官学校と聞いたからどんな試練が待ち受けていると思ったが拍子抜けもいいところだ」
「ぐっ……君は」
「(最早、ここまでになるとギャグだな……)」
「そっ、そうかなぁ。結構無茶苦茶だと思うけど。……でもⅦ組か。一体どんなクラスなんだろうね?」
「そうだな……」
「身分や立場もバラバラ、一般人に留学生、魔女、年少者までいる……何か意図があるのか……?」
その時、僅かに旧校舎が振動した。
「「なんだ……?」」
「っ!あれだ……!」
ガイウスが、上の方を見て言った。なので、俺も見上げるとそこには石像があった。
「(ん?あれが何かあるのか?)」
「まさか、動き出すとか言わないでしょうね……」
「アリサ……そのまさかのようだ」
「あれは……!」
「な、何あれっ!?」
「古の伝承にある
「はわわわわわっ……!?」
「……帝国にはこんな化物が普通にいるのか?」
「少なくとも古い伝承の中だけだ!」
「くっ……いずれにせよ、こいつを何とかしない限り地上には戻れない……!みんな、何とか撃破しよう!」
「「「「「「「「「「おお!!」」」」」」」」」」
そうして、ガーゴイルとの戦闘が始まった。
「まずは、クラフト攻撃をするぞ!」
「わかった、アクロス。業炎撃」
「わかったわ、フランベルジュ」
「任せよ、鉄砕刃」
「いくよ、ブルーララバイ」
「アクロス、ダメージがあまり通ってないみたいだ!どうする?」
「だったら次は、アーツでの攻撃も加えろ!」
「任せてください、ソウルブラー」
「紅葉切り」
「任せるがいい、クイックスラスト」
「ニードルショット」
「ファイアボルト」
「エアストライク」
「くっそ、全く効いてねぇ!やっべぇ、自分の体力の無さを呪うぜ」
「任せて、私があいつを引きつける!アクロス、言ってる意味わかるよね?」
「ああ、わかってる。だがフィー、今度はお前が狙われまくるんだぞ!?」
「ん、心配無用。慣れてるから」
と言った瞬間にはフィーが、俺の目の前から消えてガーゴイルに接近していた。
「(速い!?)」
「クリアランス」
「(よし、今だ!ガーゴイルの後ろに回り込むっ!)」
アクロスは、ガーゴイルに気づかれることなく後ろに回り込むことに成功した。
「おりゃぁぁぁぁぁ!!」
アクロスは、両の手に持っている剣で斬りつけた。すると、ガーゴイルの体勢が若干崩れた。
「(みんな、今だ!)」
「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」
「勝機だ…!」
「ああ…!」
みんなで一斉攻撃を仕掛けた。
「(ラウラ、今だ。首を斬り落とせ!!)」
「!?……了解だ。はああああああっ!!」
ラウラがガーゴイルの首を斬り落としたことで、今度こそ動かなくなったようだ。そしてしばらくするとガーゴイルは消滅した。
「あ……」
「やった……!」
「よかった、これで……」
「ええ、でもあの消え方は……もしかして!!」
「セリーヌ、どうしたの?」
「いや、なんでもないわ」
「消えたということは、もう一安心のようだ」
その時、エリオットが言った。
「それにしても……最後のあれ、何だったのかな?」
「そういえば……何かに包まれていたような」
「何か全員光ってたぜ」
「それは、本当かアクロス!?」
「ああ、全員の思考が手に取るようにわかったぜ」
「もしかしたら、さっきのような力が………」
「そう、ARCUSの真価という訳ね」
「漸くの登場か、サラ教官」
「アクロスは、私みたいな大人な女性がタイプなのかな♡」
「この後に及んで、誤魔化す必要は無いですよ」
「何も誤魔化してなんかないわ〜アクロス♡」
「結社のことに関して、俺が知っている全てのことをみんなにはなしましたのでもう誤魔化す必要は無いですよ。サラ教官」
「はあぁぁぁ!結社についてはなしたぁぁぁ!?な、何やってんのよアンタは!!」
「その反応、やっぱりご存知だったんですね。結社『身喰らう蛇』について」
「ええ、アンタが第七柱を口説き落とした件については私の元職場の仲間内で情報が共有されてるわ」
「ま、まじかよ……」
アクロスは、ガックリと項垂れた。すると、Ⅶ組メンバー+1匹はアクロスに近づいてこう言った。
「「「「「「「「「ドンマイ、アクロス」」」」」」」」」
「お、お前ら。うるせえぇぇぇぇぇぇ!!」
「これにて入学式の特別オリエンテーリングは全て終了なんだけど……そんなに睨まないでよ君達」
「そ、それは睨みたくもなりますよ!!」
「正直、疑問と不信感しか湧いてこないんですが……」
「単刀直入に問おう。特科クラスⅦ組……一体何を目的としているんだ?」
「身分や出身に関係ないというのは確かにわかりましたけど……」
「何故我らが選ばれたのか結局のところ疑問ではあるな」
「(確かに、その通りだな。もしかして、貴族と平民の軋轢について考えさせる為……いや、違うな。それだけだと俺らである必要性はねぇよなぁ……となると残る可能性は……)」
「ふむ、そうね。君達がⅦ組に選ばれたのは色々な理由があるんだけど……一番わかりやすい理由はそのARCUSにあるわ」
「(やっぱそうだったかぁ〜)」
「この戦術オーブメントに……」
「エプスタイン財団とラインフォルト社が共同開発した最新鋭の戦術オーブメント。様々な魔法が使えたり通信機能を持ってたりと多彩な機能を秘めているけど……その真価は『戦術リンク』……君達が体験した現象にある」
「(あの現象に名前ついてたんだ)」
「『戦術リンク』……」
「さっき、みんながそれぞれ、繋がっていたような感覚……」
「ええ、例えば戦場においてそれがもたらす恩恵は絶大よ。どんな状況下でもお互いの行動を把握できて最大限に連携できる精鋭部隊……仮にそんな部隊が存在すればあらゆる作戦行動が可能になる。まさに戦場における『革命』といってもいいわね」
「ふむ、確かに……」
「……理想的かも」
「でも現時点で、ARCUSは個人的な適性に差があってね。新入生の中で、君達は特に高い適性を示したのよ。それが身分や出身に関わらず君達が選ばれた理由でもあるわ」
「なるほど……」
「な、なんて偶然だ……」
「さて、約束通り文句の方を受け付けてあげる」
「じゃあ、1ついいですか?サラ教官」
「何かな?第七柱を口説き落としたアクロスくん♡」
「ハァ、もういいですよ……」
「……ははは」
「事あるごとにこのネタでいじられそうだね、アクロス」
アクロスは、溜息をつきガックリとした。
「トールズ士官学院は、君達10名をARCUSの適合者として見出した。でもやる気のない者や気の進まない者に参加させる程予算に余裕はないわ。それと、本来所属するクラスよりも厳しいカリキュラムになるわ。それが嫌な人は、今すぐ言ってね。本来所属するクラスに行ってもらうから。これを聞いた上でⅦ組に参加するかどうか改めて聞かせてもらいましょうか?」
「リィン・シュバルツァー。参加させてもらいます」
「え……」
「リ、リィン……!?」
「一番乗りは君か。何か事情があるみたいね?」
「いえ、我侭を言って行かせてもらった学院です。自分を高められるのであればどんなクラスでも構いません」
「ふむ、なるほどね。わかったわリィン・シュバルツァー、Ⅶ組に参加決定よ。他にはいるかしら?」
「そういうことならば私も参加させてもらおう。元より修業中の身。此度のような試練は望むところだ」
「俺も同じく。異郷の地から訪れた以上、やり甲斐のある道を選びたい」
「ラウラ・S・アルゼイドとガイウス・ウォーゼル、Ⅶ組に参加決定よ。で、フィー。あんたはどうするの?」
「メンドイからサラが決めていいよ……」
「…………」
「ハァ、メンドイ。私がⅦ組に参加する理由は……アクロスの成長を近くで見たいから」
「お、俺!!」
「ん、そう。安心して、恋愛的な意味合いで言った訳じゃないから」
「あ、ああ。それはわかってるんだが……」
「あなたは、絶対強くなる」
「へえ、フィーにそこまで言わせるなんてあんた自分を誇っても良いわよ。そういえば、あんたここまで無傷だったのね。成る程……フィー・クラウゼルⅦ組に参加決定よ」
「サラ教官、フィーの知り合いだったのか?」
「ええ、前の職場の関係でちょっとね」
「私も参加させて下さい。奨学金を頂いている身分ですし、少しでも協力させてもらえればと思っています。そして、何よりも私には魔女としての使命があります。Ⅶ組にいれば旧校舎にも行きやすいでしょうし……」
「魔女の使命か、正直わからないことだらけだけど……わかったわ。エマ・ミルスティンⅦ組に参加決定よ」
「ぼ、僕も参加します。これも縁だと思うし、みんなとも上手くやっていけそうな気がするから」
「エリオット・クレイグⅦ組に参加決定よ」
「私も参加します」
「あら、意外ね。てっきりあなたは、反発するかと思ってたけど……」
「……確かに、テスト段階のARCUSが使われているのは個人的には気になりますけど……この程度で腹を立ててたらきりがありませんから。そ、それに……こ、このクラスには………」
「ふふ、もういいわ。アリサ・ラインフォルトⅦ組に参加決定よ。で、あんたら2人はどうするの?」
「…………」
「…………」
「まあ、色々あるんだろうけど深く考えなくてもいいんじゃない?」
「サラ教官お言葉ですが、帝国には強固な身分制度があり明らかな搾取の構造があります!その問題を解決しない限り、帝国に未来はありません」
「うーん……」
「……ならば、話は早い。ユーシス・アルバレア。Ⅶ組への参加を宣言する」
「(なるほどな、ユーシスの奴そうきたか!)」
「な、何故だ……!?君のような大貴族の子息が平民と同じクラスに入るなんて我慢出来ないはずだろう!?」
「勝手に決めつけるな。アルバレア家からしてみれば他の貴族も平民も同じようなもの。勘違いした取り巻きに纏わりつかれる心配も無いし、むしろ好都合というものだろう」
「〜〜〜っ〜〜〜」
「かといって無用に吠える犬を側に置いておく趣味もない……ならばここで袂を分かつのが互いの為だと思うが、どうだ?」
「だ、誰が君のような傲岸不遜な輩の指図を聞くものか!マキアス・レーグニッツ!特科クラスⅦ組に参加する!古ぼけた特権にしがみつく、時代から取り残された貴族風情にどちらが上か思い知らせてやる!」
「フッ、面白い。マキアス・レーグニッツ!」
「はいはい、ユーシス・アルバレアとマキアス・レーグニッツⅦ組に参加決定よ」
「アクロス・ローグレス、特科クラスⅦ組に参加させていただきます宜しくおねがいします。サラ教官」
「……一応、理由を聞かせてくれるかしら」
「はい、俺はそんなに強くありません。それこそ、俺とアリスの実力は天と地の差でかけ離れています。でも!そんな、底辺の俺を見捨てずに強くなるって言ってくれた!俺は、どこかで焦ってたんだ……でも、俺は決めたんだ。もう逃げない!必ず強くなってアリスのこと守るってな!」
「そう、覚悟を決めてるのね。わかったわアクロス・ローグレスⅦ組に参加決定よ。これで10名……全員参加ってことね。それでは、この場をもって特科クラスⅦ組の発足を宣言する。この1年、ビシバシしごいてあげるから楽しみにしてなさい!」
この様子を見ている者達がいた。1人は学院長で、もう1人は金髪の男だ。
「やれやれ、まさかここまで異色の顔触れが集まるとはのう。これは色々と大変かもしれん」
「フフ、確かに。……ですがこれも女神の巡り合わせというものでしょう」
「ほう?」
「ひょっとすると、彼らが『光』となるかもしれません。動乱の足音が聞こえるこの帝国において対立を乗り越えられる唯一の光に……」
「なるほどな……」
「それにしても、あの男子生徒は面白い。何せ、かの聖女殿のハートを射止めたのだからね」
「ところで、オリヴァルト皇子。何か話があるとか言っておったがなにかな?」
「その、実は……………」
「!?……これは、本当のことなのか?」
「何か、確証があるわけではありませんが……しかし、そうだとすれば辻褄は合うんですよ。これまでの結社の動きに……」
「そのことに加え、君には
「わかっています。ありがとうございます」