【記憶】
それは思い出であり、過去であり、誰もが持っているものである
なら【前世の】記憶は誰もが持っているものだろうか
答えはノーだ
前世の記憶を持っているなんて普通ならありえない
もし持っているとすれば特異者、異能力者なんてものだろう
ではテレビでよく見る特異者や異能力者は本当に力があるのだろうか
信じる信じないに関係なく我々と同じ人間であることは何ら変わりはないのである
鈴音√-
「真司は将来やりたいこととかって決まってるの?」
俺の彼女である鈴音が問う
鈴音とは小学校からの付き合いでかれこれ十年目である
「将来かー考えてないな・・・いい職ある?」
「何よそれ(笑)。私はね、お医者さんになりたいの」
「看護師じゃなくてか?」
「うん。お医者さんになるために高校卒業したら大学院に通うんだ」
「そっか。かっこいいな!俺は頭が悪くてもなれる職がいいなぁ」
「ん~頭を使わないか・・・真司の好きな写真とかは?風景写真とかよく撮ってるよね」
「それもありだな~頭を使わない職でもないんだけどな」
「でも得意分野なら勝負できるんじゃない?」
「そうだな・・・考えてみるよ」
俺は写真を撮ることが好きだった
目で見たものをそのまま絵にしたように保存できることが好きで写真を撮り始めた俺はいつしかカメラに夢中になっていた
しかし、職業として頑張れるかは微妙なラインだ
「ただいま。お父さん」
「遅かったな。鈴音ちゃんとデートでもしてたんか?」
「茶化すなよ。ご飯は?」
「もう出来るぞ、先に風呂沸かしてくれ」
家に帰った真司は父親と何気ない会話を交わし風呂場へやってきた
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彩花√-
「ねえ彩花。お風呂沸かしてきてくれない?」
「はーい、じゃあ明日はお兄ちゃんだね!」
「お前なぁ~お兄様はお受験なんだぞ?」
現在高校三年生である芳弘は大学受験の時期であり、彩花も高校二年生になろうとしていた
「芳弘。センター試験の会場までどうやって行くんだ」
「それなんだよ父さん。良かったら送ってくれない?」
「わかった。しっかり合格貰えるようにな」
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鈴音√-
「ねえ鈴音。前言ってた大学院だけど」
「・・・」
「鈴音?」
「あ、ごめん」
(夢じゃない・・・やっぱり前世の記憶なんだ・・・私これからどうなったんだろ)
「最近多いわね。病院で見てもらう?」
「病院行くほどじゃないよ!ほら元気!」
「ならいいんだけど・・・心配ねぇ」
鈴音の前世は幸せな日々を送っていた
夢の中や、時々ぼーっとする時に記憶が蘇っていた。まるで魅せるかのように
「医療大学だよね」
「そうなのよ。あなたの成績じゃいけるとは思うんだけど医療の知識は私もお父さんもないからどうだろうって」
「参考書も読んでるし模試の結果も良好だから大丈夫だと思うんだけど・・・とにかく学費で出してくれたお金は働いて返すね!」
「あら嬉しいことを言ってくれるじゃない。ゆっくりでいいのよ?」
「そうは言ってられないよ!私も一人前の女になって認めてもらうんだから!」
「じゃあ期待させてもらうわね(笑)」
娘の頑張りを応援できることで鈴音の母親は満足げに微笑んだ
「ところでお母さん。私ってお兄ちゃんがいたってことないよね」
そんな時に鈴音は前世で出てきた自分の兄の存在を聞いてみた。どうしても確認を取っておきたかったのだ
「いないわよそんなの(笑)。私とお父さんの間は鈴音、あなただけよ?」
「そっか・・・だよね(笑)」
「何を言ってるのかしら。困った娘だわ~」
実際に兄など存在しない
そんなことはわかっていながらも時折来る兄を含めた家族との記憶。前世との共通点などを確認するとすればまずは兄の存在について調べようと鈴音は動いた
「明日良かったらでかけない?」
「それってデート?」
「うん。そのつもりだよ」
(うおおおおおおお。言っちゃったよこれ。言っちゃいましたよどうしよう)
「どこに連れていってくれるの?」
(デートって初めてだよね。誘われちゃったどうしよう)
「えっと・・・映画に行ってから本屋で買いたいやつあるから買って、後は服とか見たり?」
「わかった!どんな映画みる?」
「そうだな~恋愛映画。なんてどうかな」
(どんな映画って・・・ジャンルなんか恋愛系に決まってるだろ!見たことないけど)
「いいね!エスコート期待してるね」
(ジャンル聞いてみたけどやっぱり恋愛映画だよね・・・私普段見ないけど理解できなかったらどうしよう・・・いや、思い出になるならそれでもいいかな)
明日デートの約束をした真司と鈴音はお互い初めてのデートのせいかなかなか寝付けなかった
「楽しみだな~」
(まだ電話していたかったな・・・でも遅いし仕方ないか。それに早く寝ないとな)
「楽しみ~」
(真司が男の子らしくなってるし期待しちゃうよこんなの・・・ずっと一緒にいたいな)
「やっべえ!ぎりぎりだっ」
「何がぎりぎりよ!こういうのは男の子が最初に来ておくものなの!」
(とは言ったものの私もなかなか寝付けなくて遅れそうになっちゃったんだよね・・・)
「ごめん!じゃあ早速映画見に行こうか」
(うわーいきなりかっこわるいな僕は・・・でもまだ始まったばかりだ、今日一日頑張ろう)
二人は見る映画を決め、劇場へ足を運んだ
「なぁ。ずっとそばにいてくれよ」
「うん・・・私を、お嫁さんにしてください」
(大胆だなーこんな感じなのか・・・)
(な、なにこれ広告とちょっと違うような・・・いやいやあってる!恥ずかしい・・・真司はどう見てるんだろ・・・)
(俺も鈴音とラブラブになれるかなあ)
(めっちゃニヤけてる!こいつめっちゃニヤけてる!!)
「ん?鈴音?」
「なっなんでもない!!」
映画はクライマックスになり主人公がヒロインにプロポーズをした
しかし真司は憧れの目線を向けていたが鈴音はそんな真司を見ていると集中できなかった
「最後よかったね。ハッピーエンドになれて何よりだよ」
映画館からでた真司は背伸びをしながら映画の感想を言った
「う、うん!よかった・・・」
(なんか最後見逃しちゃったよ・・・真司が変な顔しながら見てるから気になっちゃった・・・)
「時間も時間だしお昼にしようか」
「そうだね。和食がいい!」
「となると適当な定食屋さんに入るか」
「あそこ新しく出来たらしいよ?」
「ほんとだ、壁が真新しいや。じゃあそこにしよう」
真司と鈴音は映画を見た後昼食をとり、本屋、服屋を見て回った
「今日は楽しかったな・・・なんだよ真司のやつ。結構やるじゃん」
家に帰った鈴音は今日一日を振り返っていた
「真司の彼女になれてよかった。これからも一緒にいたいな・・・」
高校に入学すると同時に日記を書き始めた鈴音は今日のことを忘れないうちにノートに綴った
ー今日は初めてのデートだった。最初は大丈夫かと心配だったけど真司がうまくエスコートしてくれて楽しかった!
またデートできるかな・・・私を誘ってくれるかな。待ってるよ真司。ー
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彩花√-
「なあ彩花。この日みんなで遊園地行かないか?」
「え!行く!!」
「即答だな(笑)」
「だって遊園地でしょ?行きたいもん!」
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鈴音√-
「鈴音!お風呂湧いてるわよ?」
「ん、うん・・・」
余韻に浸っている鈴音はいつしか前世の記憶を見ていた
「遊園地・・・あそこは・・・どこだろ・・・」
「今日は上手くいったかなあ。鈴音のやつはしゃいで服選んでたな・・・僕も楽しかったし鈴音も楽しかったのかな」
家に帰った真司はリビングでテレビを見ながら今日のことを思い出してはニヤけていた
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