もし緑谷出久にミギーが付いたら   作:破邪矢

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皆さんどうも破邪矢です

まず最初に謝罪がございます
活動報告で「第一話しか書かない」と堂々と宣言しましたが
話が長くなり分割したほうが読みやすいと思ったので
取りあえず2話まで書くことにいたしました
毎回 有言実行することができず申し訳ありません

それでは本編をどうぞ


侵入

事の始まりは中国 軽慶(けいけい)市「発光する赤児」が産まれたニュースだった

その後 世界中で「超常」を持った者が確認され 原因も判然としないまま時は流れた

いつしか「超常」は 「日常」に__「架空(ゆめ)」は「現実」に

 

そして現代 世界総人口の約8割が何らかの “特異体質”=“個性”を持つ超人社会となり

その“個性”を悪用する(ヴィラン)

(ヴィラン)の脅威から“個性”を用いて人々を救う仕事『ヒーロー』が生まれ脚光を浴びていた

 

 

 

 

 

___見えるか‼? もう100人は救い出してる‼ やべえって‼ まだ10分も経ってねーーーって‼ やべーって!!!めちゃ笑ってんよ!!!」

 

HA HA HA HA もう大丈夫! 何故って!? 私が来た!!!

 

物心ついたころから見続けている 憧れのヒーローの動画

何千 何万回も見たけど 毎日の習慣のように見ている

彼のようになりたいと思いながら

 

「今年で中学に上がって‥‥ もう8年か」

 

通常 個性の発現は4歳までと言われている

8年前 4度目の誕生日を迎えた僕__緑谷(みどりや)出久(いずく)は“個性”が発現しなかった

僕は憧れのヒーローと違い“個性”が無い 世界でも2割の“無個性”の人間だった

人は生まれながらに平等じゃない これが齢4歳にして知った社会の現実

 

「三年後に雄英(ゆうえい)入れてるかな僕」

 

国立雄英高校

 

例年 偏差値は75を超え倍率は300倍 その人気の理由は 多くのトップヒーロー__無論 緑谷憧れのヒーローも輩出したヒーローになるための学科

すなわちヒーロー科があるからであった

 

緑谷はヒーローなることを諦めていなかった 8年前のあの日を最初で最後の挫折にするためにも

 

 

 

 

 

短針は11を超え あたりも静まった頃

 

「もう遅いから寝よ あれ?」

 

何気なく見た窓の外に ()()()がゆっくりと落ちていった

 

「雪じゃないよね?今4月だし」

 

窓を開けて手に取って見てみると

()()は テニスボールぐらいで 緑色の細菌を拡大したようだった

 

「どう考えても自然にできたんじゃなくて 誰かの“個性”で作られもの まさか(ヴィラン)?」

 

ひとまず警察に電話しようと思い ソレを机に置いたその瞬間

 

パクンッ ニュル

 

ソレは 中から刃物で切ったかのように静かに開き

トロリとした液体と共に 小さなヘビのような生物が出てきた

 

ウヲァォァーーーー

 

奇声を上げながら尻餅をつき壁まで後ずさりした緑谷

 

「びっくりした~ ヘビみたいっだたけど 生物を作る“個性”何て聞いたことないぞ…」

 

などと色々考えている間に ソノ生物は机の端まで移動し

彼の頭に飛び乗り 耳から体内への侵入を試みる

 

「まだ机の上に居るのかなぁ」

 

机の上を恐る恐る確かめる一方

耳からの侵入をイヤホンに邪魔されたソノ生物は 鼻の方へ移動していた

 

「ヘクチッ」

 

緑谷はくしゃみをしたことにより ようやくソノ生物が 自分の体についていたことに気づく

 

「いつの間に!? 何でッ!」

 

そしてソノ生物は 尖った部分をドリルのように回転させ 緑谷の右腕に潜り込む

 

「いでっ‼ も‥‥もぐりこんだ!?!?」

 

ズズズズ

 

不自然な膨らみが気味の悪い感覚と共に皮膚の下を頭めがけて突き進む

 

「ヒィィィィィィ~~

 

奇声を上げつつも 耳につけていたイヤホンのコードを腕にぐるぐる巻き 懸命に抵抗する

 

「ぐぐぅぅ~~~ んぎぃ~~~‼」

 

「出久!どうしたの出久?」

 

かっ かふけけ~~~(たっ 助けてーーー)

 

左手と口でキツく腕を縛る息子を見て 駆けつけた母親 緑谷インコは一瞬思考が停止する

 

「ちょっと‥‥腕なんか縛ってどうしたの?」

 

「ほどいちゃダメッ ヘビ!ヘビが穴あけて腕に入って来た」

 

「ホント!? 腕みせて」

 

慌てて息子の腕を取り隅々まで確認する

 

「こんなにキツく縛って血が止まったらどうするの…… でも 入ったにしては穴が見当たらないよ」

 

「うそッ 確かに入ってきたはずなのに‥‥」

 

「寝ぼけてたんじゃないの?何もなくて良かったけど 明日になっても違和感があるなら病院つれていってあげるから 早く寝なさい」

 

「うん 分かった ごめん……」

 

 

 

 

 

 

ピピピピッ ピピピピッ ピッ__

 

「ふぁ~ はぅぁ 腕はちょっとしびれるけど 夢‥‥じゃないよな」

 

ならば昨日の出来事は何だったのか

 

「とりあえず着替えるか あれ?」

 

全く身に覚えが無いが 床に本が散乱していた

 

「何でだろう…… 気味が悪いな」

 

昨晩母に言われた通り 疲れているのかもしれない

だが‥‥

 

「たまごの (から)?」

 

机の上にいまだ存在する 乾燥しきった殻が 昨晩の記憶の一部は本物であることを物語っていた

 

「腕以外特に異常はないし まさか急に“個性”が発動する‥‥訳ないか」

 

もし昨日の記憶が本物であるなら 一種の“個性”を手に入れた気がした出久だった

 

 

 

 

 

朝食は サラダとベーコンを添えた目玉焼きだった

 

「お母さん おかわり」

 

「出久珍しいねぇ あんた朝おかわりなんていつもはのしないのに」

 

確かに普段ならほとんどしない

 

「何でだろう? なんかお腹すいてる感じが…」

 

「出久は体が細いから たくさん食べて母さん嬉しいけど」

 

「‥‥ごめん」

 

「謝らなくてもいいわよ 行ってらっしゃい 気を付けてね」

 

「うん 行ってきます」

 

 

 

 

 

学校に向かう間も出久は昨晩の事が気になっていた

 

「何だったんだろう?体に異変は無いし そもそもアレは何だったんだ?誰かの“個性”‥‥ダメだ分からない 何にしてもやっぱり警察に話した方がいいのかな‥‥ブツブツブツブツブツブツ‥‥

 

失敗した‥‥

        残念だ‥‥

 

「今何か声が 気のせいか?」

 

    残念だ‥‥

         「オイ デク」

               失敗した‥‥

 

(気のせいじゃない 何処から?)

 

声の主を見つけようと耳を澄ませた途端

 

「オイ デク!!!」

 

「うわああ‼ かっちゃん」

 

「俺が歩くのジャマすんな ドケ

 

彼の名前は爆豪(ばくごう)勝己(かつき) 緑谷出久の幼馴染であり“個性”は“爆破”

 

「ジャマをしようとしてる訳じゃ……ないんだけど」

 

「何だ デク テメェェェ」

 

爆豪は右手を振りかぶり緑谷に殴り掛かっ‥‥る事は無かった いや正確に言えば出来なかった

 

「オィ デク」

 

「何? かっちゃん」

 

「俺をバカにしてんのか」

 

「‥‥ごめん 何の事?」

 

「じゃぁナンなんだよ この右手はぁ~」

 

「エッ?」

 

恐る恐る目を開けてみると爆豪の右手を緑谷の右手が受け止めていた

 

「えッ エっ何で?」

 

「ぶっ殺す!!」

 

「ヒィィィィィィ~~」

 

緑谷は脱兎のごとく走り出し爆豪の元から逃げ出した

 

「ハァ ハァ 何なんだ一体 昨日から色々変だぞ」

 

夢でも見ているのかと思い 自分の頬をつねってみるが

 

「イタッ 夢じゃないんだよな」

 

ただ痛いだけである

 

「そう言えば ここ何処だろう?」

 

爆豪から逃げたときに道を確認していなかった

 

「知ってるとこの近くなんだろうけど‥‥スマホで調べるか」

 

スマホを取り出し周辺に 目印になる様な建物があるか見渡すと

 

横断歩道に()()()()()()()()()()()()()が 目に留まり

次いで ()()()()()()()()()()が目に入った

 

「・・・・・・!!!!」

 

理屈ではない ()()()() ()()()()

 

考えるより先に 体が動いた

 

漫画であれば ここでカッコよく子供を助けるだろうが

現実はそう上手く行くようにできてない

横断歩道にたどり着き 男の子を抱きかかえた瞬間

目の前に迫った車への恐怖で 彼の体は硬直した

 

ギキィィィッーー

 

車の運転者がようやく気づき ブレーキを踏む

しかし どう考えても止まることが出来る速度では無かった

 

(あぁ ダメだ 僕 死ぬんだ‥‥)

 

緑谷は自らの死を予感したが その予感は唐突な浮遊感で掻き消え

 

「ぇ」

 

右肩と背中に激痛が駆け巡ることにより復活した

 

バゴゥッ

 

「ッッ‼ ヱ"ハァッ」

 

緑谷の体はボンネットを凹ませていた

 

(何で 生きているんだ? 僕)

 

理由を求め ふと右手を見てみると 手の甲に目玉が出現し 指が金属のようになっていた

 

(へ?)

 

もう一度見てみると 右手は元に戻っていた

 

「今こっちの方から凄いブレーキ音がしたが‥‥ 大丈夫ですかー」

 

偶然近くをパトロール中だったヒーロー『デステゴロ』

事故車を見つけ確認に近寄る

 

「少年よ大丈夫か? 怪我は無いか?」

 

痛みで喋ることの出来ない緑谷は身動きで男の子の存在を伝える

 

「君が助けたのか? スゴイな」

 

「__スミマセンッ この近くで灰色半袖を着た男の子を見ませんでしたか?」

 

男の子の母親が事故に気付き 血相を変えて周辺の人々に聞いていた

 

「そこの奥さん 男の子は無事です 彼が助けてくれました」

 

「ありがとうございます 何とお礼を言ったらいいか‥‥」

 

「お礼は私ではなく彼に それと奥さん これは交通事故になるので警察に連絡します 恐らく事情聴取を行うので 搬送された後 警察が来るまでその病院にいてください」

 

「はい 分かりました」

 

その後 救急車が到着し 緑谷と男の子は搬送された

 

 

 

 

 

「今回は助かったからよかったけど 今度から無茶はしちゃだめだぞ」

 

「はい すみませんでした‥‥」

 

「母さんも心配したのよ」

 

「ごめんさなさい‥‥」

 

その後の警察の取り調べで“無個性”だとばれるともの凄く怒られた

時刻は午前12時で 学校に行けなくもなかったが 大事を取って自宅に帰ることにした

 

「出久は自分の部屋で休んでなさい」

 

「はい」

 

自身の部屋に戻り鍵とカーテンを閉めた緑谷

 

「僕の右手じゃないのか?」

 

今回の事故で 自分の右手に何かが起きた事を理解した

 

「どうやって確かめれば‥‥」

 

考えてみれば 爆豪も今回の事故も 右手は緑谷の体を守るかのようだった

 

「だったら」

 

右手を高く上げ 机の角に向かって振り下ろす

 

「痛く 無い」

 

しかし右手は直角に凹んでいる

 

「感覚が‥‥消えてる」

 

クイ

 

「あっ」

 

パクッ

 

「ああっ あっ」

 

中指と人差し指の間が徐々に割れて口に 中指と薬指が目に そして人差し指と小指が手に変化し

 

「ザンネン‥‥ダ‥‥オレ‥‥ミギテ‥‥シッパイ」

 

彼の右手は喋り出した

 

「僕の‥‥右手は?」

 

「クッ‥‥チマッタ‥‥ヨゥ」

 

「うそ でしょ」

 

あまりの出来ごとに思考が追い付かない出久

 

「コトバ‥‥マダスコシ‥‥デキナイ‥‥オシエテ‥‥イズク」

 

「君は何なんだ」

 

「ツカレタ‥‥ネムイ」

 

「ちょっと待って 聞きたい事がたくさんあるんだ」

 

右手はゆっくりとごく普通の姿に戻っていき

 

「ねぇ ねぇってば!!」

 

必至の問いかけも虚しく ただの右手に戻った

 

「出久~ どうしたの? ねぇ 出久~」

 

来ないで! ‥‥何でもないよ 大丈夫だから」

 

「‥‥そう 何かあったら言ってね」

 

「うん‥‥」

 

カタカタ カタカタ

 

「ダメだ それらしき情報が無い」

 

考えられる限りのキーワードでパソコンで調べてみたが 全くヒットしなかった

 

「僕みたいな目にあった人は居ないっていうことか‥‥」

 

出久は 何とも言えない孤独感とほのかな優越感を感じた

 

 

 

たいした情報が見つからないまま夕方を迎え 夕飯のカレーを食べた

 

「もう体は大丈夫なの? 出久」

 

「痛みはするけど 大丈夫だよ おかわり」

 

「食欲があるなら大丈夫みたいだけど 今日は早く寝るのよ」

 

言われた通り部屋に戻りベットに横になった出久

 

「右手の事はお母さんには‥‥いや こんなこと誰にも言えない」

 

それに 自分でもまだよく分かってないのに 説明のしようがない

 

「警察に言ったら病院で色々検査されて騒ぎになるだろうし どうすればいいんだろう‥‥」

 

 

 

 

 

静岡県あたりの某所

 

「アイツ‥‥デク 緑谷出久だよな」

 

放射状に金髪な少年は一人呟いた

 

 




如何だったでしょうか?

題名などから 分かった方はいらっしゃるかと思いますが
今回の話の流れは ほとんど寄生獣になっております
次の話でようやくヒロアカっぽい話の流れになる予定です(あくまでも予定)

最後まで読んで下さった方々ありがとうございました
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