それではどうぞ…
「ただいま帰りました」
今私がここ、『大老殿』に居るのは『未知の樹海』から帰ってきて成果を伝えるためだ。
「無事でなりより、してどうじゃった?」
「はい、大長老の言っていたとおり漆黒の鱗に包まれた龍がいました。そして新たな情報があります。」
「その情報とはなんじゃ」
「白銀色の髪に深紅の瞳の少女が龍と共にいました」
「なっ、なんじゃとっ!それは本当かっ!」
大長老が勢いよく立ち上がる。
「落ち着いてくださいっ!お体に触ります!」
「おっと、すまんな…。それにしても…」
「何かあるのですか?」
「そうじゃな…エマ。お前には話しておこう。エマは昔とある神話を耳にしたことはあるか?『第一の龍』、『第二の龍』、『第三の龍』が出て来る神話を」
「はい、聞いたことがあります。」
この神話はごく一部の者しか知らない神話だ。
「その神話の一部に『第一の龍、第二の龍から産まれし龍、その力を持って少女を守る。その少女が姿を消せばその龍、暴れ狂い、この世滅びる』とあるじゃろ」
「ってことは、まさかっ!でも神話の中の話であってっ!」
「そうじゃ、だが第一の龍と第二の龍がもし【魂喰龍】と【時空龍】だったらどうじゃ?【魂喰龍】は魂を司る龍。【時空龍】は自分と相手の時間を司る龍。つい最近まであの二匹は人間で言う夫婦だったはずじゃ。そこから生まれたあの龍は…」
大長老は黙り込んでしまう。私も話を聞いただけでは断言できない。だかがそれがもし事実だったらと考えてしまうとゾッとする。
「その少女については何も分かっておらん。念の為古龍観測隊に調査をしてもらっているがそなたがあってから見つからないらしいのじゃ」
「そうですか…。少し考え過ぎかもしれませんがあの男が気付いていたらどうしますか?」
「…早急に対処しなければいけないのぉ。じゃが恐らくあやつも気づいとらんだろう。」
「そうだといいんですが…」
男とは『マネルガー』。人工的な改造をモンスターに施す博士。マネルガーがあの龍の存在を気づけばこの世界は危ない。
「おっと、もうこんな時間じゃな、話し込んでしまってすまなかったのぉ」
「気にしないでくださいして。それでは失礼します」
そう言って私は大長老のいる部屋を後にした。
***
「おーい、エマーッ!」
後ろから元気な声が響き渡る。
「お久しぶりですね。アリス」
「ホントだよー!一ヶ月ぶりだよ〜。」
頬を膨らませるアリス。
「あのね、エマ。私G級ハンターになったの!」
「凄いですね!これで私と同じですね」
「それでね、私大長老様にエマと同じパーティーに入れって言われたのっ!」
「そうなんですかっ!私、嬉しいです!」
私達は笑顔で話をする。
「私のパーティー男性しかいないので…」
「えっ?そうだったの?」
「そうですよ…、あとで挨拶代わりに会いに行きますか?」
「うんっ!会いに行くっ!」
元気そうに言うアリスを二人のもとへ案内する。
***
「よぉ、エマ」
「話が終わったんですね。エマさん」
二人の視界に入った途端に話しかけられる。
「終わりましたね。アリス、あそこの太刀使いがバンです。そして奥の弓使いがノアです」
「どうも、初めまして!私『アリス』と言います。今日から皆さんのパーティーに入ることになったのでよろしくお願いします!」
「あぁ、宜しくな」
「よろしくお願いします!」
バンは有名な太刀使いで、一人で古龍を七体倒している。ノアはあまり名前が知られていないが人外レベルに近い実力を持つ弓使い。古龍は五体狩っていたはず。そして私は片手剣を使っている。一応私は古龍は十体狩っている。アリスは最近まで上位ハンターだったが最近になってG級ハンターに昇格した。アリスは双剣使いの上位ハンターのとき特例で古龍を狩れたらしい。その為一人で古龍を五体狩ったことが有名になっている。
「エマー!一緒に飲もうよ!」
「わっ!ちょっとアリスー!」
そして私達はアリス歓迎会を名目に朝まで飲み明かした。
***
大老殿にて大長老は一匹の龍に頭を悩ませていた所に一人の部下が走り込んできた。
「大長老、例の古龍が出現したようですっ!」
「それは本当かっ!」
「はいっ!『未知の樹海』の奥地にて発見したようです!」
「今すぐエマ達のパーティーを向かわせるのじゃっ!」
「分かりましたっ!」
そして部下は去っていった。
「この先どうなるのかのぉ…」
***
私達のパーティーは深夜に呼び出され、飛行船に乗り込んだ。
「エマ、あのときの龍か?」
「その『龍』って何?」
「アリスはいませんでしたね。龍って言うのは私達が前に『未知の樹海』に行ったときにあった龍のことです」
「エマ、答えてくれ…」
「すみません。多分あのときの龍ですね。」
私は内心あの少女は居るのか気になっていた。どこからともなく【魂喰龍】と【時空龍】の気配を感じる龍と居たのだ。もしかしたらあの娘は…。
「エマ、どうかした?」
「あっ、すいません。考え事してました。」
不思議そうに聞いてくるアリスに返答する。
「着いたぞ」
バンが私達に教えてくれる。私達は飛龍船から降り、龍が見つかった場所へ向かう。しばらく進むとリオレイアの残骸があった場所についた。するとそこに…
「もう寝ちまったか…」
夜の未知の樹海、月の灯に照らされた湖の小島。そこには黒髪の少女が白髪の少女に膝枕をして寝かしている。よく見ると白髪の少女は龍と一緒にいた娘だった。黒髪の少女は何処か寂しげに白髪の少女の頭を撫でている。目元には月明かりに照らされ輝く涙の粒。
「…あの子達誰?保護しないと危ないよ?」
何も知らないアリスが言う。
「静かにしろっ!」
バンの声が樹海に響き渡る。その声に気付いたのか私達に目線を向ける。
「失せろ…」
背筋に悪寒が走る。黒髪の少女から例の龍の気配を感じる。
「おい…あいつ…」
バンも気付いていたようだ。アリスは恐怖心に身を動かせないでいる。ノアは黒髪の少女を見つめている。
「どうする…エマ」
バンが問いかけてくる。
「少し待っていて下さい」
そう言って私は黒髪の少女のもとへ足を進める。
「近づくな」
睨まれるが気にせず進む。そしてすぐ側まで来た。
「来るなと言ってるだろ」
その声が聞こえたのか白髪の少女が目を覚ます。
「兄…さん…?」
「起きちまったか、ごめんな」
そして黒髪の少女はさっきよりもきつい目付きで睨んでくる。
「今すぐここを立ち去れ」
どうだったでしょか?
今回はハンター目線で書かせていただきました。
一応ヒロイン(エマ)目線ですね。コレから先、エマとリザが…ゲフンゲフン。
今回出てきたG級ハンター四人組とマネルガーはストーリでよく出てくると思います。
次の話も楽しみにしてくださいね!
それでは…
[ハンター紹介]
1.名前…エマ
武器…片手剣『祀導神器【封解】』
2.名前…バン
武器…太刀『絶衝虎刃【餓王】』
3.名前…ノア
武器…弓『真.狼牙弓【滅罪】
4.名前…アリス
武器…双剣『祭囃子・晴嵐ノ調』