それではどうぞ!
「兄さん、この後どうしますか?」
「リザに任せるけど」
俺たちはハンターから離れた上空にいた。
「兄さんの産まれた所に行ってもいいですか?」
「真逆の方向だぞ?」
「言ってみたいんです!」
「まぁいいけど」
俺はエマが落ちない速度で湖の小島に向かう。
「やっと着いたな」
「もう夕方ですね」
「それにしても夕日が綺麗だな」
「そうですね」
今の時間帯はとても夕日が湖に反射してとても幻想的だ。
「兄さん、眠いです…」
半分寝たような表情で訴えかけられる。
「寝るか?」
「兄さん、擬人化して下さい…」
「いいけど…初めて擬人化した時みたいなことするなよ…」
「分かってます…」
俺は擬人化していく。どんどんと体が変形していき人の体になる。
「膝枕して下さい…」
「いいけど…」
俺は了承し、正座する。そこにリザが寝転がってくる。
「おやすみなさい…」
「おやすみ…」
「…すぅ…すぅ…」
「もう寝ちまったか」
微笑みながらリザの頭を撫でる。俺はリザを守れなかったのにこんなにも信用してくれるのだ。
(ごめんな…)
情けない気持ちで一杯になる自分。俺は思わず涙を零してしまう。
「静かにしろっ!」
男の声が響き渡る。俺は咄嗟に声の聞こえた方向に視線を送る。
「失せろ…」
リザに危害を加えるなら容赦はしない。睨み付けると怯えた子鹿のよう姿になる。だがその中の一人がこちらに歩を進めてくる。
「近づくな」
忠告するが近づいてくる。
「来るなといっているだろ」
するとリザが俺の声に気付いたのか目を覚まし、体を起こす。
「兄…さん…?」
「起きちまったか、ごめんな」
俺たちに関わらないでほしという意思を込めながら先程よりもきつい目つきで睨めつける。
「今すぐにここを立ちされ」
俺は声を荒げ言う。すると歩み寄ってきて俺を抱きしめてきた。
「っ?!やめっごふっ!」
「何を泣いていたんですか?」
「っぷはっ!はっ、離れろっ!」
「兄さんっ!大丈夫ですか?」
リザが声を掛けられる。
「お前…殺すぞ?」
「いきなりすいません…」
「兄さんに何するんですかっ!離れてくださいっ!」
***
「アリス…あいつ何やってんだ?」
「昔から少しおかしな所はあったけど…」
「エマが…おかしい」
三人はあの光景を見て唖然としていた…
***
「擬人化解除っ!」
そう言うと俺の体はどんどんともとの身体に戻っていく。
「えッ!?どうして人間だったはずなのにっ…」
「グルルル…!」
「兄さん、落ち着いてください!」
(こいつ等、武器を持ってやがる。なにかする気だろ)
「それは知っています。それともとに戻ってください。今の状態では敵意があると思われてしまいます」
そう言われ俺はさっきの姿に戻る。戻っている最中に俺に抱きついてきた奴の元へリザが向かい、話をしている。
「そいつ等信頼できるのか?」
「心配しないで下さい」
そう言い切られた。
(まぁ、リザが言うなら大丈夫だろ)
***
私は兄さんを宥め、兄さんに抱きついた女の子の場所に向かう。そして私は女の子になぜここに来たのかを聞くために喋り掛ける。
「私はリザと申します、私達に何か用があるのですか?何か用が有るなら武器を置いて下さいね」
「分かりました。そう言えば自己紹介がまだでしたね。私はエマといいます。以後お見知りおきを。それでは本題に移ります。私達はギルドから派遣されて来たハンターのものです。そしてあなた達を調査しに来ました。」
「だから来たのか」
いつの間にか隣に兄さんがいた。その容姿は黒いワンピースを身に纏った黒髪の少女。思わず一目惚れしてしまいそうだ。
「リザさん?」
「あっ、すみません」
「いいえ、気にしないで下さいね。あの…黒髪の方に質問が有るのですが…」
「何だ?あまり詳しいことはいえないけど答えられる質問なら答えるぞ」
「ありがとうございます。質問です、貴女は人ですか?不躾な質問ですみません」
「気にすんな、俺は龍であり元人間ってとこかな」
「元…人間?」
困惑するエマさん。
「あぁ、そうだ。俺は元人間。どういった経緯かは言えないが龍になった。ただそれだけ」
「そうなんですね。それではもう一つ、あなたの性別はなんですか?」
「あー、わからん。リザ、どうなんだ?」
兄さんが問いかけてくる。
「多分ここでは女性だと思いますよ?」
「えっ!そうなのか?てっきり男だと思ってた。」
「でも口調は男性ですよね」
「気にするな」
「あっ、わかりました」
エマさんが不思議そうに納得している最中にどこからともなく
「ガァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
と咆哮が聞こえる。
「ジンオウガッ!?乱入っですかっ!」
その声と同時に強風が吹く。
「兄さんっ!」
(リザはエマと奥の三人を連れて離れとけ)
いつの間にか兄さんが擬人化を解いていたから
「駄目ですっ!」
(こんな時に駄々をこねるな、俺は大丈夫だから)
「もう兄さんと会えなくなるのは嫌なんですっ!」
(あの日見たいな事は…もう起きない!絶対だ!)
「本当…ですか?」
(俺を信じろ!)
兄さんは微笑んでくれる。私は仕方なく
「怪我しないでくださいね?」
(分かってるってっ)
そう言うと翼をはためかせ鳴き声の聞こえた場所へ飛んでいった。
どうだったでしょか?
次は政治くんとジンオウガの戦闘ですね。
ジンオウガは普通の個体なのでしょか?
それでは次の話に会いましょう!