ソレでは!
飛んでいくと目の前にはジンオウガらしきモンスターがいた。
「ウォオオオオオオオンッッッ!!!」
「グォオオオオオオオオッッッ!!!」
お互いに威嚇を含めた咆哮を轟かせる。その咆哮を合図にして俺は攻撃を仕掛けることにした。まずは時間感覚を早め、ジンオウガの時間を遅くする。そして俺はブレスを相手の足元へ打ち込む。
「グオッ!?」
驚いた様に避けるジンオウガ。
(お前は誰だ)
俺はジンオウガに向かって問う。なぜなら俺は無闇にモンスターを殺したいわけではない。だからこそ敵意がないならないで確認したかったのだ。もう攻撃しちゃったけど…。
(貴方様は…)
そう言ってジンオウガは俺の方へ向かって歩いてくる。
(どっ、どうしたんだ?)
(貴方様は時空龍様のご氏族…!生きていらっしゃったのですね!)
目から涙を零すジンオウガ。
(あのさ…、お前は俺の親とどういった関係なんだ?)
(昔から時空龍様の従者を務めてまいりました。ですが貴方様が産まれる時に死んでしまいました。そして死んでしまうときに貴方に仕えろと言われました)
悲しそうに告げるジンオウガ。
(じゃあお前は俺に仕えるって事か?)
(はいっ!仕えさせてください!)
(お前はそれでいいのか?)
俺はジンオウガに聞く。
(もちろんです!)
(…わかった、よろしく頼むな!)
(はいっ!)
(少し失礼するぞ)
そう言い、俺は擬人化する。どんどんと体が変形していき、黒のワンピースに包まれる。
(すっ、すごいですね!)
「あ、ありがとうな…。そういやさ、お前の名前ってあるのか?」
(無いですね…。生まれたときからジンオウガだったので)
「名前付けてもいいか?呼びにくいしさ」
(いっ、いいんですかっ?)
「いいに決まってんだろ。…うーん。あのさ、お前の能力って何だ?」
(前にキリン亜種を食べたので氷類の能力と元々ある龍光類の能力ですね)
「…よしっ!決めた、お前は今日から『リン』だ」
(ありがとうございますっ!)
「よしよし」
俺はリンの頭を撫でてやる。
「リン、俺は戻るけど来るか?」
(従者は主に付いていきます。私の背中に乗っていきますか?)
「いいのか?」
(是非とも乗ってください!)
「ありがとうな」
俺とリンはリザたちが居る場所へ向かう。
戻るとエマたちが大口を開けて佇んでいた。
「お帰りなさい、兄さん!」
リンから降りるとリザが笑顔で抱きついてきた。俺は前の世界でリザの笑顔を見れないとばかり思っていた。だが今、この世界でリザの笑顔を見れてとても嬉しいと深く思う。
(ごめんな…リザ…)
「所で兄さん、そのモンスターは?」
「あぁ、紹介が遅れたな。このモンスターは『リン』。一応俺の従者かな」
「グルルッ!」
鳴き声で挨拶をするリンにリザが挨拶を返す。
「初めまして下さい私はリザと申します。兄さんの義妹です」
(よろしくお願いします!)
「リンさん、少しこっちに来てください…」
挨拶を終えた二人は茂みの奥へ消えていった。
「あの…さっきのは通常個体のジンオウガじゃ無いですよ…」
「そうなのか?」
「この世界には主に三種類の個体があります。まず通常の個体。そして亜種、希少種があります。極稀に変異種が存在します…」
そして俺は色々と種類などを説明してもらった最後にエマに聞く。
「リンはどの種類なんだ?」
「リンさんは恐らく亜種から変異種になったのだと思います。あの体の周りにあった霧は別モンスターのだと思うので」
詳しく聞くとリンは元がジンオウガ、そして何らかの条件が整い、変異種へ変わっていったそうだ。そしてあの霧は『キリン』【亜種】のものらしい。
「兄さん、戻りました」
「あぁ、おかえり」
「たっ、ただ今戻りました…」
リザの背後から銀髪の少女が顔を覗かせる。
「リザ、その子は?」
「分かりませんよね。リンさんですよ」
微笑しながら答えるリザの後ろでリンは頬を赤く染めながら上目遣いで俺を見てくる。
「リ…リン?」
「そうです。リンです…」
「擬人化出来たんだな」
「リンさんも出来ました。それにしても可愛らしいですね〜」
リンの頭を撫でるリザを見ているとホッとしてしまう。
ふと今の時間帯を振り返る。
「エマ、時間大丈夫か?」
「あっ、飛行船の時間がっ!」
「何やってんだよ。飛行船明日の朝まで来ないぞ?」
「そうです。どうするんですか?」
「野宿でいいじゃんっ!」
パーティーで仲が良さそうに話している。俺はこんな光景を見ていて思い出してしまう。昔のことを。
(俺にも居たんだよな…)
「あのー、聞いてますか?」
「ごめん、少し考え事してた…」
「パーティーの皆が一緒に野宿しないかって言ってるんですけどいいですか?」
俺はリザたちに視線を送ると了承した様な表情を見せてくれた。
「俺達も野宿だしご一緒させて貰わせてもらおうかな」
「わかりましたっ!」
俺達は野宿ができるところへ向かった。そして夕食を食べることになった。
「これ美味しいですね!」
満足げな笑顔を俺に向けて言う。そこに便乗するように皆が口ぐちに感想を言った。
「皆ありがとうな!」
そこからというもの皆が楽しげに喋っていた。その疲れが来たのか食べ終わると皆が直に眠ってしまった。俺は片付けを終わらせ眠りについた。
***
二人の男が夜空から龍を眺めている。
「イチビッツくん、あの龍を知っているかね」
「あまり知りません。マネルガー博士」
「あの龍はこの世界の歴史に名前を残すことができる力を持っておるのじゃ!」
「それは凄いですね!」
「そうじゃろう!」
この二人の男の陰謀が今ここで
動き出す
どうだったでしょうか?
今回はリンちゃんが仲間になりました!
(リンの下の名前入りますか?)
取り敢えずおっちょこちょいなキャラになればいいなーなんで感じです。
次の話は誠治くんの過去が一部明らかになります!
お楽しみに!
[ジンオウガ]【亜種】
種族
牙竜種(竜盤目 四脚亜目 雷狼竜上科 ジンオウガ科)
別名
獄狼竜(ごくろうりゅう)
極地に生息するとされる雷狼竜ジンオウガの亜種。
体格は通常種とさほど違いはないが、性質は格段に凶暴且つ獰猛で、
時には多数の犠牲者を出す場合もある非常に危険なモンスター。
漆黒の甲殻と白銀の体毛に覆われ、仄かに赤黒く明滅するその風貌に、
初めて遭遇した者は皆例外なく「地獄の覇者」「黒い悪鬼」を連想するという。
禍々しさすら感じられる圧倒的な迫力から、ハンターズギルドからは「獄狼竜」とも呼称される。