とある魔術の熱操作(ヒートオペレーション) 作:レオパル02
拳銃を構えている男を見て。
わたくしは、玲さんが死んでしまうと思った。それでも私は、動けなかった。
いや、動かなかったのだ。目の前で、死んでしまうかもしれない人を前に私は動けなかった。
自分は助かりたい!そんな考えが一瞬頭の中をよぎってしまった。
「死ねぇ!!」
しまった!私の、意識が再び拳銃に戻る弾が発射されている。
私は動けなかった自分を呪った。
だが、その時玲さんの目は、諦めていなかった。
玲さんは自分の前に両手を出し弾丸を凍らした。
玲さんのあんなに怒っている表情を初めて見た。
まるで、人が変わったように怒っていた。
「てめぇ、いい加減にしやがれ」
玲さんは、男の元に足音を大きくしながら向かった。
男は、玲さんの表情を見て怯えていた。
「ふざけんなよ!」
玲さんが男の胸倉を左手で掴み、右手で男を殴りつけた。
「てめぇ、人の命を奪うってことがどれほど、悲しいことか分かってんのか!!!」
玲さんが叫んでいた。まるで、過去に人を殺した事があるような口調でそう言っていた。
再び玲さんは、倒れた相手を立たせてもう一度殴ろうとしていた。
止めなければ!!そう思い私は、叫んだ。
「やめてください!!」
ハッとしたように、玲さんが、気づいた。
倒れている男は、顔を腫らしていて涙を流していた。
「これ以上やると暴行罪になってしまいますの」
「悪かったな、白井」
玲さんは、男から手を離した。
その後は、警備員に連絡し幻想御手を後で回収するためビルの中で一度男を拘束した。
一連の行動を終えたのだった。
終えて俺は、汗を拭ってこう言った。
「ふーさっきは、危なかったな」
「危なかったなじゃないですの!!」
「でも、助かったし無事幻想御手だって回収する予定だからいいじゃねえか」
「よくありませんの!さっきだって当たってたらどうなっていたか」
「ああはいはい、悪かったよ、でも本当にありがとうな白井」
「何がですの?」
「止めてくれて。多分俺お前が止めてくれなかったら気絶させるまで、殴ってたと思う」
「……あの時の玲さんはとても怖かったですの」
「ごめんな」
しんみりとした空気になってしまった。この空気が嫌なのでとりあえず外に出ようと思い。
白井の怪我の具合を見た。うーんやはりダメージが大きいな。
ここは、やっぱり……
「白井悪いな」
「へっ何ですのってきゃあ!」
俺は、一度謝り白井をお姫様だっこした。一度も女の子をお姫様だっこした事が無くて、意外に重かったどうしようと思ったが、やはり女の子の体のようで細くて軽かった。
「ちょ、玲さん何してるんですの!」
白井は急にお姫様だっこをされて焦っているようだ。
俺だって焦っているよ。この状況、お姫様だっこなんてするのは、あいつの役目だろうに、と今この場にいないツンツン頭を思い浮かべる。
「何って怪我しているから運ぼうとしているのだが」
平静を装って声を出す。俺だって動揺してんだよ!
「その事じゃありませんの!!何で、お姫様だっこ何ですの!?」
「いやその事については理由があるから」
「理由って言い訳がましいですの」
ジト目で、俺を見てくる白井、それには、ちゃんと理由があるから!!お願いだからそんな目で見ないで!
「多分もう少しで分かるよ」
「もう少しで分かるって…っ!!」
どうやら感じてきたらしい。白井が、驚いている様子で俺の顔を見る。
「気づいたな。そう、お前の傷を冷やしてるんだよ。俺の能力で、俺の能力はこの両手でしか、使えないからこうやってお姫様だっこするしかなかったんだ」
「そうでしたの。えーとさっきは疑ってすいませんですの」
「別に、いいよ女の子がお姫様だっこなんてされるのは、好きな人にされた方がいいみたいだし」
「確かに、お姉様にお姫様だっこなんてされたら。幸せすぎですの」
「お前は、そうだったな」
笑いながら、階段を下りていく。そうだったこいつは例外だった。
こいつは、御坂が大好きな百合だった。
「でもまぁ、殿方にお姫様だっこも意外に悪くありませんわね」
「ん?何か言った?」
「何でも、ありませんの!」
そう答えた白井の顔は少し赤くなっている気がした。
「玲さんは何故?能力を使わないんですの?」
「ああ、実は、俺この能力が嫌いでさ昔この能力で、誰かを傷つけた事があってさそれ以来、この能力が嫌いになってあまり使わなかったんだ」
「そうでしたの、でも今のあなたは違いますの」
「へっ?」
「今だって助けていますのあなたの嫌いな能力で」
「それは……緊急時だから」
「違いますの。あなたは、……玲さんは優しい方ですの。だから、その力を恐れていますの。
誰かを傷つけないように、だから、その力役立ててください。あなたの力はみんなを助ける事もできるんですから」
「……ありがとな、白井」
「別に、いいですの」
そう言って白井黒子は少しはにかむように俺に笑って見せた。
俺は、その顔を見て気が張っていても普通の少女なのだと感じられた。
外に出てすぐ佐天が俺たちのところへきた。最初こそからかわれたが状況を理解すると怪我をしている白井を
心配そうに気遣ってくれた。その後、佐天が幻想御手を渡してきた。
「いいのか?」
「今の私には、必要ないものです。確かに能力が使えなかったのは、惜しいですけど、私はそれよりも大切なものを見つけたんで」
「大切なもの?」
「友達ですよ。友達は能力なんかじゃ変えられないものですから。確かに、御坂さんや白井さん・玲さんには、嫉妬とかはしてました。でも、玲さんが私に自分の事を卑下するなって言ったじゃないですか。
だから、私は自分に自信を持ってみんなに向き合っていこうって思ったんです」
「そうだな」
本当に白井も佐天も本当に立派な奴だ。だから、、俺は変われたのかも知れない。
多分俺は、佐天達に会わなかった。人を選んで助ける人生を送ってたのかも、そう考えると、俺は、佐天達に出会えて本当に良かったと思った。
その後、警備員が来て幻想御手を渡してもらい。支部へ帰ってきた。
俺は、一度病院に行き。白井の傷を治すため薬を貰い支部へ帰ってきた。
「白井ー薬を貰ってきたぞ」
俺は、ドアを開けると白井がいた。だがいつもの彼女とは格好が違った。彼女は上の服を脱いでおり包帯を巻いてるいかにも治療行為の最中だということが分かる。だが、この状況を見かけてしまった俺は頭が真っ白になっていた。
「白井さん今はひとまず落ち着こう」
落ち着かせようと両手を前にだし抑えて抑えてのようなジェスチャーをするが白井の顔は赤くなるばかりで効果がないそして、白井は口を大きく開け叫んだ。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇ」
白井が何かテレポートさせたとたん俺の頭に重い衝撃がきた。それは、あまりにも重くて俺はそのまま倒れた。薄れいく意識の中何が当たったか見るとダンベルだった。
固法先輩が体を鍛えるため毎日持ってきているものだ。
それが高い場所から落ちてきたのだ。そりゃあ意識失うはずだ。
「何で、シリアスな場面が一転してラブコメ的展開になるなんておかしいだろ」
その言葉を最後に俺の意識は途絶えた。