とある魔術の熱操作(ヒートオペレーション) 作:レオパル02
それは、身体検査の終わった後のことだった。玲《レイ》は身体検査が終わりかなり暇をしていた。道路を歩きながら今後の事を考える。
(これからどうしようかな、本屋であの本買うか。いやその前に夕食の用意しねぇとな)
夕食のことを考えながらスーパーに足を進めているとシャッターがされてある銀行を見つけた。これはもしやと嫌な予感が走り、俺はすぐに立ち去ろうと銀行から背を向けた。
その直後銀行のシャッターがドォン!という爆発音のせいでシャッターを内側から壊された。そして、銀行のドアからいかにも悪党やってますと言わんばかりの男達がでてきた見たところ3人いる。
この状況を見てすぐに逃げようと考えた。
多分隣人ならばすぐさまこの状況を何とかしようと行動を起こす。他にも、能力を持っている勇敢な奴も何とかしようとするだろう。
(だが、そんな人間は基本いないんだよなぁ、俺は別に自分から関わろうと思わんけどね)
そのまま素通りを決めようとしたその時だった。
「風紀委員《ジャッジメント》ですの!!」
ツインテールの髪型をした女の子の声が聞こえた。遠くからその姿を確認する。
風紀委員《ジャッジメント》とは、能力者の学生たちによる学園都市の治安維持機関の事だ。
多分事件を解決する見届けようと足を止める。
何やら様子を見るにどうやら強盗達は、ジャッジメントを中学生と見て舐めきっているようだ。太い身体をした強盗1がジャッジメントに襲い掛かるがあっさりと倒された。ジャッジメントは戦闘のために訓練もされているので当然と言えば当然なのだ。
強盗達はやばいと思ったか身構えた。強盗2は手に球状の炎を作った。あの炎の大きさからして、Level3か2の発火能力者《パイロキネシス)だろう。だが彼等は知らないらしい、あの制服は常盤台中学だろう。
Level3以上しか入れないという超名門中学そこの中学の生徒で風紀委員《ジャッジメント》ならば必ず勝てるだろう。あっさり倒せたようだ。
(さすがジャッジメントだな……そう言えばもう一人いたような)
と思い周りを見回す。その時、女の子の声が聞こえた。
「離して…くださいっ!!」
と強盗3を必死に止めているようだ。
強盗3は子供を人質にしようとしてそれに気づいた女の子が止めようとしたらしい。
ふと疑問に思った。
(何故彼女は能力を使わないんだろう?…もしかして彼女は能力を使えない!?)
そういうことにすれば納得がいく。だが、呆れと同時にその娘への興味が込み上げてきた。俺はそんなことをする奴は実際隣人だけだと思っていた。他の無能力者でこんなことする奴がいるとは思ってなかったから。
彼女を救う為には、能力を使うしかないだろう。
俺は彼女にとても強く惹かれてしまった。
彼女を助けるために俺は能力を使用し手を開き、片手から氷の球を創り出し。それをハンドボール投げの要領で一気投げた!
強盗と俺の距離は15メートルほどあるこれくらいの距離ならば十分当てる事が出来るだろう。
そして、見事に強盗の頭に氷の球を命中させた。強盗はよろめいて道路に倒れたようだ。
そのうちに、女の子が子供を連れて逃げる。
「痛ってぇくそが何処からうちやがった!!」
男が辺りを見回す。頭に血が上っているようでかなり苛立っているようだ。
冷静さを取り戻したか、子供を探すが離れているのを見て逃げようと車に乗り込もうとする。
「させねぇよバカが!!」
俺は道路に手をつけたその瞬間一直線状に道路を凍った。強盗を足を凍らして足止めをした。
「足がぁぁぁ!!」
強盗が叫びを上げた。
「そりゃあそうだよなぁ足を氷漬けにしたんだ。まぁ凍傷程度で済むだろうよ」
そう言ってゆっくりと、歩み寄る。
「てめぇ何なんだよお前もジャッジメントか?」
足を抑えながら痛さを我慢しながら言ってくる。
「ジャッジメントじゃあねぇよだがな、そこの子を傷つけた事に腹が立っただけだ」
黒髪の女の子を見ながら言い放つ。我ながら恥ずかしい事を言ってしまった。
「あっ車が!!」
黒髪の女の子の声が聞こえた。
車を見ると、車が発車していたどうやら運転手がいて仲間を見捨て逃げようとしたらしい。
「あの距離まで届くかな…」
道路に手をつけようとした瞬間だった。
ビュンと言う音と共に一筋の閃光が俺の横を通った。その直後爆音が鳴り車は宙に浮き道路に突き刺さった。
「何だぁありゃあ!」
瞬きを忘れてしまうくらい驚いてしまった。
俺が少女達に出会った最初の日だった。
そして、この事件が終わり数十分後。警備員《アンチスキル》が呼ばれたそこで彼女と出会った。
「よっ玲久しぶりじゃん」
片手をあげて挨拶してきた俺の通う高校で体育教師をしていてなおかつ美人でナイスボディの警備員。黄泉川先生だった。
「久しぶりって授業でよく会うじゃないっすか」
黄泉川先生は首を横に振り
「個人的に会うのは久しぶりじゃん」
「そうっすねー」
「冷たいじゃん」
残念と言った感じに肩を落としていた。
「で、何で話しかけってきたんすか?」
先生は落としていた肩を上げ、驚いた顔でこっちを見た。
「お前にしては珍しいじゃん厄介事に関わるなんて」
「別に、ただの気まぐれっすよ」
「まぁいいじゃん」
先生は何かを察してくれたようだ。
「それよりも、玲これからが大変じゃん」
「えっ何で俺が大変何すか」
「だってお前…来たみたいじゃん」
先生は俺の後ろを見て言った。
「えっどういう事っすか」
振り返り見たらそこには、ツインテールの髪型をしたジャッジメントがこう言った。
「坂城玲さんですね、ちょっと支部まで来てくださいな。」
「拒否権はありますか?」
「ないですの。」
どうやらこれから俺は支部に連行されるらしい。