とある魔術の熱操作(ヒートオペレーション) 作:レオパル02
ジャッジメントに入ってから翌日経った。昨日は挨拶と自己紹介だけだったようで、今日も出勤というわけではないらしい。
玲は、出勤が無くなり有意義な休日を過ごしていた。
「おっエンディングに踏破しちまった」
などと1人で最新作のゲームをクリアしてしまうくらいに。
「にしても、今日は暑いな何か替えの服でも着替えるか…」
替えの服を探そうと棚から服を探すが夏用の服が見つからない。それもそうだろう今年引っ越して来たばかりだったので、夏服を用意していなかったのだ。
(この近くの服って言ったらセブンスミストかぁ。)
そう考えたか、ハンガーにかけてあった夏用の学生服を着てセブンスミストへ向かうのだった。
しばらくしてセブンスミストに着き、エスカレーターを上り歩いていると可愛らしい服がたくさんある。どうやら女の子の服の店のようだ。
そこで、何やら口喧嘩をしていると2人の男女を発見する何やらもう1人男のほうは小さい女の子を連れている。
玲はその2人組を知っている。そう、上条と御坂だった。 御坂の手には、子供らしい可愛いパジャマを持っている。何やら後ろにそれを隠しているあたり大方恥ずかしいのであろう。
そして、上条は小さい女の子の手を引いていた。
玲は、2人に近づき話しかけに行った。
「おい、上条どうしたんだ、小さい子連れてこんなところで?」
「実は、この子が服屋へ行きたいって言うから連れてきたんだ。」
「そうなのか、んで御坂は何しにここに来たんだ」
「私は、佐天さん達と買い物してただけで、であんたは何でここに?」
「俺は、夏服を買いに来た」
「お前、夏用の服用意してなかったのか?」
「まぁなそれよりも、上条お前はこの子をエスコートしとけ子供服ならあっちの方がいいみたいだしな」
「そうか、なら連れて行きますか。」
上条は、あの子を連れてあっちに行ったようだ。
「あんたはいいのあっちの方に行かなくて?」
御坂は、玲を遠くに行かせたいようだ。
早くパジャマを買いたいのだろう。
「御坂もしかして、そのパジャマを佐天さんたちに子供っぽいと言われたのか?」
玲のそのはっきりとパジャマの存在を伝える。
ぎょっとしたのか、御坂は後ろのパジャマを慌てて戻す。
「パジャマって何の事よ」
「誤魔化そうとしても無駄だぞ御坂、上条の目は逃せても俺の目は見逃せないからな」
「だったら何よどーせこのパジャマを子供っぽいってあんたもバカにすんの!!」
どうやらバレて恥ずかしくなったか八つ当たりの様に御坂が切れてきた。
「いや、全然俺は別にいいと思うけどな、似合うと思うしあと、俺は基本的に人の趣味をとやかく言うのは、好きじゃないからな」
そう、俺だって趣味はアニメやマンガのオタクだから人の趣味をとやかく言う権利を持ち合わせてないのだ。
「そうなの?ってあんた似合うって」
「ああ、だからお前は好きなものに純粋であっていいと思うぞ」
「そう…」
御坂は少し顔赤くしモジモジしている。
玲はそれをみて少し動揺し思考を加速させる。
(まさか、フラグがいやあんまり期待するのはやめよう。どうせ、御坂も上条と関わったという事は、上条の事が好きになるからな)
そう玲は、思考を整理し改めて自分の目的を達成するために行動をしようと動いた。
「じゃあ、そろそろ行くわ」
「うん、じゃあね」
この時の御坂はなぜか女の子っぽく見えてしまった。俺は、首を振ってそんな考えを振り払うのだった。
夏服を買い終わって帰る途中に、玲はずっと事件について考えていた。
(うーむなんか引っかかるんだよなぁーこの事件……まさか…!!)
すぐさま白井のケータイに電話をした。実は、ジャッジメントに入った時に、いつでも連絡できる様に交換しておいたのだった。業務連絡みたいなものだから、佐天と連絡先を交換した時のようなドキドキがなくて悲しかったのは秘密だ。
「白井か?」
「あなたから、連絡してくるなんて何かあったんですの、玲さん」
「あの虚空爆破《グラビトン事件》の事なんだが」
「何か分かったんですの?」
「ああ、白井お前この事件について気づく事がなかったか?」
「気づく事なんて……まさか!」
どうやら白井も気づいたようだ。
「そう、奴の狙いは、ジャッジメントだ!爆破を受けているのもジャッジメントだけで一般の人にはあまり被害はない。」
「確かに、そう言えば納得いきますの」
「奴は多分、ジャッジメントに何らかの恨みを持っているのかもしれない」
「そうかもしれません……っ!」
「どうした?何かあったのか?」
「微弱ですが、重力子反応の加速の反応がありますの!玲さん今どちらにいますか?」
「えっセブンスミストですけど」
「何でよりによってそこにいますの!!」
(まさか!)
「そう、加速反応はその近くですの!!」
「何だって!!」
(おかしいだって俺は…)
「大丈夫なはずだが、俺は今非番だったから腕章をつけてないぜ」
「私は初春に電話を玲さんは、そのまま避難誘導をお願いしますの」
「分かりました」
(今日も休日出勤かよまじでふざけんなよ犯人逮捕したらぶん殴ってやる。)
まだ見ぬ犯人に玲は敵意を向けつつ重い腰を上げて避難誘導をしようとすると。
携帯から電話がかかってきた。
「玲さん!!初春がセブンスミストにいて」
慌てた様子で、白井が話している。どうやら相当初春が大事なようだ。
「落ち着け白井!!」
「っすいませんの少々動揺してましたの」
「で、用件は?」
「えっとさっきの連絡をしたら、初春が先急いで避難誘導を始めてしまって」
「分かった。俺が初春に伝えておくからお前はすぐにここに来て事件の解決を急げ」
「分かりましたの」
余程驚いたのか、新人の俺が指示だしをしているのに素直に従ったようだ。
走って初春を探すが見当たらない。
「どこにいんだよ」
内心焦って探していると後ろに子供を守ろうとする初春がいてその前に御坂がいた。
どうやら、あの前にあるへこんだぬいぐるみが爆弾らしい。
「うぉぉぉぉぉ」
叫びながら両手を通路につけ一気に凍らす。
(間に合え!!)
そして、御坂の前に誰かが走っていった。
俺は、そいつが誰かが分かった。
(上条か!!)
上条が御坂の前で右手をかざした。その瞬間バァァンという音が聞こえた。
幸い怪我人もなく建物に被害がなかったらしい。上条の右手でかざした瞬間と俺がぬいぐるみの周りを凍らした瞬間が見事に重なり被害はなかったらしい。
その後、虚空爆破事件《グラビトン事件》の犯人は逮捕されたと聞いた。
「お手柄でしたね?玲さん」
「ありがとうよ」
「にしてもやるときは、やるんですね玲さんは」
「俺だってやるときはやる男だぜ初春さん」
とりあえず事件が、解決して良かったと安堵した。
この時の玲は、これから起こる大きな事件の事をまだ知らずにいた。