とある魔術の熱操作(ヒートオペレーション) 作:レオパル02
玲が現場へ、駆けつけた時。
そこには、佐天涙子がいた。何で、佐天がいるんだ。白井の手伝いにでも来たのか?そう思い駆け足で佐天に駆け寄ろうとした時だった。
「私は」
何か叫ぶように佐天が言った。
「私はこんな事に能力を使う能力者なんてだいっきらい!!!」
佐天が、そう叫んだ。
まさか!俺は、すぐさま今の状況がわかった。佐天が今襲われている事が。
気づいていたら、俺は全力を出して走っていた目の前の女の子を救いたくて。
男達が、何かを言っていたが玲には聞こえなかった。
ただ目の前の女の子を救いたかったのだから。彼女の目の前に駆けつけ腕で鉄パイプを受け止めた。
能力なんて、使っている暇なんてなかったからだ。
「よく、頑張ったな佐天」
腕の痛さを我慢しながら俺は言った。
「玲さん…何で…ここに」
彼女が泣きながら言っていた。
だが、それをかき消すような声が聞こえた。
「その女を助けてヒーロー気取りかよ」
太い体型をした男がそう言ってもう一度鉄パイプを振り下ろした。
俺は、その鉄パイプを身体を横にずらして避け拳に力を込め男のみぞおちを殴った。
「がはっ!」
男は、息ができないのかそのまま身体をくの字にしてうずくまった。
そこに追撃するかのように脚をしならせ回し蹴りを放った。
放った回し蹴りは顔面を躊躇なく襲い男は倒れた。
「てめぇ、」
もう1人の細身の男が距離をとった。どうやら能力を使用しようとしているらしい。
数本の鉄パイプが宙を浮いている念動力《テレキネシス》のレベル3位だと予想ができた。
俺は、小さな玉をそいつめがけて投げた。
「くらいやがれ!」
鉄パイプが玲に飛んできた、だが玲は鉄パイプを無視して男に向かって一直線に走っていく。
「自殺行為かよ!バカが」
その瞬間パーンという爆音が鳴り、鉄パイプが落ちていった。
俺が投げた物は、かんしゃく玉だ、能力の演算にはそれなりの集中力が必要それならば、集中力を乱す事ができれば能力を一時的に止める事が可能だ。
「なんで能力がっ」
「うおおおおお!!」
俺は男の顔面めがけて腕を振り上げ殴りつけた。
男は倒れその鼻からは鼻血が出ていた。
男達が倒れた後、俺は、佐天の元に駆け寄った。
「佐天、大丈夫だったか?」
「大丈夫です。安心して腰抜けちゃって」
「そっか」
どうやら怪我はしていないようだ。
「玲さんって本当に心配な時って呼び捨てなんですね」
「あっダメだったか?」
「いえ、これからも呼んでください」
「ああ、わかった」
白井は仕事仲間だし、割り切ってしまえば簡単だし、御坂はあっちがタメ口だから、喋れるのだがやはり、女の子とタメ口なのは照れるな。
「でも、なんで玲さんは能力を使わなかったんですか能力を使ったらすぐ済んだのに」
「佐天に示したくてさ」
「どういうことですか?」
「君は、俺の支えになってるって事を」
佐天が、顔を赤くしている。……ん俺今変な事を言ったな。
「えーと違うんだ言い方が変だったな、佐天は俺のきっかけだったんだ」
「きっかけ?」
「昔の俺は、助ける人と助けない人を分けていた。……みんなを分け隔ててなく助ける奴なんてあいつしかいないと思ってたから」
「あいつ?」
「ああ、えーと忘れてくれまぁ簡単に言うと昔の俺は相当なクズだったんだよでも、佐天は違った銀行強盗から人質を守っていた」
「でも、結局助けたのは……」
「違う!!俺は佐天と過ごしているうちにみんなを助けたいと思ったんだ、俺が変わったのは佐天のおかげなんだ!!だから、佐天は俺の支えであり憧れなんだよ」
そう、これがありのままの気持ちだった。俺は佐天涙子のおかげで変われたのだから。
「私には、そんな資格はないですよ」
佐天は目を背けてそういった。
「俺にとっては憧れなんだよだから、そう自分の事を卑下しないでくれよ、俺も悲しくなるから」
「ひどいなぁ玲さんそんなこと…言っちゃたら自分の事卑下するなんて出来ませんよ」
その時、涙を流しながら彼女は笑った。
「そっか、じゃあ安心だな、ってことで俺はもう行くな」
「待ってください!…もう少しここに…」
佐天が俺の手を掴んで、涙目になってお願いをされた。
………かわいすぎるこのまま居たいと一瞬思ったが白井の事を助けなければ。
「ごめんな、白井を助けに行かなければ」
「あっそうですよね、すいません」
どうやら、この子白井の事を忘れていたようだ。
「じゃあ俺は、行くから」
「頑張ってください!」
「ああ、任せておけ」
そうして、俺はビルの中に入っていった。
***
佐天との、話を終えて俺は廃ビルの中に入った。ビルは簡単なコンクリートとガラスで、建てられていていかにも、取り壊し一歩手前のような構造になっていた。
階段を急いで上りながら周囲を見回すと血の跡がない、多分テレポートで移動しているのだろうと予想をしながら白井の姿を急いで探す。
そして、階段を上り終えると2人の男女がそこにいた。
男の方は、長身でタンクトップを着ており、ナイフ向けながら女性に歩みよっていた。
女の方は、横腹を抑え、しゃがんでいた。特徴は常盤台の制服をしてジャッジメントの腕章を身に付けている。
俺は、彼女を知っている。いつも、凛々しく俺より、年下なのに先輩面をしている彼女を、
「白井ぃぃぃぃ!!」
叫ぶと、気づいたのか2人が振り向いた。どうやら、俺の登場に驚いているらしい。
男の方は新しい獲物を見つけたような表情をしナイフをこちらに向けた。
「なんだよ、お前もジャッジメントか?」
「玲さん…なんで…ここに」
白井は傷が痛いのを我慢しながらそう言った。
「お前が白井を傷つけたのか?」
自分頭に血が上っているのが分かる。今俺はどんな顔をしているのだろう。
「当たり前だろ、見りゃあ分かるだろうが、だったらどうすんだ?」
男は、挑発混じり両手を広げて俺に向けてそう言いはなった。
「だったら、ぶっ飛ばしてやるよ」
俺は、あえて挑発に乗ったそれは、白井を傷つけた男をボコボコにしてやるために拳に力を込めた。
「そうかよっ!」
男は、走ってこっちへ向かってきた。
俺は、迎え討とうと構えるが変な違和感を覚えた。
俺は、男の存在にも目をくれず自分のいる位置から右を左手に力を込め殴った。
本来なら何も感じないはずの左手から何かが当たる感触がした。
「グハッ」
そうすると、さっきいた男の姿は消えて、今殴られて倒れている男だけが残った。
(やっぱりな)
男は、よろめきながら立ち上がった。
「てめぇ、何で俺の位置が分かった!」
男はすぐに立ち上がり俺の方を見てそう焦る様子で言った。
どうやら自分の能力が破れて相当動揺しているらしい。
「何で、お前に教える必要があるんだよ、って言うかお前の能力ってのは、だまし討ちかよだっせぇ能力だな」
「なっ何だと!!」
男は、頭にきたのかそのまま俺に一直線でナイフを向けながら俺の方に走ってきた。
「バレバレだよばかっ!」
今度は、横に振ったナイフをそのまま後ろに避けて、右手で腹を正確に捉え殴る。
「グッ!」
どうやら堪えたようだ。だが、相当なダメージか足が震えていた。
「ふざけやがって!!」
とうとう我を失った男は、全力でナイフを振り下ろした。
そこから、冷静に身体を後ろに動かしナイフを避け、右手を男の顎めがけて振り上げた。
お手本のようなアッパーを放ち男の身体は浮き上がり床に落ちた。
「顎を打った事で、脳震とうを起こさせたしばらくは、立ち上がれないだろうよ」
そして、俺は怪我をしている白井に駆け寄った。
「白井、お前大丈夫か?」
「見て分かりませんの?」
白井は、呆れて言った。
見てみると、脇腹と頭を打たれたようだった。
「でも、何で奴の居場所が分かったんですの?」
白井は、首を傾げて俺に、聞いた。
「ああ、それは俺の熱感知が働いたおかげだ、最初に襲ってきた時、熱感知が働いてあいつを見たら何もいなくて、横を向いたらあいつらしい奴が歩いているのを見たから殴ったらビンゴってわけだ」
「そうでしたの」
「それよりも、白井大丈夫か?」
俺が、心配そうに聞くと。
「大丈夫ですの、何のこれしき」
と立ち上がった白井その瞬間
「っ」
声にならない悲鳴を上げていた。
「本当に大丈夫か?」
と手を貸そうとした瞬間。
「てめぇら!」
振り向くとさっきの男が立っていた。
あれを喰らって立ち上がるなんて、伊達にスキルアウトのリーダーをやっていないなと感心しているその時だった。
「玲さんあれ…!
白井の小さい声が聞こえたそいつの手を見ると拳銃を持っていた。
多分、一度俺に倒された後、起き上がり我を失って俺に銃を構えたのだろう。
「死ねぇ!!」
その言葉と共に弾が俺に向けて放たれた。