デスマーチからはじまる異世界空我   作:naogran

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バーキンツ『良かろう。魔女の魔法薬と同じ効用の品でも納品を認めてやろう。』




イネニマアナ『例え魔法薬が作れても、瓶が無いとどうにもならないの!どうやって納品するのさ!』

サトゥー『そう言う事か・・・!』

ヒカル『最初からそのつもりで・・・!』

アリサ『ご主人様?ヒカル様?』

ヒカル『くそっ!』

ポーション用の材料を調達したが、ポーション用の小瓶が無い為作れない。






急いで工房の主の元へ向かった。

工房主「小瓶180本!?それも日没までにだって!?幾ら何でも無理だぜ!」

ヒカル「あんたを巻き込むつもりは無い。」

サトゥー「場所と窯だけ貸して貰えないでしょうか?」

工房主「・・・・・・・・・・理由ありなんだな。」

ヒカル「ああ。」

工房主「まぁ良い。元々小瓶作りを手伝う約束だ。無理を承知で付き合ってやるよ!」

全員「っ!!」

サトゥー「感謝します!」

ヒカル「恩に着るぜ!」

工房主「よし!そうと決まればとっとと始めるぞ!」

サトゥー「リザ、タマ、ポチ、ルル、ナナは、俺とヒカルと一緒に小瓶作りを手伝ってくれ。」

リザ「畏まりました。」

タマ「お手伝い〜!」

ポチ「頑張るのです!」

ルル「はい!」

ナナ「全力を尽くすと告げます。」

ヒカル「アリサとミーアはイネニマアナの手伝いを頼む。」

ミーア「ん。」

アリサ「分かった!」

サトゥー「よし。皆、頼んだぞ!」

奴隷達「はい!(なのです!)」

ヒカル「サトゥー、ちょっと周辺に奴らが居ないか調査して来る。その間に始めてくれ。」

サトゥー「分かった。気を付けろよ。」




森の中。

ヒカル「彼奴らを要請するか。」

内ポケットから、魔法盗賊のエレナから貰った通信水晶を取り出した。

ヒカル「さて、作戦開始だ。」

彼は、魔法盗賊姉妹のロゼッタとエレナに通信を始めた。


DEATH MARCH10「旅情」

『BGM:安穏』

 

工房の中。

 

ポチ「ん・・・あああああ!ダメなのですーーー!!!」

 

ルル「ん・・・あ、いや!ダメーーー!!!」

 

 

 

 

ヒカル「ん?何だこの叫びは?」

 

工房へ戻る途中のヒカルがポチとルルの叫びを聞いた。

 

 

 

 

一方工房の中では。

 

ポチ「そんなのは駄目なのです・・・粘土の人は落ち着きが無いのです・・・」

 

轆轤を回して粘土を小瓶の形にしようとしたが、形が崩れてしまっていた。

 

ルル「失敗しちゃいました・・・」

 

リザ「難しいですね・・・」

 

ナナ「遠心力は計算が難しいと報告します。」

 

そこにヒカルが戻って来た。

 

ヒカル「おいどうした?何かあったか?」

 

ルル「いえ、作るのが難しいです・・・」

 

ヒカル「ああ成る程。無理せずにやれよ。」

 

工房主「凄ーな旦那!今日初めて作ったとは思えない出来だぜ!」

 

ヒカル「ん?」

 

サトゥーが既に何本かの小瓶を作っていた。

 

ヒカル「彼奴何時の間に・・・」

 

タマ「凄い〜!」

 

ポチ「ご主人様流石なのです!」

 

ヒカル「サトゥー、ただいま。」

 

サトゥー「おかえりヒカル。どうだった?」

 

ヒカル「調査の結果、お客の姿は無し。」

 

サトゥー「ありがとう。」

 

工房主「ただ・・・問題は乾燥だ。今の季節なら素焼きに入るのに5日は掛かるんだが・・・」

 

ヒカル「焼くのに5日も掛かんの!?」

 

工房主「ああ。厚めの器なら一月くらいは乾燥させないと途中で割れちまうくらいだ。無茶を承知で手伝ったが、こればかりはな・・・」

 

ヒカル「また問題点が増えちまったな・・・」

 

サトゥー(要は粘土の中の水分が原因だから、それを何とかすれば良いんだよな・・・よし!)

 

メニューから、魔法のレシピを表示した。

 

サトゥー「・・・うん。これなら。」

 

ヒカル「お?」

 

サトゥー「ヒカル、ミーアを呼んで来てくれ。」

 

ヒカル「OK。」

 

 

 

 

その後ミーアを連れて来た。

 

ミーア「クレイドライ。」

 

魔法を発動して、粘土を一瞬にして乾燥させた。

 

工房主「こんな魔法があったのか!お嬢ちゃんは小さいのに凄いんだな!」

 

ミーア「ん。」

 

ヒカル「俺達の自慢の仲間だ。」

 

工房主「これならすぐ焼けるぞ!早速始めるから兄ちゃん達はどんどん瓶を作ってくれ!」

 

ヒカル「おう!」

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

全員が次々と小瓶を作る。

 

 

 

 

数分後。大量の小瓶が完成した。それをミーアがクレイドライで瞬時に乾燥させた。ヒカルと工房主は竃に火を起こす。その間にサトゥーとイネニマアナが盟約のポーションを作る。イネニマアナは途中で疲れたが、ポチとタマがサトゥーから受け取ったポーションをイネニマアナに飲ませた。

 

 

 

 

 

 

時間は過ぎて夕方になった。

 

アリサ「魔法薬の方はほぼ完成よ。」

 

イネニマアナ「皆のお陰だよ~!」

 

アリサ「まだ終わってないでしょ?そっちは?」

 

工房主「こっちももうすぐ焼き上がりだ。後はゆっくり冷まして行けば日没までには何とか間に合いそうだ!」

 

イネニマアナ「う、うぅ・・・良かった・・・」

 

???「くるっぽー。」

 

イネニマアナの頭の上の鳩が鳴いた。

 

アリサ「あはっ!それ帽子じゃなかったの?」

 

ナナ「マスター。この球体の保護を推薦します。」

 

サトゥー「それは流石に却下かな?」

 

ヒカル「盗む気かお前?」

 

サトゥー(魔女の使い魔?)

 

鳩の名前は「ポウ」。魔女の使い魔である。

 

 

 

 

 

 

???「何をやっている貴様等?」

 

 

 

 

 

 

『BGM:焦眉』

 

サトゥー「っ!?」

 

工房主「っ!?」

 

ヒカル「っ!?」

 

そこにドサンとその部下達が現れた。

 

ドサン「まさか無断で魔法薬の瓶を作ってる訳じゃないだろな?工房主。」

 

ヒカル「ま〜た現れたよ小童共が。」

 

サトゥー(やっぱり・・・マーカーを付けて置いて正解だったよ。)

 

マップにドサンと部下達が青いマーカーで記されていた。

 

工房主「彼らには陶芸を教えてるだけでこれは商売では・・・」

 

ドサン「そんな苦しい言い訳を聞けるか!即刻この窯は処分させてもらう!壊せ!」

 

アリサ「そ、そんな!窯を壊されたら!」

 

ドサン「残念ながらこれも決まりでな。文句は言わせねえぜ。やれ!!」

 

部下達が竃を破壊した。ヒカルは密かに笑みを浮かべた。

 

 

 

 

竃が破壊された。

 

アリサ「ダメ・・・全部割れてる・・・」

 

ドサン「それじゃ日没までに魔法薬300本納品楽しみにしてるぜ!がははは!」

 

工房主「旦那・・・すまねぇ。これ以上は・・・」

 

サトゥー「いえ。こちらこそすいません。大事な窯を・・・」

 

ヒカル「しばらく俺達だけにしてくれるか?」

 

工房主「ああ、分かった・・・」

 

サトゥー「それとイネニマアナ。この子を介して魔女殿と話せないかな?」

 

 

 

 

ポウ「くるっぽー!」

 

アリサ「もうちょっとだったのに・・・あら?この破片って・・・」

 

壊された竃から出て来た破片を見て驚いた。

 

サトゥー「既に割れた焼き物を入れておいた。こう言う時の為の囮だ。」

 

アリサ「え?それじゃあ皆が作った小瓶って・・・」

 

ヒカル「それはだな、サトゥーが焼き上がった小瓶を別の場所へ招待したんだ。」

 

アリサ「はぁ!?」

 

サトゥー「詳しくは説明出来ないけど、アリサのアイテムボックスより良い物があってね。」

 

竃に触れて、焼いてる小瓶をストレージに収納したのだった。

 

アリサ「む~・・・まぁご主人様がそう言うなら詮索はしないけど・・・それじゃあ取り出してよ!」

 

サトゥー「はいはい。」

 

ストレージから小瓶を取り出した。しかし、焼き途中だった為割れてしまった。

 

ヒカル「え!?」

 

アリサ「割れちゃったじゃない!」

 

サトゥー(そうか・・・このまま外に出すと急激な温度変化で割れてしまうのか!)

 

アリサ「まさか想定外じゃないわよね・・・?」

 

サトゥー(何か徐々に温度を変化させる方法があれば良いんだが・・・窯を修理してもう一度温度を上げてから徐々に下げていくか?いや・・・それだと時間がギリギリ過ぎる。この案は使えない・・・使えない?)

 

あの時を思い出した。

 

 

 

 

『色々やってみたけどアイテムボックスは完全にストレージの下位互換だな。これじゃ使えない。』

 

『やっぱり消えてる。アイテムボックスだと時間で状態が変化するんだ。』

 

 

 

 

サトゥー(そうだ!それなら!)

 

ヒカル「何か案が湧いたか?」

 

サトゥー「ヒカル、アリサ。ちょっと離れてて貰って良いかな?」

 

ヒカル・アリサ「え?」

 

 

 

 

壊された竃の前に立つ。小瓶をストレージからアイテムボックスに移した。アイテムボックスから小瓶を取り出そうとした瞬間、アイテムボックスから風が吹き荒れた。

 

アリサ「きゃあ!」

 

ヒカル「おっと!」

 

そして小瓶をアイテムボックスからストレージに戻した。小瓶の温度が少し下がった。

 

サトゥー(よし!これで行ける!後はブローの魔法を組み合わせれば・・・)

 

ヒカル「ん?」

 

何かを感じたヒカルが後ろを向く。

 

アリサ「ん?どうかしたの?」

 

ヒカル「おい、隠れてないで出て来い。」

 

 

 

 

ロゼッタ「ありゃ〜、バレちゃった?」

 

エレナ「流石ヒカルね。」

 

 

 

 

出て来たのは、魔法盗賊姉妹のエレナとロゼッタだった。

 

サトゥー「ヒカル、この2人と知り合い?」

 

ヒカル「魔法盗賊姉妹のエレナとロゼッタだ。この前森の中へ行った時に出会った。俺に興味を持って協力してやるって言ったんだ。」

 

ロゼッタ「また会っちゃったねヒカル!」

 

エレナ「言われた依頼やっておいたわ。」

 

ヒカル「ああ。依頼サンキューな。」

 

エレナ「気にしないで。」

 

アリサ「え?依頼ってどう言う事?」

 

ヒカル「工房の周りを調査しに行った時にな。」

 

 

 

 

 

 

それは、ヒカルが工房の周辺を調査しに行った時の事だった。

 

ヒカル『彼奴らを要請するか。』

 

内ポケットから、魔法盗賊のエレナから貰った通信水晶を取り出した。

 

ヒカル『さて、作戦開始だ。』

 

彼は、魔法盗賊姉妹のロゼッタとエレナに通信を始めた。水晶にロゼッタの顔が映し出された。

 

ロゼッタ『はいはーい!』

 

ヒカル『ロゼッタか。』

 

ロゼッタ『おぉ!その声はヒカル!』

 

ヒカル『エレナは居るか?』

 

ロゼッタ『うん。お姉ちゃんも居るよ。』

 

エレナ『ヒカルか。どうかしたのかしら?』

 

ヒカル『ちょっとお前達に依頼を渡そうと思って。』

 

エレナ『依頼?』

 

ヒカル『クハノウ伯爵の元へ行って、セダム市の補佐官の野郎の事を話して欲しいんだ。』

 

エレナ『セダム市の補佐官・・・ああ、あの輩ね。』

 

ヒカル『知ってるのか?』

 

ロゼッタ『知ってるも何も、私達彼奴らの悪事なんてお見通しなの。幻想の森を支配しようとしてる奴らでしょ?』

 

エレナ『私達は彼奴らに色々世話になってるからね。』

 

ヒカル『知ってるなら話は早い。依頼頼めるか?』

 

エレナ『勿論よ。クハノウ伯爵にも色々世話になってるしね。その依頼引き受けたわ。』

 

ヒカル『ありがとう。じゃあ頼むぜ。』

 

ロゼッタ『任せてね!』

 

ヒカル『それと、盟約のポーション用の小瓶が補佐官共に買い占められちゃってるんだ。可能だったら買い占められた小瓶をあるだけ全部回収してくれるか?』

 

エレナ『分かったわ。合流場所は何処?』

 

ヒカル『工房だ。』

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

ヒカル「と言う訳さ。」

 

アリサ「流石ヒカル様ね。」

 

ヒカル「それで、小瓶はどうだった?」

 

エレナ「バッチリよ。」

 

2人が小瓶の入った袋を置いて開ける。

 

ヒカル「数は?」

 

ロゼッタ「焼却処分されたけど、大半は無事だよ。」

 

ヒカル「上出来だ。サトゥー、この小瓶も含めてポーションを完成させようぜ。」

 

サトゥー「うん。ありがとう2人共。助かったよ。」

 

エレナ「どう致しまして。あなたがサトゥーね。」

 

サトゥー「知っているのかい?」

 

ロゼッタ「それは勿論!だって盗賊だもの。」

 

 

 

 

 

 

その後。ヒカルとサトゥーとアリサが工房から出て来た。

 

リザ「ご主人様・・・ヒカル様・・・」

 

サトゥーは真剣な顔をしたが、すぐに笑顔になってヒカルとアリサに向かって頷いた。

 

アリサ「さぁ!あのいけすかない小悪党と銀髪野郎をぎゃふんと言わせに行くわよ~!!」

 

ヒカル「あのおじちゃん達に最高のプレゼントを渡そうぜ!」

 

全員「おーー!!」

 

ポチ「行くのですー!」

 

タマ「ぎゃふんー!」

 

サトゥー(ぎゃふんって・・・)

 

ヒカル(本当何時の時代の人間だアリサは?)

 

 

 

 

 

 

『BGM:予兆』

 

全員が市庁舎へ向かった。

 

バーキンツ「貴様らか。何の用だ?納品は出来ないと報告は受けている。であれば私に用は無いはず。この都市を去りたまえ。」

 

ヒカル「生憎そうは行かないんでな。こっちに運が舞い降りちまった。」

 

サトゥー「補佐官殿。この納品完了書に署名と押印をお願い致します。」

 

バーキンツ「納品完了書だと・・・!?」

 

ドサン「そ・・・そんなはずは!?」

 

職員「魔法薬300本の納品処理を終えました。一緒に提出された補佐官殿の念書も拝見しまして問題無い事も確認済みです。」

 

ドサン「ぐっ・・・ど・・・どんな手品を使った!?」

 

ヒカル「どんな手品かだって?それは、お前らがそうやって悔しがる手品さ。」

 

ドサン「ぐっ・・・!!!」

 

ヒカル「そして、彼女達も協力してくれた。」

 

ロゼッタ「ヤッホー!」

 

エレナ「バーキンツ補佐官、それにドサンも久し振りね。」

 

バーキンツ「貴様ら・・・!!」

 

ドサン「何故ここに!?」

 

ロゼッタ「決まってるよ!ねぇお姉ちゃん。」

 

エレナ「ええ。買い占められた焼却処分寸前の大半の小瓶を回収してあげたのよ。」

 

ドサン「なっ!!じゃああの時、部下が小瓶の焼却処分が早く終わったと言ったのは・・・!!」

 

エレナ「私達がこっそり盗んであげただけ。」

 

ドサン「小娘共が!!強盗の罪で牢獄へ入れるぞ!!!」

 

エレナ「やれるもんならやってみなさい。今の私達は伯爵に雇われてる善意の盗賊よ。それに回収命令はヒカルと伯爵からの依頼だからね。」

 

ドサン「くっ・・・!!卑怯者めが・・・!!」

 

エレナ「どの口がそれを言うのかしら?」

 

バーキンツ「・・・・・・」

 

サトゥー「どうされました?後はサインと押印で終わりなのですが?」

 

ヒカル「サインと押印なんて簡単な作業だろ?早くやればすぐに済む。」

 

しかしバーキンツは何もせずに椅子から立って外を見る。

 

職員「あの、補佐官?」

 

サトゥー(意地でもサインしないつもりか?)

 

ヒカル(子供染みた真似しやがって。)

 

イネニマアナ「もうすぐ日没だよ・・・このままじゃ・・・」

 

ヒカル「分かってる。何とかする。」

 

サトゥー「補佐官殿。納品書にサインはいただけませんか?」

 

ヒカル「おい聞こえてんのか?サインしねえと何をするか分かってんだろうな?」

 

しかし何もせずに外を見る。しかしその時。

 

 

 

 

 

 

???「では、私がサインしてやろう。」

 

 

 

 

 

 

『BGM:捜査』

 

バーキンツ「っ!?」

 

1人の男性が部屋に入って、納品完了書にサインと押印した。

 

バーキンツ「クハノウ伯爵!?どうしてこちらに!?」

 

この男性はクハノウ伯爵であった。

 

クハノウ伯爵「見て分からんか?魔女殿に貴様等の悪事を教えて貰ったからだよ。」

 

イネニマアナ「お、お師匠様!もしかしてサトゥーさん、あの時!」

 

サトゥー「うん。」

 

魔女「イネニマアナ。大変だったみたいね。」

 

イネニマアナ「お師匠様・・・!」

 

ヒカル(間に合ったみたいだな。)

 

サトゥー(うん。)

 

クハノウ伯爵「そして、彼女達にも教えて貰った。エレナ、ロゼッタ、報告ご苦労であった。」

 

エレナ「いえ、私達は伯爵に雇われただけの盗賊姉妹ですから。」

 

ロゼッタ「盟約を踏み躙る者は許せませんから。」

 

クハノウ伯爵「うむ。・・・ムーノ侯爵の家臣であった貴様の父親とは王立学院時代の友人だった。それ故領地を捨てて頼ってきた貴様等一派を助け職を与えたんだ。どうやら私の目は節穴だったようだ。」

 

騎士達がバーキンツとドサンを拘束した。

 

ドサン「ぐっ!」

 

そのままドサンを連行した。バーキンツを連行しようとしたが。

 

バーキンツ「お待ち下さい!これは魔女とそこの男達の陰謀でございます!!」

 

クハノウ伯爵「ふんっ、陰謀が聞いて呆れるわ!我が伯爵領がこれまで魔女殿から受けた恩義を忘れたか!5年前の流行り病で魔女殿の薬で救われた者の中に、貴様の弟妹も居たであろう!それにコボルト共の攻撃激しい現状で、魔女殿のポーションで救われる騎士や兵士がどれ程多いと思っているのだ!!貴様に太守補佐官の役職は務まらん!我が領地の永代貴族へ取り立てる話も無かった事にさせてもらおう!年金で細々と老いた母親や弟妹共と一緒に平民に混じって暮らすが良い。」

 

するとバーキンツが衝撃波で騎士達を離した。

 

バーキンツ「太守が代理たる補佐官が願い奉る・・・」

 

するとクハノウ伯爵の周りに魔法陣が展開された。

 

職員「伯爵様!」

 

ヒカル「っ!」

 

腰に両手を当ててアークルを出そうとするが。

 

クハノウ伯爵「案ずるな!」

 

バーキンツ「セダム市の御霊よ・・・我が都市の敵を撃て!!バニッシュ!!!」

 

魔法をクハノウ伯爵に向けて放った。

 

クハノウ伯爵「!!!」

 

しかしクハノウ伯爵がバニッシュを防いだ。

 

ヒカル「凄え・・・」

 

クハノウ伯爵「愚かな。クハノウ伯爵たる私が自分の領地で害される訳なかろう。貴様が行使した借り物の力を貸したのは誰が忘れたか!」

 

バーキンツ「っ!?」

 

ヒカル(さっきのはこの街のシティ・コアからお借りしたのか。)

 

サトゥー(伯爵が太守に使用権を貸し与えているものだから、より上位の人間は傷付けられないって訳か。)

 

クハノウ伯爵「亡き友への情けだ。反逆罪ではなく死罪で許してやろう!」

 

 

 

 

しかしヒカルがバーキンツに攻撃して身柄を拘束した。

 

 

 

 

クハノウ伯爵「・・・何故邪魔を致したのだ?」

 

サトゥー「子供達の前ですから。」

 

ヒカル「幼い子供達に残酷な光景を見せたくないからな。それに処刑を決行するなら刑場が相応しいからな。」

 

サトゥー「幼子の前で見せる物ではありませんよ。」

 

クハノウ伯爵「・・・ふむ。」

 

剣を収めた。

 

クハノウ伯爵「魔女殿は良い知己を持たれたようだ。」

 

魔女「ふふっ。」

 

こうして盟約は無事成功した。しかしその時。

 

ドサン「くそっ!!」

 

突然ドサンが騎士達を払った。

 

サトゥー「っ!!」

 

そしてバーキンツを連れて、窓を突き破って逃げ出した。

 

ヒカル「彼奴、逃げたのか!?」

 

 

 

 

 

『BGM:変化』

 

すぐに外へ駆け付けると、ドサンとゴウラムから逃げ延びた取り巻きの男達が馬車を奪い取っていた。

 

ドサン「俺達はまだ諦めねえよ!!幻想の森をぶっ壊してやる!!」

 

バーキンツ「行け!!」

 

彼らは馬車で全速力でセダム市から逃げ出して、幻想の森へ向かった。

 

アリサ「ご主人様!ヒカル様!」

 

サトゥー「皆!」

 

イネニマアナ「幻想の森が無くなっちゃうよ!!」

 

サトゥー「彼奴・・・!」

 

クハノウ伯爵「すぐに追うぞ!馬車を用意しろ!」

 

職員「は、はい!」

 

ヒカル「サトゥー、先に行く。」

 

赤い球を投げて、ビートチェイサー2000を召喚した。

 

サトゥー「ヒカル、頼むよ。」

 

ヒカル「任せろ。」

 

クハノウ伯爵「彼は何を?」

 

 

 

全員が注目する中、ヒカルは腰に両手を翳してアークルを出した。

 

ヒカル「変身!」

 

彼は仮面ライダークウガ・マイティフォームに変身した。

 

 

 

クハノウ伯爵「おお、あの姿は?」

 

サトゥー「古代の戦士クウガです。」

 

クハノウ伯爵「古代の戦士・・・」

 

 

 

クウガはビートチェイサー2000に跨って、サトゥー達に向かってサムズアップした。サトゥー達は頷いた。

 

 

 

 

『BGM:戦士』

 

ビートチェイサー2000でドサン達を追跡する。

 

サトゥー「伯爵様、私達も行きましょう。」

 

クハノウ伯爵「ああ。」

 

サトゥー「皆行くぞ!」

 

アリサ達「はい!(なのです!)」

 

サトゥー達も馬車に乗ってドサン達を追う。

 

 

 

 

 

 

その頃クウガは、セダム市から出てバーキンツ達を追っていた。

 

ヒカル「っ!!」

 

前方にバーキンツ達を発見した。

 

男A「あ、兄貴!何かが来ます!」

 

バーキンツ「何?誰が来ようと関係無い!幻想の森へ急げ!!」

 

馬車の速度を上げるが、クウガがビートチェイサー2000の速度を上げて一瞬で追い付いた。

 

男B「だ、誰だお前!!」

 

クウガは返答せずに、ジグザグに運転してバーキンツ達の前を走る。

 

ドサン「くそ、おい!代われ!」

 

御者をドサンに交代した。

 

ドサン「潰せ!!」

 

馬車馬がクウガに向かって体当たりしようとしたが。

 

ヒカル「おっと!」

 

横に避けた。

 

ドサン「まだだ!」

 

もう1度体当たりしようとしたが、また避けられた。

 

男C「何なんだよ彼奴!!」

 

ドサン「ならば、挟み撃ちだ!!」

 

2頭の馬車馬が左右からクウガを挟み撃ちしようとする。

 

ドサン「死ねえ!!」

 

しかしクウガが。

 

ヒカル「っ!」

 

加速して避けた。

 

ドサン「くそっ!調子に乗りやがって!!」

 

ヒカル「っ!」

 

アクセルを限界まで捻って、ウィリーしてスピードを上げた。

 

ドサン「何!?奴の馬速いぞ!おい!追え!!」

 

馬車も加速してクウガを追う。

 

 

 

 

クウガは一気にドサン達との大きな差を付けた。

 

ヒカル「幻想の森。」

 

幻想の森が見えた。

 

ヒカル「よし。」

 

コードを入力すると、後部からドラッグシュートが射出し、ビートチェイサー2000の速度を落とした。ドラッグシュートがパージされ、ビートチェイサー2000を幻想の森前に停車させて降りる。

 

ヒカル「っ!」

 

遠くにドサン達が乗ってる馬車が見えた。

 

ヒカル「見えた。」

 

身体中に雷が走り、ライジングマイティフォームに強化した。

 

ヒカル「っ!」

 

構えて、一気に走り出す。

 

バーキンツ「このまま潰せ!!」

 

クウガは前に向かって走る。

 

ヒカル「フッ!!」

 

ジャンプして宙返りした。

 

ヒカル「おりゃああああああああ!!!!」

 

ライジングマイティキックで、バーキンツ達を乗せた荷車を壊した。

 

バーキンツ達「ぐおああああああああ!!!!」

 

荷車はバラバラに壊され、馬車馬がバランスを崩して倒れた。バーキンツ達も地面に倒れた。

 

バーキンツ「く、くそ・・・!!」

 

ドサン「何なんだお前は!魔族の類か!?」

 

ヒカル「古代の戦士クウガ。」

 

バーキンツ「古代の戦士だと・・・!?」

 

ドサン「そんな記述聞いた事無いぞ!」

 

ヒカル「これ以上幻想の森へ行かせない。セダム市に帰って牢獄送りにしてやる。」

 

ドサン「く、くそ!ここまで来て捕まってたまるか!殺せ!!」

 

男達「うおおおおおおお!!!!」

 

剣を持った男達がクウガを襲う。

 

ヒカル「超変身!!」

 

タイタンフォームに超変身した。

 

男A「姿が変わったぐらいで何が出来る!!!」

 

剣でクウガを刺した。しかし、タイタンフォームの装甲で剣が折れてしまった。

 

男A「な、何だと!?」

 

ヒカル「この程度か?」

 

男A「くそっ!!」

 

今度は殴るが、手に痛みが走った。

 

男B「くっ!何なんだこの硬さは!!」

 

ヒカル「退け。」

 

男B「ぐあああああ!!」

 

右手で男Bを吹き飛ばした。落ちてる剣を拾ってタイタンソードに変貌させた。

 

ドサン「くっ・・・!おい!先に幻想の森を潰せ!!」

 

男達がクウガを無視して幻想の森へ走る。

 

ヒカル「行かせるか!!」

 

黒い球を投げてゴウラムを召喚した。ゴウラムが男達の行く手を遮る。

 

ヒカル「ゴウラム!!此奴らを蹴散らせ!!」

 

男C「たった1匹だけで何が出来る!!」

 

するとゴウラムが高速で男達に体当たりした。

 

男達「ぐああああああああ!!!!」

 

ドサン「何だと!?」

 

クウガがタイタンソードの剣先をバーキンツとドサンの顔に向ける。

 

バーキンツ「っ!?」

 

ドサン「ひぃっ!?」

 

ヒカル「さぁどうする?幻想の森を諦めるか、ここで素直に殺されるか、選べ。」

 

ドサン「だ、黙れ!!」

 

剣を持ってクウガを突き刺すが、当然のように折れた。

 

ヒカル「どうした?この程度か。」

 

ドサン「ひぃっ!!」

 

 

 

 

 

 

そこにサトゥー達とクハノウ伯爵が来た。

 

アリサ「彼処!」

 

サトゥー「ヒカル。」

 

 

 

 

 

 

ヒカル「さぁどうする?幻想の森を諦めて奴隷になるか、ここで素直に殺されるか、選べ。」

 

ドサン「だ、黙れ!!幻想の森を壊して新しい街を作るまでは捕まってたまるか!!」

 

バーキンツ「そこを退け!死にたくないならな!」

 

ヒカル「ならやってみろ。」

 

バーキンツ「バニッシュ!!!」

 

バニッシュをクウガに向けて放った。

 

ヒカル「おりゃああああああ!!!」

 

”ドガーーーン”

 

バーキンツ・ドサン「っ!?」

 

クウガがカラミティタイタンでバニッシュを一撃粉砕した。

 

ヒカル「どうだ?これでも見てまだやるのか?」

 

バーキンツ・ドサン「く、来るなああああああ!!!」

 

恐怖のあまり逃げ出したが、逃げた先にサトゥー達とクハノウ伯爵が立っていた。

 

クハノウ伯爵「無様な奴だ。敵前逃亡の挙句、呆気なく捕まるとはな。」

 

ドサン「は、伯爵様・・・!!」

 

バーキンツ「くっ・・・!」

 

クハノウ伯爵「この者達を連行しろ!」

 

騎士「はい!」

 

ようやくバーキンツとドサンを連行した。

 

ヒカル「ふぅ・・・」

 

変身を解いてヒカルに戻った。

 

クハノウ伯爵「助かったぞ。古代の戦士よ。」

 

ヒカル「へへっ。」

 

サトゥー達にサムズアップした。

 

 

 

 

 

 

『BGM:世界』

 

その後バーキンツとドサンは牢屋に連行された。ヒカルとサトゥーと魔女は応接室でクハノウ伯爵と面会する事になった。まずは魔女へバーキンツの暗躍を許した事への婉曲した詫びを述べた。

 

クハノウ伯爵「サトゥーとヒカルと言ったか。此度はご苦労であった。褒美は何を望む?金品が欲しいか?士官を望むのであればそれも良かろう。」

 

ヒカル「いや、金品と士官は荷が重過ぎる。」

 

サトゥー「僭越ながら、領内での魔法書やスクロールの購入許可を戴ければ恐悦至極にございます。」

 

クハノウ伯爵「魔女殿の知己だけあって知識欲旺盛だな。良かろう、許可証を発行してやる。」

 

ヒカル「そうだ。工房主の竃を修復してくれるか?彼奴らの仕業で無惨に壊されてしまったんだ。」

 

クハノウ伯爵「うむ。その話は先程部下に聞いた。すぐに手配しよう。」

 

ヒカル「それと、あの2人は今後どうするんだ?死罪よりも奴隷にして、たっぷり罪を償わせる案もあるんだが。」

 

クハノウ伯爵「ふむ。確かにその提案もあったな。そなたの案に応えよう。」

 

その後は魔女の用件に移った。南西の国境沿いの山奥に潜んだヒュドラの所在を行かせる者達に、ヒュドラの毒に対処する為のポーションを作って欲しいと言う以来だった。

 

クハノウ伯爵「あれは20年前にムーノ侯爵領から越境して来た魔物だ。3年前も人里を襲撃して来てセダム市や周辺の村落も被害を受けてる。だがその魔物は行方不明のままだ。くれぐれも気を付けてくれ。」

 

ヒカル「ヒュドラかぁ・・・出会ったらヤバそうだな。」

 

バーキンツとドサンはヒカルの提案によって敢え無く奴隷にされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『BGM:平穏』

 

その後。

 

サトゥー「では、納品が無事に成功した事に乾杯!」

 

全員「乾杯!!」

 

無事に盟約を成功したその祝いで宴会を開く事になった。道具の返却時に工房主に奴隷連れで入る食堂を訪ねたが、そのような所は無いと言われた。けど幸いにも使っていない作業場を宴会場に提供しても良いと提案してくれた。お言葉に甘えて打ち上げをする事になったのだ。

 

ヒカル「祭りだ祭りだ!じゃんじゃん食うぜ!」

 

ミードを飲んでるヒカル。

 

リザ「この小鳥の姿焼きは素晴らしいですね!頭から丸ごと取りの全てを味わえます!」

 

小鳥の姿焼きを食べて感動してるリザ。

 

ポチ「こっちの兎肉の串も美味しいのです!」

 

タマ「どっちも捨て難い〜!」

 

サトゥー(後で野菜も食べるように言わないとね。)

 

ヒカル「ミーア、この果物入りの野菜炒め美味えぞ?どうだ?」

 

ミーア「美味し。」

 

本日のMVP、ミーアを接待中。

 

アリサ「ちょっと、ミーアばっかりずるいわよ。」

 

ミーア「そう?」

 

ルル「もうアリサったら。ご主人様、ヒカル様、此方の煮込みも美味しいですよ。」

 

ナナ「マスター、この包み焼きが絶品だと報告します。」

 

ヒカル「マジで?貰おうか。」

 

サトゥー「此方の料理も美味しいですよ。」

 

魔女「まぁ。サトゥー殿ありがとうございます。」

 

イネニマアナ「お師匠様!こっちも美味しいよ!」

 

工房主「若旦那方はモテモテだな。」

 

ヒカル「そう言ってる工房主も、案外モテてるじゃねえか。」

 

工房主「ははは。そうだな。」

 

参加してる3匹の猫人が工房主と楽しくやってる。

 

ヒカル「おい猫ちゃん達。この肉串と小鳥の姿焼きもどうだ?美味えぞ。」

 

猫人A「おひぃれす!」

 

猫人B「オイくおひぃ!」

 

猫人C「はぐっ、むぐ、うあぃ!」

 

ポチ「こっちも美味しいのです!」

 

タマ「これも食べて〜。」

 

アリサ「こっちもお勧めよ。」

 

ヒカル「賑やかになってるな。」

 

サトゥー「だね。」

 

ヒカル「いやぁ〜にしても、あの下衆な2人が無事奴隷にされて良かった。お陰で気分スカッと!」

 

 

 

 

 

 

『BGM:休息』

 

そして翌朝。

 

サトゥー「御迷惑をお掛けしました。」

 

ヒカル「色々世話になったな。」

 

工房主「良いって事よ!領主様の取り計らいで優先的に取引させて貰える事になったし、窯に至っては前よりでかくなっちまった!はははは!」

 

魔女「サトゥー殿、ヒカル殿。此度の助力に心より感謝申し上げます。」

 

ヒカル「いえいえ。お陰で盟約が無事成功出来て良かったし、彼奴らを成敗してスカッと晴れましたし。」

 

イネニマアナ「サトゥーさん!ヒカルさん!これお礼なの!」

 

ランタンを渡した。

 

サトゥー「ランタンかい?」

 

イネニマアナ「お師匠様に手伝って貰って作った魔法道具!」

 

サトゥー「へぇ〜。それは凄いね。」

 

ヒカル「ハロウィンでもやりたい気分だぜ。」

 

サトゥー「ありがとう。大切に使わせてもらうよ。」

 

魔女「これは婆からの餞別でございます。」

 

虹色に輝く魔法を発動した。魔女の友の称号を貰った。

 

サトゥー「またお会い出来る日を楽しみにしています。」

 

ヒカル「森の中で幸せに暮らして下さいね。」

 

魔女「サトゥー殿もヒカル殿もご壮健でありますように。」

 

 

 

 

イネニマアナ達を乗せた馬車が、幻想の森に向かって出発した。

 

サトゥー(シュールだ。)

 

ヒカル(馬車に鳥が乗ってるな。)

 

 

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

クハノウ市に滞在中、ヒカル達は市内を観光しつつ、次の旅立ちへの準備を始めた。

 

サトゥー「そう言えばヒカル。あの2人はどうしたの?」

 

ヒカル「ロゼッタとエレナか?あの2人は昨日の夜別れた。また会おうって。」

 

サトゥー「そうか。」

 

 

 

広場。王祖の像が建ってある。

 

タマ「おっき〜!」

 

ポチ「リザが2人分くらいなのです!」

 

サトゥー「2人共、王祖様の像の前だからあまり騒がないようにね。」

 

ヒカル「周りから怒られるぞ?」

 

タマ「あい。」

 

ポチ「はいなのです。」

 

2人は声を低くして返事をした。

 

アリサ「でも幾ら偉人でも誇張し過ぎよね。」

 

ミーア「ん。」

 

ヒカル「お?吟遊詩人が居るぞ。」

 

サトゥー「本当だ。」

 

吟遊詩人「我らが偉大なる王祖の英雄譚・・・」

 

彼は王祖の英雄譚をギターを奏でながら語った。

 

 

・聖剣クラウソラスが13枚の刃に分かれて飛んで敵を迎撃。

・甲冑が勝手に動いて王祖を守る。

・竜や調伏した魔族に騎乗して戦った。

 

 

アリサ「ふーん?」

 

ヒカル(眉唾物の逸話が多い気がするな。)

 

サトゥー(建国の英雄を讃える歌だし、色々誇張してあるのだろう。)

 

吟遊詩人が演奏と英雄譚を終えると、周囲から拍手が響いた。

 

 

 

 

その後物見遊山で市門近くの市場を冷やかして回る。

 

アリサ「掘り出し物の絵本とか無い?」

 

店主「絵本は無いねぇ。こっちの哲学書や手記はどうかね?」

 

ヒカル「哲学書と手記か。」

 

サトゥー「ちょっと中を見ても良いかい?」

 

店主「良いとも。これは富豪の跡取りが二束三文で売り出した何かの研究所なんだ。」

 

哲学書を拝見する。

 

店主「知り合いの学者や魔法使いの所に持って行ったんだが、買い取ってもらえなかったんで、好事家が引っ掛かってくれるのを待ってるのさ。」

 

サトゥー「(そんな言い方で買う奴なんて・・・)ん?」

 

アリサ「どうしたの?」

 

ヒカル「何かあったか?」

 

相場不明の紙束を発見した。

 

サトゥー「そっちの紙束は幾らだい?」

 

店主「それなら一束銅貨1枚で良い。全部買ってくれるなら大銅貨1枚までまけてやるよ。」

 

紙束と仙台の富豪が書いたと言う紐綴じの研究所を捨て値で買い取った。

 

店主「まいどー!」

 

 

 

 

購入後。

 

アリサ「何するのよそんなの買って。」

 

サトゥー「さぁ?」

 

ヒカル「かなりボロボロな紙束だな。」

 

サトゥー(実際、この紙束を買ったのは相場スキルのせいだ。相場スキルで金貨255枚を超える品を見た事無いから、少なくともそれ以上の価値と言う事になる。こんな表示になるのはガレージ・バッグやストレージにある聖剣などの一部だけだ。ちょっとした宝探し気分で買ったから、中に何が書いてあるのか今から楽しみだ。)

 

アリサ「何で買ったの?」

 

サトゥー「後のお楽しみだよ。」

 

ヒカル「楽しみ?」

 

するとナナがサトゥーに引っ付いた。

 

ナナ「マスター、謎の回転体を補足しました。警戒を要請します。」

 

ヒカル「回転体?」

 

彼女が補足した回転体は、コマを売ってる店だった。

 

店主「そこの羽振りの良さそうな若旦那!王都のマジックアイテムはどうだい?」

 

サトゥー「これはコマかい?」

 

店主「そうさ。でも、ただのコマじゃないんだぜ!」

 

魔力を流して手を離すと、コマが自動で回転した。

 

ヒカル「凄え。自動で回転した。」

 

店主「詐欺じゃないぜ?若旦那も魔力を流して回してみなよ。」

 

言われるがままに魔力を流して回してみる。

 

サトゥー(内側と外側が違う方に回転してる。魔力を使いモーターみたいな機構なのだろう。作者オリジナルかな?)

 

ヒカル「面白いなこれ。」

 

サトゥー(このコマの仕組みを使えば撹拌器とか作れそうだ。)

 

本体2つで金貨3枚まで値切って購入した。1つは分解確認用として購入した。駄目元で店主に製作者を聞いたらアッサリ教えてくれた。王都のジャハドと言う名前の老博士だそうだ。

 

 

 

 

小腹が空いたので買い食いをする。セダム市名物のお焼きを食べる。

 

ヒカル「美味いなこれ。」

 

するとリザが焼き鳥をじっと見る。小銭を渡して希望者分だけ買いに行かせた。

 

タマ「焼き鳥〜!」

 

ポチ「なのです!」

 

アリサ「わーい!」

 

 

 

 

そんな最中、サトゥーはゼナへの手紙を書いた。

 

サトゥー(この手紙を書くのには苦労した。)

 

此方の手紙の書き方のマナーや慣用句を知らなかったので、ここで知り合いになった商人に教えてもらいながら書いたのだった。

 

サトゥー「ユニちゃん宛てにも手紙を書いてあげようか?」

 

ポチ「ポチがちゃんと書けるようになって出したいのです!」

 

タマ「タマも〜!」

 

ヒカル「そうか。楽しみにしてるぜ。」

 

セーリュー市に向かう商人にゼナ宛ての手紙を預けた。

 

サトゥー(郵便局のありがたみが身に沁みる。)

 

そしてこれから向かうムーノ男爵領の情報収集を開始した。

 

 

 

ヒカル「情報収集完了。」

 

 

 

ムーノ男爵領は、ムーノ侯爵領がゼンに滅ぼされた後オーユゴック公爵の係累の貴殿がムーノの家名と領地を継いで出来た新興領地らしい。以前は貧乏なだけの領地だったが、ここ3年程治安の悪化が著しい。周囲の領地の対応だが、クハノウ伯爵はコボルトの件で動けず、オーユゴック公爵も東方の小国軍と鼬人族の帝国との間が一触即発らしく、どうも迂闊に軍を動かせない状態のようだ。

 

サトゥー(街や村に寄りたくない感じだな。)

 

補給無しで領地を踏破出来るように保存が効く食料を多めに調達する。

 

サトゥー(俺達だけなら一月くらいは保つだろう。)

 

 

 

革鎧も自作。

 

 

 

そして先輩商人に「騎馬の護衛が居ると盗人避けになる」と教わったので、馬具付きの馬2頭を購入した。全員で乗馬の練習をしてみる。

 

サトゥー(しばらくは俺とリザが騎馬で行動する事になりそうだ。)

 

 

 

 

後日、小悪党の件で呼び出しがあり、ヒカルとサトゥーが市庁舎に向かった。

 

 

 

市庁舎内。

 

大した資産が無かった為、奴隷に落とした上で金貨10枚にしかならないと言われてしまった。

 

サトゥー(金額自体はどうでもいいや。)

 

ヒカル(まだまだ金が大量にあるしな。)

 

小悪党はコボルトの猛攻に晒されている銀山へ送られそうだ。自業自得だとは思うが、少し可哀想な気もしないでもない。

 

サトゥー(まあ、あの小悪党ならどんな場所でも生き延びそうだ。)

 

ヒカル(生存フラグスキルでも身に付いてそうだな。)

 

バーキンツ補佐官の方も処刑を免れたようで、マップ情報を見る限り、伯爵の知識奴隷としてこき使われているようだ。プライドが高そうな彼からしたら、死んだ方がマシだったかも知れない。だが罪は生きて償うべきだとサトゥーはそう思った。因みに余談だが、バーキンツの弟妹は役所で雇われているようだ。

 

サトゥー(路頭に迷っている訳じゃなさそうで良かった。)

 

ヒカル(あの子達に明るい未来が来ると良いな。)

 

 

 

 

宿に戻った。

 

アリサ「ご主人様!この本返すから、次は術理魔法の魔法書貸して?」

 

サトゥー「良いよ。」

 

ヒカル(勝手に取り出して読んで良いと許してあるのに律儀な野郎だ。)

 

サトゥー「中級の魔法書はどうだった?」

 

アリサ「内容そのものより使われているシガ国語が難しくて苦労しているわ。」

 

サトゥー「この短期間で魔法書が読めるようになっただけで凄いよ。」

 

ヒカル「流石だなアリサ。」

 

アリサ「ご主人様とヒカル様は何を読んでるの?・・・献立表?」

 

2人が読んでるのは、昨日怪しい露店で購入した相場不明の紙束だった。何か隠されているのかと解読を頑張っているのだが、中には献立表や、同僚への愚痴、妻への不貞を疑う書き込みが、出鱈目な順番で並んでいた。

 

ヒカル「これ何かのイジメか?」

 

共通しているのは、必ず日付が書かれている事と、どの文書も活字で打ったかのようにきっちりと書かれている事だけだった。ただ、日付順に並んでいない上に話題が飛び飛びになっているので、何が書かれているのは把握し辛い。恐らくこの並びに秘密があるのだろうが、中々法則性が見付からない。

 

アリサ「どれどれ?」

 

サトゥー(暗号解読スキルがあるのに不甲斐ない・・・)

 

するとアリサからある言葉が出た。

 

アリサ「せいけん?」

 

ヒカル「え?せいけん?」

 

サトゥー「そんな単語無いだろう?」

 

ヒカル「どこに書かれてあるんだ?」

 

アリサ「縦読みしたらそう読めたわよ?ほらここ。」

 

ヒカル「縦読みだと?」

 

サトゥー(異世界に来てまでネットの掲示板みたいな事をするのか?)

 

縦に読んでみると。

 

ヒカル「マジだ。縦読みしたらそう読める。」

 

サトゥー(これは・・・ストレージ内のカミを日付順にソートして順番に読むと・・・・・っ!!)

 

解読出来たサトゥーが驚いた。

 

サトゥー「(成る程!確かに金貨255枚以上の価値がありそうだ!)アリサ偉い!」

 

アリサ「ふふん。誉めるなら態度を示して欲しいわね〜・・・・」

 

突然サトゥーに抱き付かれた。

 

ヒカル「サトゥー?」

 

アリサ「うは・・・いきなりはらめぇ〜!」

 

抱き付かれたままクルクル回った。そして紙束に書かれていたのは・・・人の手による聖剣の作り方だった。

 

 

 

 

 

 

後日、一行はセダム市から旅立つ。ヒカルはトライチェイサー2000に跨る。

 

サトゥー「さぁ!俺達も行こう!」

 

ヒカル「出発だ!」

 

アリサ「はーい!」

 

ルル「はい!」

 

ミーア「ん。」

 

ナナ「了解と告げます。」

 

リザ「畏まりました!」

 

ポチ「はいなのです!」

 

タマ「出発ー!」

 

ポチ「進行なのですー!」

 

こうしてセダム市から出た。

 

 

 

 

セダム市から出た後。

 

アリサ「セダム市を離れるのが何か寂しいわね。お祭りの後ってのもあるのかしら?」

 

昨日、銀山を襲うコボルト軍を太守が追い払ったお祝いに凱旋祭が開催されたのだった。

 

タマ「お祭り〜好き〜!」

 

ポチ「皆笑顔で楽しかったのです!」

 

ミーア「ん。」

 

ヒカル「本当だよな。俺なんか食って飲んだり踊ったりもしてテンションMAXだったぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌朝。

 

ナナ「マスター・・・お願い・・・懇願します。」

 

馬車で寝てるサトゥーをナナが起こした。

 

サトゥー「・・・ん・・・?」

 

目を開けたサトゥー。するとナナが服を脱いで上半身裸になった。

 

ナナ「マスター・・・早く・・・」

 

サトゥー「・・・・」

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

アリサ「おはよー。あなたのアリサちゃんですよー!おおおおおおお!?何じゃそれ!?」

 

ヒカル「朝っぱらからハーレム展開ですか?」

 

起こしに来たヒカルとアリサが2人を見た。サトゥーがナナの胸を触ろうとしたが。

 

アリサ「アリサちゃん鉄壁のガード!!!」

 

飛び込んでサトゥーの前を塞いだ。

 

ナナ「マスター。理術器官の調整を早くお願いします。」

 

アリサ「は?Hな事してたんじゃないの?」

 

サトゥー「アタリマエジャナイカ。」

 

アリサ「何か怪しい・・・」

 

サトゥー「ソンナコトナイサ。」

 

ヒカル(ポーカーフェイスで誤魔化してるな。)

 

アリサ「ナナなら魔力操作スキルがあるでしょ?」

 

ナナ「理術器官が不調の為、魔力操作が不可能であると報告します。」

 

サトゥー「そう言う事なら分かった。俺もそのスキルを持ってるしやってみるよ。どうすれば良い?」

 

ナナ「心臓に近い場所に手を当てて魔力を流して下さい。微調整は都度依頼すると宣言します。」

 

ミーア「背中!」

 

様子を見に来たミーアが助言した。

 

ヒカル「ミーア?」

 

ミーア「せ・な・か!」

 

アリサ「そうよ!心臓に近いだけで良いなら背中でも問題無いじゃない!さっすがミーア!」

 

ミーア「ん。任せて。」

 

ヒカル「任されたなミーア。」

 

ナナ「ミーアの提案を承諾。背中でも調整効率に問題無いと保証します。」

 

ヒカル「背中エロいな・・・」

 

サトゥー「(背中・・・でも・・・)い・・・行くよ?」

 

恐る恐る両手を伸ばして、ナナの背中に触れて魔力を流す。

 

ナナ「あんっ・・・!くぅ・・・マスター・・・もう少し優しく・・・ああっ!」

 

サトゥー「ちょっとナナ?」

 

ヒカル「喘ぐなよ。」

 

ミーア「むぅ、破廉恥。」

 

アリサ「ぐぬぬぬ・・・今度は絶対、絶対にアリサちゃんの番!!」

 

リザ「おはようございますご主人様・・・?」

 

サトゥー「お、おはよう・・・」

 

リザ「本日はどのようなご予定でしょう?」

 

ナナ「あんっ・・・!」

 

ヒカル「おぇ・・・」

 

 

 

 

 

 

すぐに支度して出発した。ヒカルはトライチェイサー2000に乗って馬車の前を走る。

 

ヒカル「さて、久し振りの旅立ちだぜ。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃セーリュー市では、ゼナが走っていた。彼女の手には1通の手紙があった。

 

 

 

酒場。

 

ゼナ「リリオ!」

 

リリオ「おかえりゼナっち!どうしたの?そんなに慌てて。」

 

ゼナ「手紙・・・サトゥーさんから手紙が届いたの!」

 

リリオ「へぇ。で、なんて書いてあるの?」

 

ゼナ「え?えっと・・・余寒なお去り難き折からゼナ様はお元気でお過ごしでしょうか?セーリュー市を離れて久しく感じますがゼナ様にお目にかかれず寂しく思っております・・・!えへへ。」

 

イオナ「ゼナさん。それは手紙の慣用句。」

 

ゼナ「え!?・・・私達は現在セーリュー市の南方にあるクハノウ伯爵領を旅しています。初めての旅は思ったより大変で・・・」

 

 

 

 

 

 

『BGM:平穏』

 

その頃ヒカル達は、昼食を食べていた。

 

ルル「ご主人様、ヒカル様。お茶です。」

 

サトゥー「ありがとう。」

 

ヒカル「サンキュールル。」

 

リザ「ご主人様。このような野草を手に入れたのですが。」

 

外套の中から、棘の多い野草を出した。

 

ヒカル「サボテンの一種か?」

 

サトゥー「何の植物だい?」

 

リザ「それが・・・ポチが持ち帰ると言って聞かなかったので・・・」

 

ポチ「甘い匂いがしてるのです!絶対に食べられるのです!」

 

ヒカル・サトゥー「匂い?」

 

 

 

 

昼食後。野草を調べる。

 

タマ「甘い〜?」

 

ヒカル「・・・本当だ甘い匂いだ。」

 

ルル「あ、あのご主人様、ヒカル様。私の知っているのと少し違いますけど、「冬甘草」に似ていると思います。」

 

ヒカル「冬甘草?」

 

ルル「はい。でもこんなに大きくないですし、棘も殆どありませんでしたけど・・・」

 

冬甘草とは、冬山に自生する棘の生えた多肉植物で、肉厚の葉を手折ると甘い汁を出すので、山に赴く子供達の嗜好品だったらしい。最も果肉は、噛んで甘さを楽しむだけで、決して飲み込んではいけないそうだ。沢山食べるとトイレの住人になってしまうのである。

 

サトゥー「試しに1つ折り取ってみよう。」

 

ヒカル「中身はどんな感じだ〜?」

 

リザ「素手で触られるのは危険です。」

 

冬甘草を折ると、中から汁が溢れ出た。

 

サトゥー「甘い匂い・・・」

 

タマ「溢れる〜!」

 

ポチ「勿体無いのです!」

 

そこにルルが皿を持って来た。

 

ルル「どうぞ。」

 

サトゥー「ありがとう。」

 

ヒカル「助かった。」

 

サトゥー(甘い。ちょっと青臭いが、砂糖の甘さだ。)

 

ヒカル「結構甘いな。癖が無い。」

 

サトゥー「2人共舐めてごらん。」

 

ポチ「はいなのです!」

 

タマ「あい〜!」

 

汁を舐める。サトゥーの右手に付いてる汁を舐める。

 

サトゥー(何故俺の手の方を舐める?)

 

ヒカル(児童ポルノ?)

 

タマ「甘い〜!」

 

ポチ「なのです!」

 

アリサ「ささ、ご主人様これで拭いて下さい。」

 

タオルでサトゥーの右手を拭いた。

 

アリサ「では失礼して・・・」

 

拭いた後、サトゥーの右手を顔に近付けた時。

 

サトゥー「待て。」

 

左手で止められた。

 

サトゥー「何をするつもりだ?」

 

アリサ「え?だって、樹液を付けないとショ・・・」

 

ヒカル「ショ?」

 

アリサ「いえ、ご主人様のい手を舐めてご奉仕出来ないじゃないですか?」

 

サトゥー「味見がしたいなら皿に移して舐めろ。」

 

ヒカル「アダルトな場面を見せる気かお前は?」

 

アリサ「・・・は〜い。」

 

他の皆も樹液を指に付けて味見をする。

 

アリサ「う〜ん、甘いわね〜!ルルが食べてたのが冬甘草なら、これは差し詰め剣山甘草かしら?」

 

ルル「うふふ。そうね。冬甘草の甘みはもっと弱いけど、鍋で煮込んだらこんな甘さになるからきっと似た種類よ。」

 

リザ「棘なのに剣なのですか?」

 

アリサ「そうか。リザさんは剣山なんて知らないか。だったら、名前を付けるなら「棘甘草」ね。」

 

冬甘草を棘甘草に改名した。

 

 

 

 

ルル「皮を剥いて果肉を1口サイズに。」

 

果肉を噛んで楽しむ事にする。

 

 

 

出来上がった物を試食する。全員が『ほわ〜ん』となった。

 

ヒカル「飲み込まないようにな。」

 

皆が甘味に飢えていたようなので、デザートをリザに作ってもらった。

 

ヒカル「今日はデザートパーティだな。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜。ゼナの部屋。

 

サトゥー『今は皆も野宿に慣れて楽しくやっており、私はこの新しい世界を満喫しております。』

 

ゼナは手紙を見て夜空を眺めた。

 

 

 

 

 

 

その頃ヒカル達はキャンプをしていた。サトゥーは焚き火を焚いて虫除けの粉を撒いた。

 

アリサ「ああもう・・・虫め!!」

 

集る虫達を精神魔法で退治した。

 

ヒカル・サトゥー「おおー。」

 

ポチ「ご主人様。絵本を読んで下さいなのです。」

 

サトゥー「良いよ。貸してごらん。」

 

ポチ「はいなのです!」

 

絵本をサトゥーに渡した。

 

サトゥー「それじゃあ読むよ。皆静かにね。」

 

ヒカル「絵本かぁ。どんなストーリーか楽しみだぜ。」

 

それは、この世界の神話だった。

 

 

 

 

『BGM:勇気』

 

むか〜しむかしのそのむかし。七柱の神様が世界樹と一緒に、神様の世界からやってきました。神様は世界樹を大地に植えて、沢山の人々に知恵と言葉を与えたのです。

 

人々は平和に暮らし、八本の世界樹の麓で豊かに繁栄していました。ところが、いつの頃からでしょう。世界には九柱の神様がいたのです。

 

八柱目は竜の神様。七柱の神様達が世界樹の一緒にやってくる前からいたのです。竜の神様はお寝坊さんで、世界がすっかり変わるまで眠っていたのです。目を覚ました竜の神様は、たいへん吃驚したのですが、小さな事に拘らない。おおらかな神様だったので、七柱の神様達を快く認めて仲良く暮らしました。

 

 

 

 

ヒカル「面白そうなストーリーだな。」

 

ポチ「ご主人様。七柱って何なのです?」

 

サトゥー「神様はそう言う単位なんだよ。」

 

ヒカル「簡単に説明すれば、鳥は「羽」で、ネズミは「匹」。そう考えれば良いぞ。」

 

ポチ「知らなかったのです〜!」

 

サトゥー「続きを読むね。」

 

 

 

 

でも、九柱目の神様は違ったのです。他の世界から旅をしてきた魔神だったのです。

 

魔神は、とても我儘で自分が一番でないと我慢ならなかったので、他の神様とよく喧嘩をしていました。魔神は他の神々が様々な種濁に囲まれていているのが羨ましくて仕方ありません。

 

ある時、寂しかった魔神は自分が崇める魔族を創りました。魔族は創り手の魔神と同じように、他の種族を苛めて回ったのです。

 

困った神様達は、魔神に魔族が暴れないようにして欲しいと抗議にいきましたが、聞き入れてくれません。一番弱くて苛められていた人族が幼い女神様に「魔族と戦える力が欲しい」と願いました。

 

幼い女神様はとても困りました。何故なら、幼い女神様には戦う力などなかったのです。他の神様や王様達に相談しましたが、皆首をを振って、うんうんと唸るばかりで何もしてくれません。

 

幼い女神様は、一番強い竜神様に相談に行きました。勿論竜族の力は借りられません。そんな事をしたら暴れる魔族より大きい被害が出てしまうのです。

 

竜神様は初めは渋っていましたが、幼い女神様が持って来た人族の遊びや道具やお酒を気に入って一つの魔法を教えてくれたのです。それは勇者召還の魔法。希望の魔法だったのです。召還された勇者が、魔法や魔族を倒していったのでした。

 

めでたしめでたし。

 

 

 

 

ヒカル「実に良いストーリーだ。」

 

ポチとタマとミーアは眠っている。

 

 

 

 

この絵本は続きがあり、2冊目は、幼い女神パリオン神が勇者と共に七体の魔王を討伐する物語。3冊目は、勇者がパリオン神に婿入りする為に「眷属神」を目指す冒険や試練を描いた物語だった。

 

 

 

 

 

 

同じ頃ゼナの部屋。

 

サトゥー『まだまだ先は長そうですが旅を楽しんでいきたいと思っています。またいつかゼナ様とお会い出来るのを楽しみにしています。』

 

ゼナ「サトゥーさん。何時か。必ず。」

 

 

 

 

 

 

『BGM:青空になる』

 

翌朝。サトゥーが目を覚ました。

 

サトゥー(朝か・・・何か重い・・・?)

 

アリサとリザを除いた奴隷達がサトゥーと添い寝していた。そこにヒカルとアリサとリザが覗きに来た。

 

アリサ「ちょっとご主人様!私がいない状態で何ハーレム楽しんでんのよ!」

 

ヒカル「おいサトゥー、また朝っぱらからハーレム状態か?」

 

リザ「ご主人様・・・もうすぐ朝餉の準備が出来るので起床して下さい。」

 

サトゥー「・・・お、おはよう。」

 

ミーア「はよ・・・」

 

他の皆も起きた。

 

サトゥー「おはよう皆。」

 

ルル「ご、ご主人様!ごめんなさい!私ったら寝惚けて・・・」

 

ヒカル「どうしたルル?」

 

ルル「そ、それに、私みたいな醜女の顔を朝から見せちゃって・・・」

 

サトゥー「腕くらいなら何時でも貸してあげるよ。」

 

ヒカル「俺の腕も貸してやるよ。それに、ルルは醜女じゃねえよ。ルルは可愛いぞ。」

 

ルル「か、可愛い・・・」

 

可愛いと言われたルルの顔が真っ赤になった。

 

 

 

まだ寝てるナナの胸を触ったミーア。ナナが目を開けた。

 

ナナ「起動シークエンスを実行、実行完了・ミーア、胸部緩衝ユニットを用いた覚醒リクエストは痛覚情報が過多だと通達します。」

 

ミーア「ん。ごめ。」

 

 

 

 

タマ「肉ー!」

 

ポチ「美味しそうなのですー!」

 

リザが狩って来た肉を焼いてる。

 

 

 

 

 

 

朝食後。出発した。

 

ヒカル「まだまだエンジョイ出来そうだな。この世界は。」

 

左手を腰に翳してアークルを出した。

 

ヒカル「変身!!」

 

仮面ライダークウガ・マイティフォームに変身して、アクセルを全開した。

 

彼らの旅はまだまだ続く。

 

 

 

〜ツヅク〜




         キャスト

       ヒカル:山崎大輝

      サトゥー:堀江瞬
ゼナ・マリエンテール:高橋李依
        ポチ:河野ひより
        タマ:奥野香耶
        リザ:津田美波
       アリサ:悠木碧
        ルル:早瀬莉花
       ミーア:永野愛理
        ナナ:安野希世乃

       リリオ:長野佑紀
       イオナ:衣川里佳
        ルウ:小若和郁那
    イネニマアナ:田中美海
      ロゼッタ:上田麗奈
       エレナ:山本希望
   幻想の森の魔女:定岡小百合
    クハノウ伯爵:楠大典
     バーキンツ:興津和幸
       ドサン:小林康介
       工房主:高橋伸也
        職員:浜田洋平

『BGM:緊迫』

次回予告

少女「あんた達、何処から来たのかしら?」

ヒカル「俺達?」

ナナ「マスター。向こうに何かがあると報告します。」

サトゥー(アリアド王国?聞いた事無い国だな。)

ヒカル「じゃあ行くか。」

DEATH MARCH11「群衆」
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