DEATH MARCH19「狙撃」
異世界に迷い込んだ2人の青年、ヒカルとサトゥー。彼らは7人の奴隷と魔法盗賊の少女・ロゼッタと共に旅をしていた。
キルヴィス国。広大な湖が広がる国。門を通り、キルヴィス王国に入った。
『BGM:懊悩』
馬車を厩舎に置いて街を歩く。
サトゥー「今日はここで宿泊するか。」
アリサ「ん〜!湖が綺麗ね〜!」
ポチ「凄く綺麗なのです!」
タマ「綺麗〜!」
ロゼッタ「こんなに湖が綺麗な国初めて〜!」
ヒカル「おいサトゥー、さっきそこで号外の新聞を貰ったぞ。」
サトゥー「新聞?」
ヒカル「ああ。東キルヴィス王国の人気舞台女優マリーナ・エルヴィが西キルヴィス王国にて暗殺され、東西キルヴィス国の条約が破られ国交緊迫だってよ。」
ロゼッタ「マリーナ・エルヴィ・・・彼女の舞台1度だけ鑑賞した事があるわ。凄く完成度が良かったってお姉ちゃんが言ってた。」
ヒカル「にしても呆れるな。平和な為の条約を破るなんて世界中を敵に回してるよな西キルヴィス王国は。」
サトゥー「確かにそうだね。罪の無い人間を殺すなんて酷いな。」
ヒカル「こんな死に方は永遠にごめんだな。ん?」
目の前に騎士達の行進があった。
リザ「結構物騒な街ですね。」
ロゼッタ「そうだね。世界屈指の防犯率が高いからね。東キルヴィス国が世界に誇れる優秀な国だからね。」
アリサ「でも、何かの理由で巻き込まれたら痛い目に遭っちゃうかも。」
ヒカル「何もしない方が身の安全だからな。」
サトゥー「お手柔らかに願いたいね。」
『BGM:予兆』
一方市役所では、トランクを持った黒コートを着た右目が眼帯の男が入った。男は市町村長に身分証を見せた。男の名前は「アグニス・ベルーシ」。
市町村長「荷物を。」
トランクを机の上に乗せて開けた。市町村長がトランクの中を調べる。
市町村長「どうぞ。」
中身を確認した市町村長がトランクを閉じた。アグニスはトランクを持って市役所を出た。
一方その頃別の場所では。東キルヴィス王国のパーシー大使が男爵邸に到着した。
職員「遠路遥々ご苦労様です男爵様。」
パーシー男爵「ああ。それより例の物は?」
職員「こちらに。」
ある部屋へ招いた。
その部屋には、ショーケースの中に1人の少女が眠っていた。
パーシー男爵「おお!」
職員「これが、西キルヴィス王国で幼くして強い魔力を持つ少女ドリュー・ラミアスです。」
パーシー男爵「こんな貴重な小娘を手放すとは、西キルヴィス王国も見る目が無いな。」
職員「それよりも手に入れたい証拠でもあるのです。」
パーシー男爵「と言うと?」
職員「東キルヴィス王国に決まってるじゃないですか。この少女と引き換えに我が国から入手した魔力設備。その使い道が何なのか想像に難くありません。」
パーシー男爵「大馬鹿共だな。」
職員「まぁ、我々大使館達は飽く迄中立な立場でありますから。何をしようが何の問題も存じません。」
パーシー男爵「そうだな。」
職員「どうぞ。実際に彼女に触れてみて下さい。こちらがロック解除の打ち込みキーになります。」
パーシー男爵「ああ。」
一方ヒカル達は、湖近くの公園に居た。
???『助けて・・・』
ロゼッタ「え?」
突然ロゼッタが、頭の中で謎の少女の声を聞いた。
???『助けて・・・』
ヒカル「どうした?ロゼッタ。」
ロゼッタ「誰かが助けを呼んでる・・・」
アリサ「え?」
ロゼッタ「でも何処から?」
透視魔法を発動して、周囲を見渡す。
ロゼッタ「見えた!男爵邸の方だわ!ヒカル!一緒に来て!」
ヒカル「え?俺?おわーーーーー!?」
ロゼッタがヒカルの右腕を掴んで大ジャンプした。
『BGM:危急』
一方男爵邸では。
パーシー男爵「フッフッフ。」
するとそこに1人の騎士が。
騎士「パーシー男爵!侵入者です!」
パーシー男爵「侵入者だと!?何処に居る!?」
騎士「侵入者は・・・ここだよ!!」
突然騎士がパーシー男爵と職員を魔法で気絶させた。
騎士「ふぅ〜。」
正体はロゼッタだった。ヒカルも入って来た。
ヒカル「ロゼッタ、仕事が早いもんだな。この部屋に助けを呼んでる子が居るのか?」
ロゼッタ「リーフ・ブラスト!」
木の葉の魔法でショーケースを壊した。
ロゼッタ「この子の声が聞こえたの!急ぐよ!」
少女を運ぶロゼッタ。
ヒカル「どうやらこの子、魔法を持ってるようだな。」
ロゼッタ「多分部屋の外は騎士達が待ち構えるかも知れない。窓から出るしか無いね。」
ヒカル「俺から行くか?」
ロゼッタ「お願い。」
すると騎士達がドアを開けて、ボウガンを放った。
ロゼッタ「きゃあ!」
ヒカル「ロゼッタ!行くぞ!」
窓を壊して外へ脱出した。
ヒカル「おいおいマジかよ・・・歓迎者達が待ち構えてやがる。」
騎士達がヒカルとロゼッタを囲んだ。
???「ヒカル!ロゼッタ!」
何処からか賤貨が飛んで、騎士達の頭部に命中して気絶させた。
ヒカル「サトゥー!!」
大使館の屋根の上にサトゥーが立っていた。
サトゥー「助けに来たよ!」
ジャンプして2人の近くに着地した。
サトゥー「助けを呼んだのはその子?」
ロゼッタ「うん。」
後ろからボウガンが横切った。
ヒカル「危ねえ!逃げるぞ!」
3人は急いで逃げようとしたが。
ヒカル「ありゃりゃ、随分手際が良いって事!」
門の前でも騎士達が待ち構えていた。
サトゥー「どうするんだ!?」
ロゼッタ「こっちよ!」
茂みの奥へ逃げた。そのまま森の中へ行方を晦ませた。
『BGM:懊悩』
一方塔の上には、アグニスが居た。彼は持ってるトランクを開けた。しかしこのトランクの下には組み立て式のボウガンがあった。彼は組み立て式ボウガンを器用に組み立てる。
同じ頃ヒカル達は、トンネルの中に隠れていた。
ヒカル「何だ何だ?彼奴らこっちの動きを読んでるみたいに警戒してやがる。」
塔の上。アグニスがサイコロを振った。出た数の目は4。トランクにある矢をボウガンに取り付けた。
トンネルの中。
ロゼッタ「ヒカル、サトゥー。あれ見て。」
ヒカル・サトゥー「ん?」
トンネルから覗くとそこには。
ヒカル「アリサ達がこっちを見てるな。」
アリサ達が使われてない馬車の影に隠れてヒカル達の方へ向いてる。
ヒカル「だが彼処まで走れってのか?」
サトゥー「ここまで来させたら怪しまれるかもな。」
ヒカル「それもそうだな。」
サトゥー「・・・OK。誰も居ない。」
ヒカル「よっしゃ行くぞ!!」
ロゼッタ「うん!」
3人が一斉に走り出し、アリサ達の方へ向かった。
塔の上から、アグニスがボウガンを構えた。
走ってるヒカルとサトゥーとロゼッタ。
ヒカル「ん?」
その途中で、ヒカルが周りを見て違和感を感じた。
馬車の後ろ。
アリサ「こっちよ!」
ルル「急いで下さい!」
ボウガンを構えるアグニス。照準を少し下に下げた。そして。
アグニス「1。」
1と言った瞬間、ボウガンを放った。影からヒカルとサトゥーとロゼッタが出て来た。そして・・・
サトゥー「ぐあっ!!!」
右肩に何かが当たって倒れ込んだサトゥー。
ヒカル「サトゥー!!」
アリサ「ご主人様!?」
サトゥー「くっ・・・!!!」
ミーア「あれ!」
ヒカル「ん?」
塔の上を見ると、アグニスの姿が映った。
ヒカル「彼奴か。」
塔の上。アグニスが次の矢を取り付ける。
ポチ「ご主人様!しっかりして下さいなのです!」
タマ「運ぶ〜!」
2人がサトゥーを馬車の後ろへ運ぶ。
アグニス「2。」
再びボウガンを放つ。今度は・・・
ヒカル「ぐあっ!!!」
右足を掠って倒れ込んだヒカル。
ルル「ヒカル様!!!」
ロゼッタ「ヒカル!!!」
ヒカル「痛え・・・!!!!ちくしょう・・・!!!!」
急いで馬車の影に隠れた。
塔の上。アグニスは隠れたヒカルとサトゥーを確認すると、すぐにその場から姿を消した。
その日の夜。ヒカル達は人気の無い廃墟で身を隠す。ルルがヒカルにポーションを飲ませ、ミーアがサトゥーにポーションを飲ませた。
サトゥー「ふぅ・・・ありがとうミーア。」
ミーア「大丈夫?」
ルル「ヒカル様、大丈夫ですか?」
ヒカル「許せねえ!誰だ俺達を狙いやがったのは!」
サトゥー「あの距離から俺達を狙撃するなんて、一体何者なんだ?そう言えば、さっきの子は?」
ヒカル「あああの子?昼間にロゼッタが養護施設へ預けに行った。」
ロゼッタ「ん〜・・・・・」
ヒカル「どうしたロゼッタ?険しい顔をして。」
ロゼッタは、アグニスが放ったボウガンの矢をじっくり見ていた。
ナナ「それは、あの男が打ったボウガンの矢ですか?」
ロゼッタ「うん。この形、1度だけ見た事があるわ。」
ヒカル「本当か?何処で?」
ロゼッタ「マリーナ・エルヴィよ。」
リザ「マリーナ・エルヴィ様の?」
ロゼッタ「うん。あれは、あなた達と出会う前の事だったの。私とお姉ちゃんは彼女が出演する舞台が音楽堂でやるって観に行ったの。そこで楽しく鑑賞していたの。私は彼女の演技に見惚れてたの。でもその時、何処からかボウガンの矢がマリーナの脇腹に刺さったの。それを見た観客達はパニックになって逃げ惑ったの。私とお姉ちゃんはマリーナを助けに行こうとした。けど、遅かった・・・2発目のボウガンの矢がマリーナの頭部を射抜いたの。マリーナはそのまま死んでしまった・・・私とお姉ちゃんは、夜になって誰も居ない音楽堂に入ったの。そこで、この矢と同じ矢が床に刺さってた。」
ヒカル「って事は、マリーナ・エルヴィを殺った奴はさっきの奴と一致するのか?」
ロゼッタ「確かな事は言えない。けど私達もそう思ってる。」
『居たか!?』
『いや何処にもいない!』
『もっと隈なく探せ!』
外から男達の声が聞こえた。リザがカーテンを少し開けて覗くと、騎士達が近くを巡回していた。
リザ「ご主人様、此方にも来てるみたいです。」
サトゥー「何でこの場所が分かったんだ?」
ヒカル「流石優秀の街だな。」
ロゼッタ「そうだわ。思い出した。皆一緒に来て。」
ポチ「何処へ行くのです?」
タマ「何処〜?」
ロゼッタ「確認したい事があるの。ウインド・テレポート。」
風の魔法で瞬間移動した。近くに隠してある馬車も瞬間移動させた。
向かった場所は、東キルヴィス王国にある墓地だった。
ヒカル「ロゼッタ何を探してんだ?この薄暗い墓地に入って。幽霊と交信するのか?」
ロゼッタ「えっと・・・あ。あったわ。」
アリサ「何があったの?」
ロゼッタ「やっぱりね。」
1つの墓を発見した。
ヒカル「ん?っ!?・・・え!?」
その墓を見て全員が驚いた。
何とサトゥーの名前が刻まれてあった。
『BGM:懊悩』
ヒカル「サトゥーの名前が、墓に・・・?」
アリサ「ちょっと!これどう言う事!?」
サトゥー「俺に聞かれても分からないよ!」
ポチ「まさか、ご主人様は幽霊だったのです!?」
タマ「ヒュードロドロー!」
ロゼッタ「噂で聞いた事があるわ。ターゲットの墓を事前に用意する殺し屋アグニス・ベルーシ。彼は個人的に動かず、背後に依頼主が付いてるって言う。」
ヒカル「聞いた事無え名前だな。んで、そいつは一体どんな奴なんだ?」
ロゼッタ「殆ど情報が無いの。」
ミーア「何で?」
ロゼッタ「そいつに狙われて生き延びた生存者は誰も居ないからね。」
アリサ「他に何か知ってる事とかあるの?」
ロゼッタ「私の知ってる情報だと、腕に相当自信があるのか、何発でターゲットを仕留めれるのか、サイコロで決めると言う拘りを持ってる事だけ。」
ヒカル「?」
墓に供えられてる花を手に取った。
ヒカル「希望、慰め、逆境の中の希望、恋の最初のまなざし。」
アリサ「え?突然何言ってんの?」
ヒカル「スノードロップの花言葉さ。後は、あなたの死を望みます。」
サトゥー「っ!?」
ヒカル「殺しを遊び感覚で楽しんでやがるって事か彼奴。・・・ん?この香り・・・」
するとサトゥーがカバンの中を確認した。
アリサ「ご主人様?」
ヒカル「サトゥー、お前行くのか?」
サトゥー「この子達を巻き込ませるつもりは無い。」
ヒカル「ロゼッタに言われただろ?生き延びた奴は居ないって。それにその怪我じゃすぐに殺られちまう。」
サトゥー「それでもやるしか無いんだ。」
ヒカル「これでも仲間の為に思って言ってやってんだ。お前が死んだら俺達、それにセーリュー市に居るゼナさんまで悲しむに決まってる。」
サトゥー「確かに悲しむかも。だが俺が死んだら、墓をセーリュー市に建ててくれ。」
ヒカル「っ!ああそうかい!勝手にしな!」
サトゥーは1人で何処かへ向かった。
ポチ・タマ・リザ・アリサ・ルル「ご主人様!!」
ミーア「サトゥー・・・」
ナナ「マスター・・・」
ロゼッタ「サトゥー・・・」
アリサ「何で行かせちゃうのよ!!あんた何考えてるのよ!!」
ヒカル「彼奴が言ってただろ?お前達を巻き込ませたくないって。ご主人様である彼奴の命令だからな。」
アリサ「・・・・・」
ヒカル「さてと。」
スノードロップを投げた。
ヒカル「俺、ちょいと確かめたい事がある。皆先に戻ってくれ。」
アリサ「ちょっと何処へ行くの!?」
何も返事しないまま何処かへ行った。
アリサ「もう何なのよあの2人は!!!」
プンプン怒るアリサ。
ルル「アリサ落ち着いて?先に戻ろう?」
アリサ「ルルまで・・・」
ロゼッタ「じゃあ馬車の方へ戻ろうか。」
すると真後ろから黒い影がアリサ達を囲んだ。
とある屋敷。この屋敷の控え室にエレナが居た。彼女は鏡に向かって自分をメイクしていた。
オーナー「あなたのような美女に来ていただいて、大変光栄です。」
エレナ「あら、口がお上手ね。」
オーナー「当倶楽部は会員制になっておりまして、いらっしゃるお客様は気品ある資産家の方々に限りますので、トラブルの心配はご無用です。」
エレナ「それなら安心ね。」
オーナー「では、ショータイムまで此方でお待ち下さいませ。」
エレナ「ええ。」
オーナーが控え室から出た後、エレナはすぐに部屋からこっそり出た。
『BGM:予兆』
そしてある部屋へ向かった。それは、オーナーの部屋だった。オーナーの部屋に入って金庫を発見した。
エレナ「ここね。スキャニング・サーチ。」
魔法を発動しながら、金庫のダイヤルを回す。そして鍵を開け、金庫を開けた。
エレナ「これだわ。この世で最も禍々しい本は。」
1冊の本を手に取った瞬間。
エレナ「っ!?」
オーナー「ショーはもうすぐですよ?」
何時の間にかオーナーに見付かってしまった。
エレナ「あら、もうそんな時間かしら?」
ハイキックしようとしたが、掴まれてしまった。
エレナ「え!?きゃああ!!」
そのまま宙吊りされてしまった。
オーナー「困りますね。あれはあなたのようなレディが手にする代物ではないのですよ?」
エレナ「ちょっと下ろしなさいよ!」
彼女はそのまま連行されてしまった。
その頃ヒカルは、とある廃墟へ来ていた。すると後ろから気配を感じた。
ヒカル「何だサトゥー、もう来たのか?」
サトゥー「ヒカル、何でここだと分かったんだ?」
ヒカル「何だ知らなかったのか?お前の墓に供えられてたのは原生のスノードロップだった。更に微かに匂った薔薇の香り。この辺りで薔薇が群生している場所は限られているからな。だろ?」
サトゥー「頼む帰ってくれ。君を巻き込ませたくないんだ。」
ヒカル「いや別にお前の為じゃねえよ。」
サトゥー「え?」
ヒカル「ちょいと興味があんだよ。誰が何の為にアグニス・ベルーシを雇ってお前を殺そうとしたのかを。」
サトゥー「男爵邸の女の子を取り返したい奴らの仕業だろ?」
ヒカル「だったら何で俺とロゼッタの墓が用意してなかったんだ?」
サトゥー「あ、確かに・・・」
ヒカル「どうも匂うんだ。だからそいつを確かめにな。」
サトゥー「物好きも大概にした方が良いと思うよ。」
ヒカル「その言葉そっくりそのまま返却してやるよ!」
2人は廃墟へ向かった。
『BGM:捜査』
廃墟内。無数の蔦が生えていた。
サトゥー「生活感の無い城だね。」
ヒカル「奴の根城って訳じゃなさそうだ。」
ある部屋に入った。
サトゥー「ボウガンの工房?それも手作り。」
隣の部屋のドアを開けたヒカルは、ある物を発見した。
ヒカル「これは・・・」
サトゥー「何かあったのか?」
ヒカル「結構面白そうな部屋だな。」
ある物をこっそりジャケットの内ポケットに隠した。
ヒカル「ん?矢の工房か。それにこの針金が付いてる矢は何だ?」
サトゥー「ヒカル!これを見て!」
でかい人形を発見した。
ヒカル「人形?随分と多趣味なもんだ。」
サトゥー「どうやら手先が器用らしい。これも1から作ってる。」
ヒカル「マジで?」
サトゥー「同じ服ばかりだな。」
クローゼットに同じ服が並んであった。
ヒカル「黒コートか。それも全部高価な山羊のなめし皮製。お前も結構なめし皮持ってんだろ?」
サトゥー「もう殆どクッションとかに使ってしまったからな。」
ヒカル「そうだったな。」
『誰か!!ここから出しなさいよ!!』
ヒカル「あの声、まさかアリサか!?」
サトゥー「こっちだ!!」
声が聞こえた部屋へ向かった。
サトゥー「行くぞ。」
ヒカル「ああ。」
ドアを蹴って部屋に入った。
ヒカル「あれだ!!」
部屋には通信水晶があった。
ヒカル「通信水晶!?アリサ!アリサ聞こえるか!?一体どうしたんだ!?」
アリサ『その声は、ヒカル様!?』
ポチ『ヒカル様なのです!?』
ヒカル「え、何でお前達まで?」
何と全員が通信水晶に映っていた。
ロゼッタ『墓地から出ようとした時、謎の影に襲われて気が付いたらここに・・・』
エレナ『ヒカル!』
ヒカル「エレナ!お前もアグニス・ベルーシに狙われたのか!?」
エレナ『アグニス・ベルーシ・・・あの暗殺者の!?いえ、狙われてないわ。』
ヒカル・サトゥー「え?」
エレナ『倶楽部に隠れてる禍々しい代物を取り返そうとしたけど、まさかロゼッタ達と一緒に迷い込んじゃったみたいね。』
サトゥー「禍々しい代物って何だ?」
エレナ『それは言えないわ。』
アリサ「それよりここからどうするの!?このままじゃ私達アグニス・ベルーシに殺られちゃうわ!」
ヒカル「おいおいアリサ、俺達を誰だと思ってんだ?優秀でチートなご主人様とヒカル様だぜ?お前らを必ず助けに行ってやるからな。」
アリサ『でも、その内殺られちゃうわ!!』
ヒカル「・・・・そんなのやってみなきゃ分かんねえだろうがよ!!!!」
???「ならば試してみるか?」
通信水晶が切れた。
ヒカル・サトゥー「っ!?」
後ろに振り向くと・・・
アグニス・ベルーシが立っていた。
『BGM:予兆』
ヒカル「彼奴が、アグニス・ベルーシ。」
サトゥー「俺を街中で殺そうとした暗殺者・・・」
ヒカル「てめえに聞きてえ事がある。何故アリサ達を監視してる!」
アグニス「奴隷達などは知らん。ただ私が手配した物の確認をしていただけだ。」
サトゥー「それじゃあ、何故私を狙ったのです?私はこう見えて行商人ですよ。」
アグニス「理由など皆無だ。ただターゲットを始末するのみだ。」
ヒカル「ああそう。ただ勇足が過ぎちまったみたいだな。狙撃手がターゲットに近付いちゃアカンだろ?そもそもサトゥーに敵う相手なんて居ねえよ。」
アグニス「貴様には2つ間違いがある。私の専門は狙撃だけではない。そして敵わないのはお前達の方だ。」
サトゥー「ではここで試しめみましょう。」
ヒカル「やっちゃれ。」
サトゥー「あなたには借りがあります。きちんと返させてもらいますよ。」
魔法銃を取る構えをする。
アグニス「左腕で勝負か?良いだろう。何時でも好きな時に抜け。」
サトゥー「では、そうしましょう。」
魔法銃を取り出した瞬間。
アグニス「3!」
ボウガンを取り出して矢を放つ。
サトゥー「っ!?」
矢が魔法銃を飛ばした。
サトゥー「ぐあっ!!」
ヒカル「なっ!?・・・サトゥーが負けただと!?」
アグニス「当然だ。私は多くのターゲットを仕留めた熟練の狙撃手だ。貴様の動きなどお見通しだ。さて余興はお終いだ。次の1発はサトゥー、貴様の眉間を貫くだろう。」
針金付きの矢を取り出した。
サトゥー(・・・あの矢の針金には猛毒が塗ってるのか・・・掠っただけでも死に至らす危険物だ・・・)
ヒカル「ここは部が悪い!逃げるぞサトゥー!」
サトゥー「あ、ああ・・・!」
2人はアグニスから逃げた。
外に出て、トライチェイサー2000とゴウラムを召喚して、トライゴウラムへ合体させた。
ヒカル「まさかサトゥーの行動が読まれちまうなんて驚きだぜ。」
サトゥー「彼奴の思考を読もうとしたけど、何も情報が出なかった。」
ヒカル「もしかしたら彼奴も、俺達と同じ現代人か?」
サトゥー「いや、その可能性は無いだろう。」
ヒカル「兎に角調べるのは後だ。脱出だ!」
トライゴウラムに乗って、トライアクセラーを捻って逃げ出した。
アグニスは廃墟にある馬車に乗ってヒカルとサトゥーを追跡する。
一瞬にしてトライゴウラムに追い付いた。
サトゥー「来たぞ!」
ヒカル「アグニスか!」
一方その頃倶楽部では、ディナーを堪能してる資産家の方々が居り、ピアノの演奏が始まったと同時に、アリサ達がガラスの中に放り投げられた。
アリサ「ちょっと!もうちょっと丁寧に扱いなさいよ!!」
すると天井から、1体の人形が降りて来た。
ロゼッタ「何あの人形!?」
エレナ「さっき控え室にあった人形・・・!」
『BGM:追撃』
その頃ヒカルとサトゥーは、アグニスから逃走中。トンネルの中へ逃げた。
サトゥー「このままじゃ埒が空かない!彼奴に1発撃ち込む!」
ヒカル「やってやれサトゥー!」
魔法銃を放った。しかしアグニスが盾で防いだ。
サトゥー「何!?」
ヒカル「ダメか!?」
するとアグニスが馬車でトライゴウラムにぶつかった。
ヒカル・サトゥー「ぐあっ!!」
このまま壁に押し込まれた。
ヒカル「サトゥー!掴まってろ!!」
サトゥー「ああ!!」
左手を腰に当ててアークルを出した。
ヒカル「変身!!!」
アークルの左側のスイッチを押して、仮面ライダークウガ・マイティフォームに変身した。
ヒカル「よっと!」
ブレーキを握って急停止させ、そのままトライアクセラーを捻って急発進させて馬車にぶつけた。
アグニス「っ!!」
ヒカル「どうだこの野郎!!!」
そのまま走り去る。
アグニス「スピア・ボウガン!」
馬車にある無数のボウガンを浮遊させ、一斉に放った。クウガはトライゴウラムを器用に操作して避け続ける。
サトゥー「何だ一体!?」
ヒカル「サイコロで仕留める拘りを持ってたんじゃねえのかよ!!!」
サトゥー「彼奴に拘りを決めるルールがあるのかも知れない!」
ヒカル「んな事俺にも知るか!!超変身!!」
仮面ライダークウガ・ペガサスフォームに超変身し、サトゥーから魔法銃を受け取ってペガサスボウガンを構える。
ヒカル「くたばれ!!」
天井に向けてブラストペガサスを放つ。天井が爆発し、石が無数のボウガンだけを落とした。
ヒカル「ざまあみろ!!」
サトゥー「外だ!」
ヒカル「よっしゃ!!」
その頃倶楽部では、人形がガラスに着地した。
アリサ「ってかこの液体何・・・!?」
リザ「ローションのようですね・・・!」
人形がアリサ達を襲う。
アリサ「ちょっとこっちに来ないで!!ユニークスキル!!」
しかし、何も起こらなかった。
アリサ「あれ!?どうなってるの!?」
エレナ「このガラス、魔法を無力化する結界が張られてる・・・」
アリサ「ええ!?」
『BGM:追撃』
その頃ヒカルとサトゥーは、街中を疾走していた。アグニスは何処かへ行った。
サトゥー「振り切ったみたいだね。」
ヒカル「これでもう追跡出来ねえだろ。」
サトゥー「けど必ず借りを返してやるさ。」
ヒカル「ああ。必ず奴の弱点を見付けてやる。」
しかし正面にアグニスが現れた。
サトゥー「ヒカル!」
ヒカル「しつこい鬼ごっこは嫌いなんだよ!」
後ろへ振り返って逃げる。
倶楽部では、アリサ達が逃げ惑っていた。すると人形が全身から無数の棘が生えた。
タマ「棘ー!?」
ポチ「痛そうなのです!」
それを見てるオーナーは。
オーナー「素晴らしい!」
その頃ヒカルとサトゥーは、石切り場へ逃げ込んだ。
サトゥー「ヒカル!」
ヒカル「行き止まりだな。」
行き止まりの前で止まって降りる。トライゴウラムを球に戻して岩の影に身を隠す。
ヒカル「何処行った彼奴?」
サトゥー「上だ!」
ヒカル「っ!?」
柱の上にアグニスが立っていた。ボウガンを構えてる。
『BGM:予兆』
ヒカル「くそっ!」
サトゥー「こっちを狙ってる。」
アグニスは、猛毒が塗られてる針金付きの矢を取り付けた。
サトゥー「向こうにある倉庫を抜けないと逃げれないな。」
するとヒカルが密かに笑みを浮かべた。
ヒカル「だったら行くしか方法は無いな。」
サトゥー「飛び出したら彼奴の餌食になる!簡単に言うなよ!ここで死ぬ訳にはいかない!」
ヒカル「サトゥー、俺を信じろよ。タイミングまでは計れはしねえからさ。1、2、3で向こうへ猛ダッシュするぞ。」
サトゥー「命懸けかよ・・・」
ヒカル「良いじゃねえか。俺昔からジェットコースターみたいなスリルが好きなんだよ。」
サトゥー「狙われてるのは俺なんだぞ?しくじったら幽霊として呪ってやるからな。」
ヒカル「そりゃあごめんだね。」
アグニス「馬鹿め。無駄だ。」
照準を左下へ少しずらした。
ヒカル「行くぞ。」
サトゥー「ああ。」
ヒカル「1、2、3!!」
合図と共に同時に走り出した。
アグニス「4!」
ボウガンを放った。そして・・・
サトゥー「ぐああああ!!!」
ヒカル「なっ!?」
サトゥーの頭部に矢が貫いた。サトゥーはそのまま死んでしまった。
ヒカル「サトゥー!!おい!!サトゥー!!しっかりしろ!!・・・」
アグニス「どうだ?目の前で仲間が殺された気分は。貴様は当てずっぽうな計画を思い付くとこうなる。自分の無能さが分かったか?」
ヒカル「・・・あんたがボウガンの達人だって事は分かった。だが俺に言わせれば、あんた自身がボウガンそのものだ。誰かに依頼されて引き金を引いてもらわなきゃ、弾が撃てねえただの道具にしか過ぎない。」
サトゥーの遺体に毛布を被せた。
アグニス「感謝しろ。そのお陰で貴様は命拾い出来た。」
そう言い残してアグニスが去って行った。
ヒカル「アグニス・ベルーシ・・・!!」
倶楽部では、人形の棘が高速回転した。
ルル「・・・!ご主人様・・・!ヒカル様・・・!」
石切り場では、ヒカルがサトゥーの遺体を見ていた。
ヒカル「・・・サトゥー、ゆっくり休んでろ。」
そう言ってトライチェイサー2000に乗って去って行った。
〜ツヅク〜
『BGM:幕間』
次回予告
店主「お仕事の帰りですか?」
アグニス「ああ。」
ロゼッタ「怖いよ・・・お姉ちゃん・・・!」
エレナ「ロゼッタ・・・!」
ポチ「助けてなのです・・・!」
タマ「助けて・・・!」
ヒカル「よう皆。ローションまみれになっちまって。」
アリサ「嘘でしょ・・・?ご主人様が殺された・・・?」
アグニス「捉えたぞ。貴様の最後だ、ヒカル。1。」
ヒカル「脳細胞がトップギアだぜ!」
DEATH MARCH20「墓標」