デスマーチからはじまる異世界空我   作:naogran

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##サイド##
DEATH MARCH21「襲来」


キルヴィス王国から出たヒカルとサトゥー達は次の旅を続ける。

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

馬車の中。サトゥーが考え事をしていた。

 

ヒカル「たまには馬車で旅も良いな。」

 

サトゥー(そう言えば、あの男の賞罰欄には特に何も刻まれてなかったな・・・)

 

セダム市で会ったドサンの事を考えてた。

 

サトゥー(俺がセーリュー市で悪漢を殴ったり無力化した時も何も付かなかったな。)

 

アリサ「どうしたのよ?難しい顔をして。」

 

サトゥー「ああ、ちょっとヤマト石の賞罰欄の事を考えてたんだ。」

 

ヒカル「賞罰欄?」

 

サトゥー「ああ。」

 

アリサ「そんな事だったらこのアリサちゃんに聞いてよ!詳しいわよ〜!」

 

ヒカル「ポチとタマの真似は止めろ。」

 

アリサ「まず、賞罰の罪の種類は7種類ね。」

 

 

 

 

賞罰の罪。

 

1・窃盗

2・傷害

3・殺人

4・強姦

5・放火

6・反逆

7・背信

 

 

 

 

アリサ「この6つは一般的だけど、7つ目に背信って言うのがあるわ。」

 

ヒカル「背信?信頼を裏切る罪か。」

 

アリサ「そうそう。洗礼を受けた神様の教えに反したり、その神様を裏切ったり貶めたりするような行為をしない限り、背信にならないから今まで見た事無いけどね。」

 

サトゥー「・・・と言う事は、それだと神の洗礼を受けなければ背信になる事は無いのか。」

 

アリサ「そうよ。でも洗礼を受けると神の祝福を得られる事があるから。大抵は奉公に出始める7歳くらいから成人までの間に受けるみたいね。」

 

ヒカル「成る程な。」

 

サトゥー(そうか。この世界は身近に神が実在するから現世利益があるんだっけ。)

 

アリサ「それに流行病とかが起こったら洗礼を受けた信者を優先するから。洗礼を受けてないのはお布施の出来ない貧乏人か、王族や領主の直径くらいね。」

 

ヒカル「信者を優先って、洗礼を受けてない奴らには興味無えのかよ。」

 

サトゥー「前者は分かるけど、後者は何故だ?」

 

アリサ「王や領主は位を継いだ時にシティ・コアをと契約しないとダメだから、洗礼を受けていると継げないのよ。都市の太守とか街の守護なんかの役職に就く人は王や領主から代行を任され、シティ・コアの使用代行権を預かるだけ。だから洗礼を受けていても大丈夫なのよ。」

 

ヒカル「ペラペラ言い過ぎ・・・」

 

アリサ「シティ・コアはお城の地下にあるんだけど、王族や領主の直径、それも時代を継ぐ人間だけの秘密なのよ。」

 

ヒカル「そうなのか。ってかお前詳しいんだな。」

 

アリサ「私は王太子の兄様の授業に忍び込んでいたから知ってるけど、下手したら消されちゃうから注意してね。テヘペロ☆」

 

サトゥー「・・・・・」

 

ヒカル「忍び込んだのかよ・・・忍者かお前。」

 

サトゥー「分かった。他言はしないから、もう少しシティ・コアの詳細を教えてくれ。」

 

アリサ「シティ・コアと契約すると、都市の地下にある源泉の力を操れるようになるのよ。」

 

ヒカル「源泉の力か。」

 

サトゥー(都市の地下にもあるのか。)

 

 

 

 

ナディ『源泉に連れて行けたら、この辺りだと伯爵様のお城の奥が竜の谷くらいしかありませんし・・・』

 

 

 

 

以前にナディが言った言葉を思い出した。

 

サトゥー(そう言えば、ナディさんもミーアの治療の事を話した時にセーリュー市の城の奥に源泉があるって言ってたっけ。)

 

ヒカル「それで、源泉ってどんな力が秘めてるんだ?」

 

アリサ「都市を魔物から守ったり、周辺の土地を豊かにしたりする儀式魔法が使えるのよ。範囲が広いからしょぼい効果に誤解されがちなんだけど、儀式魔法は領地全体の気候を調整したり、水不足を緩和したりして生産性の底上げをしてくれるの。範囲を城に絞ったら、中級や上級魔法の攻撃だって何度か防げるらしいわ。」

 

ヒカル「凄えチートだなそれ。」

 

サトゥー「しかし、そこまでシティ・コアが重要なら、都市や街には源泉の傍にしか存在出来ないんじゃないのか?」

 

ヒカル「ああ確かに、よくよく考えるとそうなるな。」

 

アリサ「そうなるわね。都市や街が築ける程の源泉は滅多に無いはずよ。大抵は精霊溜まりや魔物溜まりって呼ばれる小さな源泉が殆どね。」

 

 

 

 

精霊溜まりとは・潤沢な魔力の影響で珍しい植物や動物が生息する場所である。

 

魔物溜まりとは・魔物が棲み着く場所である。

 

 

 

 

アリサ「それにフルー帝国時代以降に新規でシティ・コアが作られたって話は聞かないそうだから、特に秘匿されてるのよ。」

 

ヒカル「戦略戦争が頻発するんじゃねえのか?そうなったら。」

 

アリサ「そりゃあそうだけど、余りに大規模な戦争をしたら魔族が介入したり、竜の好奇心をそそっちゃうから小競り合いが殆どね。」

 

ヒカル「俺から見たら喧嘩並みだな。」

 

アリサ「えーっと、他の機能の話だけど、他にはこんなのがあったはず。」

 

 

 

 

叙爵とは・騎士を任命したり、貴族に取り立てる。

 

褒賞とは・勲章を授ける。

 

断罪とは・犯罪者を告発する調書を断罪すると、本当に罪を犯していた場合は処罰に罪を刻む。

 

免罪とは・賞罰の罪を消す。

 

 

 

 

アリサ「叙爵と褒賞は支配領域内だと、支援効果があるらしいわよ。」

 

ヒカル「支援効果。」

 

アリサ「逆に賞罰に罪が刻まれている人間は、阻害効果があるらしいわね。」

 

ヒカル「阻害効果。」

 

サトゥー「・・・なあアリサ、俺とヒカルがセーリュー市で人を殴った時に傷害の罪が付かなかったのは何故だろう?」

 

ヒカル「ああ、ポチとタマとリザの前の主人とその子分達を蹴散らしたあの時か。」

 

アリサ「重傷を負わせないと付かないわよ。酒場の喧嘩で殴り合いなんて日常茶飯事だしね。」

 

ヒカル「成る程。理解した。」

 

アリサ「あの時みたいな事故の場合は、当事者同士の認識で、賞罰が付くか決まるみたいだしね。」

 

ヒカル「彼奴、農民の男の骨を折ってしまったからな。」

 

サトゥー(じゃあ、ゼンの自殺を幇助した時も殺人が付かなかったが、彼がそう思わなかったからなのだろうか?)

 

ヒカル・サトゥー(あ、竜やリザードマン達を殺してたっけ・・・)

 

サトゥー(アリサによると、正体を悟られず殺したり、正当防衛や双方合意の決闘などには殺人は付かないらしい。)

 

アリサ「因みに、王様や領主が自分の領地で人を殺しても罪にならないわよ。」

 

ヒカル「醜い話だな・・・」

 

 

 

 

 

 

『BGM:休息』

 

途中で休憩を挟んだ。

 

リザ「ご主人様、ヒカル様。体が鈍らないようにポチやタマと訓練を行いたいのですが、宜しいでしょうか?」

 

サトゥー「ああ良いよ。」

 

ヒカル「思う存分鍛えてくれ。」

 

 

 

 

危険が無いように木製の剣を作って持たせる。

 

ナナ「マスター、次は私も参加したいと懇願します。」

 

ヒカル「OK。」

 

サトゥー「訓練中は理術のマジック・アローは使わないようにね。」

 

ナナ「禁止事項と登録。マスターの指令は受理されましたと報告します。」

 

ただ、理術による身体強化は許可した。

 

ロゼッタ「私も参加したい!ヒカル良い?」

 

ヒカル「ああ。」

 

 

 

 

個人戦や2対2や3対2のチーム戦をさせてみる。

 

 

 

 

結果、リザが突出して強かった。続いてロゼッタ、ポチ、タマ、ナナの順位になった。

 

 

 

 

 

 

その日の夜。ヒカルとサトゥーはアリサと共に今晩の夜番一番手の時に吸血コウモリが襲って来た。

 

サトゥー「っ!」

 

魔法銃で吸血コウモリの羽を破壊。

 

ヒカル「おりゃあああああ!!!」

 

大ジャンプからの飛び蹴りで吸血コウモリを狩った。

 

 

 

 

 

 

そして翌朝。

 

サトゥー(朝までに何度か襲撃されたのかな?)

 

リザ「おはようございます。」

 

ヒカル「あ、ああおはよう。随分と大猟だな。」

 

木製のテーブルの上には、解体・下ごしらえされた吸血コウモリの山があった。

 

 

 

 

本日の朝食は、野菜のスープと吸血コウモリの姿焼き。

 

アリサ「うう・・・」

 

ルル「・・・・」

 

ロゼッタ「これきつそう・・・」

 

この3人はちょっと引いてる。だが獣娘達はお構い無くバクバク食ってる。

 

サトゥー(次は頑張って挑戦してみよう・・・)

 

ヒカル「・・・唐揚げのちょいくどいバージョンだな。」

 

ロゼッタ「何その感想?」

 

 

 

 

『BGM:不安』

 

朝食を食べ終えて旅を再開する。ヒカルはトライチェイサー2000に乗ってる。

 

ルル「ご主人様、ヒカル様。雲行きが怪しくなって来ました。」

 

ヒカル「本当か?」

 

ルル「はい。山越えの途中で雨が降るかも知れません。」

 

サトゥー「ルル、交代するよ。」

 

ルル「はい。道幅が狭いですから、なるべく山側でお願いします。」

 

サトゥー「了解。」

 

御者をルルからサトゥーへ交代する。

 

サトゥー(ん?此方に向かって馬車が暴走・・・)

 

遠を見ると、暴走してる馬車が此方に向かって来てる。

 

サトゥー(何かあったのか?)

 

全マップ探査を発動。

 

サトゥー(馬車に追従する騎馬が3頭・・・護衛か?馬車を襲撃しているのは、三十近い光点。狼の群れか!このままだと向こうの馬車と正面衝突する。此方の馬車を退避させる場所を探さなくては・・・)

 

タマ「犬〜?」

 

ポチ「いっぱいなのです!」

 

ヒカル「何だありゃ?」

 

サトゥー「狼だよ。向こうに見える馬車を追い掛けているみたいだ。」

 

ヒカル「何だと?」

 

アリサ「馬車が追われているの!?これは王女様や貴族様を助けるフラグね!」

 

サトゥー「不謹慎だ・・・既にどっちもクリア済みだし。」

 

 

 

 

騎馬「うわああああ!!」

 

1人の騎馬が狼に襲われてしまった。

 

 

 

 

『BGM:追撃』

 

ロゼッタ「あっ!!」

 

サトゥー(援護したいが、この距離だと魔法銃も短弓も届かない・・・!)

 

ヒカル「野郎!!!」

 

トライアクセラーを捻ってアクセル全開にした。

 

サトゥー「ヒカル!?」

 

段差を利用して、大ジャンプする。

 

ヒカル「おりゃああああああ!!!!」

 

そのまま狼の方へ落ちる。騎士を襲った狼の顔面に直撃した。

 

ヒカル「どうだ!!」

 

狼が倒れ込み、他の狼達は逃げ出した。

 

ヒカル「逃げたか。」

 

そこにサトゥー達を乗せた馬車が来た。

 

サトゥー(馬車の追撃に向かったか。)

 

ヒカル「サトゥー、この狼、この前タマが捕まえたロケット・ウルフの同族だ。」

 

サトゥー「・・・本当だ。」

 

ヒカル「どうする?奴らを退治するか?」

 

サトゥー「うん。この先の広場で狼を迎え撃つ!全員戦闘準備だ!」

 

アリサ達「はい!!」

 

ポチ「ギー!頑張るのです!」

 

タマ「ダリーもがんば〜!」

 

サトゥー「ルル、御者を頼む!俺とヒカルは先に広場へ向かう!」

 

ヒカル「よし乗れ!」

 

トライチェイサー2000の後ろに乗り、ヒカルがアクセルを捻って広場へ向かう。

 

ヒカル「騎馬達は彼奴らの飯になりやがったか。」

 

サトゥー「けど馬車はまだ無事みたいだ。」

 

 

 

 

空から雨がポツポツ降り始めた。

 

 

 

 

ヒカル「サトゥー、掴まってろ!」

 

斜面を駆け上った。

 

 

 

 

崖の上。

 

ヒカル「眺めが良いな。雨降ってるけどな。」

 

サトゥー「居た。」

 

ヒカル「見付けたか。」

 

両手を腰に翳してアークルを出した。

 

ヒカル「変身!」

 

アークルの左にあるスイッチを押すと、霊石アマダムが光り、ヒカルが仮面ライダークウガ・ペガサスフォームに変身した。

 

サトゥー「ヒカル。」

 

魔法銃を渡した。

 

ヒカル「よし。」

 

魔法銃をペガサスボウガンへ変貌させた。

 

サトゥー「俺が先に狙撃をする。ヒカルは後で狙撃してくれ。」

 

ヒカル「OKだ。」

 

ペガサスボウガンのトリガーレバーを引いて、封印エネルギーを圧縮させる。

 

サトゥー(しまった、矢が10本足りない。)

 

弓矢を取り出して引く。

 

サトゥー(小さな狼は茶色狼と言う普通の狼だ。恐らくロケット・ウルフの特殊技能の眷属支配で操られてるだろう。)

 

矢を連射する。全部狼に直撃した。

 

サトゥー(連射速度は魔法銃よりも弓の方が速いな。最後の1本!)

 

最後の矢を放った。狼の首に当たった。

 

サトゥー「ヒカル!」

 

ヒカル「おっしゃ!」

 

左手でトリガーを引いて、ブラストペガサスを放った。1匹の狼に直撃した。

 

 

 

 

ペガサスボウガンと弓矢で何匹か始末した後、下の広場にアリサ達が到着し、クウガとサトゥーが合流した。

 

サトゥー「狼は半分程始末した。」

 

ヒカル「だが、でけぇロケット・ウルフが2匹残ってる。奴らは強敵だからお前達全員で1匹だけ集中して狩れ。」

 

アリサ達「はい!!」

 

ロゼッタ「OKよ!」

 

 

 

 

その後、ルルを近くの山小屋に隠し、馬達も陰の木に繋ぐ。

 

 

 

 

アリサ「よ〜しやったるで〜!」

 

ロゼッタ「燃えてきたー!」

 

サトゥー「アリサ。ユニークスキルは使うなよ。」

 

アリサ「え!?アリサちゃんの凄い所を見せて、ご主人様をメロメロにする計画が・・・!」

 

サトゥー「命令だ。」

 

アリサ「しょんな〜・・・・」

 

サトゥー(ゼンが死に際にくれた忠告がある。)

 

 

 

 

ゼン『神に与えられたその力を濫用させぬように気を配るのだよ・・・その力は人の身に余る。我のような末路を辿らせるな・・・』

 

 

 

 

サトゥー(アリサの使い捨てのようなユニークスキルは迂闊に使わせる訳には行かない。)

 

ヒカル「念の為だ。」

 

全身に雷が走り、ペガサスフォームからライジングペガサスフォームに強化した。ペガサスボウガンがライジングペガサスボウガンに強化した。

 

ヒカル「サトゥー、来たぞ。」

 

向こうから馬車が来た。

 

タマ「馬車来た〜!」

 

サトゥー「よし、攻撃開始!」

 

ヒカル「よっしゃ行くぜ!」

 

トリガーを引いて封印エネルギーを圧縮させる。その間にポチとタマとナナが投石し、ロゼッタがボウガンを放ち、ミーアが短弓を放つ。複数の狼達に直撃した。サトゥーは2丁の魔法銃を連射して狼達を倒す。

 

アリサ「うっは〜!2丁銃とか萌える!!ああ、どうしてこの世界にはデジカメが無いのよ!」

 

ヒカル(何でデジカメ?)

 

時間が経って、マイティフォームに戻った。

 

 

 

 

御者「魔物だ!!あんたらも逃げろ!!」

 

 

 

 

ヒカル「心配すんな!!」

 

ジャンプして狼達を回転キックで、多くの狼を蹴散らした。

 

サトゥー「アリサ!!」

 

ヒカル「ロゼッタ!!」

 

アリサ「ええ!」

 

ロゼッタ「任せて!」

 

アリサ「ショック・ウェーブ!!」

 

ロゼッタ「サンダーボルト!!」

 

ユニークスキルと電撃の魔法を発動し、複数の狼達を倒した。

 

ヒカル「半分は天国行きか。」

 

サトゥー(でも、まだ1匹ロケット・ウルフが残っている。っ!)

 

ヒカル「どうした?」

 

サトゥー「山頂から真っ直ぐ此方に向かって来る光点が・・・」

 

ヒカル「光点?何が来るんだ?」

 

サトゥー「分からない。だが俺達ではなく、さっきの馬車の方へ向かってる・・・?まさか!!」

 

馬車の方を見ると、巨大な生物が馬車を押し潰した。その正体は・・・

 

 

 

 

 

 

三つ首のヒュドラだった。

 

 

 

 

 

 

『BGM:脅威』

 

ヒカル・サトゥー「ヒュドラ!?」

 

アリサ「ご主人様!後ろ!!」

 

サトゥー「っ!?」

 

後ろから最後のロケット・ウルフがサトゥーを襲い始める。

 

ナナ「シールド!!」

 

間一髪でシールドを発動してサトゥーを守った。

 

ヒカル「超変身!!」

 

仮面ライダークウガ・ドラゴンフォームに超変身し、傍に落ちてる木の棒を持ってドラゴンロッドに変貌させた。

 

ヒカル「はっ!!」

 

大ジャンプしてロケット・ウルフに飛び蹴りした。そして雨が身体中に当たって全身に雷が走り、ドラゴンフォームからライジングドラゴンフォームに強化し、ドラゴンロッドもライジングドラゴンロッドへと強化した。

 

サトゥー(っ!あの馬車の御者を指す光点が消えている・・・)

 

怯んでるロケット・ウルフを、ポチとタマとリザの剣と槍の攻撃を喰らい、ロゼッタのボウガンとナナのマジック・アローも直撃した。

 

ヒカル「おりゃあああああ!!!」

 

ライジングスプラッシュドラゴンで封印エネルギーを流し込まれて倒れた。

 

サトゥー「はっ!!」

 

ヒュドラが馬車を襲撃した後、すぐに飛び去って行った。

 

ヒカル「逃げやがったか。」

 

サトゥー「(今更ヒュドラを攻撃しても、誰も運命も変わらないが、敵討ちくらいは・・・)ヒカル。」

 

ヒカル「ああ。」

 

2人はライジングドラゴンロッドとハルバードを構える。

 

ヒカル「おりゃああ!!」

 

ライジングドラゴンロッドとハルバードをヒュドラに向けて投げた。頭部に傷が生じたが、ヒュドラが遥か遠くへ去って行った。

 

ヒカル「傷が出来たか。」

 

サトゥー「念の為にマーカーしておく。」

 

ヒカル「分かった。そう言えばクハノウ伯爵にヒュドラの事を言われてたな。襲われた人を探そう。サトゥーは向こうを頼む。俺は遺体が無いか探して来る。」

 

サトゥー「ああ。」

 

 

 

 

崖の下を見ると、倒れてる2人の男女を発見した。

 

サトゥー(少年少女・・・でも夫婦か。いや、此方では成人同士だから普通か。)

 

 

 

 

その頃遺体を発見したヒカルは、護衛隊長や騎馬や彼らの愛馬の遺体をゴウラムで運ばせ、山小屋の近くの木陰に置いて布を掛けた。

 

ヒカル「冥福を祈る。あの世でゆっくりおやすみな。」

 

 

 

 

山小屋の中。

 

サトゥー「生存者だ。ミーア、回復魔法を掛けてやってくれ。」

 

ミーア「ん。」

 

ヒカル「サトゥー、護衛隊長と騎馬と愛馬達の遺体を運んでおいた。」

 

サトゥー「ありがとう。」

 

ヒカル「後は御者の遺体だけだ。」

 

サトゥー「分かった。行こう。」

 

 

 

 

2人は山小屋から出て御者の遺体の回収に向かった。

 

リザ「ご主人様!ヒカル様!調理はルルとナナに任せて来ました。私だけでも同行させて下さい。」

 

ヒカル「分かった。付いて来い。」

 

ロゼッタ「私も行くわ。連れてって。」

 

サトゥー「うん。」

 

ポチ「ご主人様!ヒカル様!ポチ達も行くのです!」

 

タマ「タマも行く〜!」

 

サトゥー「いや、2人もここで待っててくれ。」

 

ヒカル「俺達からの命令だ。」

 

 

 

 

雨が降る道を、ヒカルとサトゥーとリザとロゼッタの4人が遺体を回収する為に馬車の残骸がある場所へ向かう。

 

ロゼッタ「酷い・・・無惨過ぎる・・・」

 

リザ「あの亜竜の巨体が着地すると、こうなるのですね・・・」

 

ヒカル「ああ・・・奴らは凶暴だ・・・」

 

サトゥー「トレイル市の商人か・・・」

 

ヒカル「トレイル市?」

 

サトゥー「ああ。この先にある街だよ。オリヴィア王国と言う国にある街だよ。」

 

ヒカル「オリヴィア王国かぁ。ロゼッタ、オリヴィア王国ってどんな国なんだ?」

 

ロゼッタ「私も初めて行くから分からないわ。」

 

 

 

 

 

 

雨が上がった頃、生存者達をアリサの精神魔法の覚醒で目覚めさせ、経緯を説明した。

 

 

 

 

『BGM:孤独』

 

遺体がある場所。

 

ヒカル「じゃあ、見せるぞ。」

 

布を捲って、遺体を少年と少女に見せた。

 

少年「アニキぃ・・・!!」

 

少女「兄様・・・!!」

 

御者の遺体を見た2人が涙を流した。

 

 

 

 

死んだ御者は少女の方の兄で、商売を3人で行っていたそうだ。領境に狼が出没すると言う話を聞いて、腕利の護衛を雇っていたらしいが、ロケット・ウルフのような魔物が一緒だとは知らなかったそうだ。

 

ヒカルとサトゥーとポチとタマは、少年と一緒に馬車を軽くする為に捨てられた積荷を検分していく。

 

タマ「運搬〜!」

 

ポチ「なのです〜!」

 

サトゥー「遺体はどうする?」

 

少年「山小屋の裏手に埋めようと思います。お世話になりっぱなしで心苦しいのですが、埋葬を手伝っていただけないでしょうか?」

 

ヒカル「分かった。」

 

 

 

 

山小屋の裏手に御者を埋葬する為の墓穴を掘って遺体を埋めた。生き残りの2人が別れを惜しむ間に、広場の隅に彼らの馬を埋葬した。

 

 

 

ガレージ・バッグを持たせたポチとタマに広場や街道にある茶色狼の死骸の回収を頼み、ヒカルとサトゥーはロケット・ウルフを解体したいと言うリザを手伝う。

 

ルル「あ、あのリザさん、魔物の肉なんて食べられるんですか?」

 

リザ「流石に内蔵は危険なので破棄しますが、肉の色から見て普通に食べられるはずです。」

 

ヒカル「どうだ?食えそうか?」

 

サトゥー「食用可能だね。」

 

ミーア「サトゥー、ヒカル。」

 

ロゼッタ「戻ったよ。」

 

ヒカル「おう。」

 

サトゥー「・・・別れは済みましたか?」

 

少年「はい・・・」

 

少女「何時までも泣いていたら兄様に叱られます・・・」

 

ヒカル「じゃあ石に名前を刻むか。」

 

サトゥーがナイフで石に亡くなった御者と騎馬達の名前を刻んだ。ヒカルが墓に水を掛けた。

 

ヒカル「天国でゆっくりおやすみ。」

 

 

 

 

 

 

その後少年少女を乗せて出発し、夕刻までに最寄りのオリヴィア王国のハリス公爵領にあるゴーランの街に辿り着いた。

 

騎士「ロケット・ウルフが率いる群れが領境の街道に出たのか?もっと西の方に居るはずなんだが・・・」

 

ヒカル「まさか・・・」

 

サトゥー「ヒュドラに追われて群れを移動させたのかも・・・」

 

騎士「ヒュドラだと!?ロケット・ウルフだけではないのか!?」

 

少年「僕も潰れた馬車を見た。上から岩でも降って来ないとあんな壊れ方をしないよ。」

 

騎士「それこそ落石のせいで壊れたのではないか?」

 

ヒカル「まぁ、疑問を抱く気持ちは分かる。現場で馬車を見た方が良いぞ。」

 

サトゥー「それに他にも目撃者が居るはずですし、近隣の農村や狩人にお尋ねになってはいかがでしょう?」

 

どうしてもヒュドラの事も信じて貰いたい訳ではないのだが、その態度が返って信憑性がありと思われてしまったのか、役所まで連れて行かれて審議官と呼ばれる役人に会う羽目になってしまった。

 

 

 

 

『BGM:捜査』

 

役所。

 

ショーン「話を纏めるぞ。ロケット・ウルフと茶色狼の群れに襲われている行商人を発見。行商人の護衛は狼に襲われて殉職・・・貴殿らが狼退治を行うも、突然現れたヒュドラに御者をしていた商人は殺され、馬を喰らったヒュドラが山向こうに逃げ去った。そう言う話で相違ないな?」

 

ヒカル「ああ。間違いない。」

 

ショーン「では、私はこれから先程纏めた事を順番に質問していく。事実か否かに関わらず、必ず「はい」と答えるように。審議官ショーンが問う。行商人の護衛達は狼と戦い殉職したのだな?」

 

ヒカル・サトゥー「はい。」

 

ショーン「審議官ショーンが問う。行商人はヒュドラに殺されたのだな?」

 

ヒカル・サトゥー「はい。」

 

ショーン「審議官ショーンが問う。貴殿らは行商人一行を害していないのだな?」

 

ヒカル・サトゥー「はい。」

 

ショーン「審議官ショーンが問う。ヒュドラは山中に去って行ったのだな?」

 

ヒカル・サトゥー「はい。(然り気無く尋問が混ざってたな・・・)」

 

ショーン「・・・・・この者達の話は事実だ。」

 

神官A「何て事だ・・・!」

 

神官B「守護様に・・・!」

 

1人の神官が守護様を呼びに走った。守護と言うのは、領主から街の統治を任された代官の事らしい。

 

ショーン「守護様が緊急報知用のマジックアイテムで領主様に連絡を取って下さる。程なく軍が派遣され、ヒュドラを討伐してくれるだろう。」

 

ヒカル「流石だなそれ。」

 

 

 

 

その後ヒカルとサトゥーと少年は、守護執務室に呼ばれ、もう1度ヒュドラとロケット・ウルフの報告をさせられた。

 

守護様「ロケット・ウルフは眷属支配で茶色狼を囮にして逃げるから領軍も手を焼いてるからね。君はまあよくやってくれたよ!ははははは!」

 

ヒカル「そうですかい・・・」

 

その後、事務を司る守護補佐官の執務室に移し、ヒュドラ出現の報告とロケット・ウルフ討伐の褒賞の話になったが、街の予算が少ない為、現金を渋ってる感じがしてた。代わりに宿の紹介状を求めた。

 

サトゥー(守護補佐官殿は爵位を持つ下級貴族なのに、世知辛い話だ・・・)

 

 

 

 

その後少女は、兄と護衛達の死亡届を提出しに行き、サトゥーは役所の窓口でロケット・ウルフから回収したコア2つを売却した。売却した値段はセーリュー市の3倍だった。

 

 

 

 

その後少年達と彼の知り合いが居る商会まで送った。

 

少年「謝礼と言っては何ですが・・・手持ちの商品の中から好きな物を持って行って下さい。」

 

ヒカル「多いな。」

 

それだけだと少年達の今後が心配なので、街で処分が難しい物をそれとなく聞き出して、仕入れた値に多少色を付けた値段で買い取らせて貰った。

 

アリサ「甘い!」

 

ヒカル「まあいいからいいから。」

 

少女「ほんとうにありがとうございました!」

 

少年「ありがとうございました!」

 

ヒカル「おう!今後とも気を付けろよ!」

 

少年少女と別れた。

 

 

 

 

宿に到着したのだが。

 

宿主「亜人を部屋に上げる訳にはいきません!」

 

ヒカル「即決だな。」

 

サトゥー「此方をご覧下さい。」

 

守護補佐官の紹介状を見せた。

 

宿主「こ、これは!補佐官様の紹介状・・・!!」

 

紹介状を拝見した宿主がすぐにヒカル達を部屋へ案内した。

 

サトゥー(一応取っておこう。)

 

紹介状を仕舞った。

 

 

 

 

1部屋に全員が宿泊する事になった。

 

サトゥー(これは試練なのか・・・?)

 

ヒカル(賑やかな部屋やの〜。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『BGM:平穏』

 

翌朝。ゴーランの街を出発して領内の小川沿いの草地で野営の準備をする。

 

サトゥー(ストレージの中なら鮮度が落ちないと言っても、処理しておかないと料理に使えないからね。)

 

3つのチームに分けた。

 

 

 

 

解体組・ポチ、タマ、リザ。

 

解体後の肉の処理・ルル、ナナ。

 

川沿いで野草や薬草集め・アリサ・ミーア・ロゼッタ。

 

 

 

 

暇のヒカルとサトゥーは、解体組の手伝いしに行った。

 

サトゥー「リザ・・・」

 

リザ「どうかされましたか?ご主人様、ヒカル様。」

 

ヒカル「生首がエグい・・・」

 

まな板の上に狼の生首が置かれており、リザが解体しようとしてる。

 

サトゥー「・・・いや、昨晩の散歩で猪を仕留めたんだ。一緒に解体してくれないか?」

 

ストレージから猪を取り出した。

 

リザ「流石はご主人様です!」

 

タマ「猪肉〜!」

 

ポチ「美味しそうな猪なのです!」

 

ヒカル「ほんじゃ、解体任せたぜ。」

 

リザ「はい!本日の夕餉はご期待下さい!」

 

 

 

 

アリサ達の様子を見に行く。

 

サトゥー「トホホ・・・」

 

ヒカル「元気出せよ。」

 

アリサ「あ!ご主人様!ヒカル様!」

 

ミーア「サトゥー、ヒカル。」

 

ロゼッタ「見て見て大漁だよ!」

 

カゴには魚が大漁に入ってた。

 

ヒカル「おお凄え!」

 

アリサ「精神魔法を川に叩き込んで獲ったの!」

 

ヒカル「どれも新鮮だな。」

 

サトゥー「(そうだ!獣は無理でも魚くらいなら捌けるはずだ。)ヒカル、手伝ってくれる?」

 

ヒカル「ああ。」

 

 

 

 

魚を捌く為、リザに手本を見せて貰った。まずは鱗取り。

 

ヒカル「結構鱗あるなこの子。」

 

サトゥー(ぬめぬめした感触は出来るだけ思考の外に・・・)

 

次は頭を落として胸ヒレを取る。

 

サトゥー(腹を裂いて内臓を出して・・・)

 

ヒカル「身が綺麗だな。刺身にして食いてえな。」

 

サトゥー(ここまで来れば後は、スキルのサポートに任せて三枚に下ろしていくだけだ。)

 

残りの魚も同じように捌く。

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

数分後。

 

アリサ「ねぇご主人様、ヒカル様。こんなに捌いて何に使うの?」

 

サトゥー「はっ・・・」

 

ヒカル「ありゃ何時の間にこんなに・・・」

 

サトゥー「フライは・・・油が無いか。」

 

アリサ「パン粉や卵もね。」

 

サトゥー(次に立ち寄れた街で揚げ物が出来るくらい購入しよう。)

 

リザ達の方を見ると、解体の山が傍にあった。

 

ヒカル「肉多・・・胸焼けしそう・・・そうだ。干物はどうだ?」

 

サトゥー「ああ良いね。日持ちするし。」

 

アリサ「まあ、あの量の肉を見たら順当よね・・・」

 

リザのアドバイスを受けて干物作り。濃い目の塩水に30分程漬ける。水洗いして風通しが良く日に当たる場所に干した。

 

サトゥー「アリサ、悪いけど虫除けを頼む。」

 

アリサ「OK!」

 

虫除けの魔法を発動した。ヒカルとサトゥーは狼の解体へ向かう。

 

サトゥー「リザ・・・?」

 

ヒカル「何やってんだ?」

 

狼の生首を凝視してるリザに質問した。

 

リザ「いえ、こんなに沢山あるので何か調理が出来ないかと思って。」

 

ヒカル「まぁ、こんだけあったらお困りさんだからな。」

 

サトゥー「街の精肉所に寄った時にでも聞いておいてあげるよ。」

 

リザ「はい!是非!」

 

残りの解体を手伝う事にした。

 

ヒカル「結構グロい・・・」

 

サトゥー(狼と目が合わないようにするのがコツ・・・)

 

解体終了後。

 

ヒカル「ふぅ〜終わった。グロばっかだったぜ。」

 

サトゥー「これだけ解体すると獣臭が凄いな・・・」

 

ヒカル「ミーアに頼もう。」

 

 

 

 

早速ミーアに魔法で洗浄して貰う。だが、しつこい臭いで1回では落とし切れなかった。

 

ヒカル「臭いがしつこい・・・」

 

サトゥー「ミーア、悪いけどマナ・ポーションを飲んでもう1回頼む。」

 

ミーア「嫌。苦い。」

 

ロゼッタ「だったら私に任せてよ!」

 

ヒカル「ロゼッタが?」

 

ロゼッタ「もう忘れたの?私は魔法盗賊なのよ?」

 

ヒカル「勿論分かってる。やってくれるか?」

 

ロゼッタ「任せて!デオドラント・バブル!」

 

消臭魔法で2人の獣臭を消した。

 

サトゥー「臭いが無くなった。」

 

ヒカル「サンキューロゼッタ。」

 

ロゼッタ「いえいえ。」

 

サトゥー(他の解体組の湯飲みの準備をしておこう。)

 

解体組の湯飲みの準備を始める。

 

タマ「お風呂〜!」

 

ポチ「なのです!」

 

リザ、ポチ、タマ、ルル、ナナがその場で服を脱いだ。

 

ヒカル(おいおい、羞恥心無えのかよ・・・)

 

サトゥー「ごゆっくり・・・」

 

2人はその場から離れた。

 

 

 

 

ヒカル「ロゼッタ、ここは1つ模擬戦しないか?」

 

ロゼッタ「良いわよ!」

 

ヒカル「じゃあ向こうで模擬戦だ!」

 

ロゼッタ「うん!」

 

2人は少し離れた場所で模擬戦する。

 

 

 

 

その間サトゥーは、魔法道具作りを始める。作るのは湯沸かし器。鍋の底にサーキット・リキッドで加熱回路を描く。そこに魔力を流し込む。

 

サトゥー「温度が上がり過ぎて銅鍋の方は穴が開いてしまった・・・」

 

回路を調整して温度を絞って再度試運転。お湯が順調に沸騰した。1分程でお湯が沸いた。

 

サトゥー(回路が剥き出しだからこのまま調理するのは無理かな?)

 

当分は湯沸かしポット代わりにすると考えた。

 

 

 

 

湯上がり後、夕食の準備を始める。ヒカルとロゼッタが模擬戦から戻って来た。

 

サトゥー(しかし、茶色狼のハツやレバーの色はあまり食欲をそそらない・・・)

 

ヒカル(見るからに不味そ〜・・・)

 

ハツとレバーの色が赤黒になってる。

 

ヒカル「昨日のロケット・ウルフの肉の方がマシな感じだ・・・」

 

サトゥー(そうだ。調理スキルがあるんだし、試しにあの肉を焼いてみるか。)

 

リザに教えて貰いながら自分で焼いてみる事に。

 

 

 

 

早速調理開始。

 

まずは筋に切れ目を入れて塩コショウで下拵えする。

 

そして熱したフライパンに脂身を乗せて脂を馴染ませて、ニンニクの油漬けを炒めて取り分けする。

 

そこに肉を投入して焼く。

 

サトゥー(食中毒防止で焼き加減はウェルダン。)

 

すると香ばしい匂いが漂った。

 

サトゥー(何だ?この暴力的に美味しそうな香りは。)

 

その匂いは周りにも漂った。

 

ヒカル(な、何だこの松坂牛にガーリックソースを和えたような匂いは・・・?)

 

アリサ「ちょ、ちょっとこの美味しそうな匂いは何よ!」

 

匂いを嗅いだ全員が寄って来た。

 

サトゥー「昨日のロケット・ウルフの肉を試食する為に焼いてるんだ。」

 

ロゼッタ「こんなに小ちゃいのに?皆に行き渡らないんじゃないの?」

 

サトゥー「これは俺が食べて変な耐性が付かないか確認する分と、その後で誰かに食べて貰って翌日まで問題無いか確認する分だけだから。」

 

ヒカル「要は毒味って訳か。」

 

サトゥー「そうそう。」

 

アリサ「私!私が尊い犠牲になるわ!」

 

タマ「タマもなる〜!」

 

ポチ「ポチだって犠牲になってお肉が食べたいのです!」

 

リザ「いえ、子供達に任せるのは危険です。ここは私が実験台になりましょう。」

 

ナナ「マスター。私はマスターの物です。だからマスターの物は私と同義なのです。なので実験台は私が相応しいと進言します。」

 

ロゼッタ「私も犠牲なっても良いから食べさせて!」

 

ミーア「むぅ、肉・・・」

 

ヒカル「何だこの、自殺を志願してるような集団は。」

 

サトゥー(要は皆食べたい訳か・・・ミーアは匂いに惹かれただけかな?)

 

ヒカル「じゃあジャンケンで勝負してくれ。ただしナナは固形物が不安定だから参加禁止な。」

 

ナナ「マスター!再考を!」

 

ヒカル「却下。」

 

不参加になったナナががっかりした。

 

 

 

 

ジャンケンの結果は。

 

ルル「やったー!勝ちました!」

 

勝者はルルに決定した。

 

ヒカル「ルル嬉しそうだな。」

 

ルル「はっ!」

 

サトゥー(ルルがここまでストレートに喜びを表現するのは珍しい。)

 

ヒカル「じゃあ試食開始。」

 

最初にサトゥーが肉を試食する。

 

サトゥー(何だこれ?シンプルな塩コショウの味付けが本来の肉の味を引き出して・・・一噛みごとに肉の旨みが口の中に溢れ、ニンニクモドキの味も程良いアクセントになってる。)

 

メニュー表示を見る。

 

サトゥー(変な耐性は付いてないな。)

 

耐性に異変は無い。

 

サトゥー「美味い!さあルルも食べてごらん。」

 

早速ルルも肉を試食する。すると。

 

ルル「・・・!!ああ、ご主人様と結婚した一はこんな料理を毎日食べられるんですね・・・」

 

ヒカル「いきなり結婚話かよ・・・」

 

アリサ「そうよ!ルルの美貌でご主人様を落とすのよ!どう?ご主人様!ルルを落としたら漏れなくアリサちゃんも付いて来るわよ!美少女姉妹で姉妹丼!」

 

デコピン喰らった。

 

ヒカル「雑誌の付録みたいに言うなよ。」

 

サトゥー(洗うか。)

 

肉汁が付いてる皿を洗う。

 

タマ「ああっ・・・!!」

 

ポチ「夢もちぼーもないのです・・・!!」

 

リザ「・・・!!」

 

ポチとタマががっかりし、リザがガタガタ震えてる。

 

サトゥー(もしかして、お皿の肉汁を舐めたかったのだろうか?)

 

仕方無く全員分焼く事になった。お代わりに茶色狼のハツやレバー。ミーアにはキノコと野菜の炒め物を作った。ナナには食べさせるつもりは無かったのだが、伝説の奥義ぱふぱふで顔が胸に押し込まれた。

 

ミーア「ずるい。」

 

アリサ「そんなの反則よ!!」

 

 

 

 

飯完食。

 

ヒカル「いやぁ〜食った食った。」

 

ロゼッタ「美味しかった〜。」

 

アリサ「これから毎日こんなに美味しい料理が食べられるのね〜。」

 

サトゥー「それはパス。明日以降は気が向いた時だけだよ。」

 

ヒカル「俺も気が向いた時にだけにしとく。」

 

サトゥー(リザに調理を習ってるルルやナナに悪いしね。)

 

アリサ「え〜そんな〜!」

 

ミーア「むぅ。」

 

ナナ「マスター!再考を!」

 

ロゼッタ「2人の作る料理も美味しいんだもん!」

 

アリサとミーアとナナとロゼッタが強くお強請りする。

 

ヒカル(そんなに俺らの食いたいのかよ・・・)

 

サトゥー(他のメンバーは奴隷の身分を弁えてか・・・)

 

結局、1日1回だけ昼飯を振る舞う事になってしまった。

 

 

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

翌日の昼。彼らはとある廃村に到着した。

 

アリサ「廃村みたいね。」

 

サトゥー「ああ。どうやらそのようだ。」

 

ヒカル「荒れ果ててるな。クハノウ伯爵の言う通りだ。にしてもこの廃村、幽霊が出そうだな。」

 

ロゼッタ「止めて・・・私お化け苦手・・・」

 

サトゥー(ここで何か起こったのは、年単位で過去の事のようだ。)

 

折れてる柱を発見した。

 

サトゥー(結界柱・・・6本の内4本が折れ、2本が無く穴しか残ってない。)

 

アリサ「彼処に井戸があったけど、変な臭いがしてたから使えそうにないわ。」

 

ヒカル「そうか。しかしトレイル市から近えのに何で放置されたんだ?」

 

アリサ「私の故郷だとサガ帝国から結果柱を輸入していたから、それを作れる領地が遠いんじゃない?」

 

ヒカル「成る程な。可哀想だ。」

 

ここは焼き物を生業にしていた村らしく、村の裏山に土を採取する場所と窯が残されていた。

 

ヒカル「サトゥー、こっちの窯が壊れてる。」

 

ロゼッタ「こっちも壊れてるわよ。」

 

サトゥー「となると、この1つだけが無事みたいだね。」

 

廃村にある広場で昼飯を取る。

 

ヒカル「じゃあ作るか。」

 

サトゥー「昨日の約束通り茶色狼を調理しよう。」

 

2人は残ってる茶色狼を焼く。

 

 

 

 

リザ「歯応えが素晴らしいです!」

 

ポチとタマとリザが焼いた肉をそのまま食べてる。

 

サトゥー(筋入っていてステーキには不向きだったか。)

 

他の面々の分にはサイコロステーキ。ミーアには野菜炒め。

 

 

 

 

食後休憩の間に錬成用の秘薬の調合を行う。

 

ロゼッタ「サトゥーは何をしてるの?」

 

ヒカル「彼奴秘薬を作ってるんだ。」

 

 

 

 

クレイドル産の朱一のコアを使用。

 

最初に砕いて粉にする。

 

サトゥー(次からは指で摘んで割ろう。)

 

次に安定剤を混ぜる。更に以前に訪れたノウキーの街の錬金術屋で購入した各種素材を投入して完成した。

 

サトゥー(小指の先くらいのコアならポーション20本分くらいの秘薬が作れた。)

 

この秘薬で、どの程度の効果の物が作れるか興味があったので、下級の体力回復薬を錬成してみた。

 

サトゥー(最高品質になった。)

 

ノウキーの街の錬金術屋の店番嬢が朱三以上の等級の物を欲しがっていたからポーションの製作そのランクの物が必要かと思っていたが、朱一でも普通に作れた。その後、色々検証した結果、一応コアの等級によって完成するポーションのグレードは左右されるようだ。

 

サトゥー「(朱一から朱三までの石を20個ずつ秘薬にしておこう。)序でに下級のマナ・ポーションも作ろう。味は苦いから工夫を。」

 

ヒカル「ロゼッタ、マナ・ポーションは飲めるのか?」

 

ロゼッタ「飲めるけど、あんまり好きじゃないな。」

 

ヒカル「やっぱ苦いのか?」

 

ロゼッタ「うん・・・」

 

少々の蜂蜜や棘甘草の汁を使って苦味を減らしてみた。

 

サトゥー「ロゼッタ、ちょっと試し飲みしてみて。」

 

ロゼッタ「え?私が?・・・まあ良いけど。」

 

マナ・ポーションを飲んでみる。

 

ヒカル「どうだ?」

 

ロゼッタ「・・・効能は少し落ちたけど、苦味が無いね。」

 

ヒカル「そうか。これならミーアが飲んでも問題無いな。」

 

空き瓶の無い分のポーションはストレージ内に液体のまま収納しておく。

 

サトゥー(少し小瓶を調達しておこうかな。)

 

 

 

 

その後出発し、オリヴィア王国にあるトレイル市に訪れた。

 

宿に入る。

 

アリサ「ですから、この子達は亜人ですが、ご主人様達の愛玩奴隷なのです。ご覧の通り高価な衣服を身に付けておりますので納屋に寝かせて盗難に遭うと困りますの。それとも盗難にあった場合宿を補償して下さるかしら?」

 

宿主「出来ませんな・・・なのでお引き取りを。当店ではお泊め出来ません。」

 

ヒカル「早速の拒否か。」

 

サトゥー「あの、これを。」

 

守護補佐官の紹介状を出した。

 

宿主「こ、これは准男爵様のっ!し、失礼致しました!直ちにお部屋をご用意致します!」

 

アリサ「むぅ〜・・・・」

 

ヒカル「おいおい可愛い顔が台無しだぞ。」

 

6人部屋が1番広かったのでその部屋で借りる事にした。

 

ヒカル「あ〜疲れた〜。」

 

ロゼッタ「ベッドだ〜。」

 

ヒカル「オリヴィア王国も結構平和だな。」

 

サトゥー「そう言えばさっきここに来た時、騎士達が何か警戒していたような。」

 

ロゼッタ「警戒?」

 

ヒカル「魔物とか来るのか?」

 

サトゥー「・・・いや分からない。それに魔物の気配は無いようだ。」

 

ヒカル「じゃあ何だろうな・・・まあ良いや。考えるのはまた今度にするか。」

 

 

 

 

その夜。ヒカルとサトゥーが夜の酒場で飲んでる。

 

ヒカル「ふぅ〜。酒美味え。」

 

サトゥー「・・・」

 

ヒカル「どうした?」

 

サトゥー「やはりこの街の騎士達は随分と警戒してるみたいだなって。」

 

ヒカル「・・・まあ確かにな。周りを見ても何かに警戒してる雰囲気だったな。」

 

サトゥー「やっぱり、この街に何かあるのかな?」

 

ヒカル「まあ何か来たら俺達が応戦してやろうぜ。」

 

サトゥー「うん。」

 

 

 

〜ツヅク〜




         キャスト

       ヒカル:山崎大輝

      サトゥー:堀江瞬
        ポチ:河野ひより
        タマ:奥野香耶
        リザ:津田美波
       アリサ:悠木碧
        ルル:早瀬莉花
       ミーア:永野愛理
        ナナ:安野希世乃
      ロゼッタ:上田麗奈

       ナディ:佐藤聡美
      ショーン:浜田洋平
       守護様:関幸司
        少年:狩野翔
        少女:長野祐紀
        騎士:高橋伸也
        宿主:浜添伸也
        ゼン:天田益男

『BGM:緊迫』

『助けてくれ・・・!』

ヒカル「ん?」

『助けてくれ・・・!』

ヒカル「また声が・・・!あっちか!」

アリサ「おはようさんじゃないわよ!朝起きたら突然居なくなったんだから!」

騎士隊長「そこで止まれ!止まらないと撃つぞ!」

サトゥー「どうしたんだ!?」

ヒカル「体が・・・!!」

魔族商人「よしよし良い子だ。さぁ、私の手を握るが良い。」

DEATH MARCH22「鼠族」
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オリキャラ紹介

「ドリュー・ラミアス」

Lv25

称号・魔力者

スキル・魔法

年齢・9歳

モデル・千石冠

髪型・銀髪サイドテール

服・白いワンピース、白いドロワーズ、茶色のストラップシューズ

性格・物静か

好きなモノ・エレナ

苦手なモノ・自分を利用する者

アイテム・魔法

西キルヴィス国出身の少女。
以前は自分の魔力を利用された事が多かった。
男爵邸のショーケースの中に閉じ込められていた所をヒカル達に救われた。
現在はロゼッタの姉のエレナと共に行動する事になった。
エレナによく懐いてる。

イメージキャスト・長縄まりあ
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