デスマーチからはじまる異世界空我   作:naogran

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##サイド3##
DEATH MARCH31「前世」


『BGM:懊悩』

 

樹海の番人トムと彼の弟のハークを成仏させた後の深夜。ヒカルとアリサが夜番をやっていた。

 

ヒカル「(アリサと2人きりになるのは珍しいな。そうだ、あの話でもするか。)なぁアリサ。」

 

アリサ「何?」

 

ヒカル「お前の前世で何があったんだ?」

 

アリサ「突然何の話?」

 

ヒカル「いや、お前転生者だろ?俺達の元の世界で何が原因で転生されたんだ?」

 

アリサ「良いわ、話してあげる。私は前世ではOLだったのよ。ある時にストーカーから後輩を助けた。でもその後、そのストーカーに殺されちゃったのよ。」

 

ヒカル「ストーカーに逆恨みされたのか。」

 

アリサ「ええ。その男を突き飛ばしたけど、突き飛ばしたと同時にお腹に刺されたの・・・」

 

ヒカル「なぁ、そのストーカーの顔は覚えてるか?」

 

アリサ「今でも覚えてるわ。」

 

ヒカル「どんな顔の奴か描いてくれるか?」

 

アリサ「ええ。パーカーを被ってたけど、間近で見た時に全部見えたのよ。」

 

貰った紙に男の顔を描いた。

 

アリサ「この男よ。」

 

描いたストーカー男を見せた。

 

ヒカル「・・・・・・・」

 

アリサ「どうしたのよ?苦笑いして。」

 

ヒカル「此奴、俺の高校時代の同級生じゃねぇか・・・」

 

アリサ「え!?」

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

ヒカル「まさかストーカーの道へ進んでたとは・・・」

 

アリサ「ヒカル様の高校時代の同級生だったの・・・?」

 

ヒカル「ああ。此奴高校時代は下衆ないじめっ子だったんだ。弱い奴を縄で縛って犬のような扱いをしたり、勉強をやってる奴には悪口を落書きしたりもしたんだ。」

 

アリサ「ど、どんだけバカなのよ・・・」

 

ヒカル「その挙句、卒業してから就職したけど誰からも相手されずに失敗ばかり続けてクビにされた。そしてそのまま転職を繰り返しても失敗ばかりでクビにされて無職。正に因果応報だな。」

 

苦笑いしながらストーカー犯を思い出してる。

 

ヒカル「そして最終的にストーカーになって、お前の後輩をストーカーした後に警察に通報された後にお前を殺したって訳か。」

 

アリサ「ええ。ヒカル様は何もされなかったの?」

 

ヒカル「彼奴だけは無視した方が良いってクラスメイト達から言われてな。卒業まで彼奴に絡まれなかったからな。」

 

アリサ「運が良かったのね。」

 

ヒカル「後彼奴、殺人した後に俺の前に姿を現したぞ。」

 

アリサ「え!?捕まってなかったの?」

 

ヒカル「お前を殺してすぐに逃げたんだろう。そして包丁を持って俺に向かって来たんだ。」

 

 

 

 

 

 

それは、ヒカルがまだ現代世界に居た頃、仕事から帰る途中に高校時代のいじめっ子もといアリサを殺したストーカー犯がヒカルを見付けた。

 

ヒカル『お前、あの時のいじめっ子か。俺に何の用だ?』

 

ストーカー犯『幸せな人生を歩みやがって!』

 

ヒカル『おい自業自得だろ。お前があんな事しなければこんな現実を味わう事無かったのによ。』

 

ストーカー犯『黙れ!!天才の俺がこんな現実を送るなんて認めねえんだよ!!だから、死にやがれ!!!』

 

包丁を持ってヒカルを襲い始めた。

 

ヒカル『遅い!』

 

しゃがんで避けて、そのまま腕を掴んで背負い投げした。

 

ストーカー犯『がはっ!!』

 

手放した包丁を蹴った。

 

ヒカル『ったく、いじめの次に就職からのクビで転職からのクビでストーカーになって殺人を犯して俺に襲うなんて馬鹿馬鹿しい奴だお前は。』

 

ストーカー犯『お前・・・俺を侮辱したらどうなるか分かってんだろうな!!』

 

ヒカル『あ、警察ですか?ストーカー犯がここに居まーす!』

 

ストーカー犯『聞けやゴルァ!!』

 

ヒカル『無駄だ。お前は自分の人生を悔やむんだな。』

 

その後ストーカー犯は連行されて、後日に殺人と脅迫容疑で無期懲役の判決が言い渡された。

 

 

 

 

 

 

そして現在に戻る。

 

アリサ「それ、さっきと同じ逆恨みじゃないの?」

 

ヒカル「そして彼奴は無期懲役を未だに認めないまま刑務所入りになった。アリサ、何かごめんな。こんなバカがお前を殺してしまって・・・」

 

アリサ「いえ、こうなってしまったのは仕方ないわ。ヒカル様のせいじゃないわ。」

 

ヒカル「そうか。」

 

アリサ「それに、私はご主人様に恵まれているからね!」

 

ヒカル「おい・・・」

 

アリサ「それで、その犯人の元取り巻き達は今どうなってるの?」

 

ヒカル「友人達の話によると、改心して社会人として働いてる。」

 

アリサ「ヒカル様の前世の仕事は何だったの?」

 

ヒカル「俺か?俺は美術館の清掃員だ。」

 

アリサ「美術館の清掃員?」

 

ヒカル「ああ。しかも面接合格率がめっちゃ低くてな、高校卒業間際に駄目元で面接したら合格になったんだ。そして俺は母さんからプレゼントされたマンションで一人暮らしを始めて、楽しい仕事を満喫したんだ。その後に神さんからこの異世界に赴いてくれと頼まれたんだ。理由も無しに。」

 

アリサ「それなのに何であんなに身体能力高いの?」

 

ヒカル「神さんにお願いして身体能力を貰ったんだ。それに俺、過去にテコンドー習った事があるから、キックには自信がある。色々話してくれてありがとな。」

 

アリサ「こっちこそ、ヒカル様のお話を聞けて楽しかったわ。」

 

ヒカル「お?」

 

丁度そこにゴウラムが偵察から戻って来た。

 

ヒカル「ようゴウラム。魔物は居たか?」

 

ゴウラムは横に振った。

 

ヒカル「そうか。偵察サンキューな。」

 

ゴウラムを黒い球に戻した。

 

ヒカル「ほんじゃあ寝るか。」

 

アリサ「ええ。」

 

こうしてヒカルは、アリサの前世を聞いたのだった。

 

 

 

〜ツヅク〜




         キャスト

       ヒカル:山崎大輝

       アリサ:悠木碧

    ストーカー犯:狩野翔

次回「狩猟」
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