デスマーチからはじまる異世界空我   作:naogran

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##ムーノ男爵領##
DEATH MARCH38「不穏」


『BGM:不安』

 

遂にムーノ男爵領まで来た。

 

騎士「最近はムーノ男爵領の盗賊がこっちにも遠征で来てるくらい領内が困窮しているそうだ。盗賊や兵士だけでなく、普通の村人相手でも油断するなよ?」

 

ヒカル「ああ。忠告感謝するぜ。」

 

騎士「もし向こうの砦で何か理不尽な要求をされたら全力で逃げて来いよ。領境を越えてくれたらうちの兵隊で助けに行ってやるからな。」

 

サトゥー「お気遣い感謝いたします。もし何かあればご親切に甘えさせていただきます。」

 

 

 

 

砦を通ってしばらく進むと。

 

サトゥー「見えてきたな。」

 

ヒカル「ああ。」

 

 

 

 

 

 

ムーノ男爵領へ架ける吊り橋が見えた。

 

 

 

 

 

 

ジーク「この吊り橋の向こうがムーノ男爵領か。」

 

サヤ「はい。」

 

ヒカル「さて、行動開始するか。」

 

サトゥー「ちょっと向こう側の安全を確かめて来る。俺とヒカルが向こうから逃げろって言ったら俺達を待たずに逃げるんだよ?」

 

タマ「あい!」

 

ポチ「はいなのです!」

 

ルル「は、はい!」

 

チャールズ「分かった!」

 

ミーア「サトゥー!ヒカル!」

 

アリサ「また2人で無茶しようと考えているんじゃないでしょうね!?」

 

ヒカル「心配すんな。向こうの安全を確かめに行くだけだ。すぐに戻る。」

 

リザ「ご主人様、ヒカル様、僭越ですが私を護衛にお付け下さい。」

 

ナナ「マスター、随行を希望します。」

 

ロゼッタ「私も行くわ!」

 

ヒカル「いや、5人じゃ人数が多い。ナナとロゼッタ達は待機しろ。」

 

ナナ「了解ですと答えます。」

 

ロゼッタ「分かったわ。」

 

エレナ「気を付けてね。」

 

ドリュー「油断しないで。」

 

ヒカル「ダリー、アイーダ、ティア、異変を感じたらすぐに知らせろ。」

 

ダリー「任せとけ。」

 

アイーダ「任せて!」

 

ティア「うん!」

 

 

 

 

サトゥーとリザが馬に乗り、ヒカルがビートチェイサー2000に乗って吊り橋を渡って、ムーノ男爵領に入った。

 

ヒカル「無事に渡れたな。対岸も問題無しだな。」

 

サトゥー(さて、まずは情報収集だ。)

 

全マップ探査を発動した。アリサのようなスキル不明の転生者が居るかを探るが、該当は無かった。そしてレベル50を越える強者が居るかを探るが、これも該当無し。更にアリサ達の脅威になるようなレベル30以上の者も探ると、該当があった。

 

サトゥー(複数の対象がヒットした。しかも1番近いのはこの先の砦がある場所だ。)

 

確認しに行くとそこには・・・

 

ヒカル「サトゥー!リザ!」

 

サトゥー「っ!!」

 

目の前に居たのは・・・

 

 

 

 

 

 

『BGM:追撃』

 

砦を喰い荒す四つ首のヒュドラだった。

 

 

 

 

 

 

ヒカル「ヒュドラ!しかも四つ首・・・!」

 

サトゥー「彼処が砦・・・ヒカル、砦周辺に生存者は居ないようだ・・・」

 

ヒカル「まさか、奴に喰われたのか?」

 

サトゥー「可能性は高い。」

 

ヒカル「野郎!」

 

2人はビートチェイサー2000と馬から降りて、ヒカルがアークルを出した。

 

サトゥー「リザ、馬を頼む。」

 

リザ「ご主人様!ヒカル様!僭越ですが、ここはお引きになられるべきです!」

 

そう忠告したリザ。しかし2人は。

 

サトゥー「大丈夫だよ。すぐに済ますから、ちょっと待ってて。」

 

ヒカル「すぐに彼奴を掃除してやるからな。」

 

2人はヒュドラに向かって走り出す。

 

 

 

 

ヒカル「まさかヒュドラの別個体と遭遇しちまうとはな。」

 

サトゥー(リザの心配を解消する為に実力の一端を見せよう。リザなら慎重で口が堅いし、少しくらい開示しても大丈夫だろう。)

 

そしてヒュドラの傍まで着いた。

 

ヒカル「かなり硬そうな皮膚だな。」

 

サトゥー(ファイヤー・ショットよりも速くてヒュドラに避けられ難い・・・マジック・アローを選択。本数は最大の120本。)

 

落ちてる石ころを投げて音を出した。

 

”カツーーン”

 

音に反応したヒュドラが2人に向いた。

 

サトゥー「ヒカル、行くよ!」

 

ヒカル「っしゃ行くぜ!!変身!!」

 

ジャンプして仮面ライダークウガ・ドラゴンフォームに変身した。

 

サトゥー「ターゲット補足!」

 

マジック・アローを展開した。

 

サトゥー「発射!!」

 

マジック・アローを一斉発射した。

 

ヒカル「キャッチ!!」

 

その中の1本を掴んでドラゴンロッドに変貌させ、そのままライジングドラゴンフォームに強化した。他のマジック・アローがヒュドラに命中し、更に皮膚に擦り傷を入れた。

 

 

 

 

ヒュドラ「グオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 

 

 

マジック・アローはそのままヒュドラに攻撃し続ける。

 

ヒカル「おりゃああああああああ!!!!」

 

その隙にクウガがライジングスプラッシュドラゴンで、ヒュドラの1つの首に突き刺して封印エネルギーを流し込む。

 

ヒカル「はぁっ!!」

 

蹴って後ろにジャンプして、今度は岩に着地して再びジャンプする。

 

ヒカル「超変身!!」

 

次はペガサスフォームに超変身し、懐からマジックリボルバーを出してペガサスボウガンに変貌させ、ライジングペガサスフォームに強化した。

 

ヒカル「喰らえ!!」

 

ライジングブラストペガサスを連射して、ヒュドラの2つ目の首に全て命中さして封印エネルギーを流し込む。

 

ヒカル「超変身!!」

 

今度はタイタンフォームに超変身し、マジック・アローを掴んでタイタンソードに変貌して、ライジングタイタンフォームに強化した。

 

ヒカル「サトゥー!!」

 

サトゥー「ああ!!」

 

クウガが落ちると、サトゥーがクウガを自分の足に乗せた。

 

サトゥー「行けええ!!!」

 

そのまま蹴り上げてクウガをヒュドラの方へ飛ばした。

 

ヒカル「おりゃあああああああああ!!!!」

 

ライジングカラミティタイタンで、ヒュドラの3つ目の首を突き刺して封印エネルギーを流し込む。

 

ヒカル「超変身!!」

 

最後にマイティフォームに超変身し、ヒュドラを蹴って後ろにジャンプして、地面に着地してライジングマイティフォームに強化して、マジック・アローが止んだ瞬間にジャンプした。

 

ヒカル「おりゃああああああああ!!!!」

 

ライジングマイティキックで、ヒュドラの最後の4つ目の首を蹴って封印エネルギーを流し込んで、左足で蹴ってジャンプして、サトゥーの横に着地した。

 

 

 

 

ヒュドラ「グオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 

 

 

マジック・アローと、4つのクウガの技を受けたヒュドラの4つの頭が大爆発を起こして倒れた。

 

ヒカル「っしゃ。」

 

 

 

 

『BGM:閑寂』

 

2人はリザの元へ戻る。

 

サトゥー「終わったよ。」

 

リザ「ご主人様、ヒカル様、先程は愚かな発言をお許し下さい・・・ご主人様とヒカル様がお強い事は存じていましたが、まさかこれ程とは・・・」

 

ヒカル「いや、そんなに反省しなくて良いぞ。あの時撤退の案を出してくれたのは助かったんだ。」

 

サトゥー「悪いけど、さっきの魔法と戦い方は皆には内緒にしてくれよ?」

 

リザ「はい!この命に代えましても!」

 

サトゥー「いや、命が懸かっている時は喋って良いから。」

 

ヒカル「じゃあ遺体を拝見しようか。」

 

 

 

 

首が無くなったヒュドラの遺体を見る。

 

サトゥー「リザ、コアの回収を頼む。」

 

リザ「承知致しました。」

 

周辺には多くの騎士の無残な遺体が残されてあった。

 

ヒカル「酷いなこれは・・・」

 

サトゥー「ろくでなしの巣窟だとは聞いていたが、ここまで酷い死に様だと、道場を禁じえない。」

 

ヒカル「だな。墓を作ってやるか。」

 

騎士達の遺体を地面に埋めて墓を作り、ヒカルが拝み、サトゥーが水を注ぐ。

 

サトゥー「さて、リザが作業している間に、ムーノ男爵領の調査の続きをしておこう。」

 

ヒカル「この先に何があるんだ?」

 

サトゥー「レベル30以上の魔物はそれなりに居るようだ。」

 

ヒカル「まだ居るのか?」

 

サトゥー「ああ。しかもヒュドラも西南西の山岳地帯に1体、周辺に2体居る。」

 

ヒカル「マジかよ・・・」

 

サトゥー「大抵は人里から離れた山奥だし、遭遇する事は無さそうだが・・・」

 

ヒカル「また遭遇したら、悲惨な目に遭いそうだな。」

 

サトゥー「ヒカル、検索リストの中に、1体の魔族を見付けた。」

 

ヒカル「何?」

 

サトゥー「セーリュー市で見た目玉魔族と同じ下級魔族らしい。」

 

ヒカル「あのテンション高い奴と同じか。場所は?」

 

サトゥー「ムーノ市の領主の城だ。この領地が荒れているのは、魔族が何ならかの悪事を働いている可能性が高そうだ。」

 

ヒカル「その言い方だと、裏で何か取引とかしてそうだな。」

 

サトゥー「それと魔族でマップ検索し直したら、他の3体がヒットした。」

 

ヒカル「まだ居るのか?どんだけ・・・」

 

サトゥー「先程の下級魔族の分身で生み出された存在のようだ。1体はムーノ市に存在、2体は別の街に居る。」

 

ヒカル「それぞれ分かれてるって訳か。」

 

サトゥー「けど、ムーノ市に潜入した奴は執政官に成り代わっているから要注意が必要だ。」

 

ヒカル「化けてるのか。これまた厄介だな。ん?確かセーリュー市に居たあの魔族野郎はポチとタマとリザの主人に憑依していたよな?」

 

サトゥー「ああ、あの男か。・・・状態が憑依の者を探してみたら、ムーノ上に2人の騎士が見付かったよ。もっと高レベルの騎士も居るのに。」

 

ヒカル「だったら何でその2人なんだ?」

 

サトゥー「・・・比較したら、賞罰に罪科が刻まれている人間が選ばれている事が分かった。」

 

ヒカル「じゃあ魔族に憑依される人間の特徴は、罪が刻まれているのに限るのか。」

 

サトゥー「そう言えば、セーリュー市での憑依されていたのも悪人だったっけ?」

 

ヒカル「ああ。色々騙した結果があれだもんな。」

 

サトゥー「魔族や憑依されている者達の全てにマーカーを付けて、怪しい動きがあったら察知出来るようにしておいた。」

 

ヒカル「助かるぜ。危険な予感があったら、俺達から動くか。」

 

サトゥー「でも勿論最優先するべきは、うちの子達の安全だけどね。」

 

ヒカル「そうだな。大切な仲間達に危険があったら嫌だもんな。」

 

丁度そこに、リザがコアの回収から戻って来た。

 

リザ「ご主人様、ヒカル様、コアを回収して参りました。」

 

サトゥー「あぁ、ありがとう。」

 

ヒカル「ご苦労さん。後で肉を食わせてやる。」

 

サトゥー「俺とヒカルはちょっと休憩してるから、皆を呼んで来てくれないか?」

 

リザ「はい、すぐに行って参ります。」

 

ヒカル「それと、彼奴らが心配するからヒュドラの事は機密してくれよ?」

 

リザ「畏まりました。」

 

仲間達を呼びに行ったリザ。

 

 

 

 

『BGM:調査』

 

その間に。

 

ヒカル「腹減った。焼き鳥食うか。」

 

アイテムボックスの内ポケットから焼き鳥を出して食べる。

 

サトゥー(さて、今度は幻想の森の老魔女から頼まれた手紙の届け先を調べよう。)

 

巨人で検索した。

 

サトゥー(大森林の奥にある空白地帯の近く。見付けたのは1人だけ。この空白地帯の中に巨人の集落がある可能性が高い。途中までは馬車で向かえそうだが、大森林の奥に進む間道は、馬に分乗して移動する事になりそうだ。)

 

次に、ムーノ男爵領の人の分布を確認する。

 

サトゥー(人口がやけに少ない。そして、前情報を裏付けるように多くの領民達の状態が飢餓になっている。そして、亜人打別が徹底しているのか、ムーノ市には人族しか居なかった。亜人は百名弱の同種の集落が点在している。そして、西北西の両境近くの山沿いにある”廃坑都市”は、コボルト達が占有していた。クハノウ伯爵領の鉱山を襲っていたコボルトと同じ氏族か。それにしても、飢饉は思ったよりも酷そうだ。)

 

彼はヒュドラの遺体を見る。

 

サトゥー(このヒュドラも、食糧に出来るなら結構な数の人が救えそうなのに・・・もしかしたら、食えるかも。カエルの魔物や噴進狼(ロケットウルフ)だって美味しかったし、調理法を知っている人に出会えれば・・・)

 

ヒカル「あ〜食った。ん?」

 

サトゥーがヒュドラを解体している光景を見た。

 

ヒカル「おいサトゥー、何やってんだ?」

 

サトゥー「ヒュドラを適切なサイズに解体しているんだ。勿論残りのも。」

 

ヒカル「何をする気なんだ?」

 

サトゥー「そうだ、ヒュドラが食べていたのが・・・」

 

ヒュドラの詳細項目をチェックして、胃の内容物を確認した。

 

サトゥー「ビット!」

 

落とし穴の魔法で地面に穴を開け、ヒュドラの体を解体して喰われた犠牲者達を出した。

 

ヒカル「にしてもヒュドラの野郎、こんなに多くの人間達を食い荒らしてたのか。」

 

胃の内容物、砦の犠牲者達の遺体をその穴に出現させた。

 

サトゥー(穴から目を背けつつ・・・)

 

ヒカル「冥福を祈るぜ。」

 

巨大な墓を作った。

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

その後全員合流して、先へ進む。馬車の中では、サトゥーとポチとタマとミーアとアリサとドリューとチャールズが遊んでいる。するとそこにリザとナナが戻って来た。

 

リザ「ご主人様、ヒカル様、この先の街道脇に数名の男女が座り込んでいます。」

 

ナナ「敵意は無さそうだったと報告します。」

 

ヒカル「そうか、ありがとう。」

 

サトゥー(危険な兆候などは無さそうな事はマップで確認済みだったが、目的が不明だったので、2人に様子を見に行って貰っていたのだ。)

 

アリサ「何かしらね?」

 

サトゥー「丁度良いから、生の領民の声を聞いてみるよ。ルル、代わるよ。」

 

ヒカル「エレナ、ロゼッタ、ジーク、手伝ってくれるか?」

 

エレナ「良いわよ。」

 

ロゼッタ「分かった!」

 

ジーク「任せろ。」

 

 

 

 

座り込んでいる3人の領民達を発見した。

 

???「お〜い!!」

 

1人の男性がヒカル達を呼び止めた。

 

サトゥー「何かご用ですか?」

 

村長「わしはこの先の村の村長だ。あんた達、行商人だろ?」

 

彼の状態は「飢餓」。

 

サトゥー(彼処の農奴の娘達の方が栄養状態が良さそうだ。)

 

2人の女性の状態は「安定」。

 

村長「あんた達に買って貰いたいモンがあるんだ。」

 

ジーク「あの娘達の事か?」

 

村長「いや違う、こっちに来い。」

 

???「うん。」

 

ティア「何だろう?」

 

そこに、1人の少女が来た。

 

村長「買って欲しいのはこの孫だ。」

 

アイーダ「村長の孫?」

 

村長「そうだ。まだ幼いが、村一番の美人だった娘に似て将来は美人に・・・」

 

サトゥー「自分の孫娘を奴隷に、と言う事か?」

 

ダリー「愛する孫娘を奴隷扱いにするのは可笑しいぞ。」

 

ヒカル「孫娘を奴隷にするなんて頭イカれてるなあんたは。この村に残っても餓えて死ぬか、砦の兵達のオモチャにされて殺されるか選べ。」

 

村長「それなら、あんた達みたいな人の良さそうな商人と旅人に買われた方がよっぽどの幸せになれるだろうさ。」

 

少女「商人様!私を買って下さい!お願い!私が売れたお金で食糧が買えれば、何人もの幼い子供達が冬を越せるの!」

 

アリサとロゼッタはハラハラするが、ヒカルとサトゥーは考えを改めない。

 

サトゥー「悪いけど、奴隷は間に合ってるんだ。」

 

ヒカル「これ以上増やすと、こっちの都合が悪い。」

 

サトゥー(もっとも、うちの子達は家族みたいな感じだが。)

 

ヒカル(彼奴らは俺達の大切な仲間だが。)

 

ロゼッタ「ちょっとヒカル!サトゥー!可哀想と思わないの!?」

 

ドリュー「可哀想!」

 

ヒカル「確かに可哀想だ。けど、自分の孫娘を売るなんて祖父として失格だ!俺はそれを絶対に許さない男だ。」

 

女性A「村長、もう交渉して良い?」

 

村長「あ、ああ。」

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

すると2人の女性が服を脱いで全裸になった。

 

女性A「さ、さっむぅ・・・」

 

女性B「今日は一段と寒いね・・・」

 

ミーア「むぅ、破廉恥!」

 

アリサ「ちょ、ちょっと!」

 

サトゥーの両目をアリサとミーアが塞いだ。

 

サヤ「見ちゃ駄目です!!」

 

魔法でヒカルとダリーとジークとチャールズの両目を塞いだ。

 

ジーク「サヤ、助かった。」

 

ダリー「急に脱ぐなんてどう言う事だよ・・・」

 

女性A「商人さん、春を買わない?代金は銅貨1枚か、この小袋一杯の穀物か芋で良いよ!」

 

女性B「あ、勿論肉なんて大歓迎!兎や鳥なんて贅沢は言わないからさ!ネズミでも魔物でも肉なら何でも良いよ!」

 

サトゥー「魔物の肉かい?」

 

女性B「うん!虫の魔物は大体不味いけど、飛蝗とか蟋蟀の魔物の脚とかは美味しいんだ!」

 

ヒカル「ありゃそうなの?」

 

村長「この周辺では食糧が不足しているんだ!農奴に無理矢理食べさせてる訳じゃないぞ!」

 

サトゥー「セーリュー市でもワイバーンを食べてたし、俺も食べた事があるから偏見は無いよ。」

 

ヒカル「竜翼揚げはもう俺の好物だから差別しねえぞ。」

 

サトゥー「春も奴隷もいらないけど、別の物なら買うよ。」

 

村長「こんなへ辺鄙な村に売れるようなモンなんて他には・・・」

 

サトゥー「売って欲しいのは情報だ。」

 

村長「情報?」

 

ジーク「俺達はムーノ男爵領の情報が欲しいんだ。あんた達が分かる範囲だけで良いから教えてくれるか?」

 

村長「わしはしがない農民だ。自分の村と付き合いのある村の事くらいしか・・・」

 

サトゥー「それで十分だ。情報の対価に茶色狼の肉を進呈しよう。」

 

ヒカル「竜翼揚げと焼き鳥もプレゼントするぞ。」

 

この言葉を聞いた村長達が喜んだ。

 

ヒカル「そこの2人さん、風邪引く前に服を着ろ。」

 

女性2人が服を着て、ようやく男達5人の目が解放された。

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

村長から聞いた村周辺の情報は中々深刻な内容だった。不作が3年も続いているせいで、村周辺の野草や木の実も取り尽くし、その影響で獣が山奥に移動してしまい、採取範囲を広げようにも、魔物が出没して犠牲が出るばかりだと言う。

 

村長「それでも秋口に村の娘達を幾人か奴隷商人に売ったお金で、冬支度は何とか済ませる事が出来たんだが・・・」

 

サトゥー「盗賊でも出たのか?」

 

村長「いや、この辺の盗賊達は元々食い詰めた近隣の村落の若者達さ。冬の備えを盗みに来る程非道じゃない。」

 

女性A「だよね〜。私達のお客はその盗賊達だもん!」

 

女性B「砦の兵隊と違って、シた(・・)後でちゃんとご飯くれるんだ!」

 

女性A「こっちだと盗む相手が居ないから、隣の領地に遠征してるって言ってたよ。」

 

女性B「最近は銀山で戦争しているから、遠くの街まで行ってるんだってさ。」

 

ドリュー「卑猥な話が混じってる。」

 

ロゼッタ「聞いちゃ駄目よドリュー。」

 

エレナ「いや、もう聞いちゃってるから。」

 

サトゥー「じゃあ、魔物?」

 

村長「それなら諦めも付くさ。男爵の娘が輿入れする祝い金だって言って、徴税官が冬の備えを3割程持って行ったんだ。」

 

ヒカル「突拍子もない詐欺野郎だなそいつは。」

 

ジーク「陳情はしなかったのか?」

 

村長「そんな事したら、村ごと農奴にされちまうよ。」

 

ジーク「まさか!?」

 

村長「本当だよ。トンザ村って言ったかな?村ごと農奴にされちまって、今は誰も住んでないよ。」

 

サトゥー(魔族が暗躍しているにしても酷い話だ。)

 

ヒカル「男爵令嬢輿入れ先は知っているか?」

 

村長「徴税官の野郎の話だと、勇者様だとさ。」

 

ヒカル・サトゥー・アリサ・ジーク(勇者?)

 

噂に聞く勇者と遭遇した。

 

 

 

〜ツヅク〜




         キャスト

       ヒカル:山崎大輝

      サトゥー:堀江瞬
        ポチ:河野ひより
        タマ:奥野香耶
        リザ:津田美波
       アリサ:悠木碧
        ルル:早瀬莉花
       ミーア:永野愛理
        ナナ:安野希世乃
      ロゼッタ:上田麗奈
       エレナ:山本希望
 ドリュー・ラミアス:長縄まりあ
       ダリー:村瀬歩
       ジーク:相葉裕樹
        サヤ:大野柚布子
      アイーダ:日高里菜
       ティア:小倉唯
     チャールズ:関根明良

        騎士:浜田洋平

        少女:久地岡涼菜

       女性A:衣川里佳
       女性B:小若和郁那

        村長:田中進太郎

次回「聖碑」
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