『BGM:懊悩』
彼らは順調に地下3階の怨霊の部屋まで辿り着いた。この先に居る怨霊は麻痺攻撃をするので、保険用に麻痺解除薬を作った。
サトゥー(よし、これで準備完了だ。)
ヒカル「あの扉の奥に大元が居るんだな??」
アリサ「いよいよボス戦ね!」
サトゥー「ボスは氷魔法を使うから、俺とヒカルが先に入って奴を始末する。皆は少し遅れて入ってくれ。」
ヒカル「タスクとジークはもし近衛が居たら対処してくれ。」
両手を腰に翳してアークルを出してスタンバイする。
タスク「分かった。」
ジーク「任せろ。」
サトゥー「他にも4体の強目の骸骨兵士が居るからそっちは任せた。」
リザ「承知しました!」
タマ「あい!」
アリサ「ちょ、リザさん?駄目よ。1人で特攻なんて。」
ナナ「マスターなら怨霊程度は問題無いとアリサに告げます。」
サトゥー「大丈夫だって。心配するのは相手が上級魔法くらいからにしてくれ。」
ヒカル「それ以外は雑魚扱いしても構わねえぞ。」
アリサ「上級って・・・」
ドロシー「雑魚扱いって・・・」
リザ「ご主人様、せめてこの槍をお使い下さい。ご主人様がお持ちの槍では魔刃が上手く使えないご様子。本来ならば私がお供する所ですが、ぞ分の力不足は承知しております。ならば、せめてこの槍だけでもお手元に。」
サトゥー「分かった。少しだけ借りるよ。」
ヒカル「じゃあ開けるぞ。」
『BGM:焦眉』
扉を開けて、怨霊の部屋に入った。
怨霊「自ら死にに来るとは、愚かな墓荒らしめ。」
玉座に座っている怨霊と、立っている2体の骸骨兵士が居た。
怨霊「偉大なるムーノ侯爵家の・・・」
2人は無言で怨霊に近寄る。
ヒカル「変身。」
仮面ライダークウガ・マイティフォームに変身した。
サトゥー(怨霊となった時の妄執に支配されている・・・)
怨霊「そして、この地に侯爵家を頂点とした・・・・」
ヒカル「おりゃああああああ!!!」
マイティキックと槍の同時攻撃で、怨霊が呆気なく消滅した。
ヒカル「え?弱。」
サトゥー「あれ?一瞬で消し飛んでしまった・・・強過ぎたのか?」
すると槍が激しい振動を起こした。
ヒカル「どうした!?」
サトゥー「ヤバイッ!リザの槍が不規則な振動を!」
ヒカル「おい、何か変化してるぞ!?」
サトゥー(限界が近付いているのか、表面に変化が!魔力を吸い上げて・・・)
槍の魔力を吸い上げた。
サトゥー「収まった・・・」
ヒカル「何だったんだ?さっきの振動は。それに槍が黒くなった・・・」
サトゥー(槍のバランスに変わりは無し・・・この赤いスジは傷やヒビではないようだ。)
先程の振動で、黒い槍に変化した。
サトゥー(マジック・アイテムを作る時に使う魔液が固まったモノによく似ている気がする。)
槍を鑑定してみると、元の性能が7倍近く増幅していた。
サトゥー(名前も変わってる・・・)
槍が『魔槍ドウマ』に変わっていた。
サトゥー「ヒカル、皆を呼んでくれ。」
ヒカル「OK。」
『BGM:懊悩』
ヒカル「おい皆、入って良いぞ。」
全員が部屋に入った。
アリサ「あらら?もう終わったの?」
サトゥー「あぁ、そうみたいだ。」
ヒカル「結構楽勝だったな。主が消えたお陰で、骸骨兵士がぐっすりお眠りに入ってるな。」
サトゥー「リザ、すまない。槍の姿が変わってしまった。」
リザ「これは・・・ヒビではなく模様ですか?気のせいでしょうか?以前よりも穂先まで神経が行き渡ったような不思議な感覚がします。」
魔槍ドウマを振ると、魔刃が発動した。
リザ「もしかして、これは魔刃を習得させる為に改造して下さったのですね!」
ヒカル「前向きで良いな・・・」
危うくリザの槍を壊す所だったと素直に謝れたのは翌朝の事だった。
アリサ「ちょっと〜!こっちに隠し扉があるわよ!」
カーテンの奥にある扉を発見。アリサを下がらせて罠解除を行った。
サトゥー(スライム?)
扉の奥に2体のスライムが居た。
ヒカル「おりゃ!おりゃ!」
即退治。
サトゥー(これで・・・危ないものは無いかな?)
ヒカル「入って良いぞ。」
隠し扉の奥にあったのは・・・
『BGM:安穏』
部屋一面財宝だらけだった。
タマ「凄い〜!」
ポチ「ピカピカなのです!」
リザ「これは凄いですね。」
アリサ「うっは!ナニコレ!」
ロゼッタ「凄い凄い!財宝が沢山あるよ!お姉ちゃん!」
エレナ「今まで財宝部屋を見て来たけど、これは初めてだわ・・・」
ヒカル「こりゃあ凄えな。金貨に宝石にチョーカーにシャンデリアまで。」
サトゥー「(この部屋の中には埃1つなく、錆びた道具類も無い。恐らく先程のスライム達は掃除や錆取りの為に飼われていたのだろう。ヒカルに殺さずにって頼めば良かった。)皆、好きな物見て良いよ。」
全員が部屋を見る。
タマ「キラキラ〜!」
ポチ「なのです!」
テーブルの上の金貨の周りを走り回る。
リザ「・・・!」
剣を眺める。
ミーア「わぁ・・・」
ハープに見惚れてる。
アリサ「金貨風呂とか出来そう・・・!」
金貨風呂を想像する。
ロゼッタ「これ、お姉ちゃんに似合うと思うよ!」
ドリュー「似合う!」
エレナ「そ、そうかな・・・?」
ネックレスをエレナに見せる。
ドロシー「ドレスもあるわね。」
ローズ「これ、ドロシーさんに似合いそう!」
メイリン「どうですか?ドロシーさん!」
ドロシー「わ、私?」
赤いドレスをドロシーに着させようとする。
ジーク「サヤ、綺麗だぞ。」
サヤ「そ、そんな・・・」
ティアラをサヤに被せた。
ダリー「これだけあれば美味い飯が食い放題だぞ!」
チャールズ「僕も食べたい!」
ティア「私可愛い服買いたい!」
アイーダ「私は可愛いペットが良い!」
サトゥー「皆、凄く楽しそうだ。」
ヒカル「だな。」
タスク「ん?ヒカル、彼処の扉を調べて来る。」
ヒカル「ああ。」
この部屋にある扉の奥へ入った。
サトゥー(ん?これは・・・)
木箱の中から格納鞄と同様の魔法の鞄を見付けた。中には大量の本や書類が詰まっていて、中級や上級の魔法書なんかも入っていた。
ヒカル「お、3人も来たぞ。」
遅れたルルとナナとルージュが入って来た。
ルル「凄いです・・・!」
ナナ「宝物庫ですかと問います。」
サトゥー「そうみたいだね。」
ヒカル「これで俺達更に金持ちになっちまったな。」
サトゥー(ここにあるのは、ムーノ侯爵の一族が再興の為に隠していた財宝のようだ。一族は残っていないはず。だから怨霊退治の報酬として、俺達が自由にしても良いよね。)
ヒカル「お前ら、何か欲しいものがあったら遠慮なく言ってくれ。」
全員「は〜い!」
リザ「ご主人様!ヒカル様!」
そこに、別の部屋を調べに行ったリザが2人を呼んだ。
別の部屋。
サトゥー「これは・・・!」
ヒカル「何だこりゃ・・・?」
そこにあったのは巨大な蕾のようなものだった。魔砲「尊き血脈」。
リザ「これは何でしょう?」
サトゥー「何かのマジック・アイテムだろう。」
ヒカル「リザ、ここはいいからさっきの武器の中で使えるものはないか確認してくれるか?」
リザ「承知しました。」
ここをヒカルとサトゥーに任せ、リザが先程の部屋へ向かった。
ヒカル「サトゥー、この独活の大木をどうする?ここで処分しとくか?」
サトゥー「いや、その必要はない。」
右手を翳すと、魔砲がストレージに収納された。
サトゥー「こんな物騒な物は死蔵決定だ。」
ヒカル「収納したのか?」
サトゥー「ああ。俺のストレージに入れておけば誰かが悪用される事もないだろう。」
ヒカル「まぁ確かにな。もしここに盗賊が入って来たら魔砲を使ってヒャッハーするかも知れねえな。」
『BGM:平穏』
怨霊退治から3日目。ムーノ男爵領に来て10日目の朝。彼らはまだ砦跡に滞在中。
サトゥー「ふぅ・・・」
草刈りをしていた。更にルージュ達も草刈りをしていた。助けてくれたお礼として、砦跡の作業を手伝うようにお願いをした。
ヒカル「よし、ここはOKだ。」
数分前。
アリサ『ここをお年寄りや子供達の住居に出来ないかしら?』
そんなアリサの発言から、老人軍団や子供達を呼んで砦跡の整備が始まったのだった。それぞれの役割分担を決めた。
ドロシーとローズとメイリンは、布束や毛皮を使って服を改善。
ヒカルとジークは壊れた井戸の修理。
ティアとアイーダとドリューは人形を生成し、中庭に畑を作った。ガボの実を貰ってる。
タスクとダリーは兵舎を修復して1つ住めるようにした。
子供達に食べられる食材を教えて貰い、獣娘達と猪狩りをするついでに集めた。
冬瓜のような夕顔の実も大量に採取し、当面の食料としては燻製や干し肉を皆で協力して量産した。
また、安全の為に作った聖碑を砦の中心近くに設置しておいた。
サトゥー(老人軍団のリーダーなら魔力補充くらい出来るだろう。)
因みに、聖碑を砦跡に元からあった設備に見えるように繕っていたら、スキルを得てしまった。
『偽装』と『証拠隠滅』のスキルを取得。
そして3日滞在して、アンデッドの復活がないのが確認出来たので、彼らはこの砦跡から立ち去る事に決定した。別れの前に老人や子供達と一緒に砦跡や山で見付けた人骨を弔った。タスクがエクソシストで供養する。
そして立ち去る時間が来た。
リーダー「色々ありがとう。」
老人リーダー「達者でな。」
少女「あの、商人のお兄ちゃん。これ、私達からのお礼なの。」
袋を貰った。中身は、川原で拾ったと言う綺麗な小石だった。
アリサ「おー。」
サトゥー(中には本物の宝石の原石も交ざっている・・・ん?これは・・・)
1つの赤い小石に目を付け、それだけ貰って他は返した。
サトゥー「これだけ貰うよ。後は君が大切に持っておきなさい。」
少女「うん!」
こうして彼らは、砦跡を去って行った。
その道中。
ルージュ「また何処かで会おうね。」
ヒカル「あぁ。無事に会えたら良いな。」
ルージュ「うん!じゃあね!」
そう言い残し、彼女達は光となって飛び去った。
ヒカル「あ、ルージュが結局何処の種族なのか聞いてねえや。まぁまた会ったら聞いてみるか。」
旅の最中。
アリサ「もっと綺麗な宝石っぽいのもあったのに。どうしてこんな地味なの選んだの?」
サトゥー「俺にとっては宝石なのさ。」
先程貰った赤い小石は、蛇血石と言う名前で、錬金術の素材として使われている。『解毒薬:万能』を作る素材の1つである。
サトゥー(あの子は、この街道沿いの干上がった川で採取したらしい。)
マップで検索して、寄り道ついでに『蛇血石』採取に精を出し、そのまま川原でキャンプと相成った。
『BGM:懊悩』
砦を出発してから3日目。ムーノ男爵領に来て13日目。
この3日間は色々あった。
1つ目は食い詰めた村人の襲撃が3回。
2つ目は本職の盗賊の襲撃が1回。馬の補充が出来てラッキー。
3つ目は川沿いで野営をした時にフライング・イーターやケルピーと言う魔物に襲われたりもした。また川で水汲みをしていたポチがピラニアのような魚に襲われるアクシデントも。すぐにヒカルがキックで魚を殺した。
更にムーノ市の魔族調査も続いている。魔族はスプリッターの数を1体から8体までの範囲で変化させながら領内の都市や街をウロウロしていた。たまに城の地下にあるマップの空白地帯に魔族本体が移動しようとしていたが、スタミナと魔力を消費してマップ内に戻って来ていた。
サトゥー(多分、あの空白地帯はシティ・コアの間に当たるはずだから、シティ・コアの掌握をしようと失敗しているのだろう。)
それともう1点観察して気付いた事があった。魔族はスプリッターと本体とを瞬時に交換出来る事を。魔力を大量消費するようなので、頻繁に使えないのが救いだろう。
サトゥー(本体を倒す時はスプリッターを始末するのを忘れないようにしよう。)
他の件では、前に見付けた亜種ゴブリンの事だ。最初に調べた時よりも小集落の数が増え、二日前には総数が10倍以上になっていた。だが、その中に1つの集落があり、亜種ゴブリンがその集落に近付けない状態になっていた。最も殆どがレベル1なので、周囲の魔物や獣に食い殺されていて、現在は最大時の半分程度まで減っている。
サトゥー(これなら最終的には領軍の脅威にならない程度の数に落ち着きそうだ。)
翌日。彼らは旅をしていた。
ヒカル「ん?サトゥー、彼処に何かあるぞ。」
サトゥー「ん?(・・・昨日調べた亜種ゴブリンが近付けてない集落か。)集落のようだ。彼処で一休みしよう。」
ヒカル「よっしゃ。」
彼らは集落へ向かった。
〜ツヅク〜
キャスト
ヒカル:山崎大輝
タスク:小林裕介
ドロシー:山村響
ローズ:藤田咲
メイリン:佐藤亜美菜
サトゥー:堀江瞬
ポチ:河野ひより
タマ:奥野香耶
リザ:津田美波
アリサ:悠木碧
ルル:早瀬莉花
ミーア:永野愛理
ナナ:安野希世乃
ロゼッタ:上田麗奈
エレナ:山本希望
ドリュー・ラミアス:長縄まりあ
ダリー:村瀬歩
ジーク:相葉裕樹
サヤ:大野柚布子
アイーダ:日高里菜
ティア:小倉唯
チャールズ:関根明良
ルージュ:照井春佳
盗賊リーダー:田村睦心
少女:久地岡涼菜
老人リーダー:田中進太郎
怨霊:浜田洋平
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