デスマーチからはじまる異世界空我   作:naogran

5 / 83
深夜、重傷を負った赤兜の鼠人族と布に包まれた怪我人を救出したヒカルとサトゥーは、何でも屋に来店してナディと店長のユサラトーヤに事情を話した。そして布に包まれた人物の正体は、エルフの少女だった。




深夜の何でも屋。エルフの少女は眠っていた。怪我してる箇所は何処にも無かった。

ナディ「え?エルフじゃないですか!」

するとエルフの少女が目を開け、ヒカル達の方を見た。

ヒカル「気が付いたか?」

ユサラトーヤ「ミーア。」

するとミーアと名乗るエルフの少女は、ヒカルとサトゥーをジッと見た。

ミーア「綺麗・・・」

再び眠った。

ヒカル(綺麗・・・?何を見たんだ?)

サトゥー「それで、その赤兜はどうしますか?」

ヒカル「門衛に突き出すか?」

ユサラトーヤ「恩人。」

ナディ「えっとですね、ミーア姫の恩人だからそうしたくないみたいです。」

ユサラトーヤ「姫違う。」

ナディ「ミーアさんは姫ではないそうです。」

ヒカル・サトゥー「通訳?」

サトゥー「それより、早く治療しないと死にそうですよ?」

ユサラトーヤ「む?」

ミゼ「ゴホッ!ゴホッ!ゴハッ!!」

赤兜の鼠人族のミゼが、咳して吐血した。

ヒカル「お、おい大丈夫か!?」

ナディ「大変!裏通りのホルン元神官を呼んで来ます!」

コートを羽織ったナディ。

ナディ「彼なら訳ありの人でも診てくれるはずですから!止血は出来ているようなので、店長は魔法で気道の確保をお願いします!その目立たない赤い兜も脱がせて何処かに隠しておいて下さいね!」

サトゥー「1人で夜道は危険です!私も一緒に行きます!」

ヒカル「ナディさん!俺も同行します!」

2人はナディと共にホルン元神官を呼びに行った。


DEATH MARCH5「訓練」

『BGM:安穏』

 

翌朝のセーリュー市の宿屋。

 

アリサ「もお!どうして私が居るのに娼館なんて行くのよ!!こんな美少女が何時でもウェルカム状態なのに!何が不満なのよ!!」

 

サトゥー「落ち着け。」

 

コートをアリサに被せた。

 

アリサ「・・・おお!ショタの香りが!!クンカクンカ!」

 

サトゥー(この変態め・・・)

 

ヒカル(此奴何歳だ・・・?)

 

アリサ「・・・っ!獣臭!」

 

ヒカル「どっちだよ。」

 

アリサ「ちょっと、毛深いのが良いの?」

 

ヒカル「黙っとけ。ほら薬だ。昨夜にルルの薬を買いに行く途中に死ぬ寸前の獣人を助けたんだ。」

 

アリサ「ふぅ〜ん。女の人?」

 

ヒカル「ニヒル顔のおっちゃんだ。」

 

アリサ「これはBL!?BLなのね!虎×蛇みたいに筋肉質の虎耳おっさんが、兎耳の少年を押し倒す展開だわー!くぅ〜!滾ってきたー!」

 

ヒカル「何故そこでBLを発想した?」

 

サトゥー「バカな事叫んでないで服を着替えろ。命令だ。」

 

するとルルが起きた。

 

ヒカル「ルル。具合はどうだ?」

 

ルル「はい、昨日より大分楽になりました。」

 

ヒカル「そうか。りんごは完食してるな。薬を買って来た。痛みが走った時に飲んでくれ。」

 

ルル「はい、ありがとうございます。」

 

サトゥー(取り敢えず皆に朝食を摂らせて、何でも屋に行くか。)

 

 

 

 

 

 

その後2人は何でも屋に来た。

 

ヒカル「ナディさん。」

 

サトゥー「こんにちは。様子はどうですか?」

 

ナディ「はい。2人共眠ったままです。」

 

ヒカル「2人の容体は?」

 

ナディ「ミーアちゃんは怪我とか無いんですけど、酷く疲労していて、衰弱気味なんです。店長の話だと、長時間の魔力欠乏状態が続いた時の症状に似ているそうです。」

 

ヒカル「欠乏ですか。治療方法は?」

 

ナディ「ああ言った症状は、店長が使う術理魔法のトランスファーや、森魔法のスタミナチャージなんかで治るはずなんですが・・・」

 

ヒカル「魔法ですか。」

 

サトゥー(称号からして、エルフの中ではまだ子供なんだろうな。)

 

ステータスを見る。ミサナリーア・ボルエナン。年齢は130歳。

 

サトゥー(呪いや病は無いし、見た所、魔力が徐々に回復しているようだ。)

 

ナディ「マナ・ポーションがあれば治るんですけど、あれも高いですから。」

 

ヒカル「買うのは困難かぁ・・・」

 

ナディ「でも、お金は掛けなくてもマナの濃い地脈や、源泉に連れて行けたら回復すると思います。」

 

ヒカル・サトゥー「源泉?」

 

ナディ「とは言っても、この辺りだと伯爵様のお城の奥か、竜の谷くらいしかありませんけど・・・」

 

ヒカル・サトゥー「・・・っ?」

 

2人は上の音に気付いた。

 

ヒカル「ナディさん、2階から物音が聞こえました。」

 

サトゥー「もしかしたら目が覚めたんじゃないでしょうか?」

 

ナディ「え?サトゥーさんとヒカルさんはエルフや兎人族みたいに耳が良いんですね。」

 

ヒカル「地獄耳ですから。」

 

 

 

 

2階の部屋。

 

ナディ「ミーアちゃん、具合はどう?」

 

ミーア「誰?」

 

ナディ「この店の店員でナディと言うの。店長ユサラトーヤのお店よ。」

 

ミーア「ユーヤの・・・外、誰?」

 

外にはヒカルとサトゥーが立っていた。

 

ナディ「あなたと赤兜さんを助けてくれた人達よ。サトゥーさんとヒカルさんって言うの。」

 

ミーア「サトゥー・・・ヒカル・・・」

 

ナディ「中に入って貰って良い?」

 

ミーア「ん。」

 

 

 

 

2人を部屋に入れた。

 

サトゥー「初めまして。行商人のサトゥーと申します。」

 

ヒカル「旅人のヒカルだ。」

 

ミーア「・・・精霊使い?」

 

サトゥー「いいえ、精霊さんにはお会いした事ありませんよ。」

 

ミーア「見えない?」

 

ヒカル「精霊って普通は見れるんですか?」

 

ナディ「精霊を見られるのは、精霊視と言うギフトを持っている人だけです。」

 

サトゥー「そうなんですね。(エルフが全て精霊を見られる訳じゃないんだな。)」

 

ナディ「何か食べられそう?」

 

ミーア「ん。」

 

ナディ「ちょっとスープか麦粥を作って来るので、しばらくミーアちゃんを見ていて貰えませんか?」

 

サトゥー「良いですよ。」

 

ヒカル「構いませんよ。」

 

 

 

 

しばらくミーアの相手をする事に。

 

サトゥー「っで、その精霊って言うのはどう言ったものなのかな?」

 

ミーア「ふわふわ。」

 

ヒカル「ふわふわ・・・?」

 

ミーア「ん。キラキラ。」

 

サトゥー「き、キラキラ・・・?(ナディさんと言う優れた解説者が居ない状態で、精霊の全貌を知る事は不可能だな・・・)じ、じゃあエルフ語でおはようは何て言うの?」

 

ミーア「テッパルーサ。」

 

ヒカル「ありがとう。理解出来た。」

 

その後ナディが麦粥を持って来た。

 

 

 

 

数分後。ミーアは麦粥を完食した。

 

ヒカル「全部食べれて良かった。」

 

サトゥー「(取り敢えず、精霊ってのは地脈を流れマナを媒介し、属性を持つ存在って所までは推測出来たぞ。)長居してしまってすみません。そろそろお暇します。」

 

ヒカル「ナディさん、また来ますね。」

 

ミーア「むう。」

 

するとミーアがサトゥーの袖を握った。

 

ミーア「・・・居て。」

 

サトゥー「・・・」

 

ヒカル「サトゥーお前、ミーアに懐かれちゃったな。」

 

サトゥー「参ったな・・・」

 

ヒカル「じゃあ俺先に戻るから後でな。」

 

サトゥー「うん。」

 

しかし。

 

ミーア「居て。」

 

ヒカル「え?俺も?」

 

ミーア「ん。」

 

ヒカル「・・・ヤベエな・・・俺達ミーアに懐かれちゃったな。」

 

2人はミーアに懐かれてしまったのだった。

 

ヒカル「眠るまで居てやるか。」

 

 

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

しばらくして何でも屋から出て、皆の所に戻ると。

 

アリサ「よーし!10枚目ゲットー!」

 

タマ「にゅー。」

 

ポチ「アリサ、強過ぎるのです!」

 

アリサ「ポチ、タマ、悔しがる暇があったら精進しなさい。」

 

ユニ「アリサちゃん強いね。」

 

宿の裏庭でアリサ達が学習カードを使って遊んでた。

 

サトゥー(あれは、昨日買った学習カードか。)

 

ヒカル(すっかりブームになってるな。)

 

ポチ「ご主人様にヒカル様なのです!」

 

ヒカル「ようただいま。」

 

サトゥー「楽しそうだね。」

 

タマ「字覚えてたー。」

 

ポチ「見てなのです!」

 

タマ「3枚ー。」

 

サトゥー「凄いぞ。」

 

ヒカル「流石だな。」

 

ポチとタマを撫でる。

 

サトゥー「それじゃあ、これは何てカードだい?」

 

山羊のカードを見せた。

 

ポチ「それは肉なのです!」

 

サトゥー「残念山羊だ。」

 

ヒカル「タマ、このカード分かるか?」

 

兎のカードを見せた。

 

タマ「それも肉ー!」

 

ヒカル「兎だろこれ。・・・おいアリサ。」

 

アリサ「いやぁ〜、自信満々に肉って言い切られちゃうと、違うって言い辛くてさ〜。」

 

ヒカル「妥協しろよ。」

 

サトゥー「肉は肉なんだけど、動物の名前で答えるんだ。だからこっちは山羊で。」

 

ヒカル「そしてこっちが兎だ。分かったか?」

 

ポチ「違うのです?山羊だけど肉なのです。」

 

タマ「にゅー?兎だけど肉ー?」

 

リザ「では、このカードも鳥肉ではなく鳥なのですか?」

 

ヒカル「ややこしいなこの子達・・・ってか肉ばっか。」

 

ポチ「肉はどんな字なのです?」

 

木のカードに肉の字を刻む。

 

サトゥー「こうだよ。」

 

マーサ「あ、ユニったらこんな所に居た!」

 

そこにマーサがユニを見付けた。

 

ユニ「ごめんなさいマーサさん・・・」

 

マーサ「全く、何時迄も子供なんだから。さぁ、手伝ってあげるから。昼の仕込みまでに馬房の掃除と寝藁の交換しちゃうわよ?」

 

ユニ「あ、あの、もうやっちゃったんです。」

 

マーサ「え?」

 

ユニ「実は、ポチとタマがお手伝いしてくれたんです。」

 

ポチ「えいやーって水汲みしたのです!」

 

タマ「馬の世話したー!」

 

サトゥー「おお!偉いな!」

 

ヒカル「凄えなお前達!」

 

ポチ「えへへ。」

 

タマ「でしょー?」

 

 

 

 

裏庭で昼食を頂く。

 

リザ「鼠人が守っていたお姫様ですか。」

 

ヒカル「ああ。」

 

アリサ「何それ!?会ってみたーい!」

 

タマ「鼠人のお姫様ー?」

 

ポチ「ポチも会いたいのです!」

 

サトゥー「よし。昼ご飯が食べ終わったら皆でお見舞いに行こう!」

 

リザ「畏まりました。」

 

アリサ「賛成ー!」

 

タマ「お見舞いー!」

 

ポチ「楽しみなのです!」

 

ヒカル「じゃあ決まりだな。ルルはどうだ?体調良くなったら一緒に来るか?」

 

ルル「・・・はい。」

 

 

 

 

 

 

昼食後、何でも屋に訪れ、ミーアのお見舞いをする。ミーアは両手で顔を隠してる。

 

アリサ「こんにちはー!私、アリサって言うの!」

 

ポチ「ポチなのです!」

 

タマ「タマー!」

 

少しずつ顔を見せるミーア。

 

ミーア「・・・ミーア。」

 

アリサ「っ!」

 

ポチ「お姫様なのです!」

 

タマ「綺麗な髪ー!」

 

アリサ「ちょっと!鼠のお姫様じゃなかったの!?」

 

ヒカル「お前何を期待してたんだ?」

 

サトゥー「違うよ。鼠人の騎士が守っていたお姫様だって言ったろ?」

 

ヒカル「姫が鼠族とは一言も言ってねえよ。」

 

 

 

 

その後もアリサとポチとタマはミーアと遊ぶ。

 

サトゥー「ちょっと下へ行って来る。」

 

ヒカル「ミーアの看護はお前達に任せたぞ。」

 

アリサ「OK!」

 

ポチ「はい!なのです!」

 

タマ「承りー!」

 

ヒカル(またアリサの奴、色々教えやがったようだな。)

 

サトゥー「ん?」

 

ヒカル「どうした?」

 

後ろを見ると、ミーアがサトゥーのコートを引っ張っていた。

 

ミーア「むう。」

 

ヒカル「あれま。サトゥー、先行ってる。」

 

ミーア「むう。居て。」

 

ヒカル「え?・・・(何故こんなに懐かれてしまったのやら・・・)」

 

2人はミーアに手を振って下に降りた。

 

 

 

 

1階。ナディが昼食を食べ終えてた。

 

ナディ「助かったわ。朝に麦粥を食べただけだから。」

 

ルルがお茶を淹れてた。

 

ナディ「ありがとう。」

 

そこにヒカルとサトゥーが来た。

 

ナディ「サトゥーさんって、行商人なんですよね?」

 

サトゥー「えぇ、まあ。」

 

ヒカル(お前商人らしい行動一度もしてないだろ?)

 

サトゥー(ま、まあね・・・)

 

ナディ「馬車はお持ちなんですか?」

 

サトゥー「いえ。荷馬を連れていましたが、例の星降りのせいで逃げられてしまったんですよ。」

 

ナディ「それは災難でしたね。あの・・・資金に余裕があればなんですが、馬車を買われませんか?」

 

サトゥー「馬車ですか?」

 

ヒカル「買えるんですか?」

 

ナディ「店長の知り合いの商人さんが、現役を引退するので馬車と牽引用の馬2頭を売りに出してるのですが。」

 

サトゥー「・・・」

 

ヒカル「そうなんですか。」

 

ルル「・・・」

 

サトゥー「折角のお話ですが、御者の経験が無いので・・・」

 

ヒカル(矛盾点発見。)

 

ルル「あ、あの・・・」

 

ヒカル「どうしたルル?言いたい事があったら何でも言ってくれ。」

 

ルル「は、はい。私・・・1頭引きの荷馬車なら、扱った事があります・・・」

 

ヒカル「じゃあルルに教えてもらう事にするか。どうだサトゥー?」

 

サトゥー「うん。良いアイディアだね。」

 

ルル「え?」

 

サトゥー「ナディさん、そう言う事なので購入させて頂きます。」

 

ナディ「即決ですね。でも値段を聞かなくて良いんですか?」

 

サトゥー(しまった・・・ん?)

 

外を見ると、荷馬車が走ってたのが見えた。ステータスで価格を見た。

 

ヒカル(ナイスタイミングで荷馬車が通り過ぎたな。)

 

サトゥー「そこはナディさんを信用しますよ。予算はこれくらいまでも納めて頂ければ。余った額はナディさんの取り分にして下さい。」

 

懐から大量の金貨が入った袋を出した。

 

ナディ「何時の間に・・・」

 

サトゥー(少し手際が良過ぎたか・・・次からは注意しよう。)

 

 

 

 

 

 

『BGM:平穏』

 

後日の西街。

 

アリサ「それじゃあ、この辺で野営の練習しましょ!」

 

タマ「あーい!」

 

ポチ「はいなのです!」

 

テントを張る。

 

 

 

アリサとリザとルルが買い出しに出掛けた。

 

 

 

3人が帰って来るまでの間、周辺の草刈りをする。

 

タマ「草刈るー!」

 

ポチ「任せてなのです!」

 

 

 

次は釜戸作り。

 

ポチ「持って来たのですー!」

 

持って来た岩を使って釜戸を作る。

 

 

 

 

しばらくして買い出し組の3人が帰って来た。

 

アリサ「お待たせー!買って来たわよー!」

 

ヒカル「ご苦労さん!」

 

 

 

釜戸に火を点け、鍋を沸騰させる。

 

ヒカル「良い調子だな。」

 

アリサ「見て見てー。」

 

やかんを見せた。

 

ヒカル「笛付きやかん?」

 

 

 

アリサとルルとリザが料理を作る。今日のメニューはシチューと黒パン。

 

 

 

やかんの番はポチとタマ。

 

 

 

サトゥーは、木を削ってテーブルを作ってた。ヒカルはトライチェイサー2000の洗車をしている。

 

ヒカル「OK、ピカピカになったな。」

 

するとそこに。

 

サトゥー「ん?」

 

何かから逃げたポチとタマが来た。

 

タマ「やかん怒ったー!」

 

ポチ「助けてなのです!やかんの人が怒るのです!」

 

サトゥー「やかんの人って・・・」

 

ヒカル「やかんの中に人居ねえよ・・・」

 

サトゥー「あれは、お湯が沸いたよって笛の音で教えてくれているんだよ?」

 

タマ「怒ってないー?」

 

ポチ「どうして沸いたらピーッて音が鳴るのです?」

 

ヒカル「それはだな、水が温められる事で蒸気と言う気体が出来るんだ。」

 

ポチ・タマ「?」

 

アリサ「理系の学生相手でもあるまいし、水が気化したら体積が1000倍になるのとか言っても理解出来る訳無いじゃん。」

 

ヒカル・サトゥー(違うぞアリサ。1699倍だ。)

 

アリサ「見てて?」

 

やかんの蓋を開ける。

 

アリサ「水は熱くなると、この白い煙みたいなのになるの。この煙は力持ちだから蓋くらいの軽い物だったら動かしちゃうのよ。っで。」

 

近くにあった草に息を吹く。

 

アリサ「人が息を吹き掛ける同じ事をこの蒸気がやるから笛の音が出るのよ。」

 

タマ「アリサ凄ーい!」

 

ポチ「良く分かったのです!」

 

サトゥー「?」

 

ヒカル「流石だなアリサ。小学校の先生みたいだ。」

 

 

 

 

シチューと黒パン完食後。

 

ポチ「タマー!ゴロゴロするのですー!」

 

タマ「ゴロゴロするー!」

 

天幕でタマをゴロゴロ転がす。タマはゴロゴロして楽しんでる。

 

 

 

ヒカル「楽しそうだなぁ。」

 

サトゥー「ん?」

 

ヒカル「どうした?」

 

サトゥー「誰か来る。」

 

ヒカル「何?」

 

その正体は。

 

 

 

 

猫と犬の獣人3匹だった。

 

 

 

 

サトゥー(彼らは・・・)

 

ヒカル(あの時の獣人達か?)

 

 

 

数日前、裏路地に通ずる道路に座ってる猫と犬の獣人達に焼き鳥をあげたのだった。

 

 

 

ヒカル(何でここに?)

 

犬「ヤキトぉいのおえいれす。」

 

大量の木の実を2人にあげた。

 

猫「ヤキトぉい、ありがと。」

 

犬「おいヒかたれす。」

 

サトゥー「これは?」

 

犬「おかぁしれす。」

 

ヒカル「わざわざお礼まで?」

 

タマ「狼藉禁止ー!」

 

ポチ「ご主人様とヒカル様をイジメちゃダメなのです!」

 

サトゥー「違うよ。この子達は焼き鳥のお返しに、木の実を持って来てくれたんだよ。」

 

犬「あい。」

 

ポチ・タマ「ん?」

 

木の実を取る。

 

ポチ「これはシイの実なのです!とっても美味しいのです!」

 

タマ「こっちはクコの実ー!これも美味しいー!」

 

猫「こえ、こぉ人の。」

 

ヒカル「君達ありがとう。ありがたく貰うよ。(サトゥー、どうする?)」

 

サトゥー(折角の気持ちだし受け取りたいけど、これはこの子達の貴重な食料じゃないのかな・・・)

 

ヒカル(あぁ〜・・・そうだ!)

 

耳元で何かを言った。

 

サトゥー「(良いね!)ありがたく頂くよ。それとお願いがあるんだけど。」

 

カバンから干し肉を出した。

 

サトゥー「この干し肉、沢山あり過ぎて食べ切れなかったから貰ってくれないかな?」

 

干し肉を猫と犬の獣人達に渡した。

 

ポチ・タマ「肉ー!うぐっ!?」

 

サトゥーに口封じされた。

 

犬「いひぃのれす?」

 

サトゥー「うん。貰ってくれると助かるよ。」

 

ヒカル「その干し肉絶品だから美味いぞ。遠慮せずに受け取ってくれ。」

 

猫と犬の獣人達は喜んだ。ヒカルとサトゥーにお礼を言って帰って行った。

 

ヒカル「気を付けて帰れよー!また会おうぜー!」

 

 

 

 

 

 

何でも屋前。荷馬車が到着した。

 

ヒカル「いやぁ〜立派な荷馬車だな〜。ほんじゃあ。」

 

赤い球を出して投げた。目の前にトライチェイサー2000が出現した。トライチェイサー2000に跨って4桁のダイヤルを回して、自分の誕生日にするとエンジンが起動した。

 

ナディ「これでこの馬車はサトゥーさんの物です。」

 

サトゥー「ありがとうございます。これで沢山荷物を運べます。」

 

ヒカル「結構入りそうだな。」

 

アリサ「ねぇ、この馬車でミーアを故郷へ送ってあげましょうよ!」

 

サトゥー「故郷?」

 

ヒカル「ミーアの?でも何処なんだ?」

 

ナディ「エルフの里は、シガ王国の南東にあるそうですよ。」

 

ヒカル「南東ですか。」

 

サトゥー「成る程。よし、それじゃあ店長が戻ったら話してみよう。その前に馬車を乗りこなせるようにならないとな。」

 

ヒカル「ルル、頑張れよ。」

 

ルル「・・・」

 

 

 

 

 

 

『BGM:平穏』

 

3人を乗せた馬車がセーリュー市の外へ出た。ヒカルはトライチェイサー2000で馬車の横を走ってる。

 

ヒカル「セーリュー市の外に出るの久し振りだなぁ〜。(本当は市内から出た事無いけどな。)」

 

サトゥー「今日も良い天気だね。」

 

ルル「は、はい。そうですね・・・」

 

サトゥー「そんなに緊張しなくて良いよ。アリサみたいに・・・はならなくて良いから。」

 

ヒカル「そうそう。ポチとタマのように気楽に接してくれ。」

 

ルル「そんな、私は奴隷ですから、恐れ多いです・・・」

 

サトゥー(そう言えば、ルルは男性が苦手だったっけ?喋るのが苦手そうだからこう言うタイプには・・・)

 

ある話をすると。

 

 

 

 

ルル「そうなんです!アリサったら凄いんですよ?」

 

 

 

 

ヒカル(急に元気になったな。)

 

サトゥー(話したい事を話させる方針は正しかったみたいだ。)

 

ヒカル「ルルは本当にアリサの事が好きなんだな。」

 

ルル「はい。たまにどっちが姉か分からなくなりますけどね。」

 

サトゥー「うん。11歳とは思えないな。」

 

ルル「アリサは小さい頃から天才だったんです。例えばですね・・・」

 

サトゥー(前世の知識を持ってたって事は話してないのか。)

 

横を見ると、雷が落ちてた。

 

ヒカル(遠雷か?)

 

サトゥー「そろそろ操車を教えてもらおうかな?」

 

ルル「あ、ごめんなさい。私ったらアリサの事ばっかり・・・」

 

ヒカル「いやいや、そこがルルの良い所だ。妹を大事にしてる姉なんて素晴らしいじゃないか。」

 

ルル「あ、ありがとうございます。」

 

 

 

 

サトゥーに代わって操車する。徐々にコツを掴んでる。ヒカルはアクセルを少しずつ捻ってスピードを上げる。

 

 

 

 

『BGM:不安』

 

しばらくしてセーリュー市へ戻る。雷が近付いてる。

 

サトゥー「ん〜。」

 

ヒカル「雷のテンションが高いな。」

 

するとルルがサトゥーに寄り添った。

 

サトゥー(苦手なんだろうな。)

 

すると誰かの視線を感じた。

 

サトゥー(ん?ヒカル、何か感じた?)

 

ヒカル(ああ、微かに不気味の気配を感じた。)

 

サトゥー(ん?)

 

ヒカル(どうした?)

 

木の上を見ると、フクロウの影があった。

 

ヒカル(木菟?いや、フクロウか?)

 

そのフクロウはすぐに何処かへ飛び去った。

 

ルル「あ、あの、ご主人様?ヒカル様?」

 

サトゥー「すまない。」

 

ヒカル「悪い悪い。ちょいと森林の奥に怪しい影が見えたけど気のせいだったみたいだ。」

 

 

 

 

 

 

荷馬車がセーリュー市に帰って来た。

 

ヒカル「ふぅ〜。良い旅だった。(ノーヘルだとやっぱ普段と違うな〜。)」

 

右手を伸ばすと、トライチェイサー2000が赤い球になってヒカルの右手に戻った。

 

タマ「ご主人様ー!ヒカル様ー!」

 

ポチ「おかえりなさいなのです!」

 

タマ「待ってたわよあなたー。」

 

ヒカル(またアリサの奴・・・)

 

アリサとリザがミーアを連れて来た。

 

ミーア「サトゥー。ヒカル。」

 

サトゥー「やあミーア。」

 

ヒカル「具合はどうだ?もう治ったか?」

 

ミーア「ん。ポーション。」

 

アリサ「店長が持って来てくれたポーションのお陰みたい。初めて見たけど、魔法薬って凄いわね!」

 

ヒカル「お。店長がおかえりになったか。」

 

サトゥー「元気になって良かったね。」

 

ミーア「ん。感謝。」

 

サトゥー「ん?可愛い髪型だね。」

 

ヒカル「ツーサイドアップか。」

 

サトゥー「良く似合ってるよ。」

 

ヒカル「可愛い可愛い。」

 

ミーア「ん。」

 

アリサ「ミーアの快癒祝いに、何か美味しい物をご馳走してあげましょうよ!」

 

サトゥー「そうだね。何かあるかい?ミーア。」

 

ミーア「蜜菓子。」

 

ヒカル「蜜菓子?」

 

アリサ「前にポチやタマが食べた蜂蜜菓子の話を聞いて、興味を持ったみたいでさ。」

 

ヒカル「あぁ、あれか。」

 

ポチ「ポチも食べたのです!」

 

タマ「甘くて幸せな味ー!」

 

アリサ「出来れば、ミーア達に食べさせてあげたいのよ。」

 

サトゥー「要は自分も食べたいって訳か。」

 

ヒカル「よし。リザとルル、買い出し頼めるか?」

 

ルル「はい。」

 

リザ「畏まりました。」

 

ポチ「行ってらっしゃいなのですー!」

 

するとヒカルとサトゥーが何かの視線を感じた。

 

サトゥー「ん?」

 

上を見ると、屋根の上にフクロウが居た。

 

ヒカル「あのフクロウ・・・(ナゼミテルンディス!)」

 

ポチ「どうしたのです?」

 

タマ「にゅー。あの鳥変ー。」

 

サトゥー(さっき見掛けた奴か。)

 

そのフクロウは何処かへ飛び去った。

 

 

 

 

何でも屋に帰って来た。

 

ナディ「あら。おかえりなさいサトゥーさん、ヒカルさん。店長ならミゼさんの所ですよ?」

 

サトゥー「ミゼ?」

 

ヒカル「あの赤兜の?」

 

 

 

 

2階。ドアをノックして部屋に入った。

 

ユサラトーヤ「サトゥー。ヒカル。」

 

ミゼ「サトゥー?ヒカル?貴殿か?命の恩人殿か。」

 

ヒカル「元気そうだな。」

 

サトゥー(ミゼって赤兜の事か。そして、ようやくここまでの事情を聞く事が出来た。)

 

 

 

 

『BGM:閑寂』

 

ミーアは故郷のエルフの里で魔術師に誘拐され、揺り籠と呼ばれる施設に拉致されたと言う。そして運良く施設から脱出したミーアを偶然居合わせた赤兜が救出し、店長のユサラトーヤを頼ってこのセーリュー市に来たのだった。そしてセーリュー市を襲ったフライングアントの大群はミーアを誘拐した魔術師が召喚したのだった。だが魔術師がミーアを誘拐した理由は未だ不明のまま。

 

 

 

 

サトゥー(ユサラトーヤは何か知ってそうな感じだが、話すつもりは無さそうなので、スルーした方が良さそうだ。そうだ。ミーアを故郷に送り届ける件を店長に相談しないと。)

 

すると次の瞬間。

 

 

 

 

「きゃあああああああ!!!」

 

 

 

 

ヒカル・サトゥー「っ!?」

 

1階から悲鳴が聞こえた。ヒカルとサトゥーとユサラトーヤが急いで駆け付ける。

 

ユサラトーヤ「どうした!?」

 

ナディ「て、店長・・・」

 

ヒカル(サトゥー、何か潜んでるか?)

 

サトゥー(いや、敵影は無し。)

 

 

 

”ゴロゴロゴロゴロ”

 

 

 

『BGM:安穏』

 

アリサ・ポチ・タマ・ミーア「きゃあああああ!!」

 

サトゥー(落雷に弱いだけか・・・)

 

ヒカル(雷が怖くて悲鳴を上げただけかよ・・・)

 

彼女達は雷の音で悲鳴を上げただけだった。

 

ポチ「か、雷の人怖いのです!」

 

タマ「ぴかぴかずど〜ん!」

 

ポチ「真っ暗になっちゃうのです!」

 

タマ「火も真っ二つー!」

 

ミーア「雷はとても危ないの!危険なのよ!アーゼも言ってたの!竜だって雷に当たったら墜落しちゃうのよ!落ちちゃうの!本当よ?」

 

サトゥー(アーゼ?)

 

ヒカル(ミーア、ペラペラ喋ってるな。)

 

サトゥー「アリサも雷が怖いのか?」

 

アリサ「わ・・・わりゅい・・・?」

 

タマ「・・・」

 

ヒカル「タマどうした?」

 

 

 

 

先程のフクロウが部屋に侵入していた。

 

 

 

 

『BGM:戦慄』

 

ヒカル「フクロウ!?」

 

そのフクロウは人の形に変貌した。その姿は、黒いフードを被った魔術師の姿だった。

 

サトゥー「・・・!?」

 

ヒカル「っ!」

 

腰に両手を翳してアークルを出した。

 

ヒカル「変身!」

 

アークルの左にあるスイッチを押して、霊石アマダムを光らせた。ヒカルは仮面ライダークウガ・マイティフォームに変身した。

 

 

 

〜ツヅク〜




         キャスト

       ヒカル:山崎大輝

      サトゥー:堀江瞬
        ポチ:河野ひより
        タマ:奥野香耶
        リザ:津田美波
       アリサ:悠木碧
        ルル:早瀬莉花
       ミーア:永野愛理

       マーサ:厚木那奈美
        ユニ:久地岡涼菜
    ユサラトーヤ:山谷祥生
       ナディ:佐藤聡美
        ミゼ:高橋伸也

『BGM:緊迫』

次回予告

ゼン「迎えに来たのだよ。ミーア。」

ヒカル「お褒めに預かり光栄だな。」

サトゥー(誰が勇者の末裔だ。)

ヒカル(本当だよ。勇者じゃねえし。)

ゼン「驚いたのだよ。商人と旅人を騙る格闘家か。」

アリサ「くぅ、レジられた・・・」

ゼン「ゲームとは心外だ!この揺り籠は遊びではないのだよ。」

サトゥー「隠れてないで出て来い!」

ドライアド「うっさいなー・・・魔力が足りなくて億劫なのよ・・・」

ナナ「少し待て!と宣言します。」

DEATH MARCH6「不死」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。