デスマーチからはじまる異世界空我   作:naogran

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巨人の里に訪れたライト達。ライトとサトゥーとタスクとジークはコボルトと出会った。


DEATH MARCH58「決意」

『BGM:懊悩』

 

コボルト「辱い!山に向かう準備をする!」

 

サトゥー「健闘を祈る。」

 

ライト「気を付けてな!」

 

サトゥー(今晩にでも、目的の山に出向いて青晶までの坑道を掘ろう。『ビット』の魔法を駆使すればすぐだ。出来た坑道の入り口に丸太小屋でも造って、そこに木彫りの仮面と鉱脈を譲る旨を書いた紙を残しておけば・・・今夜は忙しそうだ。)

 

しかし、忙しくなるのは夜になるよりも早かった。巨人の影が何処かへ向かっていた。

 

 

 

 

加工所で堅殻果実の身を味見する。

 

小巨人「やっぱ旨ーな!」

 

すると、"ズン"と言う音が響いた。

 

ジーク「何の音だ?」

 

サトゥー(結界の外に居た、森巨人「編み髭」が帰って来たようだ。)

 

彼の言う通り、森巨人『編み髭』が帰って来た。

 

編み髭「ノームよ。ヒュドラの首を取って来たぞ。これで薬を作れ。」

 

ヒュドラの生首をそこに置いた。そこに1人のノームがヒュドラの生首に駆け寄る。

 

ノーム「編み髭様・・・この首は使えません。肝心の毒腺が潰れて、素材にする毒が流れてしまっているのです・・・」

 

編み髭「何だと!!」

 

怒鳴り声を上げた。

 

小巨人達「ひいいい!!」

 

タスク「鼓膜が・・・!」

 

ジーク「破れそうだ・・・!」

 

そしてリザはへなへなと腰を抜かした。

 

ライト「おいリザ、大丈夫か?」

 

そんな中サトゥーは、持ってるヒュドラの生首を調べる。

 

サトゥー「(ダメだ、俺のも頭部を粉砕したから毒腺が残っていない。いや、諦めるのは早い。問題は毒なのだから。)ノーム殿、『国歪石』をお持ちではありませんか?」

 

ノーム「そんな使い道の少ない素材は持っておらん。誰かは知らんが、今は取り込んでいるんだ。」

 

スプリガン「剣士殿!俺が持っているぞ!家に取りに行って来る!」

 

サトゥー(スプリガンの男性か。)

 

スプリガンの男が黒歪石を取りに向かった。

 

サトゥー「ノーム殿。私はセイタカ殿の所に厄介になっている行商人のサトゥーと申します。手持ちに『竜白石』『蛇血石』がございます。先程のスプリガンの御仁が『黒歪石』を持って来て下されば、『万能解毒薬』が作れるでしょう。」

 

ノーム「すまん・・・ワシには『万能解毒薬』のような高度な薬は作れぬのだ。」

 

ライト「作れねえのは想定外だな。」

 

サトゥー(仕方ない。これ以上子供達を苦しめるのも忍びない。)

 

ジーク「サトゥーどうする?」

 

サトゥー「よし。では私達が作りましょう。これでも『幻想の森』の魔女殿の薫陶を受けたものです。必ず完成させてみせますよ。」

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

材料集め開始。黒歪石を渡し、対価の中級の体力回復薬を受け取った。

 

サトゥー「ありがとう。」

 

タスク「サンキュー。」

 

錬金術屋の設備を借り、問題無くタルに3つ完成させる事が出来た。巨人に合わせて量が多い。

 

 

 

 

そして、編み髭と共に山樹の麓の『森巨人』の住処に赴いた。編み髭の右肩にサトゥーとリザ、左肩にタスクとジーク。ライトはゴウラムに掴まって赴く。だがリザはガクガクと震えていた。

 

サトゥー(リザは高い所が苦手だっけ。これがギャップ萌えと言う奴か。)

 

すると山樹の実が落ちた。

 

ジーク「おい、実が落ちるぞ!」

 

だが編み髭が左手で軽く弾いた。

 

タスク「流石巨人だ。」

 

巨人の住処に到着し、石鎚と会った。

 

石鎚「帰ったか。首尾はどうだ?」

 

編み髭「解毒薬を入手した。」

 

解毒薬を、小巨人の女性達に渡す。

 

編み髭「薬だ。飲ませろ。」

 

女性巨人「その人族は?」

 

編み髭「薬を作らせた。」

 

女性巨人「人族の薬など・・・」

 

石鎚「このサトゥー殿達はミーア様の付き人だ。信頼して良い。」

 

ライト「疑うなら、俺達が毒見しよう。」

 

地上に降りて、ライト、サトゥー、タスク、ジークが解毒薬を毒見する。

 

ジーク「うん。身体に異常はない。」

 

タスク「大丈夫だ。毒は入ってない。」

 

巨人の女性達はその言葉を信じ、子供達に解毒薬を飲ませる。

 

サトゥー(これで治るはず・・・)

 

体が大き過ぎるせいか、毒が慢性だったせいか、効果が発揮されるのに少し時間が掛かった。子供達の状態は睡眠状態。

 

ノーム「・・・うむ。無事に毒状態が解除されたようじゃ。」

 

解毒の効果が効いた。4人は女性の巨人達からキスされた。称号『巨人の友』を得た。

 

石鎚「貴公の働きに感謝する。何か望みがあれば言うが良い。我らに叶えられる事なら何でも叶えよう。」

 

ライト「いや、何でもって言うのは・・・」

 

サトゥー「(・・・いやダメだ。たった10人しか居ない巨人達に、人族の都市から魔族を追い払ってくれと頼むのは申し訳無い。それなら、俺が銀仮面を被って排除に向かった方がマシだ。)私の友人の故郷に魔族が跋扈しているのです。」

 

編み髭「良かろう。貴公の為に我らが出向いて魔族と戦ってみせようぞ!」

 

サトゥー「いえ、流石にそれは対価としては過分にございます。魔族を弱体化させるようなマジック・アイテムか、魔族と戦える武器がございましたらお貸しいただけないでしょうか?」

 

石鎚「それならば良い品がある。昔、フルー帝国で作られた『魔封じの鈴』だ。一振りで魔族の正体を明かし、魔族の力をしばらく削ぐ事が出来るそうだ。」

 

サトゥー(中々良い品だ。まさにカリナ嬢用のアイテムと言えるだろう。)

 

ライト「サトゥー、自分だけで魔族を排除しようなんて思ってたんじゃねえだろうな?」

 

サトゥー「気付いてたのか?」

 

ライト「当たり前だ。俺がクウガに変身して、お前と一緒に戦ってやるさ。」

 

タスク「俺もだ。アギトの力で奴らを排除するさ。」

 

ジーク「俺達は仲間だ。」

 

サトゥー「すまない、ありがとう。」

 

そこにノーム達が、沢山の武器を運んで来た。

 

石鎚「好きな武器を選べ。全てを与える訳にはいかぬが、何れを選んでも貴公の役に立つだろう。」

 

タスク「良い武器が揃ってるな。」

 

サトゥー(ふむ。巨剣はストレージにある聖剣の方が強いし、大斧は趣味じゃない。ここは遠距離の物理的攻撃手段の確保を兼ねて。)

 

朱色の長弓に目を付けた。

 

サトゥー「では、その朱色の長弓を。」

 

石鎚「それを選ぶか。その魔弓を献上して来たスプリガンの魔法剣士は、迷宮で『フロアマスター』と呼ばれる偉大な魔物を倒した証に手に入れた品だと言っておった。この魔弓は数里離れた岩を穿ち、竜の鱗にさえ傷を付ける程の威力を持つ。そして、それ故に使い手を選ぶ。」

 

朱色の魔弓をサトゥーに与えた。

 

石鎚「小さき子のサトゥーよ。その魔弓を引いてみせよ。」

 

弦の強度を確認する。

 

サトゥー(本気で!)

 

弦を力強く引いて離す。周囲に弦の音が響き渡った。

 

 

 

称号『強弓の射手』、『魔弾の射手』、『魔弓の主』を得た。

 

 

 

石鎚「見事!これよりその魔弓は貴公の物だ。」

 

サトゥー「慎んでお預かりいたします。」

 

石鎚「魔弓も、貴公を新たな主と認めたようだ。」

 

魔弓が光輝いていた。

 

ライト「おぉ。」

 

ジーク「光が。」

 

石鎚「やるではないかサトゥー!恐らく筋力強化系のスキルを使ったのであろうが!この700年の間に巨人族以外でその魔弓を引けたのは貴公が初めてだ!今宵は宴とする!里の者も招いて盛大に祝おうぞ!」

 

小巨人達「応!」

 

沢山の食料を運んで来た。

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

カリナは不参加だったが、アリサ達はユビシロが連れて来た。

 

こうして盛大な宴が始まった。ポチとタマはデカイ肉にガジガジと噛み付く。アリサとミーアはデカイリンゴに噛み付くが、滑って落ちてしまった。

 

ライト「誰もが真似したくなるデカイ食い物に齧る行動。」

 

メイリン「これとっても美味しいです!」

 

ローズ「あ!メイリンズルい!」

 

タスク「あの姉妹も虜になってんな。」

 

ドロシー「良いじゃない。楽しそうで。」

 

サトゥー「そうだ。山樹の実を是非お土産に頂きたいのですが・・・」

 

編み髭「おお良いぞ。エルダー・スパローが居る辺りの木の実なら半分くらい捥いで行ってくれ。」

 

色々な種族の人と交流してみる。

 

サヤ「兄さん!この人達毛が柔らかいです〜!」

 

ジーク「おいサヤ、あんまり困らせんなよ。」

 

スキル、『鳥人族語』、『豹頭族語』を得た。

 

鼬人族の小男が余っている船を譲ってくれると言う話になった。船の対価は結界外の湖上に出没する『レイクスネーク』と言う魔物の討伐だった。

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

宴がお開きになった後、ライト、サトゥー、タスクはドライアドに頼んで山樹の頂上まで運んで貰い、熟して落ちそうな実を中心に半分程収穫していく。

 

ライト「結構収穫出来たな。」

 

サトゥー「そうだ、コボルトの鉱脈掘りの件も何とかしないと。ドライアド、居るかい?」

 

ドライアド「何〜?」

 

目の前にドライアドが出て来た。

 

サトゥー「悪いけど、ちょっと近くの山まで転移させて欲しいんだ。」

 

ライト「早急に頼むわ。」

 

ドライアド「良いよ〜!お代は頂くけどねぇ〜!」

 

転移魔法で近くの山まで転移させた。

 

 

 

 

無事に到着して、鉱脈掘りを開始するが、予定していた『ビット』の魔法だけでやるのは難しかった。

 

サトゥー「石や岩には穴は開けられないか。」

 

ライト「ちょっと崩れそうだな。」

 

マジックリボルバーのシリンダーを回す。

 

タスク「サトゥー、手伝うぞ。」

 

剣を握る。

 

サトゥー「ありがとう。」

 

岩盤はマジックリボルバー、剣、『マジック・アロー』や聖剣で掘削し、石はストレージに回収していく。

 

 

 

スキル『採掘』を得た。

 

称号『山師』、『鉱夫』、『鉱脈技師』を得た。

 

 

 

掘削時、ミスリル鉱石や銀鉱石、それにコバルトを含有する鉱石を見付けた。

 

 

 

掘削を初めて1時間後。

 

サトゥー「これが青晶か・・・綺麗だ。」

 

タスク「凄え、生で見たの初めてだ・・・」

 

ライト「青晶ってこんなに綺麗なのか・・・」

 

サトゥー「いや、光っているのは青晶じゃない。」

 

ライト「え?」

 

サトゥー「光石だ。」

 

タスク「何?こんな地の底に何故?資料によれば、日当たりの良い山奥にしかないと言う話だったけど・・・」

 

サトゥー「まぁ良いか。」

 

ライト・タスク「良いんかい。」

 

青晶のある空洞の入り口を印を付けた岩で塞いだ。これは、外気の流入による劣化を防ぐ為である。

 

ライト「地上に戻ったぜ。」

 

サトゥー「よし、坑道の入り口に丸太小屋を造るか。」

 

3人で造り、僅か1時間で完成。テーブルの上に、洞窟の入り口に書いた印と同じマークを記した紙を載せて、その重石に青晶とミスリル鉱石を置いておく。

 

タスク「サトゥー、周囲を調べたが、誰も住んでいなかった。」

 

サトゥー「分かった。じゃあコボルト達が見付け易いように火を焚いておくか。延焼しないようにして。」

 

ライト「薪持って来たぞ。」

 

 

 

 

 

 

ムーノ男爵領に来て20日目の朝。何食わぬ顔で山樹の宴会場に戻った。

 

ライト「あぁ〜良く寝た。」

 

ルル「おはようございます。ご主人様にライト様にタスク様が眠そうにしているなんて珍しいですね。」

 

サトゥー「おはようルル。ちょっと朝まで頑張っていたんだよ。」

 

タスク「お陰で体が少し怠い。」

 

ルル「皆さん、お疲れ様です。黄橙果実のジュースは如何ですか?」

 

サトゥー「ありがとうルル。」

 

タスク「悪いな。」

 

アリサ「朝まで頑張って・・・ま、まさか!巨人族のお姉さん達とエッチな事をしていたんじゃないでしょうね!?」

 

ミーア「むぅ、破廉恥。」

 

サトゥー「後ろ暗い事はしてないよ。普通に肉体労働していただけだ。」

 

エレナ「ライト、何かしたのかしら?」

 

ロゼッタ「サトゥーと同じように巨人族のお姉さん達とイチャイチャとか?」

 

ライト「んな訳ねえだろう馬鹿!肉体労働じゃボケ!」

 

ドロシー「タスク、ライトとサトゥーと一緒に何したの?」

 

メイリン「お?恋人の発見ですか?」

 

ローズ「お祝いしてあげようかしら?」

 

タスク「人聞きの悪い事言うな。」

 

昨日は結構、世の為人の為に頑張ったのに報われない話だ。

 

タマ「おはよ〜!」

 

ポチ「なのです!」

 

タスク「おうおはよう。」

 

カリナ「サ、サトゥー!」

 

サトゥー(カリナ嬢?)

 

彼らの元にカリナが来た。

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

サトゥー(宴会場にはユビシロさんが連れて来てくれたのかな?)

 

ライト「どうした?俺達に用か?」

 

カリナ「あの後、ラカさんと2人で相談したんですけれど・・・どうしても彼らが何を欲するのか判りませんでした。ですから・・・私、石槌様と話してみようと思いますの!森巨人達が外の世界に望む物があるなら、それを対価にする魔族退治の手伝いをお願いしてみます!きっと何かあるはずですわ!!」

 

ミーア「・・・・・」

 

アリサ「えーと・・・・」

 

ラカ『その通りだカリナ殿。諦めなければ必ず道は開けるのだ。』

 

サトゥー(そうか。昨日居なかったから、巨人の子供達の毒の事も、鈴の事も聞いていないのか。)

 

アイコンタクトでアリサと会話。

 

サトゥー『まだ話してないのか?』

 

アリサ『まだ。』

 

話してなかった。

 

カリナ「だから、貴方にも情報集めを手伝って欲しいのですわ!」

 

サトゥー(あ、また『貴方』呼びに戻った。さっきのサトゥーの呼びは何だったんだろう?)

 

ラカ『行商人のサトゥー殿なら、人の輪に入るのも得意であろう。』

 

サトゥー「その事なんですが、実は・・・」

 

するとそこに、毒が完治された巨人の子供達が。

 

巨人の少年「サトゥー!」

 

巨人の少女「人族のサトゥー!」

 

ライト「あら、復活早。」

 

巨人の少年・少女「ありがとう!!」

 

毒を治して貰って、サトゥーを胴上げしてお礼を言った。

 

カリナ「ず、随分仲良くなったんですわね・・・」

 

彼女に昨日の事を順を追って説明する。

 

ライト「昨日里に帰って来た森巨人達が・・・」

 

サトゥー「子供達の毒が・・・」

 

タスク「それでサトゥーが毒を・・・」

 

ジーク「そのお礼に・・・」

 

カリナ「ひえええええあああああ!?」

 

その話で、カリナが悲鳴?を上げた。

 

 

 

 

『BGM:安穏』

 

朝食後。

 

ライト「食った食った。」

 

カリナ「ねぇ、貴方達はどうして・・・そんなに何でも軽々と出来てしまうの?」

 

サトゥー「運が良かっただけですよ。」

 

ライト「運だ。」

 

タスク「運だな。」

 

ジーク「運。」

 

サトゥー「たまたま彼がが必要とする薬を持っていて、その対価に何が良いか聞かれたので、カリナ様の役に立ちそうな品を求めたのです。」

 

対価として与えられた魔封じの鈴をカリナに授ける。

 

カリナ「ムーノ男爵領は何を持って報いれば良いのかしら・・・爵位?それとも・・・」

 

アリサ「アリサちゃん鉄壁のガード!!」

 

ミーア「ん。鉄壁。」

 

2人の間に割って入った。

 

ライト「懐かしい技だな。」

 

ルル「ご主人様とくっ付き過ぎです!」

 

ナナ「マスター、次の任務を。」

 

ライト「お前らどんだけ執着心持ってんだよ・・・」

 

サトゥー(さて、カリナ嬢に返答しないといけないが・・・対価か・・・クハノウ伯爵の時みたいに、領内での魔法の巻物の購入許可を貰うのが一番実用的かな?元の世界に居た頃のままの年齢なら、カリナ嬢のような魔乳美人を妻に貰って貴族になる安定ルートを選んだかも知れない。でも・・・折角若返ったのだから。世界各地の名所を観光したり、異世界の秘境を探検する方を選びたい。)

 

カリナを貰うのではなく、この異世界の凡ゆる名所や秘境の探検を選んだ。

 

サトゥー「そうですね。『魔封じの鈴』の対価は、男爵様から直接戴きますよ。」

 

カリナ「直接・・・わ、判りました!私も覚悟を決めます!」

 

サトゥー「じゃ、里の観光に出発しようか。」

 

早く戻って魔族を倒したいカリナだったが、馬車より昨夜入手した船の整備をして、川下りをした方が早い事を説明して納得して貰った。

 

 

 

 

『BGM:休息』

 

観光途中にユニコーンの群れに遭遇。

 

サトゥー(気難しい獣なのは伝説通りか。)

 

背に乗る事が出来たのはライトとサトゥーとミーアとサヤだけ。

 

 

 

ジュルラホーンも遠くから見物。

 

サトゥー(聖剣ジュルラホーンそっくりの角だな。)

 

 

 

此方はユニコーン以上に警戒心が強かった。その為一目散に逃げ出した。

 

タマ「逃げた〜!」

 

ポチ「なのです!」

 

 

 

 

 

 

その翌日。山樹の実の外皮を書こうする工場にお邪魔した。繊維の加工を探検したり、『弾み果実』のゴムのように伸び縮みする繊維を使った糸を分けて貰った。

 

その糸を使って、アリサと一緒に下着や靴下も現代風に進化させたりもした。

 

ライト「靴下にドロワーズ。」

 

サトゥー「おおー。」

 

また、『堅殻果実』の外皮や、ヒュドラの皮を使った防具を試作してみた。

 

サトゥー(どちらも軽く、耐衝撃性や耐刃性能に優れている。)

 

護衛用はボディスーツみたいなインナー。

 

前衛の防具も改良。金属甲冑よりも防御力が高い。

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

観光している間に、ムーノ市周辺の状況も少し変化していた。

 

サトゥー(ムーノ市から領軍1500名が出撃?領内の人口を考えると異常は数字だ。)

 

1人の状態は『憑依』。他の兵達の状態は『興奮』。

 

サトゥー(領軍は『憑依状態』の騎士の1人が率いている。騎士には精神魔法を使える『分体』が憑依しているからか、従軍する兵士達の状態が全員『興奮』になっている。進軍の方向から推察すると、大森林の遺跡に拠点を構える大盗賊団700名を討伐するのが目的らしい。最も、討伐される盗賊達よりも、領軍の兵士達の方が賞罰を刻まれている割合が多いから、どちらが悪党かは断じ難い。)

 

 

 

 

 

 

『BGM:焦眉』

 

その翌日。ムーノ男爵領に来て23日目の早朝。

 

マップを見ると、分体が表示されていた。大森林の奥にあるゴブリンの集落に魔族の分体が居たのだが、周辺のゴブリン達の数が変だった。10日前には、総数750匹ほどだったのが、今ではその20倍を超えていた。幾ら何でも増え過ぎている。

 

サトゥー(カボの実か。もし魔族が繁殖の為に暗躍していたのなら、この数も可笑しくないのかも。)

 

そのゴブリン達が移動を開始しつつ、3つほどの大集団に集まろうとしていた。目指すのはムーノ市。

 

サトゥー(ムーノ市周辺の村落が大変な事になりそうな気がする。山中の砦の老人軍団や、子供達は大丈夫だと思うが・・・だけど今は、ムーノ市を守るべき領軍は大森林の奥の大盗賊団の拠点で戦闘中。ムーノ市に残る兵士は僅か100名足らず。それに、このゴブリンは魔族が繁殖を促したはず。城壁に守られたむムーノ市が無事かも微妙だ。ムーノ市にはカリナ嬢の家族も居る。ここは手早くムーノ市に危機を報せに向かった方が良さそうだ!)

 

 

 

早急に新装備への着替えと出発準備を整えさせ、世話になった里の人達や、森巨人と慌しい別れを済ませた。

 

 

 

一行は、ドライアドへ会いに行った。

 

サトゥー「ドライアド、頼む!」

 

ライト「早急にな。」

 

ドライアド「ふぁ〜い!行くよ〜!」

 

ワープ開始。

 

 

 

 

ワープ終了。

 

ライト(サトゥー、ムーノ市までどれくらいだ?)

 

サトゥー(ここからムーノ市の城壁までは直線距離で5キロある。)

 

ライト(んじゃ行くか。)

 

サトゥー(待って。魔族の位置をチェックする。)

 

マップで魔族の位置を調べる。1体の魔族を確認した。レベルは26。

 

サトゥー(魔族の本体のレベルが26まで低下してる。どうやらレベルの変化から計算して、執政官と騎士に憑依したのを除いても、11体の分体を増やしたようだ。その内の一体が領地の南西方向に移動している。方向からしてヒュドラ達の群生地に向かっているようだ。ヒュドラを使ったMPK・・・誘導した魔物による殺戮を狙っている可能性がある。そして、残り10体の分体達は何を企んでいるのか、領軍を外側から包囲するような位置に付いている。領軍と大盗賊団との戦闘も続いていて、今朝確認した時より数が減っている。)

 

カリナ「こ、ここは・・・?」

 

サトゥー「ムーノ市近くの森ですよ。ほら、その茂みの向こうにムーノ市の城壁が見えるでしょう?」

 

カリナ「ほ、本当ですわ・・・」

 

ライト「予測通りだな。」

 

カリナ「「ねぇ、貴方達は何者ですの?」

 

サトゥー「ただの行商人ですよ。」

 

ライト「そして俺はただの旅人。」

 

サトゥー「親切なドライアドが運んでくれただけです。」

 

ライト「んな事より、折角彼奴が近道させてくれたんだ。ムーノ市へ向かうぞ。」

 

カリナ「え、えぇ。貴方の言う通りですわ。行きますわよ!皆さん付いてらっしゃい!」

 

タマ「カリナ待って〜!」

 

ポチ「独断専行はダメなのです!」

 

サトゥー「俺達も行こう!」

 

タスク「行くぞ!」

 

 

 

 

ムーノ市・正門前。

 

ラカ『開門!これなるはムーノ男爵令嬢、カリナ・ムーノ様に在らせられるぞ!疾く開門せよ!』

 

しばらくすると、衛兵達が門を開けた。

 

衛兵「男爵令嬢だと?何か身分を証明する物を出せ。」

 

カリナ「証明するもの?」

 

衛兵「そうだ。俺達下っ端兵士は男爵様の家族の顔なんて知らねぇ。家紋の入った指輪なり短剣なりを見せてみろ。」

 

カリナ「偉そうですわ・・・」

 

タスク「証言だけじゃ無理か。」

 

サヤ「カリナ様、何かお持ちですか?」

 

カリナ「それでしたら、この外套の留め金がそうですわ!」

 

外套の留め金を外して、サトゥーに渡した。

 

サトゥー「衛兵殿、これで宜しいか?」

 

衛兵「こ、これは!!ご・・・ご無礼の段、平にお許しを・・・」

 

カリナ「許します。」

 

留め金を戻す。

 

 

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

遂に、ムーノ市へ入った。

 

商人「魔王様の復活は近い!滅びの時を越え、新たな世界で生を謳歌したいのなら、我らの自由の門戸を叩くのだ!それのみが『魔王の季節』を生き延びる手段!」

 

ライト「何だあの集会?」

 

衛兵「あぁ、あれは・・・『自由の翼』って言う魔王信仰者達だ。」

 

ライト「魔王信仰とかあんのかよ・・・良いのかよ?あんなのが居て。」

 

衛兵「悪さをする訳じゃないし、実害は無いんだが・・・執政官様から見かけても、手出ししないようにと言われてるしな・・・」

 

サトゥー「執政官様が?(そりゃ魔族の執政官なら魔王信仰を許可するだろう。)」

 

衛兵「王祖様が建国の際に『信仰の自由』ってのを国民に許されていたからだってさ。」

 

サトゥー(王祖ヤマトの日本人疑惑が一気に深まりそうな話だ。)

 

衛兵「ま、それは建前で。実際の所はあの演説している奴が、公爵領の有力商人のドラ息子ってのが理由なのさ。」

 

サトゥー(成る程。景気の悪いムーノ市に足を運んでくれる商人と言う訳か。念の為確認してみたが、彼らに状態異常は無かった。)

 

 

 

 

一行は城へ向かう。

 

アリサ「もしかして、あの丘の上が全部お城なの?」

 

カリナ「えぇアリサ。このムーノ城は広さだけなら、王城や公都のお城に次ぐ規模なのですわ。」

 

エレナ「す、凄いわね・・・」

 

この城は3重の城壁に囲まれており、その占有面積は、都市全体の3割強である。

 

 

 

広間。

 

サトゥー(同じ形の広間が迷路のように繋がっていて、侵入者の方向感覚を奪う造りになっている。)

 

広間が繋がる区画を抜けると、広い空間に出た。

 

サトゥー(遠くには兵舎が・・・万単位の兵士が駐屯出来そうな場所だ。)

 

空堀を越え、3つ目の城壁を抜けると・・・

 

 

 

 

 

 

『BGM:閑寂』

 

ようやくムーノ城の本棟の全貌が見えた。

 

ドロシー「少し焦げてるわね。」

 

ローズ「本当だ。」

 

サトゥー(焦げたような跡は、恐らく『不死の王』ゼンの軍勢との戦いのものだろう。)

 

リザ「ご主人様、ライト様、あれをご覧下さい。」

 

ライト「どうした?」

 

城の塔を見ると・・・

 

サトゥー(あれは・・・魔砲?)

 

ライト(何であれが?)

 

塔の上に、あの魔砲が。

 

 

 

〜ツヅク〜




         キャスト

       ライト:山崎大輝

      サトゥー:堀江瞬
        ポチ:河野ひより
        タマ:奥野香耶
        リザ:津田美波
       アリサ:悠木碧
        ルル:早瀬莉花
       ミーア:永野愛理
        ナナ:安野希世乃
      ロゼッタ:上田麗奈
       エレナ:山本希望
       ジーク:相葉裕樹
        サヤ:大野柚布子
       タスク:小林裕介
      ドロシー:山村響
       ローズ:藤田咲
      メイリン:佐藤亜美菜

   カリナ・ムーノ:川澄綾子
        ラカ:髙階俊嗣

     ドライアド:森永千才

       ノーム:浜添伸也
     
       編み髭:浜田洋平
     女性の巨人:衣川里佳

       小巨人:松田修平

      コボルト:小若和郁那

        石鎚:田中進太郎

DEATH MARCH59「執政」
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