『BGM:懊悩』
ライト(何であれが?)
サトゥー(リザと前にレイスの潜む砦跡の地下宝物庫で見た魔砲と変わらない姿だ・・・)
以前にレイスの潜む砦跡で見付けた魔砲を見付けたのだった。
カリナ「リザは『魔砲』を知ってますの?お父様が領主になった時に撤去させた物なのですけれど、執政官が治安維持の為に再設置させたハリボテですの。」
ライト「ハリボテだと?」
サトゥー「じゃあ、壊れているのですか?」
ラカ『うむ。魔族を倒すのに使えないか調べに赴いた事があるが、制御装置が根刮ぎ抉り取られていた。』
ジーク「抉り取られた?どうやって?」
ラカ『恐らく「闇魔法」か「空間魔法」によって破壊されたのだろう。』
ライト(もし破壊したのが「不死の王」のゼンだとしたら、使ったのは「影魔法」に違い無い。)
サトゥー(成る程。セーリュー市では影鞭を使ってやりたい放題に見えたが、あれで充分手加減してくれていたのか。)
カリナ「貴方なら直せるのではありませんの?」
サトゥー「不可能です。」
カリナ「では貴方なら直せるのですか?」
ライト「俺も無理。」
タスク「同じく。」
サトゥー(修理する為の機材や設備が無い。それに民衆に向けられるかも知れない大量破壊兵器を修理して、戦争に使われでもしたら寝覚めが悪い。)
『BGM:閑寂』
ムーノ城に入った一行。
メイド「カリナ様!よくぞご無事で!」
そこに、3人のメイド達がカリナを見て驚いた。1人のメイドがカリナに駆け寄り泣いた。
カリナ「ただいま帰りましたわ。ピナ。」
サヤ「良かったですね。」
ドロシー「えぇ。」
するとタマがサトゥーの袖を引っ張った。
タマ「む〜。」
サトゥー「どうかしたのかい?」
エレナ「どうかしたの?」
サトゥー「いや、タマの様子が変なんだ。」
タマ「足元が変〜・・・」
サトゥー「?」
エレナ「足元?」
タマ「帰ろ〜。」
リザ「タマ。あまりご主人様を困らせてはいけません。」
エレナ「タマどうしたの?」
サトゥー(俺の危機感知スキルや罠感知スキルに反応は無いのだが、タマは何に怯えているのだろう?)
マップを調べてみると。
サトゥー(地下牢らしき場所に魔族執政官が居た。恐らくタマはコイツを感知したのだろう。野生の勘か、索敵スキルかは分からないが、大した物だ。)
ライト「えっと、感動の再会を邪魔して申し訳ないが・・・」
ピナ「はっ!し、失礼致しました!」
ライト「いやいや落ち着け。」
その後メイドのピナが、彼らをムーノ男爵の居る上階の私室へと案内してくれた。
ムーノ男爵「カ、カリナ!?」
カリナ「お父様、お姉様、ただいま戻りましたわ。」
ムーノ男爵「カリナ!!よくぞ無事で!!」
涙を流して、カリナを強く抱き締めた。
ソルナ「あらあらまぁまぁ。おかえりなさいカリナ。」
カリナ「ソルナ姉様・・・」
ソルナ「あなたが失踪してから、お父様は夜も眠れずにずっと心配されていたのですよ・・・」
カリナ「ごめんなさい・・・お父様・・・」
首を振る男性は、サトゥーを見てウィンクした。
アリサ「きゃああああああ!!」
ライト(あ、BLスイッチ入った。)
ルル「アリサ、ダメよ?」
アリサ「むぅ〜・・・」
ライト「失礼だが、アンタは?」
ハウト「初めまして。僕は勇者ハウトだ。」
サトゥー(本物のマサキ・ハヤトと一文字違いだ。勿論勇者の称号は持たず、レベル7しか無い。)
勇者ハウトのレベルは7。スキルは片手剣と盾の2つ。
サトゥー「勇者様でしたか。私は行商人のサトゥーと申します。」
ライト「俺は旅人のライトだ。」
ハウト「様付けは不要だ。ハウトと呼んでくれ。」
ライト「じゃあハウト。改めて宜しく。」
ハウト「ああ。」
メイリン「ん?その黒い剣は何ですか?」
ハウト「これかい?使徒様にこの聖剣ジュルラホーンを与えられて勇者に任命されたけど、元はしがない農民さ。」
アリサ「ジュルラホーン!?シガ王国の失われた聖剣の事?本物なの?」
ライト(いや、あれは紛れも無く偽物だ。だろ?)
サトゥー(ああ。何故なら本物は俺が持っているからだ。)
彼の持ってるのは、魔剣ジュラルホーンだ。
サトゥー(神の使徒に化けた魔族が用意した偽聖剣だろう。)
ハウトの話によると1年程前、寒村に住んでいた彼の下に、光に包まれた男性が現れて、彼が勇者であると告げ、聖剣を置いて行ったそうだ。その翌日に執政官が彼を迎えに現れ、それ以後城で兵士達に鍛えられていたらしい。
ライト(だが偽勇者の癖に善人な性格だ。)
サトゥー(ああ。勇者の名声を地に落としたいならもっと俗な人間の方が楽だろう。)
タスク(ライト、サトゥー、魔族の中には変身を得意とする奴が居る。)
ライト(変身?)
サトゥー(確かに。如何にも善人な彼に信頼を集め、その後に自分が成り代わる事を企んでいるのかも知れない。)
タスク(今後、この男に用心しておこう。)
サトゥー(ああ。けど魔族が何を企んでいたとしても、倒してしまえば実行する事も出来ないだろう。)
レーダーを確認する。
サトゥー(さて、レーダーに映る魔族執政官と憑依状態の騎士を示すマーカーが、もうすぐこの部屋に到着する。)
するとタマが何かを感じた。
タマ「何か来る〜!」
ポチ「何が来るのです?」
チャールズ「どうしたの?」
サトゥー「ルルはミーアとアリサを連れてそっちの壁に移動して。ナナは3人のガードに。リザ、ポチ、タマは4人の前に展開。」
ライト「ダリー、ティア、アイーダ、ドロシー、ローズ、メイリンはドリューとチャールズとサヤを連れてアリサ達の所へ避難しろ。」
アイーダ「分かった!」
ティア「こっちよ!」
ライト「タスク、ジーク、エレナ、ロゼッタ、リカルド、クレアは戦闘準備だ。」
リカルド「何が来るんだ?」
ライト「来てみればの楽しみだ。」
クレア「了解よ!」
サトゥー「抜刀は俺の合図を待て。」
ライト「焦らず冷静にな。」
ハウト「どうかしたのかい?サトゥー君、ライト君。」
ライト「ちょっとな。」
ドアが開いた。入って来たのは、執政官らしき男と騎士だった。
『BGM:転身』
ラカ『カリナ殿!奴だ!』
カリナ「ラカさん!強化を!お父様、離れて下さい!」
ムーノ男爵「カリナ?それに今の声は一体・・・?」
執政官「これはカリナ様。ご無事でしたか。所で、そちらの平民達は何者ですかな?」
カリナ「執政官!いいえ魔族!貴方の企みもここまでですわ!」
執政官「カリナ様、何を仰って・・・」
カリナ「問答無用ですわ!!」
ラカが超音波を発して、執政官と騎士を苦しませた。すると執政官と騎士から魔族が出て来た。だが騎士に憑依してる魔族が再び騎士に憑依した。
サトゥー(騎士の方はすぐに体の中に戻ってしまったが、あれがスプリッターか!同じ姿をしていたから、どうやら騎士の方にも魔族のスプリッターだったみたいだ!)
ラカ『カリナ殿!今だ!』
カリナ「わかりましたわ!覚悟!」
騎士「カリナ様!乱心召されたか!」
前に出た騎士が盾を構える。
カリナ「邪魔ですわ!!」
飛び蹴りが盾に直撃したが、騎士の力強い押しで押し返されてしまった。
カリナ「っ!」
魔族「オ”アアアア!!」
押し返されたカリナが倒れてしまった。
ライト「カリナ!!」
サトゥー(彼女の代わりに始末を!)
ライト(くっ!)
騎士の後ろに回り込んだライトとサトゥーが何かに気付いた。
サトゥー(っ!?後ろに居たはずの魔族執政官の姿が無い・・・)
ライト「まさか!カリナ!鈴を鳴らせ!」
ラカ『ダメだライト殿!カリナ殿は気絶しておる!』
ライト「くそっ!ジーク!カリナを頼む!」
ジーク「分かった!」
サトゥー(ラカに守られたカリナ嬢があの程度で目を回すとは思えない!先程の魔族の吠え声が精神魔法だったのだろう!)
魔族が騎士に憑依し、触手を持った魔族へと変貌した。
ライト「何!?」
タスク「くっ!」
サトゥー(遅かったか・・・2体のスプリッターが騎士の身体を乗っ取った。そのせいか種族も変わって、レベルも騎士と同じに・・・)
魔族「小娘如きニ、ワシらの計略ヲ台無しニされるとハ・・・」
レベル20の魔族。
ライト「現れやがったな魔族!」
魔族の野望を打ち砕くには・・・
『BGM:緊迫』
ハウト「魔族よ!貴様の相手は僕だ!サトゥー君、君達は男爵様を連れてこの場から逃げたまえ。」
彼の手は微かに震えている。
サトゥー(成る程、魔族の人選は正しかったようだ。彼ならレベルが上がって強くなりさえすれば、内面に相応しい勇者になりそうだ。此奴の使う魔法は精神攻撃のみ。それはアリサに妨害させれば良い。)
魔族「オ”オオ・・・!」
サトゥー「ナナは俺と魔族の攻撃を捌くぞ。ライト、タスク、リザ、ポチ、タマ、魔族を倒せ!」
ライト「よし!タスク、久々に行くぞ!」
タスク「ああ!」
『BGM:激闘』
ライト「フッ!」
両手を腰に翳してアークルを出した。
タスク「フッ!」
両手を構えてオルタリングを出した。
ライト・タスク「変身!」
アークルの左のボタンを押した。オルタリングの左右のスイッチを同時に押した。
ライト「ッ!」
仮面ライダークウガ・マイティフォームへ変身した。
タスク「ハッ!」
仮面ライダーアギト・グランドフォームへ変身した。
魔族「オ”オオ!!」
攻撃を仕掛ける魔族だが、サトゥーの蹴りと、ナナの盾で防がれた。その隙にリザが魔槍ドウマで触手を絡ませ、ポチとタマが剣で魔族の両足を斬り裂く。
ライト「タァッ!!」
タスク「ハァッ!!」
クウガのかかと落としと、アギトのタックルで魔族を怯ませた。
魔族「グァオ!!」
ハウト「うわっ!!」
衝撃波がハウトを吹き飛ばした。
サトゥー「アリサ!ジャミングは任す!」
アリサ「オッケー!!」
魔族「ヴ・・・オオ・・・!!」
アリサ『
魔族「ヴヴッ!!」
サトゥー「ミーアとアイーダとティアは皆の治癒を頼む!ルルとジークとサヤは3人の護衛だ!銃は使うな!」
ルル「は、はい!が、頑張ります!」
ジーク「任せろ!」
サヤ「分かりました!」
ライト「超変身!」
タスク「フッ!」
クウガがドラゴンフォームへ超変身し、落ちてる木の棒を拾ってドラゴンロッドへ変貌させた。そしてアギトはストームフォームへ姿を変え、オルタリングからストームハルバードを取り出した。
ライト「ダァッ!!」
タスク「ヤァッ!!」
ドラゴンロッドとストームハルバードで魔族に挑む。
ハウト「ぐあっ!!」
衝撃波で吹き飛ばされたハウトを、ミーアが治癒する。
サトゥー(魔族の弱体化を維持して。)
魔封じの鈴を鳴らして、魔族を弱体化させる。
魔族「ヴヴ・・・!!」
タスク「ハァッ!!」
ストームハルバードの刃を展開させ、高速で回転して突風を起こして魔族を怯ます。
ポチ「とー!なのです!」
隙を見たポチが剣を振り下ろして魔族を斬る。
魔族「ヴヴ・・・!!」
ライト「おりゃああああああ!!!」
タスク「タアァ!!!」
スプラッシュドラゴンとハルバードスピンの同時攻撃を受けた魔族が煙となって消滅し、鎧がバラバラになって崩れた。
タマ「消えた〜!」
ポチ「中身の肉が無くなったのです!」
リザ「2人共、油断してはいけません。」
鎧の中から黒いネズミが飛び出した。そのネズミをリザが突き刺して消滅させた。
タマ「リザ凄い〜!」
ポチ「流石なのです!」
ライト「終わったか。」
タスク「・・・魔力を感じないな。」
サトゥー(念の為、ログとマップの確認。)
ログとマップを確認する。魔族の反応は消えた。
『BGM:休息』
サトゥー「皆、ご苦労様。もう戦闘態勢は解いて良いよ。」
ジーク「ふぅ・・・」
サヤ「兄さん、大丈夫でしたか?」
ジーク「ああ、心配無用だ。」
クウガとアギトは変身を解いた。
メイリン「ん?ライトさん、コアがありました!」
ローズ「こっちもあったわ!」
小さなコアを発見した。
ライト「コアだと?魔族にコアは無かったはずだ?」
サトゥー(魔族も魔物の一種なのか?セーリュー市で上級魔族を倒した時は残らなかったはずだ。この違いは何だろう?神剣を使ったせいなのだろうか?)
リカルド「おい、カリナは大丈夫なのか?」
クレア「まだ気絶してるわ。」
魔族の精神魔法による影響はアリサに解いて貰ったが、未だに目を覚ます気配が無い。そこに慌てふためく様子のレオン・ムーノ男爵が来た。
男爵「執政官や騎士エラルが魔族に?き、君!君は事情をしっているのかね?」
サトゥー「初めまして男爵様。私は行商人のサトゥーと申します。」
ライト「旅人のライトだ。」
サトゥー「私が存じているのは、カリナ様やラカから聞いた事だけですが、それで宜しいですか?」
男爵「・・・それで構わない。所で『ラカ』と言うのは何者かね?そちらのお嬢さん達の・・・耳族?ま、まさか!サトゥー殿とライト殿も勇者様なのかね!?」
ライト(そう言や、カリナと出会った時に驚いていたな。)
サトゥー「私は先程も申したように行商人でございます。」
ライト「俺はただの旅人なだけだ。」
サトゥー「勿論、私の仲間達に勇者は居りません。(嘘は言っていない。俺は勇者の称号を持っている行商人なのだから。)」
ライト(俺は勇者の称号を持った旅人とクウガなのだからな。)
ラカ『男爵殿。ラカと言うのは我の事だ。』
男爵「・・・!?」
サトゥー(ラカの事を知らない?男爵家の先祖伝来の家宝じゃないのか?)
ラカの話を大雑把に纏めると、偶然執政官が魔族だと知ったカリナが廃墟になっていたムーノ侯爵の離宮に逃げ込んだ時に床が抜け、彼の安置されていた隠し部屋に辿り着き、そこでカリナが彼の新しい主となった。
ライト「男爵、話を続けて良いか?」
男爵「あぁすまん。続けてくれ。」
ライト「んじゃ話すぞ。」
彼はカリナから聞いた話を男爵に伝える。ラカを手に入れたカリナが魔族を倒す助力を請いに、山樹の里に向かった事。ライト達とはその時に出会い、森巨人から先程のアーティファクトを借り受けて来た事。
ピナ「皆様、別室が用意出来ました。」
『BGM:懊悩』
皆をそっちに移動させ、ライトとサトゥーとタスクとジークと男爵は、話の途中だったので、彼の執務室に場を移した。
男爵「そのような事が・・・」
サトゥー「男爵様、話はそこで終わりではありません。巨人の里に居た精霊様から警告を受けたのですが、このムーノ市に危機が迫っているそうです。」
男爵「危機!?」
タスク「そうです。この都市の近くにゴブリンの大群が大発生しているそうです。その数は推定で万を超えます。」
男爵「万単位・・・だと!?」
オロオロと心配する男爵。
サトゥー「僭越ですが、近隣の村落に住む者達を市壁の内側に避難させるか、遠方に疎開させた方が宜しいのではないでしょうか?」
男爵「そ、そうだな!それが良い!早速執政官を呼んで・・・」
ジーク「文官の方でも良いんじゃ?」
男爵「はっ!」
無事に村落の人達の避難誘導に兵士を派遣して貰い、盗賊退治に出陣している領軍を呼び戻す為の伝令を出して貰う。
ライト「それと、さっきの話にまだ続きがあるんだ。」
男爵「ま、まだあるのかね!?」
ライト「(魔族の事を教えておかないとアカンからな。あっきの魔族の分体で終わりだと思われたらこっちが困る。)ああ。これも精霊から伺った話だ。魔族はさっきの1体だけじゃない。」
その間に、サトゥーがマップを確認する。
サトゥー(分体の1体がヒュドラの生息地付近まで辿り着いている以外は前と変化無い。だが、兵士達や盗賊達を示す光点の減りが早過ぎる。どうやら同士討ちをしているようだ。彼らの状態が『混乱』になっている。精神魔法を使える分体で囲んでいたのは、これが狙いだったようだ。)
彼らライトに頷き、ライトはサトゥーに頷く。
ライト「ヒュドラの生息地や、大森林の奥にある盗賊達の砦に多数の魔族を見えたと教えて貰ったんだ。」
男爵「た、多数の魔族!?も・・・もしや・・・魔王顕現の前兆では!?」
サトゥー(魔王か・・・それは勘弁して欲しいな。一応マップ検索をしてみたが、領内には魔王の称号を持つ者や、アリサのようなスキル『不明』なんて奴は居ない。魔族達が徘徊していたマップ空白地帯なんて、この男爵領の地下くらい・・・)
タマ『足元が変〜・・・』
城に入った時に言ったタマの言葉を思い出した。
サトゥー「(そうだ!確か城に入った時にタマがそう言っていた!あの時は地下牢に居た魔族執政官の事だと判断したが、まさか地下に魔王の卵でも転がっていたりしないよな?)男爵様、他にも『地下に注意せよ』と助言を戴いたのですが、何かお心当たりはございますか?」
タスク・ジーク「?」
男爵「嘗てここが侯爵領だった折に、『不死の王』が城の地下にある『シティ・コアの間』に呪いを掛けたのだ・・・その事かも知れん・・・」
ライト・サトゥー(シティ・コアの事をさらりと部外者の前で喋るな!!)
無表情スキル。
サトゥー(領主の最重要機密だろう!)
ライト「呪いか。」
男爵「そうだ。貴族や野心の持つ者が地下への階段に足を踏み入れると、徐々に体力や気力を奪われる呪いに侵されて行き、やがて死に至るのだ。」
ジーク「だったら、野心の無い神官に呪いを解かせば良いじゃないか。」
男爵「私がこの地の領主に就任する時、公都から聖女と名高いテニオン神殿の巫女長にお越し頂いたのだが、彼女のような心の清き方ですら、地下への階段の半ば程で耐えられなくなってしまわれた・・・」
ジーク「それ程危険なのか・・・」
サトゥー(あの不死の王・ゼンの呪いなら、奴が成仏した時に解けていそうな気もするし。俺ならすぐに『呪詛耐性』が付いて普通に入れそうな気もする。)
タスク「では、平民の兵士か、文官に調べに行かせてはどうでしょうか?」
男爵「無理だ・・・嘗て我が領地の平民の中で、最も胆力のある騎士ゾトルに地下を調べさせたのだが・・・かの者でさえ階段の半ばで恐慌状態になって戻って来た程だ。普通の文官達は地下への階段に近付く事すら出来なかったのだ・・・」
サトゥー(成る程。貴族や神官にはドレインと呪い、平民達にはフィアーか。ん?平民でも騎士になれるのか?)
男爵「私も男爵就任時に地下へ足を向けたのだが、途中で恐怖に駆られて、地上へと舞い戻ってしまったのだよ・・・」
ライト「・・・・」
サトゥー(あれ?それなら男爵はシティ・コアを掌握していないのか?もしかしたら、領地が飢饉なのは、シティ・コアを使った儀式魔法を使えないせいかも知れない。シティ・コアの間への経路に警備の兵士は居ないか・・・シティ・コアの間の見学序でに呪いを祓えないか試してみようか。さて、それは兎も角、魔族がゴブリン達を率いて襲って来た時にムーノ市の市民がパニックを起こさないよう指揮出来る人材が居ないのは困る。魔族が入れ替わる前の執政官はどうしたんだろう?)
ライト「男爵、本物の執政官の行方に何か心当たりは無いか?」
男爵「執政官・・・そうだ。執政官は爺だったはず・・・いや違う。爺は3年前の流行り病で逝ってしまった・・・公爵様から後任に相応しい者を派遣して貰ったはず・・・」
タスク(・・・・様子が可笑しいと思ったが、魔族に記憶を弄られた可能性があるな。)
サトゥー「(平民を執政官に任命する事はないだろうし、このムーノ市内に男爵一家以外の貴族はたった1人だけ。)ニナ・ロットル名誉子爵と言う方をご存知ありませんか?」
男爵「ニナ・・・鉄血のニナ!うむ、知っているとも!3年程前にオーユゴック公爵が我が領土に派遣してくれた執政官候補だ・・・!」
ジーク「男爵領の執政官が子爵なのか?」
サトゥー(確か、子爵の方が男爵よりも偉かったはずなんだが・・・)
男爵「そうだ、ニナ殿は何処へ?私が彼女の手を取って『爺の代わりを頼む』と言ったのは何時の事だ・・・」
ライト「魔族に記憶を消された可能性があるだろう。もしニナが存命なら、牢屋に閉じ込められているんじゃないのか?」
男爵「っ!?・・・ニナ殿!!」
急いで牢屋へ向かった。
タスク「行ってしまったな。」
ジーク「男爵って、結構心配性みたいだな。」
サトゥー(地下牢には他にも神官や鑑定スキル持ちの人達が投獄されているし、一緒に助け出して貰えれば戦力増強になるだろう。戦場を確認。)
マップで戦場を確認。
サトゥー「(予想より遥かに早く領軍や盗賊達は壊滅していた。此方から出向いて始末しておきたい所だが、飛行型の魔族と入れ違いになって身内に危険が及んでも困る。すぐに駆け戻れるくらいの距離まで引き付けてから・・・さて、男爵の後を追うよりも・・・)ライト、タスク、ジーク、頼みがある。」
ライト・タスク・ジーク「ん?」
サトゥー(男爵がシティ・コアを掌握する手助けをした方が良いだろう。)
シティ・コア入り口。
ドロシー「シティ・コアの入り口が見えたわ・・・」
ローズ「まさか男爵領に潜んでいたなんてね・・・」
メイリン「悍ましい気配が響いています・・・」
頼みとは、ドロシーとローズとメイリンとサヤを連れて来る事だった。彼女達ならこのシティ・コア掌握作戦の手助けになってくれるだろう。
ジーク「サヤ、気を引き締めて行くぞ。」
サヤ「はい。」
タスク「今まで行った中で、強力な魔力を感じる。」
ライト「掌握作戦開始。」
次の一手に、動きだす!
〜ツヅク〜
キャスト
ライト:山崎大輝
サトゥー:堀江瞬
ポチ:河野ひより
タマ:奥野香耶
リザ:津田美波
アリサ:悠木碧
ルル:早瀬莉花
ロゼッタ:上田麗奈
エレナ:山本希望
ダリー:村瀬歩
ジーク:相葉裕樹
サヤ:大野柚布子
アイーダ:日高里菜
ティア:小倉唯
チャールズ:関根明良
タスク:小林裕介
ドロシー:山村響
ローズ:藤田咲
メイリン:佐藤亜美菜
リカルド:細谷佳正
クレア:桜川めぐ
カリナ・ムーノ:川澄綾子
ラカ:髙階俊嗣
ハウト:狩野翔
ピナ:長野佑紀
ソルナ:衣川里佳
ムーノ男爵:田中進太郎
執政官:高橋伸也
魔族:小林康介
DEATH MARCH60「攻防」