デスマーチからはじまる異世界空我   作:naogran

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憑依した魔族・猪王は、セーラの身体の皮膚を千切って現れた。

セーラを救うべく、クウガ、サトゥー、アギトが立ち向かう。

猪王の残りライフまで後僅か。


DEATH MARCH71「幸運」

『BGM:戦士』

 

アルティメットキック、シャイニングライダーキック、2つの聖剣が猪王を撃破した。あれから五度魔王を倒したが、まだまだ魔王の残機は残っている。

 

サトゥー(聖剣と聖槍の消耗が激しい。そろそろ交換が必要だろう。)

 

この五戦の間に槍用の『三連螺旋槍撃』を覚えた。これは、『閃光斬撃』よりも決定力の高い必殺技スキルである。だが、それでさえ魔王を一瞬で殲滅する程の威力はなく、不本意ながら千日手が続いている。

 

サトゥー(勿論、リスクを取れば倒せない事はない。)

 

1つ目は、『流星雨』の連打。

 

サトゥー(だが、ここは公都の地下だ。地上の公都が壊滅するのは間違いない。)

 

2つ目は、過剰充填した聖剣エクスカリバーで斬る。

 

サトゥー(エクスカリバーを永遠に失い、迷宮が崩落する危険があるが・・・)

 

3つ目は、神剣を使う。

 

サトゥー(得体の知れない黒いオーラに侵食される危険を冒すが、被害は俺だけで済む。出来れば3つ目の手段は使いたくない。)

 

火炎炉(フォージ)』を超える中級や上級の攻撃魔法さえあれば、それにもっと沢山の魔力を過剰充填した聖矢を量産しておけば良かった。青液(ブルー)はあるが、魔王復活までの短時間で聖なる武具を作るのは不可能。

 

ライト「復活するぞ。」

 

サトゥー(そろそろ第13ラウンドが始まるようだ。)

 

残りライフを消費し、猪王が再び復活した。

 

アギト「流石にあのキックだと倒せないか。」

 

猪王『PWWGEEEEE!!!』

 

ライト「何か、彼奴狂ってる。」

 

サトゥー(前々回位から魔王の呂律が可笑しかったが、遂に人語を解さなくなってしまったようだ。魔王の方も限界が近いのかも知れない。)

 

猪王『BWWWWGWOOOO!!!』

 

下半身の触手を飛ばした。

 

ライト「ハッ!!」

 

ライジングタイタンソードを握って触手を斬った。

 

タスク「クッ!!」

 

シャイニングカリバーで触手を斬った。

 

ライト「サトゥー今だ!!」

 

サトゥー「すまない!!」

 

彼はジャンプして猪王に接近する。

 

サトゥー(三連螺旋槍撃!!!)

 

三連螺旋槍撃が猪王に命中・・・と思いきや、猪王の肋骨が開いた。

 

サトゥー「!?」

 

肋骨がサトゥーに急接近する。サトゥーが高く飛んで避けた。

 

サトゥー(肋骨が思ったより速い!!)

 

聖槍で肋骨を防いだ。

 

サトゥー「!!」

 

下を見ると、猪王が口を開いた。

 

サトゥー(火炎炉(フォージ)!)

 

火炎炉(フォージ)と猪王のブレスが激突する。威力は拮抗している。

 

サトゥー(ミスリルさえも蒸発させる火炎炉(フォージ)と、拮抗するようなブレスは浴びたくないな。・・・ん?蒸発?)

 

『軽い火傷で済んだ。』あれはライトと一緒にミスリルを蒸発させる実験にした時。

 

『肌が赤くなるだけで火傷はせずに。』これは、魔王に全力の火炎炉(フォージ)を使った時。

 

サトゥー(この差は何だ?何がこの差を生んだ?)

 

決まっている。蒸発する程の熱エネルギーを得た金属粒子の有無。それも、魔力を帯びやすい魔法金属の粒子。

 

サトゥー(・・・!!)

 

脳裏に光明が差すが、同時に理解する。それは、魔王を滅するには届かないからだ。この13度の戦いは伊達ではない。

 

サトゥー(魔王を倒すには、後一手が必要だ。後一手・・・)

 

”チリーン”

 

 

 

 

少女『ラッキーアイテムじゃから、大切にするのじゃぞ?』

 

 

 

 

船の上で八足豹の毛皮で眠っている時に、前世の時に出会った少女から授かった鈴のラッキーアイテム。

 

サトゥー(そうだな。)

 

ライト「ハァッ!!」

 

ライジングブラストペガサスで猪王に攻撃して怯ませた。その隙にサトゥーが取り出したのは青い鈴ではなく、青液(ブルー)の満たされた銀の小瓶だった。聖なる武具の中核になる青い金属溶液に残った魔力を送る。

 

サトゥー「これで・・・」

 

魔力が満たされた青液(ブルー)を、猪王に落とす。すると青色の烈光が輝いた。

 

タスク「凄い光だ・・・!」

 

ライト「よし。タスク!もう一度!」

 

タスク「おう!」

 

ライト「フッ!」

 

両足に封印エネルギーを集める。

 

タスク「ハッ!」

 

正面にアギトの紋章を浮かび上がらせる。

 

サトゥー(あの青い烈光に、全力全開の火炎炉(フォージ)!)

 

全力全開の火炎炉(フォージ)を浴びせられた烈光が激しく輝いた。

 

ライト「フッ!」

 

タスク「トォ!」

 

クウガがジャンプし、アギトが紋章を潜る。

 

ライト「おりゃあああああああ!!」

 

タスク「タアアァァァァァァァ!!」

 

サトゥー「終わりだぁあああああ!!!!」

 

アルティメットキック、シャイニングライダーキック、青色の烈光が猪王に直撃した。

 

猪王「グ・・・グオオオォォォ!!!」

 

封印エネルギーとエネルギーが流し込まれ、遂に猪王を討伐した。

 

ライト「・・・・」

 

タスク「・・・・」

 

爆発跡に、紫色の割れた球体があった。

 

サトゥー(魔王の核だったものか?これは焼け残ったのか。)

 

これ以上の復活は不可能。その証拠に、核から3つの光が現れた。

 

『クスクス負けたね。』

 

『負けたね。ヤマトと戦士に負けて。』

 

『名無しの勇者にも負けた。』

 

以前に揺り籠事件で不死の王ゼンの成仏後に見たのと同じ光。紫色の小さな光が魔王の核から浮かび上がる。

 

ライト(今回は3つか。)

 

紫色だが、色が黒い。感じる印象は同じだが、別物の可能性がある。

 

『所詮オークだね。』

 

『今度は何を使おう?』

 

『イタチなんか賢そうだよ?』

 

こちらが手を出せないと思って油断しているようだが。

 

ライト「ダァッ!」

 

サトゥー「ッ!」

 

タスク「タァッ!」

 

超自然発火能力、神剣、シャイニングカリバーで光を殺した。

 

サトゥー(すぐに格納。称号も戻して。)

 

以前、聖剣では素通りしたから、今回は危険を冒して神剣を使用した。

 

サトゥー(砕いた黒紫の光が神剣に吸い込まれた気がしたが、見間違いだろう。ステータスに変化ないし・・・)

 

そして戦利品の獲得ログが凄い速さで流れた。

 

『神のカケラを倒した!』

 

ちゃんとログにそう出ているから倒せたに違いない。

 

サトゥー(よく考えたら、神を敵に回すような行為にも思えるな。最も、魔王に力を貸すような存在なら、何もしなくても敵対しそうな気がする。)

 

敵対するにしても、100年後とか。時間も神スケールにして欲しいものだ。

 

『魔王殺し』、『魔王殺し《黄金の猪王》』、『真の勇者』、『名も無き英雄』の称号を得た。

 

サトゥー「疲れた。」

 

ライト「俺も疲れた。」

 

タスク「やっと終わったか。」

 

火炎炉(フォージ)を多用したせいか、蒸し風呂みたいに暑い空間になった。

 

サトゥー(氷結(フリーズ・ウォーター)。)

 

空間を冷やし、水分&塩分、スタミナ回復薬と栄養補填薬を飲んだ。

 

サトゥー(思ったより時間が経っていない。)

 

地下に来てからほぼ1時間

 

サトゥー(戦利品の自動回収(ドロップ・アイテムオートマチック・ルート)で、戦闘中に紛失した武器が戻ってきているな。)

 

ライト「サトゥー。ここを去る前に転移装置を破壊するか?」

 

サトゥー「その方が効率良いな。」

 

 

 

 

転移装置前に立つ。

 

ライト「根元は直径2メートル程か。おりゃああああああ!!」

 

ライジングタイタンソードを振り下ろし、転移装置を破壊した。

 

サトゥー(切断した転移装置は回収。)

 

ライト「これでOK。」

 

タスク「よし。」

 

2人は変身解除した。

 

 

 

 

その後、サトゥーは体を拭いて着替え、白い仮面と紫色のカツラを装着し、聖職者風のローブを羽織る。

 

サトゥー「2人もこれを。」

 

ライト「身分を隠す為か。」

 

タスク「俺もか。」

 

サトゥーと同じ仮面を被る。

 

ライト「これで帰還準備完了だな。」

 

サトゥー「じゃあ打ち合わせしてから行こう。」

 

 

 

 

打ち合わせ後、3人は保護していた巫女達の所へ向かった。

 

巫女A「わ、私達をどうするつもりですか?」

 

巫女B「お願い!神殿に帰らせて下さい!」

 

サトゥー(こんな格好の奴が現れたら、誘拐犯の一味と思うのも仕方ない。)

 

ストレージから服を出してあげた。

 

ライト「服を着ろ。それとも裸のまま神殿まで帰るか選べ。」

 

巫女B「・・・か、帰らせてくれるんですか?」

 

タスク「当たり前だ。誘拐犯共は別働隊が相手をしている。着替え終わったら地上へ戻るぞ。」

 

別働隊なんて居ないが、貴族に皆殺しにされたと告げられるよりマシだろう。

 

 

 

 

『BGM:疾駆』

 

その後、巫女達を何とかしがみ付かせるが。

 

巫女A「殿方の身体に抱き付くなんて・・・」

 

巫女B「ふ、不潔です!」

 

ライト(経験無しか。)

 

ゴウラムに2人の巫女を乗せ、脱出経路として予定していたコースを天駆や縮地で駆け抜ける。ゴウラムがそのスピードに付いて行く。

 

 

 

 

最上階に辿り着いた時には、2人共気絶していた。

 

ライト「ここから先は通路が埋められてやがる。」

 

ここから公都地下へ通じる階段があったのだが、土系の魔法を使って完全に埋められている。『落とし穴(ピット)』が使えれば良いのだが、魔法の性質上足元しか使えないのだが。

 

サトゥー(・・・足元?)

 

聖剣を握ってジャンプした。分厚い石材の天井を切り裂き、土を剥き出しにして、手元に天駆の足場を出す。

 

サトゥー(落とし穴(ピット)

 

天井に落とし穴を作った。

 

ライト「成る程。天井に穴を掘るって訳か。」

 

タスク「凄い発想だな。」

 

 

 

 

上へ上がり、出口は隠蔽。マップのこの場所にマーカーを付けておいた。その後、転送装置部屋へ向かい、切断と回収を完了。だが何故かこの部屋は無人だった。部屋の前で番をしていた男も居ない。

 

サトゥー(でも、もうこれで地下迷宮で余計な事は出来ないだろう。地下へ向かうか。)

 

テニオン神殿の敷地内に出る経路はあり、そのコースを選んで地下道を飛んで行く。

 

ライト(サトゥー。セーラの遺体は?)

 

サトゥー(確認してみる。)

 

セーラの遺体を確認。破損度は極大。失血度は大。

 

サトゥー(失血・・・)

 

セーラから流れ出た血を戻してみる。失血度の表示が消えた。

 

サトゥー(合成出来た。ならば、体力回復薬をドラッグ。)

 

体力回復薬をドロップさせたが、効果がない。

 

サトゥー(ドロップ不能・・・もしかしたら、聖剣を装備する時に『勇者』の称号が必要なように、こういった作業にも何か称号が必要なのかも知れない。関係ありそうな称号・・・救命師・・・薬師・・・聖者・・・合成出来た!)

 

称号:聖者を選び、再び体力回復薬をドロップさせる。何度か体力回復薬を合成する事を繰り返した。その結果、破損度の表示が消えた。

 

サトゥー(無駄ではないと思いたい。)

 

 

 

 

 

 

『BGM:意志』

 

テニオン神殿にある『聖域』。そこにある部屋の中に、1人の人物が居た。

 

???「あら。今夜の暗殺者は随分優秀なのね。」

 

窓からライト、サトゥー、タスクが巫女を連れて現れた。

 

???「こんなに接近されるまで気が付かなかったのは初めてだわ。」

 

ライト・サトゥー・タスク「・・・・」

 

???「あら。暗殺の序でに誘拐なの?」

 

サトゥーは2人の巫女をソファーに寝かせる。

 

ライト(テニオン神殿の巫女長様か。)

 

神聖魔法系の他に、人物鑑定スキルや危機感知スキルを有している。彼女に後の話を信じて貰う為に。

 

サトゥー「初めまして。ユ・テニオン巫女長殿。私はナナシ。貴女を害するつもりはない。」

 

ライト「俺はラット。ナナシの仲間だ。」

 

タスク「スタックと申します。」

 

サトゥー「この2人は、魔王信奉集団から救出してきrたバリオン神殿とガルレオン神殿の巫女だ。」

 

巫女長「確かに見覚えがあります。ねぇナナシさん。ラットさん。スタックさん。お顔は見せてくれないの?そんな仮面じゃ話し辛いわ。」

 

ライト「申し訳ない巫女長様。善行は隠れてする主義なのだ。どうがご容赦されたい。」

 

巫女長「そぅ。恥ずかしがり屋さんな勇者様なのね。」

 

サトゥー(声が若いな。とても二十歳には見えない。ここが神殿内の『聖域』だからか?)

 

巫女長「ねぇナナシさん、ラットさん、スタックさん。もしかしてテニオン神殿の巫女セーラの行方をご存知ないかしら?」

 

サトゥー「・・・知っている。」

 

巫女長「・・・あの子は逝ってしまったのね。」

 

セーラが亡くなってしまった事に、巫女長が静かに涙を流した。

 

巫女長「ナナシさん。ラットさん。スタックさん。1つだけ正直に答えて下さるかしら?」

 

スタック「答えられる事なら何なりと。」

 

巫女長「セーラの命を奪ったのは『自由の翼』?それとも・・・魔王・・・そうなのね。セーラは魔王の生贄にされたのね・・・」

 

サトゥー「そうだ。」

 

ラット「彼女を救おうとしたが、手遅れだった。」

 

スタック「私達の責任です・・・」

 

巫女長「そう・・・あの子は・・・運命に抗えなかったのね・・・」

 

彼女の話によると、そう遠くない日に魔王が出現すると神託があったと言う。ただ、その出現場所が神託を受けた巫女ごとに異なり、全部で7箇所もあった為、皆が皆、自分の信仰する神が齎した神託だけを信じたらしい。巫女長が予言したのは公都。その予言の最後に、セーラの死を仄めかすイメージが付随していたそうだ。

 

サトゥー(それを知っていたから、ムーノ市で出会ったセーラはあんなに生き急いでいる印象だったのだろう。)

 

セーラを呼び出した急報は、その予言を知った『自由の翼』がセーラを狙っていると情報が入ったからだったらしい。テニオン神殿の総力を挙げて守っていたのだが、今日の夕方に彼女は、神殿の部屋から忽然と姿を消していたのだ。

 

ラット(恐らく、空間魔法を操るオジャル野郎か、『自由の翼』の親玉の仕業に違いない。)

 

巫女長「ありがとうナナシさん。ラットさん。スタックさん。セーラの事は悲しいけれど・・・私は巫女長としてテニオン神に魔王復活の確認をして、魔族襲来の警報を鳴らす役目があります。もし魔王に挑まれるなら、私も微力ながらお手伝いさせて戴きます。」

 

サトゥー「待たれよ。魔王は既に討伐済みだ。」

 

ラット「我々が魔王を葬った。案ずる事はない。」

 

巫女長「・・・本当に?でも、称号が・・・」

 

サトゥー(・・・そうか。)

 

称号は魔王を倒した時に得た『真の勇者』にしておかなければいけなかったのだ。

 

サトゥー(・・・)

 

真の勇者の称号を表示し、その証拠となる聖剣を見せた。

 

サトゥー「我が称号と聖剣に掛けて、嘘偽りが無いと誓おう。」

 

巫女長「・・・信じます。『真の勇者』ナナシ。公都の人々に代わって、お礼を申し上げます。」

 

ラット「ユ・テニオン巫女長殿。そなたは蘇生魔法が使えるか?」

 

巫女長「えぇ使えます。ただし、幾つか条件があります。第一に、対象者がテニオン神殿の洗礼を受けている事。」

 

スタック(セーラ嬢は既に受けているから大丈夫だろう。)

 

サトゥー(うちの子達にも万が一の為にテニオン神殿の洗礼を受けさせておこう。)

 

巫女長「第二に、死後四刻半以内である事。」

 

ラット(約30分か。)

 

サトゥー(経過時間としてならアウトだが、肉体の劣化と言う意味では大丈夫だろう。・・・大丈夫であってくれ。)

 

巫女長「最後に、この『蘇生の秘宝』に充分な魔力が蓄えられている事です。」

 

胸の『蘇生の秘宝』。

 

巫女長「残念ながら、20年前に公爵の嫡子の蘇生に使ったので、後10年は使えません。」

 

蘇生の秘宝をサトゥーに渡す。

 

サトゥー(なんだ、そんな事か。)

 

蘇生の秘宝に魔力を蓄えようとすると、秘宝が魔力を押し返した。

 

サトゥー(ん?不思議な抵抗が・・・)

 

巫女長「ダメよナナシさん。もっと優しく。こんな風に神の祈りを込めるように、真摯に魔力を注ぐの。」

 

サトゥー(成る程。)

 

秘宝の核に魔力を注ぐ経路を開く為に魔力が必要で、経路を開く為に魔力を供給すると、それが干渉し、秘宝の核への経路が塞がるのだ。そして、この秘宝には、そんなパズルのような仕組みが100箇所以上存在する代物。

 

サトゥー(魔力を重点するのに30年も掛かるはずだ。)

 

現に巫女長の魔力が半減しているのに対し、『蘇生の秘宝』の魔力ゲージはピクリとも反応していない。だがサトゥーは、巫女長が実演してくれたお陰で、秘宝のコツが掴めた。

 

サトゥー「少し魔力を注がせて貰うぞ。」

 

蘇生の秘宝に魔力を注ぐと、中心部がゆっくりと開いた。

 

サトゥー(よし、開いた。ここからが本番だ。)

 

開いた経路に魔力を注ぐ。2000ポイント程の魔力を注いでも充填が完了しない。

 

サトゥー(気を抜くと経路が閉じようとする。仕方無い、魔力源を出して・・・)

 

聖剣を出し、魔力を注ぐ。

 

巫女長「・・・・!!」

 

追加で魔力を10000ポイント程注ぐと満タンになった。聖剣の容量は別格だ。

 

サトゥー(魔王戦でも魔力タンクとして大活躍だったからね。)

 

巫女長「凄いわナナシさん。使用可能の紋章が浮かんでいるわ。」

 

ラット「巫女長殿。これで蘇生魔法は使用可能か?」

 

巫女長「え、えぇ・・・」

 

サトゥー「ここにセーラの遺体を召喚する。死後数秒しか経過していない状態だから、条件を満たすはずだ。」

 

巫女長「そんな・・・時魔法は御伽噺にしか出て来ない実在しない魔法なのに・・・」

 

サトゥー(時魔法はないのか。)

 

ラット(俺達のストレージが時魔法の代わりか。)

 

サトゥー「その前に体調を万全にしろ。」

 

魔力回復薬とスタミナ回復薬を出した。

 

ラット「では、ここにセーラの遺体を召喚する。準備は良いか?」

 

巫女長「はい。何時でも構いません。」

 

ラット「ナナシ。」

 

ナナシ「ああ。」

 

身体を布で覆われたセーラの遺体を召喚した。

 

巫女長「セーラッ!!」

 

スタック「始めて下さい。何か手伝える事があれば何なりと。」

 

巫女長「いいえ。ここからは私1人で大丈夫です。」

 

スタック「では任せました。成功を祈ります。」

 

巫女長「ーーーーーーーーー・・・・・・」

 

詠唱を唱え、セーラを蘇生させる。

 

サトゥー(神聖魔法の詠唱は何時も長いが、今回は別格に長い。)

 

ラット(セーラは大丈夫か?)

 

魔法視スキルで魔力を可視化させて見る。

 

ラット(魔力の循環のようなモノが見える・・・)

 

巫女長「ーーーーーーーーー!」

 

魔力が遺体に注がれ、セーラの遺体の『遺体』の表示が消滅し、衰弱状態だが、セーラが蘇生された。

 

サトゥー(後は、巫女長達に任せて大丈夫だろう。)

 

ラット(良かった・・・)

 

スタック(セーラ嬢・・・)

 

巫女長「・・・セーラ・・・セーラ・・・!ありがとうございますナナシさ・・・ナナシさん・・・?ラットさん・・・?スタックさん・・・?」

 

既に3人の姿は何処にも無かった。

 

 

 

 

 

 

『BGM:閑寂』

 

3人はゴウラムに乗って空を飛んでいた。出発した時にマーカーを付けた『自由の翼』の船が沈没していたが、瑣末事なので気にしない。

 

ライト「心配して待っているアリサ達を安心させる為に早く帰るぞ。」

 

タスク「だな。ドロシー達も待ってるし。」

 

 

 

 

 

 

彼女達が乗ってる船に着地した。

 

サトゥー(それにしても、長い夜だった。)

 

長き戦いが終わり、船のドアを開けた。

 

サトゥー「ただいま。」

 

リザ「お帰りなさいませ!ご主人様!ライト様!タスク殿!」

 

タマ「おかえり〜!」

 

ポチ「なのです!」

 

ミーア「サトゥー!ライト!タスク!」

 

ナナ「マスターの無事帰還を祝福します。」

 

ドロシー「ライト!タスク!お帰りなさい。」

 

ローズ「お帰り2人共!」

 

メイリン「生きていますか!?」

 

タスク「大丈夫だ。本物だ。」

 

ジーク「無事で何よりだ。」

 

サヤ「お帰りなさい!」

 

ライト「ただいまジーク。サヤ。」

 

ルル「アリサ。ご主人様達がお帰りになったわよ。」

 

ベッドの布団に籠もってるアリサを起こす。

 

アリサ「ご・・・ご主人様様ぁあああああ!!!ライト様ぁああああああ!!!タスク様ぁああああああ!!」

 

大号泣しながらサトゥーに抱き付いた。

 

アリサ「無事!?無事よね!?足もあるもんね!おヘソは!?おヘソは取られていない?」

 

サトゥー「大丈夫だ。無事に帰って来るって言っただろ?」

 

ライト「心配するな。お前の予知夢をバッチリ覆してやったぜ。」

 

アリサ「う・・・うん・・・そうだけど・・・そうなんだけど・・・」

 

タスク「ほらアリサ。よしよし。」

 

アリサ「うっ・・・ううっ・・・」

 

泣きじゃくるアリサを撫でる。

 

ルル「お帰りなさいご主人様。ライト様。タスク様。何処か痛い所はありませんか?」

 

サトゥー「大丈夫だよ。」

 

タスク「心配させてすまない。」

 

ルル「何かお飲み物を戴いて来ます。アリサ。ご主人様はお疲れなんだから、イタズラは今度にしなさい?」

 

アリサ「・・・・」

 

どさくさに紛れてサトゥーの服を脱がそうとしてる。

 

ライト(カリナ達はツゥルート市の太守の館に滞在中か。)

 

マップでカリナの居場所を確認した。

 

サトゥー(魔封じの鈴を返さないといけないが、疲れたし明日にしよう。今日はゆっくりと眠ろう。)

 

アリサ達幼女に囲まれながら眠った。

 

ライト(何か久し振りのベッドだぁ〜・・・)

 

タスク(ベッドは至極だ〜・・・)

 

2人もぐっすりと夢の中へ入って行った。

 

 

 

 

『BGM:世界』

 

なお、魔王復活の予言があった7箇所は次の通りだ。

 

1・巫女長が予言した公都

 

2・迷宮都市セリビーラ

 

3・アリサの故国を侵略したヨウォーク王国

 

4・バリオン神国

 

5・鼠人族の主張国

 

6・鼬人族の帝国

 

7・他の大陸にある国。

 

 

 

 

翌朝。

 

サトゥー(七分の一の確率に当たるとは、セーラも俺達もあの都市も運が悪い。)

 

アリサ「神託がバラバラなんて、神様もテキトーよね。」

 

ライト「まぁな。」

 

アリサ「でもさ、これがゲームとかだったら、全部の場所に魔王が登場しそうよね!それでさ、全部の魔王を倒したら、大魔王とか裏ボスが出て来るのよね!」

 

ライト「ゲームならありそうな展開だけど、リアルでそんな事になったら世界が滅ぶフラグが湧き出るかもな。」

 

アリサ「あはは。それもそうね。あ、ルル!ポテチは塩とコンソメの2種類にして!」

 

外に出て行ったアリサ。ライトとサトゥーの2人だけになった。

 

ライト「アリサの言葉が本当になったら・・・」

 

サトゥー「・・・まさか・・・ね。」

 

下手なフラグ立ては避けるべし!

 

 

 

 

〜ツヅク〜




         キャスト

       ライト:山崎大輝

      サトゥー:堀江瞬
        ポチ:河野ひより
        タマ:奥野香耶
        リザ:津田美波
       アリサ:悠木碧
        ルル:早瀬莉花
       ミーア:永野愛理
        ナナ:安野希世乃
       ジーク:相葉裕樹
        サヤ:大野柚布子
       タスク:小林裕介
      ドロシー:山村響
       ローズ:藤田咲
      メイリン:佐藤亜美菜

        巫女:八木侑紀
           長野佑紀

       巫女長:能登麻美子

     黄金の猪王:小山剛志

DEATH MARCH72「公都」
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